IPATypist 旧版

これは、日本語キーボードおよびアメリカ英語キーボード以外のキーボードを使っている方を対象としておいてあります。日本語キーボードおよびアメリカ英語キーボードを使っている方は、こちらに新しいバージョンがあります。

IPATypist は、IPA の発音記号を入力するための簡単なユーティリティプログラムです。デフォルトでは英語で使いやすいようにキーが配置されています。Doulos SIL フォントがインストールされている必要があります。まあ、発音記号自体は標準のフォントでも表示できるんですが、セリフタイプのフォントではないので、そのために SIL のサイトからダウンロードしてインストールしておいてください。このページにインストールの方法が詳しく書いてあります。英語もしくは日本語キーボードを使っている場合は、このページから最新版をダウンロードして使うこともできます。

元々このユーティリティは、 Teaching Pronunciation (1996) by Celce-Murcia, Brinton, and Goodwin の改訂している先生が、IPA のフォントの入力に手間取っていて、その補助のために作ったので、デフォルトのキー配置は少し特殊なものや組み合わせも含めて、この本で使われているもの がすべてあるはずです。それ以外にも、基本的な英語の IPA 記号はほとんどあるはずです。

使いたい記号がない場合には、キー配置の変更、別の記号の配置などができます。また、発音記号データベースによく使う単語の発音記号を登録しておくこともできます。

システム必要条件:Mac OS X Leopard 10.5.5 以降がインストールされた Mac と Doulos SIL フォント

Mac を使ってない人や、Leopard にまだアップグレードしていない人、さらに、自分の Mac じゃないからインストールできないけどインターネットにつながってる人なんかは、これの簡易 Javascript 版があるので、WebIPATypist を試してみてください。

使い方

    1. 入力したい記号のキーをクリックして、発音記号を入力していきます。普通の文字は、キーボードからそのまま入力できます。また、キーボードで普通に編集できます。入力した記号は、下のテキストフィールドにも表示されます。

    2. 入力が終わったら、Copy ボタンをクリックしてコピーします。Doulos SIL フォント 12 ポイントで、コピーされるので、そのまま、MS Word など、使ってるワープロソフトに貼付けてください。もし、フォント情報が保持されない場合は、テキストフィールドに小さく表示されている方を選択してコ ピーしてください。メニューの Edit -> Copy または Command + C でコピーできます。

    3. Clear ボタンをクリックすると、表示されている記号が消えます。

    4. IPATypist を終了するには、ウィンドウを閉じるか、アプリケーションを終了させてください。

括弧キー

[]、//、() の3つの括弧のキーは、表示エリアで何も選ばれていない場合は、表示されている記号の最初と最後に追加されます。もし、選択されている部分がある場合は、その前後に挿入されます。

キー割当の変更

ウィンドウ上のキーは、Mac で使えて、Doulos SIL フォントで表示できれば、括弧キーをのぞいて、どのキーにでもどんな記号でも割り当てることができます。メニューから IPATypist -> Key Mapping を選んでください。キーは位置に対応した上の方のテキストボックスに、好きな記号、文字を入力するかどこかからコピーして貼付けるかしてください。下の方に並んでいる記号をコピーして貼付けることもできます。

Pronunciation Database(発音記号データベース)

この機能は実験的なものです、予定通りに機能しない場合もあります。

Pronunciation Database(発音記号データベース)では、IPA の発音記号を単語もしくはフレーズを見出し語として登録していくことができます。

データ入力

    1. メインウィンドウで単語/フレーズを発音記号で入力します。

    2. メニューから Window -> Pronunciation Database を選んでデータベースウィンドウを開きます。

    3. Word に見出し語を入力し Pronunciation Variation(s) に発音記号を入力していきます。最大4つまで登録できます。(発音記号を見出し語にすることもできるはずですが)。入力した単語もしくは発音記号がデータ ベースに保存されるように、入力後は Tab キーもしくは Enter キーを押してください。データベースに登録されるとテーブルに表示されます。

    4. 登録されたデータは、検索/変更ができます。テーブル上のデータはコラムのタイトルが表示されている部分をクリックすることで並べ替えることができます。

    5. 登録が終わったら、データベースウィンドウを閉じます。

登録されたデータの利用

    1. データベースに登録されている単語をメインウィンドウで入力します。

    2. Look Up ボタンをクリック (Command + L) して、データベース上のデータを検索します。2つ以上単語が入力されている場合は、検索したい単語を選択してから Look Up ボタンをクリックします。

    3. 登録されたデータが見つかった場合は、下の Variation ボタンに登録されているデータが表示されるので、クリックして単語と置き換えます。Variation 1 ~ 4 のボタンは Command + 1 ~ 4 に割り当てられています。

データの読み込み/書き出し

    1. データベースに登録されているデータの書き出し、または CSV 形式のデータを読み込むことができます。書き出すには Import Data、読み込むには Export Data をクリックします。

    2. 書き出し/読み込みともに扱えるファイル形式は .csv もしくは .txt でコンマもしくはタブで区切られている形式です。書き出しは UTF-8 で、読み込みはいくつかの文字コードに対応しています。

データベースのデータは、XML ファイル (IPATypist.xml) として Library -> Application Support -> IPATypist フォルダに保存されています。データベースをバックアップしたいときは、このファイルをコピーしてください。

フォントの選択

メインのテキスト表示エリアのデフォルトのフォントは Doulos SIL 44 ポイントです。これを変更するには、Menu から Format -> Show Fonts を選ぶか、Command + T を入力してください。IPA の記号を持たないフォントを選ぶと、表示されない文字があります。サンセリフのフォントを使いたい場合は、Lucida Grande を選ぶといいでしょう。