小児

◆2025年3月27日

【Review】マイトファジーと自閉症スペクトラムの交差点（ブルガリア）
～ミトコンドリア機能不全がASDの原因なのか結果なのかがまだ明確になっていない～

自閉症スペクトラム障害（ASD）は、遺伝的素因を持つ人の環境要因と生理学的発達との複雑な相互作用から生じる神経発達および生物行動学的疾患群である。 ASDで最も頻繁に観察される代謝異常の中に、ミトコンドリア機能障害がある。ミトコンドリアは、その動態を変化させたり、マイトファジーを開始したりすることで、細胞ストレスに反応する。神経細胞では、機能不全に陥ったミトコンドリアと活性酸素種（ROS）の蓄積が、重大なリスクとなる。ミトコンドリアの健康を守るため、細胞は機能不全に陥ったオルガネラを除去する効率的な "クリーンアップ機構 "に依存している。オートファジーの特殊な形態であるミトファジーは、欠陥のあるミトコンドリアや機能しないミトコンドリアのターンオーバーを制御する役割を担っている。このプロセスに障害が生じると、神経細胞に欠陥のあるミトコンドリアが蓄積し、行動異常を伴ういくつかの神経変性疾患の特徴となっている。ミトコンドリアがエネルギー供給、細胞成長、増殖、アポトーシス、酸化ストレスを担っていることを考えると、その機能障害はATP欠乏と活性酸素の蓄積を引き起こす可能性がある。損傷したミトコンドリアと活性酸素が神経細胞に存在することは、これらの細胞が分裂による再生産ができないため、特に危険である。 ASDにおけるミトコンドリアの機能障害は、特に生理的プロセスに必要なエネルギーの適切な産生を阻害することによって、ASDの発症に重要な役割を果たしていると推測される。自閉症患者で観察される変化は、主に神経細胞、免疫細胞、腸細胞など、エネルギー需要の高い細胞に影響を及ぼしており、ミトコンドリア機能との関連を示す直接的な証拠となっている。明らかなギャップは、ミトコンドリア機能不全がASDの原因なのか結果なのかがまだ明確になっていないことである。マイトファジーとASDの交差点は、有望な潜在的治療法に関する今後の研究の基礎となる可能性がある。
▶論文情報The Intersection of Mitophagy and Autism Spectrum Disorder: A Systematic Review
Int. J. Mol. Sci. 2025, 26(5), 2217 発行日：2025年2月28日

◆2025年3月7日

生後6～11ヵ月の乳児における重要なビタミンDと鉄の摂取量（ドイツ）
～乳児は鉄とビタミンDの摂取量が足りていない～

補完栄養期の栄養摂取は健康な発育にとって極めて重要であるが、欧州の乳幼児に関する最新のデータは不足している。ドイツの乳児のエネルギーおよび栄養素摂取に関する最新データを提供し、欧州食品安全機関の食事摂取基準値（DRVs）と比較し、ビタミンD補充および市販の乳児用食品の栄養素摂取への寄与を評価する。分析は、2014年から2017年にドイツで実施された代表的な横断的食品摂取記録調査（KiESEL：Children's Nutrition Survey to Record Food Consumption）の6～11ヵ月の乳児118名の秤量された食品記録（3＋1日）に基づいている。エネルギーおよび栄養素摂取量は、ドイツ栄養素データベースBLS 3.02、LEBTABデータベース、およびサプリメントデータベースを用いて算出した。エネルギー摂取量とタンパク質摂取量の中央値はDRVを上回っていたが、脂肪摂取量は下回っていた。ビタミンとミネラルの摂取量はほとんどがDRVを満たすか超えていた。しかし、鉄の摂取量は人口基準摂取量にも平均必要量にも達していなかった。食品からのビタミンD摂取量は十分摂取量（AI）の半分以下であった。乳児の51.7％に投与されたビタミンDサプリメントを考慮すると、AIに達していた。女児のヨウ素摂取量はDRVを下回った。対照的に、レチノール等価物、ビタミンK、ビタミンCの摂取量はDRVの約4倍であった。市販の乳児用食品は、摂取量がDRVを下回るすべての栄養素の主要な食事源であった。
▶論文情報Critical vitamin D and iron intakes in infants aged 6–11 months: results from the nationwide German KiESEL study
Front Nutr. 2025 Feb 17:12:1472685. 発行日：2025年2月17日

◆2025年2月25日

【SR&メタ解析】小児および青年の鉄欠乏性貧血治療における鉄補給の最適量と期間（インド）
～低用量の鉄補給（5mg/kg/日未満）がHbの改善には好ましい～

鉄欠乏性貧血（IDA）は、世界全体の貧血症例の約3分の2を占める。鉄補給が広く行われているにもかかわらず、鉄欠乏性貧血の治療に最適な量と期間は不明なままである。本研究では、IDAの小児および青年（19歳以下）におけるヘモグロビン（Hb）値の改善に最も効果的な鉄補給量と期間を明らかにすることを目的とした。16ヵ国、8,829名が参加した合計28件の研究が対象となった。 Hb改善に関するプールされた効果量は2.01gm/dLであった。 3ヵ月未満の鉄補給が最も高い有意な効果を示し、次いで6ヵ月を超える治療であった。最も効果が低かったのは3～6ヵ月間の治療であった。低用量の鉄補給（5mg/kg/日未満）は、特にベースラインのHb値が低い人において、Hbの改善に好ましい傾向を示した。低用量の鉄補給（5mg/kg/日未満）と3ヵ月未満または6ヵ月以上の治療期間の組み合わせは、IDAの小児および青年におけるHb値の改善に最適である。ベースラインのHb値と貧血の重症度に基づいて治療を調整することが重要である。これらの知見は、小児および思春期の集団における鉄補給に関する最新のガイドラインを支持し、国の貧血管理プログラムに情報を提供するエビデンスを提供するものである。
▶論文情報Optimal dose and duration of iron supplementation for treating iron deficiency anaemia in children and adolescents: A systematic review and meta-analysis
PLoS ONE 20(2): e0319068. 発行日：2025年2月14日

◆2025年1月17日

【RCT】小児肥満集団におけるインスリン抵抗性に対するミオイノシトールと亜鉛の有効性（イタリア）
～ミオイノシトールと亜鉛の摂取は重度の肥満に効果がある～

インスリン抵抗性を伴う小児肥満において、ミオイノシトールとインスリン経路に関与するミネラルである亜鉛の併用投与が、HOMA-IR、グルコース-インスリン代謝、脂質プロファイルに及ぼす有効性を評価した。北イタリアで実施された二重盲検無作為化プラセボ対照試験。肥満とインスリン抵抗性を有する56名の患者（10～18歳、タナー病期≧3）を、ミオイノシトール（2000mg）、グルコン酸亜鉛（5mg）、植物由来のガラクトオリゴ糖（GOS）（1000mg）を含む群（TRT）と、植物由来のGOS（1000mg）のみを含むプラセボ群（PLC）に無作為に割り付けた。全患者は地中海食に準じた等カロリー食を摂取した。データはベースライン時（V0）と3ヵ月後（V1）に収集された。主要アウトカムはインスリン抵抗性指数（HOMA-IR）であった。募集した被験者56名中50名が試験を完了した。 TRTはPLCと比較してHDLコレステロール値を改善したが（p = 0.05）、インスリン抵抗性は改善しなかった。被験者を肥満のグレードで分けたところ、空腹時インスリン（p = 0.0137）およびHOMA-IR（p = 0.0273）はPLC患者よりもTRT患者で低く、重度の肥満でより大きな効果がみられた。ミオイノシトールと亜鉛の3ヵ月間の補充は、少なくとも重度の表現型の被験者において、脂質プロファイルと肥満合併症の管理に有益であった。したがって、ミオイノシトールと亜鉛は非薬理学的薬剤として使用できる可能性がある
▶論文情報Efficacy of myo-inositol and zinc on insulin resistance in a paediatric population with obesity
Diabetes Obes Metab. 2025 Jan 9. 発行日：2025年1月9日

