How to Use Tools

ここでは、各種工具の使い方を説明します。

半田こて

最初に、自分が使用するハンダの種類を確認する必要があります、組成で大別すると「有鉛ハンダ」と「無鉛ハンダ」に分けられます。

電子工作では糸ハンダの芯にロジンやフラックスなどの活性材が入った通称「ヤニ入り」と呼ばれるものを使います。

ペーストと呼ばれる塗るタイプの活性剤は、後々で絶縁不良や錆びの原因になるのでプリント基板へのハンダ付けでは使用しません。

その代わりとしてフラックスと呼ばれる(昔は松ヤニをアルコールで溶かしたもの、現在は合成)薄茶色〜黄色の液体を、付きにくい対象に塗る事があります。

電子工作で使用する有鉛ハンダは錫60%鉛40%から成り、融点も約180℃程度と比較的低めの温度なので、温度調節機能があるハンダこてなら

370℃前後にセットするのが使い易いとおもいます。 無鉛ハンダの場合、組成によって融点が大きく異なるので一律には言えませんが、

少なくとも有鉛ハンダよりは高い温度にセットする必要があります。 大抵の場合は410℃前後に作業し易いところがあると思います。

温度調節機能がないコテでも、コテ先を長いものや細いものと交換すれば先端の温度は下がりますし、長さ調節ができるものならば、

先端までの長さを短くすることで多少温度を上がる事ができますが、基本的には作業内容に合ったサイズと発熱量(ワット数)のものを持っている必要があります。

コテの温度が低すぎるとハンダが十分に溶けないので、仕上がりにツヤがなく表面が乱反射しており、作業中もハンダがボソボソしてて細かい隙間に流れていかない状態になります。

逆に、高すぎるとコテ先がハンダをはじいて乗らなくなりますし、対象物の表面を玉になったハンダがコロコロと踊ってしまうので、

ハジかれてしまい、ちっとも付かない状態になります。

ハンダ付けする対象の表面は、油分や汚れ、経年変化による酸化皮膜(錆)などて覆われている場合も多いので、イソプロピルアルコールで脱脂したり

ヤスリやサンドペーパーで表面を削ったりする事が必要な場合もあります。

また、一見綺麗に見える錫メッキ線やリード部品の足も、時間が経過したものは表面の合金化が進んでしまっていてハンダが乗りにくい場合があります。

ハンダの酸化を最小限に抑えるためにも、先にコテ先にハンダを盛ってから付けるのではなく、対象をコテ先で温めておいてから隙間に糸ハンダを当てると

ハンダの芯にある「ヤニ」が流れて活性化されるので、溶けたハンダがスッと隙間に入って行きます。

十分溶けたハンダが馴染んだら、コテ先を離しますが、溶けたハンダが固まるまで絶対に部品を動かしてなりません。

一度溶けて固まったハンダの表面にツヤがない場合ハンダこてを離した後に動いてしまった可能性があります。

間違っても、こんな持ち方をしてはいけません(笑)

グノッシーのとんでもない画像例を引用

グノッシーの画像から引用)

半田吸い取り線

ハンダ吸い取り線は細い銅線を網状に編んだものでシールド線のアミ線に一見よく似ています、溶けたハンダが毛細管現象によって吸い上げられる事で一度ハンダ付けした箇所からハンダを除去し部品の取り外しを容易にしたり、過剰にハンダを盛りすぎた箇所を調整したりするのに使います。企業秘密なのか公表されていませんが恐らくフラックスかペーストに似た類の表面処理がされているようで純銅線よりもハンダが馴染み易くなっています、毛細管現象を利用する関係からハンダに十分な流動性が無いと吸い上げる事ができません。 熱容量の小さなコテでは吸い取り線に溶けたハンダが接触した瞬間に一気に温度が下がってしまい、最悪ハンダ吸い取り線をハンダ付けした状態で固まってしまう事もあります。

温度調節ができるコテならは設定温度を高めにしたり熱容量の大きなコテ先を使う事で作業性が改善できますが、どうしても手持ちの非力なコテ一本で対処しなくてはならない場合は吸い取り線と対象物を十分に予熱してからハンダを溶かすなどの工夫をする必要があります。 通称「ハンダメッキ」と言われる状態にするには一度ハンタを盛ってから吸い取り線で過剰なハンダを除去することで錆びやすい部品の下地処理やはんた付け時の馴染みをよくする事ができます、これは端子台や大型のスイッチなど熱容量が大きい部品の際使うテクニックの一つです。

