まぁ,例を挙げればきりがありません.
軸対称噴流(円形噴流)はイメージが湧きますね.噴流の出口が,円形をしている噴流のことです.
他のも,名前そのままです.長方形なら,出口が長方形.楕円なら出口が楕円の形をしているわけです.
ちょっと分かりにくいのが,二次元噴流です.二次元というのは,xとyのみで扱える空間のことです.今私たちの住んでいる世界は3次元です.流体力学においても,取り扱う現象は3次元であることがほとんどです.しかし,3次元の現象というのは,とても複雑です.そこで,3次元の現象を理解する前に,それよりも簡単な二次元の現象を解明しようというわけです.
そこで,二次元噴流の意味ですが,下の図のようなノズル(噴流が出る出口のことです)があるとします.
まず,噴流とは何でしょうか?導入部分で書きましたが,ドライヤー,クーラー,扇風機など身近に噴流を用いている機械・器具はたくさんあります.
ここでは噴流を以下のように定義しましょう.
ある1つの空間から,ある速度を持った流体(気体または液体)が,異なる空間に噴き出す流れ
まぁ,僕が勝手に考え出した定義ですから,正確ではありません.でも感覚的に分かるでしょうか?
ドライヤーなら,ドライヤー内部の空間から,回転している羽根によって空気が加速されて出てくる.深く考えずに,噴流とはこんなものか,と理解してください.
噴流には,色々種類があります.一番ポピュラーなわけ方としては,噴流の出口の形がどういう形状をしているか,という分け方です.代表的な噴流としては,
二次元噴流(または平面噴流)
軸対称噴流(または円形噴流)
長方形噴流
正方形噴流
三角形噴流
楕円噴流
図.2次元ノズル
この縦と横の幅がとても大きい(専門用語では"アスペクト比が大きい")と,どこの断面を切っても同じ流れ場になっていると考えられます.金太郎飴と同じ原理です.金太郎飴も,どこを切っても同じ模様が出てきます.それと同様,図のような2次元ノズルを使うことによって,どこを切っても同じ(ような)流れ場になるわけです.
このような噴流を,二次元噴流(平面噴流)と言います.
私の発表論文を見てくれた方は分かるかもしれませんが,昨年までやっていた「旋回衝突噴流の熱伝達機構」で用いていたのは,軸対称噴流(円形噴流)です.ノズルの出口が円形をしているのが確認できます.ちなみに直径は30mmです.
そして,これからやろうとしている「二次元平行群噴流の微小かく乱による能動制御」は,題名に書いてあるとおり二次元噴流を使った実験です.
さて,上で挙げたのは噴流がどのような形状のノズルから出てくるかで,噴流を分類しました.しかし,噴流には他にもたくさんの種類があります.興味のある方は,
『噴流』N.ラジャラトナム著,野村安正訳,森北出版
に詳しくかいてあります.是非,ご覧になってください.