◆2025年1月8日

【コホート研究】日本人出生コホートにおいて、生後18ヵ月時の自閉症スペクトラム障害のリスクは出生前のポリ塩化ビフェニル曝露量と関連している（長崎大学）
～PCBへの出生前曝露が後の自閉症行動の出現と関連する～

ポリ塩化ビフェニル（PCB）への出生前曝露は、早期認知発達に有害な影響を及ぼす。これらの観察に基づき、PCBへの出生前曝露が自閉症スペクトラム障害（ASD）の環境的原因である可能性を示唆する研究者もいた。 PCBへの出生前曝露の潜在的関連性を検討するため、日本の都市部で収集された115組の母子ペアの出生コホート縦断データに基づいて、出生前PCB曝露レベルと生後18ヶ月で評価されるASDリスクおよび5歳時の行動問題との関連を解析した。ロジスティック回帰分析により、生後18ヶ月のASDリスクとPCBへの曝露レベルを圧縮して得られた主成分（PCB PC）の因子スコアとの間に有意な関連が認められた。 PCBPCと5歳時の問題行動との間には信頼できる関係は見られなかった。さらに、機械学習を用いた分析では、ASDリスクの潜在的なマーカーである乳児の自発的な身体運動のパターンの情報を予測因子として併用すると、出生前のPCB曝露レベルが生後18ヶ月のASDリスクを予測する可能性が示された。これらの知見を総合すると、PCBへの出生前曝露が後の自閉症行動の出現と関連するという見解が支持され、新生児期に入手可能な情報に基づくASDリスクの予測可能性が示された。
▶論文情報Risk of autism spectrum disorder at 18 months of age is associated with prenatal level of polychlorinated biphenyls exposure in a Japanese birth cohort
Sci Rep. 2024 Dec 30;14(1):31872. 発行日：2024年12月30日

◆2024年12月11日

自閉症の神経発達における栄養学的側面（USA）
～葉酸とタウリンの発達初期の補充はASD症状の重症度を軽減するのに最も効果的～

ASDの有病率は8歳児で2％以上であり、その有病率は世界中で同様である。私たちは、胎児期から出生後早期にかけて、免疫に影響を与えるメカニズムを介して、神経型発達や自閉症の条件を設定する複数の臨界期が存在することを示唆している。ある臨界期には、重要なメチル供与体である葉酸が必要であるが、葉酸が不足するとASDになる。もう一つの重要な時期は、酸化ストレスや炎症によって変化する。おそらく、ミクログリア免疫をサポートするタウリンが不十分で、炎症が引き金となって神経型の発達が変化したり、システインの利用可能性が低いことに関連した過剰な酸化が起こったりすることに関連している。減少した葉酸とタウリンを、胎児期と出生後を含む発達の初期に補充することは、重要な神経発達期を神経型に通過することを促進することによって、ASD症状の重症度を軽減するのに最も効果的であると考えられる。
▶論文情報Nutritional Aspects in the Neurodevelopment of Autism: Folate, Stress, and Critical Periods
J Med Food. 2024 Dec 5. 発行日：2024年12月5日

◆2024年12月6日

【コホート研究】1歳時のヨーグルト摂取頻度と3歳時の発達との関係（富山大学）
～1歳時点でのヨーグルトの定期的な摂取は3歳時点での発達遅滞のリスク低下と関連する～

プロバイオティクスの摂取は小児の神経発達症状を改善することが報告されているが、幼児期のヨーグルト摂取とその後の神経発達状態との関連を調べた大規模研究はない。本研究では、1歳時のヨーグルト摂取頻度とその後の神経発達状態との関連を検討した。日本環境と子ども調査に登録された母子70,276組のデータから、1歳時の子どものヨーグルト摂取と3歳時の神経発達を検討した。対象地域の参加施設において、研究内容を説明し同意を得た妊婦からデータを収集した。ヨーグルトの摂取頻度は、母親が記入した子どもの食事に関する質問票に基づき、0回/週、1～2回/週、3～4回/週、5回/週以上に分類した。ヨーグルトを摂取していないグループの結果を参考として、多変量ロジスティック回帰分析を行い、ヨーグルトの摂取頻度によって小児の神経発達を比較した。1～4回/週のヨーグルト摂取は、すべてのASQ-3カテゴリーにおいて発達遅滞のリスク低下と関連していた。しかし、5回/週以上のヨーグルト摂取では、発達遅滞のリスクは必ずしも低下しなかった。1歳時のヨーグルト摂取習慣は、3歳時の発達遅滞のリスク低下と関連していた。しかし、ヨーグルトの摂取頻度が高い場合には、その関連性はあまり明らかではなかった。
▶論文情報Relationship between frequency of yogurt consumption at 1 year of age and development at 3 years of age: The Japan Environment and Children’s Study
PLoS ONE 19(12): e0308703. 発行日：2024年12月4日

◆2024年10月29日

自閉スペクトラム症の子どもにおける『精神状態に関与する』腸内細菌数
～乳酸菌やビフィズス菌の変化がASDの重症度や感覚障害に関与していることは明らか～（エジプト）

蓄積された証拠から、ASD児における腸内細菌叢の組成の変化と神経行動学的症状および胃腸症状の両方との間に関連があることが示されており、それらはラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属に関連している。これらの属は最近「サイコバイオティクス」に分類されている。さらに本研究では、サイコバイオティクス（L. plantarum、L. reuteri、B. longum）の分布を自閉症の重症度や感覚障害と相関させるために、定型発達（TD）児とASD児の腸内細菌叢全体に対する相対的な存在量を比較することを目的とした。TD群ではASD児に比べてL. reuteriとL. plantarumの相対量が統計学的に有意に増加していた。 ASD児のSSP総スコアに関しては、L. plantarumとL. reuteriの両方が、反応不足の下位項目と統計的に有意な負の相関を示した。自閉症治療評価チェックリスト（ATEC）スコアについては、B. longumと乳酸菌は健康／身体／行動と有意な正の相関を示した。自閉症児の腸内細菌が、定型発達児に比べて変化していることが明らかになった。これらの変化がASDの重症度や感覚障害に関与していることは明らかである。サイコバイオティクスは、他の種類の細菌よりもASDの特異的特徴と相関していることが観察されている。したがって、これらのサイコバイオティクスの使用を検討する前に、腸内細菌叢プロファイルを評価することが推奨される。 ASD症例にプロバイオティクスを盲目的に投与する前に、個人の腸内細菌叢プロフィールと臨床症状の種レベルの分析を評価すべきである。
▶論文情報Unraveling the relative abundance of psychobiotic bacteria in children with Autism Spectrum Disorder
Scientific Reports volume 14, Article number: 24321 (2024) 発行日：2024年10月17日

