Equipments

このページには多少でも「予算に余裕があれば欲しい」という機材や工具について記載していきます。

テスター(マルチメーター)

現在ではデジタル式が主流です、電流、電圧や抵抗測定に加えて周波数、コンデンサーの容量やコイルのインダクタンスも測れる多機能なものも多いので選択に悩みますが、実は電子工作で一番多用するのは直流の電圧測定と導通チェック機能だったりするので、試用できる機会があればぜひこの2つの機能は試してみてください。

電子工作レベルであれば高精度なベンチ用などの高価なものは必要ないと思いますが、特に導通チェック機能は注意すべき点が多くあります、幾つかのチェックすべきポイントを列挙すると・・・

  1. Siダイオードの極性が判別できるか?
  2. LEDの点灯チェックが可能か?
  3. 導通チェックでDUT(Device Under the Test: 測定対象物のこと)に掛かる電圧や電流の大きさはどうなのか?
  4. 導通と判断する抵抗値の上限は?
  5. 同時に抵抗値が表示される機種の場合オートレンジの切り替え速度は十分早いか?
  6. 導通ブザーが鳴るまでの反応速度は十分か?

私がオススメするのは多機能で十分すぎる機能を有するこのモデルB35Tと、アマゾンで激安で売ってるLCR-T4素子チェッカーの組み合わせです。

B35T

秋月電子通商の販売ページより画像を引用

2000円程度の、もっと安いものでも一応目的は達せると思いますが、一度手に入れるとなかなか買い換える踏ん切りもつきにくいですし

多機能で困る事は一切無いので、この程度の機能と性能のものを持っていれば、よほど特殊な高精度アナログ回路でもやらない限り、ずっと買い換える必要は全く無いと断言できます。

BT経由で測定値を延々とログとったりできるのも他にない魅力の一つです、機能を割り切って多少安いD35にするという手もあります。

中華製の素子テスター(LCR+αメータ)

初めて目にする方も多いと思いますが、電子回路が壊れてしまって修理をしたり、良くわからない部品の現物を解析したい時に千円以下なのに絶大な威力を発揮するのがコレです。Textoolのソケットに部品の足を挟むか、右側の基板ランドに部品を置いて測定します。

LCR-T4

通常のテスターだけでなくLCR-T4も薦める理由は、最近は殆どの部品が表面実装のチップ部品になってしまい

趣味の電子工作であってもSMD部品を相手に奮闘せざるお得ません、特にチップ部品のコンデンサーには容量の表記が無いのが普通ですし、インダクターも外見では区別がつきません。

またトランジスタやダイオード等も熟練者であれば普通のテスターでも極性が判別できるのですが、これから始めようという初心者にはまず無理と言っても過言では無いと思うからです。

実際に動作させた例を紹介します、何も考えずにDUTを接続してボタンを押すだけです。

まずは普通の抵抗を測定

これでカラーコード読めなくてもオッケーですね(笑)

今度はフィルムコンデンサー

これで「822」とかの指数表記がスラスラ読めなくてももう平気です・・・

容量と同時にESR(等価直列抵抗値)と誘電体損失の値が表示されています。

電解コンデンサー

やはりケミコンはロスが多いですね・・・

デカップリング性能重視なら容量が同じでもESR値が低いものを比べて選べますね。

積層セラミックコンデンサー

MHz帯にある自己共振周波数とかけ離れた処で測ってるようでESR値が高めに出ています。

インダクター

インダクタンスと同時にDCR(直流抵抗値)も表示されました

電流を多く流すのなら直流抵抗が少ないものを選びたいものです。

1S1588小信号スイッチングSiダイオード

向きと同時に順方向電圧と静電容量が表示されるので、一般のスイッチング用とショットキーの区別が一目瞭然でつきます。

青色LED

測定中は青色に点灯しました、測定完了すると消えます。

ツェナーダイオード

これは順方向のダイオードとブレークダウンのダイオードとして電圧が表示されました。

2SC1815 トランジスター

あんまり正確じゃ無いけど一応hFEも表示されます。どの向きに挿しても自動判別されます。

2SA1016 トランジスター

これも自動判別で正しくPNPと判定されました。

J-FET 2SK30A

J-FETと判別されました、画像はありませんがMOS-FETもちゃんと区別して表示されました。

以上のように特にチップ部品では表記が無いコンデンサーやインダクター、3本足パッケージに略号表示があるだけで一体何なのか判らないトランジスター、ダイオード、FETなどが、ただ繋いで(もしくは右のSMD用のランドに置く)ボタンを押すだけで一発判別できるので、初心者の方はぜひ手に入れる事をオススメします。