噴流をもっとよく知りたい,という方のために私がいままで読んだことのある本を推薦します.あまり多く読んでいないので,数は少ないです.
まさに,噴流研究者のバイブル.昨年度研究していた「旋回噴流」についても理論的に詳しく載っている.1976年原版出版であるから,少々古いが,それまでの研究成果についてほとんど網羅している(と思われる).何が嬉しいって,最後に載っている参考文献!これを見れば,自分の対象にしている噴流の過去の代表的な論文については一発で見つけることが出来る.
粘性流体の力学:生井武文・井上雅弘共著,理工学社
粘性流体の力学について詳しく載っている本.とても役に立つ.第7章が「外部流れ」に当てられており,7・1で噴流について取り上げている.噴流について詳しくはないが,基礎的事項がコンパクトにまとまっている.噴流の基礎事項を学ぶには,とても良い本.(粘性流体を学ぶにもとても良い本です)
A.K.M.F.Hussainの論文
ファルツ・フセイン先生はアメリカのヒューストン大学の教授.自由せん断流中に存在するコヒーレントストラクチャー(秩序構造)研究の第一人者(だと僕は思っている).フセイン先生は昔から,自由せん断流を題材として,数多くの論文を書いている(二次元噴流,軸対称噴流,楕円噴流(非円形噴流)).
また,コヒーレントストラクチャーについてまとめた凄い論文が2本ある.1つは,
"Coherent structures and turbulence", Journal Fluid Mechanics, 173, pp303-356, 1986
なんと,50ページに及ぶ大著.もう1つは,
"Coherent structure - reality and myth", Physics of Fluids, 26-10, pp2816-2850, 1983
こちらも,40ページ弱の大著.しかも,この論文のレファレンスは約300本.凄すぎる.本当に読んでいるのか?(多分読んでいるのでしょう・・・)