半田吸い取り器

設計変更や定数の修正などで大量のリード部品やDIP形状のICやコネクタを取り外す必要に迫られた場合、ハンタ吸い取り線では時間もかかり作業性が悪いので、ハンダ吸い取り器を導入します。 原理的には何らかの手段で溶かしたハンダを負圧で強制的に吸い取る「掃除機」のようなものです。 バネ式のポンプを使うものはピストンが動く反作用で吸い取り器が動いてしまい大切なプリントパターンの銅箔を剥がしてしまう可能性があるので作業には細心の注意が必要です。安価なワンショットのポンプ式のものはハンダこてと同時に使う必要があるので作業に馴れないとなかなか思うように取れないと思います。コツは十分に熱してハンダの流動性を確保してからトリガーを引くことと、なるべく吸い取り口をぴったりと当てて漏れないようにして負圧がロスなく作業箇所まで伝わるようにする事です。 特にスルーホール基板にハンダ付けしたDIP ICやコネクターなどはハンダを除去してもまだ点接触している箇所でくっついているため外せない事が多く発生します、そのような時には第一に基板を痛めないのが優先ですので、DIP ICの足をニッパーで切り離しピン個別で作業するか、口金が絞れるヒートガンの熱風で局所的に温めて溶かすなどの対応が必要です。

ニッパー

この工具、判る人が見ると持ち方だけで一発で習熟度がバレてしまいます。 よく医療ドラマでちゃんと監修していない手術シーンでハサミの持ち方が 逆=裏返し だったりする(笑)のと同じですね プリント基板に挿したリードを切り詰める時と、被覆線を剥く時では向きを逆にするのが基本です。 電子工作の場合、部品の足のリードカッターとしての役目と、被覆線のワイヤーストリッパーとしての使い方に大分されます、専用工具には敵いませんが刃に丸い切り欠きがあるものは後者の作業で芯線を誤って切らないように考慮されたものです。

リードカットするときはただ力を入れるだけで良いのですが、被覆線を剥く時にはまず軽く刃先を当てて回転させることで芯線を切ることなく被覆だけをカットし剥くことで綺麗にカットすることができます。 逆さまに持って無理に引っ張ると被覆が円錐状に伸びてしまい剥き代が少なくなってしまいますし、ハンダ付けの際に今度は伸びた部分が熱で縮んでしまうために妙に芯線が長く露出してしまう状態になってしまいます。

ブレッドボード

何でこう呼ぶのか諸説あるが、確かに食パンのように見えない事もないけど正確な起源は正直解らない・・・、ひょっとするとどこかの製品の商品名だったのかも知れないが、まぁ呼び方は別にしてハンダづけしないでリード部品やDIP ICを挿して簡単に回路を組み上げ実験できるものの総称と思ってもらえば良いだろう、現在では2.54mmピッチのソケットが多数並んだものを指す、このソケットが縦方向に隣接する穴どうしが電気的に繋がっているので部品を挿すだけで並列に接続される構造である。 使い方はICなどの大物部品を先に挿して周辺に抵抗やコンデンサーもしくはジャンパー線で繋いでいく事で回路を形作るのであるが、例えばOpアンプやロジックICなどは入出力の方向と接続する順序を考えてから挿すと楽に配線ができる。 例えば8ピンの2回路入りOpアンプなどではpin3-->pin1方向、pin5-->pin7方向へと信号が自然に流れていく向きに挿した方が楽に配線できる。 ジャンパー線は部品のリード線を切ったものや、単芯のワイヤーなどで自作しても目的は達成できるが、作業の効率を考えると両側にピンが付いた専用のジャンパーワイヤーを用意しておく方がいいだろう。しかし、どうしても配線長が長くなってしまうためにインピーダンスが高い回路では動作が不安定になったり、大きな電流が流れるような回路では接点の接触抵抗が問題になったりしがちであるが、逆にこの不安定さが回路設計の危うい処が露呈するという動作検証の際の利点?もある、例えばプルアップのし忘れで動作が不定になるとか、入力端子が未処理でノイズを受けて誤動作するなんて事がごく普通に起きるということを知っておくべきだろう・・・