◆2024年10月24日

【Review】発達期の精神神経免疫学における初期生活ストレスと鉄代謝
～慢性で重度のストレスがHPA機能を通して鉄代謝に影響を与える～（USA）

高レベルの慢性ストレスを経験している集団と鉄欠乏を経験している集団との間には大きな重複があり、この関連における重要な媒介因子としての鉄の役割の可能性が強調されている。脳の発達と免疫機能に不可欠な微量栄養素である鉄は、ストレス状態ではしばしば欠乏する。鉄欠乏は、世界で最も一般的な栄養素欠乏症のひとつである。したがって、胎児期および乳児期の鉄の状態は、早期の慢性的な心理的ストレスと、その後の神経発達に影響を及ぼす免疫系の変化との間の重要な仲介役として機能する可能性がある。視床下部-下垂体-副腎（HPA）軸とIL-6-ヘプシジン軸を介した早期生ストレス（ELS）、鉄欠乏、神経発達の間の仮説的経路を提示する。この仮説は、(1)ストレスが鉄の状態に影響を与えるという証拠、(2)ELSと鉄欠乏にさらされた場合に共通する長期的な神経発達の結果、(3)発達中の免疫系の変化を通じて、鉄がELSと鉄欠乏の関係をどのように媒介するかについての可能なメカニズム、から導き出された。
▶論文情報Early life stress and iron metabolism in developmental psychoneuroimmunology
Brain Behav Immun Health. 2024 Jul 16:40:100824. 発行日：2024年7月26日

◆2024年9月19日

鉄欠乏症（ID）およびIDの家族歴はADHDおよびASD患者における落ち着きのない睡眠および覚醒行動の有意な危険因子である（カナダ）

鉄欠乏症（ID）や不穏は、睡眠・覚醒障害（レストレスレッグス症候群（RLS）など）や神経発達障害（注意欠陥・多動性障害や自閉症スペクトラム障害（ADHD；ASD）など）と関連している。しかし、IDやレストレスを評価するための標準化されたアプローチは欠落している。質向上・質保証プロジェクトのもと、睡眠・覚醒行動クリニックで収集された鉄の状態と家族の睡眠・ID歴データを検討した。落ち着きのなさは、患者と親の語りと「提案された臨床的不動化テスト」によって調査された。 199名の患者のうち、94％がIDであり、43％にIDの家族歴があった。 ADHD（46％）、ASD（45％）が一般的な疾患であり、慢性不眠症（61％）、睡眠呼吸障害（50％）、睡眠時随伴症（22％）があった。 IDおよび落ち着きのなさはADHDおよびASDの特徴であり、IDの家族歴は睡眠・覚醒障害のリスクを増加させた。これらの所見は、落ち着きのない行動をとる小児や青年におけるIDを捉えるために、包括的な血液検査と家族歴を統合する必要性を強調している。
▶論文情報Iron Deficiency and Restless Sleep/Wake Behaviors in Neurodevelopmental Disorders and Mental Health Conditions
Nutrients 2024, 16(18), 3064 発行日：2024年9月11日

◆2024年9月12日

ASD患者の細菌および真菌の微生物叢の存在量が非自閉症の兄弟と比較して有意に異なる（USA）

ASD患者では腸管透過性の異常が報告されており、食事パターンの乱れが腸内細菌叢の不均衡（すなわち、ディスバイオシス）を引き起こす可能性があることはよく知られている。そのため、腸内細菌叢とASDの潜在的な関係に焦点を当てた研究が登場している。ASD被験者コホートとASDでない同胞の腸内細菌叢と真菌叢を比較した。 ASD被験者と非ASD被験者との間の差異には、藍藻類の門レベルでの有意な減少、バクテロイデスの属レベルでの有意な減少が含まれる。マイコバイオーム解析では、真菌の子嚢菌門の増加、とカンジダ・アルビカンスの増加、を示した。予備的なin vivo前臨床試験として、野生型Balb/cマウスにDelftia acidovorans（ASD被験者で増加）を経口摂取させ、行動パターンの変化を偽処置対照と比較した。 In vitroバイオフィルムアッセイを用いて、潜在的に有益な微生物がDelftia acidovoransのバイオフィルム形成パターンを変化させる能力、および繊維を分解する能力を調べた。シアノバクテリア（一般に炎症と創傷治癒に有益）のダウンレギュレーションと、D. acidovoransのようなバイオフィルム形成種の増加が組み合わさった結果、ASDに関連した消化器症状は、潜在的な病原体の増加に伴う有益な微生物の減少に起因している可能性があり、これらの変化に対抗する有益なプロバイオティクスを同定できることが示唆された。
▶論文情報Analysis of Gut Bacterial and Fungal Microbiota in Children with Autism Spectrum Disorder and Their Non-Autistic Siblings
Nutrients 2024, 16(17), 3004 発行日：2024年9月5日

◆2024年9月10日

幼児期の気質は腸内細菌叢の組成と多様性に関連する（京都大学）

気質は、ヒトの精神的健康と認知的・感情的発達の重要な予測因子である。ヒトの恐怖行動は乳児期の腸内細菌叢と関連があると報告されているが、乳児期の腸内細菌叢は、腸内細菌叢の多様性と組成が確立される最初の5年間で劇的に変化する。この時期は、感情制御に関与する前頭前野の発達にとって極めて重要である。そこで本研究では、3～4歳の就学前児童284名を対象に、気質と腸内細菌叢の関係を調査した。抗炎症性細菌（Faecalibacteriumなど）が少なく、炎症性細菌（Eggerthella、Flavonifractorなど）が多いことは、負の情動とストレス反応の高さ（すなわち、負の情動性）、正の情動と報酬追求の低さ（すなわち、外科的／外向性）と関連していた。さらに、腸内細菌叢の多様性は、反応開始の速さ（すなわち、衝動性）と関連していた。腸の炎症／抗炎症に関連する腸内細菌叢の組成が、ポジティブ／ネガティブな感情表現、ストレス反応、報酬への接近と関連していることが明らかになった。さらに、腸内細菌叢の多様性は、反応開始のスピードと関連していた。また、本研究における腸内細菌叢と関連した気質的特徴が、メンタルヘルスリスクを予測する重要な因子と重複していることも重要である。特定のプロバイオティクスの補充など、潜在的な微生物介入戦略を設計することで、子どもの早い発達段階から心理的／情緒的問題を予防・改善することも期待される。
▶論文情報Temperament in Early Childhood Is Associated With Gut Microbiota Composition and Diversity
DevelopmentalPsychobiology,2024;66:e22542 発行日：2024年9月5日

◆2024年8月29日

【RCT】オメガ3脂肪酸とガンマリノレン酸およびビタミンDの併用は症状を軽減し小児のアトピー性皮膚炎の臨床像の改善と関連する（クロアチア）

アトピー性皮膚炎（AD）の治療におけるオメガ-3脂肪酸（オメガ-3 FA）の使用は、現在進行中の研究分野である。いくつかの研究では、オメガ3系脂肪酸の食事からの補給が、病変の重症度、皮膚の炎症、乾燥、かゆみを軽減することにより、ADの症状を管理するのに役立つことが示唆されているが、一方で、有意な有益な効果を示さない研究もある。 ADの小児における魚油由来のオメガ-3 FAとカシス種子油由来のガンマ-リノレン酸（GLA）の併用効果を評価した。この試験は、縦断的、前向き、無作為、三重盲検、プラセボ対照の並行臨床試験である。試験は、通常ADが改善する夏を避け、秋、冬、春を通して2年間実施された。子どもたちは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の特定のブレンドを含む活性試験製品（メガキッド®）を投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。 52名の小児のデータが分析された（介入群26名、プラセボ群26名）。有効成分を投与された小児では、intention-to-treat解析の結果、投与4ヵ月後にSCORAD指数（中央値42から25、p＜0.001）と局所副腎皮質ステロイド薬の使用量（中央値30から10mg/月、p＜0.001）が有意に減少し、さらにかゆみ、睡眠の質、全体的なQOLも有意に改善した。オメガ3脂肪酸とGLAおよびビタミンDの併用は、症状を減少させる可能性があり、小児のADの臨床像の改善と関連していた。したがって、この特定の組み合わせによる補充は、小児患者のADの重症度を有意に低下させる安全かつ効果的な介入と考えられると結論づけられる。
▶論文情報Effect of Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acid Supplementation on Clinical Outcome of Atopic Dermatitis in Children
Nutrients 2024, 16(17), 2829 発行日：2024年8月24日

