027 追憶
(200?-??-?? 頃作成、2011-10-05頃修正)
それが夢だったか現実だったかはあまりよくわからない。
もう昔のことで記憶がぼやけている。
ただ、記憶という言葉が我々に喚起するイメージというものは、
悔しさ、悲しみ、喜び、喪失感、
…そんなものを伴った懐かしさ。
自分の過去を振りかえるときのみ、
人生というものが存在する。
あるいは存在するという錯覚を持つことができる。
夢でも私が体験したことには変わらない。
現実と異なるのは、他人とその出来事を共有できないこと。
私がそのとき得たものは何の役にもたたないかもしれない。
しかし、私にとっては、それが何事にもかえられない、
それと等価以上のものを発見できるという自信がない、
そういう体験だったのだ。
この記憶は私だけのもの。
それが私にとっての人生の意味。