◆2024年8月21日

【SR】ビタミンAの補充は自閉症の症状を緩和するための有望な手段（モロッコ）

2010年から2022年までのPubMedとEmbaseのデータベースから得られた研究を分析することにより、自閉症、遺伝子組み換えの変化、ビタミンA欠乏症（VAD）の関連を調査した。自閉症患者の腸内細菌叢（GM）が有意に変化していることが一様に示され、これらの変化は自閉症の有望なバイオマーカーであることが示された。 GMの変化が自閉症と一貫して関連しているにもかかわらず、自閉症の患者とVADを経験した患者の間でGM組成に顕著な違いは見られなかった。このことは、VADが、特に生後早期に遭遇した場合、自閉症の発症に関与している可能性を示唆している。自閉症児におけるレチノイン酸レベルの低下との間に明確な相関関係があることを強調している。すなわち、診断マーカーとなりうるGMの変化の重要性を補強するだけでなく、栄養学的介入に関するさらなる研究の必要性を浮き彫りにしたのである。特に、ビタミンAの補充は、自閉症の症状を緩和するための有望な手段として浮上し、その治療的可能性についてより深い研究が正当化される。
▶論文情報Gut microbiota, vitamin A deficiency and autism spectrum disorder: an interconnected trio – a systematic reviewNutr Neurosci. 2024 Aug 13:1-11. 発行日：2024年8月13日

◆2024年7月29日

炎症性腸疾患の子どもたちにも、健康な同世代の子どもたちにも、ビタミンDの補給が推奨されるべきである（ポーランド）

炎症性腸疾患（IBD）の病因は未だ不明である。先行研究では、発症や重症度に影響する遺伝的要素が示唆されている。さらに、血清ビタミンDの低レベルは、免疫系に影響を及ぼすため、本疾患の臨床経過に影響を及ぼす可能性が示された。ビタミンD受容体（VDR）遺伝子多型（rs11568820、rs10735810、rs1544410、rs7975232、rs731236、それぞれ一般にCdx2、FokI、Bsm、ApaI、TaqIと表記される）およびビタミンD濃度の発現率とIBDの臨床経過（疾患活動性、腸管病変の範囲）との相関を調べることを目的とした。データは、3～18歳のIBD患者62名（クローン病34名、潰瘍性大腸炎28名）から得、8～18歳の対照群（N=47）と比較した。検討したすべての多型において、個々の遺伝子型の罹患率に試験群（IBD、C）間で差はなかった。IBD患者の平均血清25OHD値は対照群と比較して有意に高かったが（19.87ng/mL vs. 16.07ng/mL; p = 0.03）、それでも至適値（>30ng/mL）を下回っていた。VDR遺伝子多型とIBD発症の可能性に相関があることを示唆しており、IBDの臨床経過については、より多くの患者を対象としたさらなる研究が必要である。炎症性腸疾患の子どもたちにも、健康な同世代の子どもたちにも、ビタミンDの補給が推奨されるべきである。
▶論文情報The Role of Vitamin D and Vitamin D Receptor Gene Polymorphisms in the Course of Inflammatory Bowel Disease in ChildrenNutrients 2024, 16(14), 2261 発行日：2024年7月13日

◆2024年7月17日

オメガ3サプリメントの使用ではなく、出生前の魚の摂取が自閉症診断および関連形質の可能性の低下と関連する（USA）

出生前の魚の摂取は、脳の発達に必要なオメガ3多価不飽和脂肪酸の重要な供給源であるが、摂取量は一般的に少なく、自閉症スペクトラム障害（ASD）や関連する形質との関連を扱った研究は不足している。出生前の魚の摂取およびオメガ3サプリメントの使用と、自閉症診断およびより広範な自閉症関連形質との関連を検討することを目的に調査を行った。アウトカム指標は、臨床医が診断したASDの親の報告と、社会的反応性尺度（SRS）-第2版で測定した自閉症関連特性の親の報告であった（魚の摂取量の解析ではそれぞれn=3939とn=3609、サプリメントの摂取量の解析ではそれぞれn=4537とn=3925）。調整後回帰モデルにおいて、魚を摂取していない場合と比較して、妊娠中の魚摂取は自閉症診断のオッズ低下と関連し、SRSの未加工総スコアの緩やかな低下と関連した。オメガ3サプリメントの使用については、使用していない場合と比較して、自閉症診断との有意な関連は確認されなかったが、SRSスコアとの緩やかな関連が示唆された。米国の一般集団における魚の摂取量の少なさと自閉症有病率の上昇を考慮すると、これらの知見は、妊娠中の魚摂取に関するガイドラインについて、より良い公衆衛生メッセージの必要性を示唆している。
▶論文情報Association of Maternal Fish Consumption and Omega-3 Supplement Use During Pregnancy With Child Autism-Related Outcomes: Results from a Cohort Consortium AnalysisThe American Journal of Clinical Nutrition 発行日：2024年7月1日

◆2024年7月1日

【Review】ラクトフェリンは、抗炎症作用、免疫調節作用、抗酸化作用があり、アレルギー疾患の予防や治療に役立つ可能性がある（イタリア）

アレルギー性疾患の有病率は、ここ数十年で小児の間で劇的に増加している。これらの疾患は、アレルギー児とその家族のQOLに大きな影響を与える。ラクトフェリンは、様々な生体液中に存在する多機能糖タンパク質であり、小児のアレルギー疾患を緩和する可能性のある有望な免疫調節剤として注目されている。ラクトフェリンの多面的な特性は、これらの症状を管理するための有力な候補となる。第一に、ラクトフェリンは強力な抗炎症作用と抗酸化作用を示し、アレルギー疾患に特徴的な慢性炎症を緩和することができる。第二に、ラクトフェリンの鉄結合能力は、アレルギー児の鉄バランスを調整し、症状の重症度に影響を与える可能性がある。ラクトフェリンには抗菌作用もあるため、呼吸器アレルギーによく見られる二次感染の予防にも有効である。さらに、免疫反応を調節し、炎症経路を制御するラクトフェリンの能力は、免疫バランス剤としての可能性を示唆している。ラクトフェリンの免疫調節能を利用すれば、小児のアレルギー疾患を管理するための新たな追加的アプローチを提供することができ、小児患者とその家族にとって、転帰の改善と生活の質の向上が期待できる。ラクトフェリンが研究者の注目を集め続けているように、その特性と多様な応用は、豊かな歴史と有望な将来を持つ興味深い研究対象である。
▶論文情報Exploring the Role of Lactoferrin in Managing Allergic Airway Diseases among Children: Unrevealing a Potential BreakthroughNutrients 2024, 16(12), 1906 発行日：2024年6月17日

◆2024年6 月21日

【コホート研究】母親の低SeとセレノプロテインPは子供のASD形質と関連する（ドイツ）

母親のセレンと子供の神経発達障害との関連を調べた研究は少ない。デンマークの前向き集団ベースOdense Child Cohort研究の母子719組を対象とした。3つのセレンバイオマーカー、すなわち血清セレン、セレノプロテインP（SELENOP）、グルタチオンペルオキシダーゼ3（GPX3）活性の濃度と、血清銅、亜鉛、鉄を妊娠第3期初期（妊娠28.9±0.8週）に測定した。子どものADHDとASDの特性は、デンマークの参照コホートに基づき、5歳時に確立された児童行動チェックリストを用いて系統的に評価され、カットオフは90パーセンタイルであった。5歳時点で719名中155名（21.6％）にASDの特徴があり、719名中59名（8.2％）にADHDの特徴があった。粗モデルおよび調整モデルでは、3つのセレンバイオマーカーはすべてADHDの特徴と逆相関していた。銅、亜鉛、鉄などの他の微量元素は結果と関連していなかったため、関連はセレンに特異的であった。セレン欠乏がADHDおよびASD特性のリスク因子であることを示す首尾一貫した証拠であり、その因果関係はランダム化比較試験で解明されるべきである。
▶論文情報Maternal selenium deficiency during pregnancy in association with autism and ADHD traits in children: the Odense Child CohortFree Radic Biol Med. 2024 May 2:S0891-5849(24)00430-1. 発行日：2024年5月3日

◆2024年6 月18日

超加工食品は日本の小児および青年のエネルギー摂取量の4分の1以上を占め、消費量が多いほど食事の質が低い（東京大学）

日本人の小児および青少年における超加工食品（HPF）摂取と全般的な食事の質との関連を検討した。2016年から2020年にかけて、日本全国47都道府県のうち32都道府県のボランティアから収集した8日間の食事記録データに基づいて横断的分析を行った。食品は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校が開発した枠組みを用いて4つの加工レベルのいずれかに分類した。合計1,318名の3～17歳の日本人小児および青年が研究に参加した。HPFからの総エネルギー摂取に最も寄与したのは、低推計シナリオでは菓子類、高推計シナリオでは穀類とでんぷん質食品であった。HPFは、調査対象となった日本の小児および青年のエネルギー摂取量の4分の1以上を占め、HPFの消費量が多いほど食事の質が低いことと関連していた。したがって、HPFの消費を減らすことは、日本の児童および青少年の食事の質全体を高める可能性がある。この関連性の因果関係を探るには、さらなる研究が必要である。
▶論文情報Highly processed food consumption and its association with overall diet quality in a nationwide sample of 1,318 Japanese children and adolescents: A cross-sectional analysis based on 8-day weighed dietary recordsJ Acad Nutr Diet. 2024 Jun 7:S2212-2672(24)00267-3. 発行日：2024年6月7日

◆2024年6 月5日

ASD児はVAレベルとatRA代謝酵素の異常発現の両方の影響を受け血清atRAレベルの低下という二重の調節を示した（中国）

レチノイン酸（RA）シグナル伝達経路とASDとの密接な関連性が強調されている。ASD児におけるビタミンA（VA、レチノール）からRAへの代謝経路の変化を調べ、これらの変化の根底にある理由を推測する。ASD児489名と定型発達（TD）児280名を対象とした。ASD児は、専門家である発達行動医が評価尺度を用いて行った中核症状と神経発達レベルの評価を受けた。血清中のVAおよびall-trans RA（atRA）濃度は、高速液体クロマトグラフィーおよび超高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法により測定された。ASD児は、atRA合成酵素のダウンレギュレーションを伴う血清atRAの減少を示した。血清atRA濃度の低下は、VA濃度だけでなく、atRAを担う代謝酵素の発現異常にも関連していた。さらに、ASD児の血清atRAレベルは、VAレベルよりも中核症状や神経発達レベルと強く相関していた。ASD児は、VAレベルとatRA代謝酵素の異常発現の両方の影響を受け、血清atRAレベルの低下という二重の調節を示した。
▶論文情報Association of the retinol to all-trans retinoic acid pathway with autism spectrum disorderWorld J Pediatr. 2024 May 24. 発行日：2024年5月24日

◆2024年5月24日

【メタ解析】幼児におけるビタミンD摂取量と血清25-ヒドロキシビタミンDの関係（スイス）

この研究の目的は、4歳未満の小児における血清25OHDと総ビタミンD摂取量との多段階・多変量用量反応モデリングを行い、幼児に対するビタミンD必要量の更新を導き出すことである。生後2週から3.9歳までの健康な小児を対象に、ビタミンDサプリメントまたはビタミンD強化食品を毎日摂取させた系統的に同定されたランダム化比較試験を対象とした。北米、ヨーロッパ、アジア、オーストラレーシア/オセアニアから、緯度が南緯38度から北緯61度の範囲にあり、参加者のほとんどが軽度または中度の皮膚の色素沈着であると思われる、合計31試験、186点のデータが含まれた。29試験では小児にビタミンDサプリメントが投与され、2試験では小児にサプリメントの有無にかかわらずビタミンD強化ミルクが投与された。ビタミンD摂取量と血清25OHDの用量反応関係は、未調整の2次モデルで最もよく適合した。ビタミンD摂取量が10μg/日の場合、97.3％の人が血清25OHDの最小閾値28nmol/Lを達成すると予測された。ビタミンD摂取量が35μg/日では、1.4％の人が血清25OHDの最大閾値200nmol/Lに達すると予測された。
▶論文情報The relationship between vitamin D intake and serum 25-hydroxyvitamin D in young children: a meta-regression to inform WHO/FAO vitamin D intake recommendationsJ Nutr. 2024 Apr 27:S0022-3166(24)00234-7. 発行日：2024年4月28日

◆2024年5月15日

亜鉛欠乏は学童期の腸内細菌叢と代謝機能プロフィールを乱しヒトの健康に影響を及ぼす可能性がある（中国）

亜鉛欠乏は学童期の身体的・知的発達に影響を及ぼすが、学童期の腸内微生物や代謝産物への影響に関する研究は報告されていない。学童期の児童を登録し、身体計測、血清亜鉛および血清炎症因子の検出を行い、血清亜鉛の結果から亜鉛欠乏群（ZD）と対照群（CK）に分けた。便サンプルを採取してメタゲノム、メタボローム、多様性解析を行い、亜鉛欠乏症児の腸内細菌叢の機能と組成、代謝産物をさらに探索するために、種組成解析、機能アノテーション、相関解析を行った。β多様性解析の結果、ZD群とCK群で腸内微生物群集組成が有意に異なることが明らかになった。腸内細菌叢の機能的プロファイルも亜鉛欠乏の影響を受けており、ZD群では各種グリコシド加水分解酵素のレベルが高かった。さらに、炎症性代謝産物であるサッカリンと、腸管漏出を誘発する潜在的因子であるタウロコール酸は、ZD群で高かった。
▶論文情報Intestinal Barrier Impairment Induced by Gut Microbiome and Its Metabolites in School-Age Children with Zinc DeficiencyNutrients 2024, 16(9), 1289 発行日：2024年4月26日

◆2024年5月1日

【SR】ADHD患者における補助療法としてのプロバイオティクスとプレバイオティクスの使用は有益である（イラン）

注意欠陥多動性障害（ADHD）の子どもは、プロバイオティクスやプレバイオティクスが有効である可能性があるが、その効果は不明である。プロバイオティクスとプレバイオティクスがADHDの子どもに影響を及ぼすかどうかを明らかにするために、系統的レビューが行われた。プレバイオティクスとプロバイオティクスがADHDと関連するかどうかを検討したコホート研究とランダム化比較試験を分析した。7件のランダム化比較試験と2件のコホート研究が組み入れ基準を満たした。Lactobacillus rhamnosus GG（LGG）プロバイオティクスの補充に関する研究では、ADHDの子どもはプラセボ群と比較して、感情的、身体的、社会的、学校的機能が改善し、健康関連QOLが高いことが示された。この研究ではまた、シンビオティック2000が、SCFAレベルの増加を通じて、ADHDの子供の腸と血管の炎症マーカーを減少させることも示された。ADHD患者における補助療法としてのプロバイオティクスとプレバイオティクスの使用は有益である。ADHDに対するプレバイオティクスとプロバイオティクスの効果を検討するためには、より多くの参加者と様々な年齢層を含む、より長期間の、in vivo観察などの様々な評価技術を用いたさらなる研究が必要である。
▶論文情報A systematic review of the beneficial effects of prebiotics, probiotics, and synbiotics on ADHDNeuropsychopharmacol Rep. 2024 Apr 16. 発行日：2024年4月16日

◆2024年3月22日

【in vivo】αリポ酸は青年期の情緒障害に取り組むための栄養学的介入戦略として有望である（中国）

揚げ物の摂取は、精神疾患への感受性の増加と関連している。それにもかかわらず、α-リポ酸（α-LA、LA）が、揚げ物によって誘発される自閉症様行動に及ぼす影響については、依然として不明な点が多い。本研究では、揚げ物に含まれる代表的な食品有害物質であるアクリルアミドによって引き起こされる自閉症関連の行動や認知障害に、LAがどのように影響するかをマウスで調べることを目的とした。この改善は、シナプス可塑性の増強、ニューロトロフィンの発現増加、カルシウム結合タンパク質D28kの上昇、セロトニンの回復によって達成された。さらに、LAは自閉症やうつ病に関連する細菌の存在量に大きな影響を与え、同時に糞便サンプル中の短鎖脂肪酸（SCFA）レベルを上昇させ、血清アミノ酸濃度の変化を誘発した。まとめると、これらの知見は、思春期のマウスにおけるアクリルアミドへの曝露が、成人期における社会性障害の発症を誘発する可能性を示唆した。LAは、青年期の情緒障害に取り組むための栄養学的介入戦略として有望であることが示された。
▶論文情報Dietary lipoic acid alleviates autism-like behavior induced by acrylamide in adolescent mice: the potential involvement of the gut–brain axisFood Funct., 2024, Advance Article 発行日：2024年3月11日

◆2024年3月6日

グルココルチコイド治療は、視床下部-下垂体-副腎（HPA）軸内のDNAメチル化を変化させ、正常な脳の発達、認知、行動を損なう可能性がある（ベルギー）

グルココルチコイド治療は、視床下部-下垂体-副腎（HPA）軸内のDNAメチル化を変化させ、正常な脳の発達、認知、行動を損なう可能性がある。小児集中治療室（PICU）患者は、性・年齢依存的に、HPA軸層内のDNAメチル化に長期的な異常を示し、おそらくPICUでのグルココルチコイド治療によって悪化し、それが長期的な発達障害に寄与しているのではないかという仮説を検証した。多施設共同PEPaNIC-RCTとその2年追跡調査の事前に計画された二次解析において、PICU入室2年後の元PICU患者818名の頬粘膜DNAにおいて、HPA軸遺伝子内のメチル化された位置とメチル化された領域が異なることを同定した。小児の重篤な疾患から2年後、HPA軸遺伝子内の異常なメチル化が認められ、主にFKBP5とAKR1D1において、一部はPICUでのグルココルチコイド治療に起因し、長期的な発達障害の一部を説明していた。これらのデータは、PICUにおけるグルココルチコイドの多用に注意を促している。
▶論文情報Abnormal DNA methylation within HPA-axis genes years after paediatric critical illnessClin Epigenetics. 2024 Feb 23;16(1):31. 発行日：2024年2月23日

◆2024年2月28日

【Review】ディスバイオーシス、母親の免疫活性化と自閉症の間：共通の経路はあるのか？（ポーランド）

自閉症スペクトラム障害（ASD）は、社会的相互作用の障害と反復的な固定観念行動を特徴とする神経精神疾患である。ASDの発症において、腸-脳-マイクロバイオーム軸が重要な役割を果たしていることを示す証拠が増えている。研究によると、腸内細菌叢の構成に異常があり、神経炎症や脳の発達障害に細菌分子が関与している可能性が指摘されている。同時に、短鎖脂肪酸（SCFA）の役割や腸の稠密性の障害にも注目が集まっている。特に母親の免疫活性化（MIA）を考慮し、母親の腸内細菌叢の変化が子どもの自閉症発症に影響を及ぼす可能性を強調している。特定の細菌株やその代謝産物は、自閉症の早期マーカーとしてASDの早期診断に役立つ可能性がある。また、ASD児の胃腸症状を注意深く分析することで、特に症状の強度が低い患者において、診断と早期治療導入が早まる可能性がある。
▶論文情報Between Dysbiosis, Maternal Immune Activation and Autism: Is There a Common Pathway?Nutrients 2024, 16(4), 549 発行日：2024年2月16日

◆2024年1月12日

生後6ヵ月から3歳までの相当数の子供が鉄摂取不足のリスクにあった（フランス）

2013年における1日あたりの鉄摂取量（DII）を食事摂取基準値 (DRV) と比較し、3歳未満のフランスの非母乳栄養児における鉄食品源を特定することを目的とした。1,184名の小児のうち、11の年齢群に層別化された0.5～35ヵ月の非母乳栄養の健康な小児1,035名が、保護者のインフォームドコンセントの後、組み入れられた。DIIの平均値は、6ヵ月以前が6.7±2.3mg/日、6ヵ月から1歳までが8.2±2.7mg/日、1歳から3歳までが7.0±3.2mg/日であった。DII＜DRVの7ヵ月以上の乳児の有病率は52.5％で、幼児の有病率は30％であった。2歳までのDIIの大部分は粉ミルクが占めており、穀類はDIIの2番目に多く、肉類は鉄分摂取のごく一部であった。生後6ヶ月から3歳までの相当数の子供が、鉄分摂取不足のリスクを抱えていた。このリスクは2005年から2013年にかけて増加している。鉄分摂取の確保における粉ミルクの役割が強調された。
▶論文情報Assessment of dietary iron intake and sources in early childhood in a nationally representative cross-sectional surveyJ Acad Nutr Diet. 2023 Dec 22:S2212-2672(23)01764-1. 発行日：2023年12月22日

◆2023年11月13日

【in vivo】授乳期にラクトフェリン摂取が欠乏すると成人におけるうつ様行動のリスクが高まる（中国）

ラクトフェリンは母乳中の活性タンパク質であり、乳児の成長と発達に重要な役割を果たすとともに、神経保護剤としても関与している。授乳期のラクトフェリンの不足が成人期のうつ様行動の罹患率に影響するかどうかは不明である。授乳期のラクトフェリン摂取不足は、腸のバリア機能と自然免疫機能に影響を与え、腸内細菌叢を破壊し、海馬における神経免疫機能障害と神経発達遅延を引き起こした。外的刺激にさらされると、ラクトフェリン摂食欠損成体マウスはうつ病様症状を悪化させた。関与するメカニズムは、腸と海馬におけるLPS-TLR4シグナル伝達経路の活性化、海馬におけるBDNF-CREBシグナル伝達経路の減少、うつ病関連細菌の存在量の増加、有益細菌の存在量の減少であった。授乳期にラクトフェリン摂取が欠乏すると、成人におけるうつ様行動のリスクが高まる可能性があることを明らかにした。そのメカニズムは、「微生物-腸-脳」軸の発達に対するラクトフェリンの調節効果に関連している。
▶論文情報Lactoferrin deficiency during lactation increases the risk of depressive-like behavior in adult miceBMC Biol. 2023 Oct 31;21(1):242. 発行日：2023年10月31日

◆2023年9月6日

【SR】小児の鉄欠乏性貧血治療としてのラクトフェリン（インドネシア）

貧血は小児、特に5歳未満の小児によくみられる栄養上の問題である。鉄欠乏性貧血（IDA）の治療におけるサプリメントとしてのラクトフェリン（Lf）は研究されているが、小児におけるその結果はレビューされていない。10件のランダム化比較試験（RCT）と1件の非ランダム化試験からなる11件の研究をもとにシステマティックレビューを実施した。血清フェリチン（SF）およびヘモグロビン（Hb）は、LfまたはLfと元素鉄の併用群では、鉄のみまたはプラセボ補充群と比較して増加することが明らかになった。便秘、嘔吐、食欲不振、腹痛などの有害事象が認められたが、特にLf投与群では便秘の有意な減少が認められた。血液学的指標および鉄指標の改善と副作用の少なさに関して、Lfが小児のIDAに対する優れた治療法であることを支持するものである。
▶論文情報Lactoferrin as treatment for iron-deficiency anemia in children: a systematic reviewTurk J Pediatr. 2023;65(4):543-554.発行日：2023年9月4日

◆2023年9月6日

【コホート研究】妊娠初期のビタミンAサプリメントの摂取は子どもの先天性心疾患発症の可能性を高める（横浜市立大学）

出生前の多くの因子が子孫の先天性心疾患（CHD）と関連することが報告されている。しかし、これらの関連は大規模な出生コホートを用いて十分に検討されていない。計91 664名の単胎児が含まれ、そのうち1264名（1.38％）がCHDであった。多変量解析では、ビタミンAサプリメント（調整オッズ比［aOR］、5.78［95％CI、2.30-14.51］）、母親のバルプロ酸使用（aOR、4.86［95％CI、1.51-15.64］）、母親の降圧剤使用（aOR、3.80［95％CI、1.74-8.29］）、母親の年齢≧40歳（aOR、1.59［95％CI、1.14-2.20］）、および妊娠第2期の母親のヘモグロビン濃度の高さ（aOR、1.10/g/dL［95％CI、1.03-1.17］）は、子孫のCHDと関連していた。日本の大規模出生コホート研究を用いて、我々は6つの母親因子が子孫のCHDと関連することを見出した。
▶論文情報Association Between Maternal Factors in Early Pregnancy and Congenital Heart Defects in Offspring: The Japan Environment and Children's StudyJ Am Heart Assoc. 2023 Aug 29;e029268. 発行日：2023年8月29日

◆2023年6月14日

【エコチル】妊娠12週以内に開始した母親の出生前葉酸補給は4歳児の認知発達と正の関連がある（福島県立医科大学）

エコチル調査のデータを用いて、母親の出生前の葉酸サプリメント使用／食事からの葉酸摂取と4歳児（N = 3445）の認知発達の関連を評価した。重回帰分析の結果、妊娠前に葉酸サプリメントを使用し始めた母親の子どもは、妊娠中に葉酸サプリメントを使用しなかった母親（非使用者）の子どもに比べて、言語・社会的発達指数（DQ）が著しく高いことがわかった。妊娠12週以内に葉酸サプリメントの使用を開始した母親の子どもは、非使用者の子どもに比べて、認知適応型および言語社会型のDQが有意に高くなった。妊娠前から妊娠初期までの1日の食事性葉酸摂取量について、重回帰分析を行ったところ、200μg未満群に比べ、200～400μg未満群、400μg以上群では、いずれのDQ領域とも有意な関連は見られなかった。妊娠12週以内に開始した母親の出生前葉酸サプリメントの使用は、そのようなサプリメントを使用しない場合に比べて、4歳児の言語的および非言語的認知発達の向上と関連していることが示された。
▶論文情報Prenatal folic acid supplement/dietary folate and cognitive development in 4-year-old offspring from the Japan Environment and Children’s StudySci Rep. 2023 Jun 12;13(1):9541. 発行日：2023年6月12日

◆2023年5月23日

【RCT】2歳までの標準より高いビタミンD3補充が、小児期以降の内面化問題のリスクを減少させる（フィンランド）

2年間における高用量（1200IU）のビタミンD3補充と標準用量（400IU）のビタミンD3補充が6～8歳の精神症状に及ぼす影響と、母親のビタミンD3濃度が低い子どもと高い子どもで影響が異なるかどうかを明らかにするため、生後2週間から24か月まで毎日400-IUのビタミンD3経口補給を受ける群に無作為に割り付けられた乳児169名、1200-IUの経口補給を受ける群に無作為に割り付けられた乳児177名を対象に調査を行った。
臨床的に重大な内面化問題は、性別、出産時期、出産時の母親の抑うつ症状、およびフォローアップ時の親の独身状態を調整した後、400-IU群の20名（11.8％）と比較して、1200-IU群の10名（有病率5.6％）に生じた（確率比、0.40；95％CI、0.17-0.94；P = .04）。
母親の25(OH)D濃度が30ng/mL未満の44名の子どもを含む400-IUグループの子どもは、1200-IUグループの子どもと比較して内面化問題のスコアが高かった。
最初の2年間に標準より高いビタミンD3補充を行うことで、6～8歳時の内面化問題のリスクが減少することがわかった。
▶論文情報"Effect of Vitamin D3 Supplementation in the First 2 Years of Life on Psychiatric Symptoms at Ages 6 to 8 YearsA Randomized Clinical Trial"JAMA Netw Open. 2023;6(5):e2314319. 発行日：2023年5月19日

◆2023年3月20日

【RCT】B. infantis M-63の早期補充は忍容性が高くビフィドバクテリウム優位の腸内細菌叢の発達に寄与する（森永乳業）

健康な乳児におけるBifidobacterium longum subsp. infantis (B. infantis) M-63の有効性と安全性について、二重盲検無作為化プラセボ対照試験で調査した。健康な正期産児を対象に、生後7日目から3ヶ月間、B. infantis M-63（n=56、1×109CFU/日）またはプラセボ（n=54）を投与した。糞便を採取し、糞便微生物叢、便pH、短鎖脂肪酸、免疫物質を分析した。B. infantis M-63の補給は、プラセボ群と比較してビフィドバクテリウムの相対量を有意に増加させ、母乳育児の頻度と正の相関があった。B. infantis M-63の補給により、プラセボ群と比較して、生後1ヶ月の便のpHが低下し、便中の酢酸およびIgA濃度が上昇した。プロバイオティクス群では、排便回数と水様便の減少がみられた。試験食品に関連する有害事象は観察されなかった。
▶論文情報Early Probiotic Supplementation of Healthy Term Infants with Bifidobacterium longum subsp. infantis M-63 Is Safe and Leads to the Development of Bifidobacterium-Predominant Gut Microbiota: A Double-Blind, Placebo-Controlled TrialNutrients 2023, 15(6), 1402 発行日：2023年3月14日

◆2023年1月31日

【前向きコホート】小児期に十分な25(OH)D濃度と健康的な体重を維持することが身長の伸びと骨の健康増進において重要（中国）

血清25-ヒドロキシビタミンD（25[OH]D）が小児の身長成長速度および低骨密度（BMD）リスクにどのように影響するか、10,450名を対象に調査を実施した。血清25(OH)D濃度と身長成長速度との間に逆L字型の関連が認められ、40-60 nmol/Lまでで横ばいとなった。全体として、血清25(OH)D濃度が10nmol/L高くなるごとに、身長成長速度が0.14cm/年高くなり（P <0.001）、低BMDのリスクが6％減少した。ビタミンD欠乏症の参加者と比較して、ビタミンDが十分な参加者は、低BMDのリスクが21％低かった。しかし、過体重および肥満の子供では、ビタミンDと低BMDのリスクとの間に有意な関連は認められなかった。
▶論文情報Relationships for vitamin D with childhood height growth velocity and low bone mineral density riskFront. Nutr.Sec. Nutrition and Metabolism 発行日：2023年1月16日

◆2023年1月19日

母乳育児と適切な体重管理は生まれてきた子供の便中のSCFA組成に影響を与え健康に有益な効果をもたらす（ポーランド）

86名の小児から採取した合計456個の糞便サンプルのSCFAをガスクロマトグラフィーで分析した。総SCFA濃度は12カ月まで上昇し、その後安定した。妊娠中の抗生物質投与は，糞便中の酢酸，プロピオン酸および総SCFAの増加と関連し，6カ月後には同じSCFAが減少した。酪酸は帝王切開分娩後1カ月まで増加した。粉ミルク栄養児では、プロピオン酸（1ヵ月時）、酪酸および総SCFA（12ヵ月時）が増加した。また、経膣分娩で出生し、同じく粉ミルクを与えられた子どもでは、酢酸と直鎖酪酸および総SCFAが12カ月目に増加した。妊娠前の体重が正常で、妊娠中の体重増加が十分であった母親の子供では、より高い酪酸が観察された。
▶論文情報Analysis of Fecal Short-Chain Fatty Acids (SCFAs) in Healthy Children during the First Two Years of Life: An Observational Prospective Cohort StudyNutrients 2023, 15(2), 367 発行日：2023年1月11日

◆2022年12月19日

【RCT】酪酸塩の経口補給が小児肥満の治療に有効である（イタリア）

体格指数（BMI）が95％以上の5歳から17歳の小児54名を対象に、酪酸ナトリウム（1日20mg/kg体重）またはプラセボを6ヶ月間経口投与した小児肥満の標準治療を行った。酪酸エステル群はプラセボ群と比較して以下の変化を示した：ウエスト周囲径, -5.07 cm（95% CI, -7.68 to -2.46 cm; P < .001）; インスリン値, -5.41 μU/mL; HOMA-IR, -1.14; グレリンレベル，-47.89 μg/mL; microRNA221 相対発現, -2.17; IL-6 レベル， -4.81 pg/mL。肥満の小児において、酪酸の経口補給はBMIの低下をもたらし、糖代謝および炎症に有益な効果を発揮する可能性を示唆している。これらのデータは、腸内細菌由来の代謝物である酪酸が肥満に対する防御因子として重要であることを支持し、酪酸の最適な内因性産生を達成するためには、健康的な食事と腸内細菌の機能が中心的な役割を果たすことを強調するものである。
▶論文情報Therapeutic Effects of Butyrate on Pediatric Obesity A Randomized Clinical TrialJAMA Netw Open. 2022;5(12):e2244912. 発行日：2022年12月5日

◆2022年11月14日

血清トランスフェリン値の上昇は自閉症の高リスクと関連する可能性（USA）

血清鉄、フェリチン、トランスフェリンレベル、トランスフェリン飽和度など、鉄の状態と強く関連する指標を用いて、自閉症と鉄の状態の因果関係を評価するために2標本のメンデルランダム化（MR）分析を行った（N = 48,972）。遺伝的に決定される血清トランスフェリンレベルが自閉症のリスク上昇と有意に関連することが示された（オッズ比［OR］＝1.16、95％CI：1.03-1.30、P＝0.013）。血清鉄（OR = 0.99, 95% CI: 0.72-1.37, P = 0.951）、フェリチン（OR = 0.88, 95% CI: 0.47-1.64, P = 0.676）およびトランスフェリン飽和（OR = 0.89, 95% CI: 0.72-1.09, P = 0.252 ）に自閉症への有意な因果関係はなかった。血清トランスフェリン値の上昇は自閉症の高リスクと関連する可能性があり、自閉症発症における鉄欠乏の役割の可能性を示唆することが明らかになった。自閉症の家族歴のある子どもたちの鉄の状態にもっと注意を払い、関心を払うべきであると思わせるものであった。
▶論文情報The causal association between iron status and the risk of autism: a Mendelian randomization studyFront. Nutr.Sec. Nutrition, Psychology and Brain Health 発行日：2022年10月18日

◆2022年10月31日

【Review】幼少期の鉄分補給の利点とリスク（USA）

鉄欠乏症を予防するために乳幼児に鉄分を補給することがよくあるが、鉄分補給は乳幼児の健康に悪影響を与える。鉄分は成長と発達に悪影響を及ぼし、特定の感染症のリスクを高める可能性がある。過剰な鉄の供給は、成長や神経発達を遅らせ、病気や感染症への感受性を高める可能性があり、これらの結果の背景には、鉄毒性、ミネラル相互作用、腸内細菌叢の変化があると思われる。
▶論文情報Benefits and Risks of Early Life Iron SupplementationNutrients 2022, 14(20), 4380 発行日：2022年10月19日

◆2022年10月20日

【RCT】ADHDの児童・青少年の治療にサフラン抽出物が有効（スペイン）

サフランエキスは天然の刺激剤であり、様々な精神障害の治療に安全かつ効果的であることが証明されている。本研究では、サフランと通常のメチルフェニデートによる治療の有効性を、客観的試験と筆記試験により比較検討した。7歳から17歳の小児および青年を対象に、メチルフェニデート（n=27）とサフラン（n=36）の2群による非ランダム化臨床試験を実施した。その結果、サフランの有効性はメチルフェニデートと同等であることがわかった。サフランは多動性症状により効果的であり、メチルフェニデートは不注意症状により効果的である。
▶論文情報Effectivity of Saffron Extract (Saffr’Activ) on Treatment for Children and Adolescents with Attention Deficit/Hyperactivity Disorder (ADHD): A Clinical Effectivity StudyNutrients 2022, 14(19), 4046 発行日：2022年9月28日

◆2022年10月7日

【RCT SR&メタ解析】ビタミンDの補給は小児のアトピー性皮膚炎の重症度とアレルギー性鼻炎の症状を軽減する（中国）

アレルギー疾患の小児に対するVitD補給とプラセボを比較した無作為化対照試験（32のRCT）、2347名を対象に調査を実施した。VitDの補給は、全体としてプラセボと比較して小児の喘息増悪のリスクを低減しなかったが（リスク比（RR）=0.84、95％信頼区間（CI）: 0.65～1.08, p = 0.18）、ベースラインの血清25（OH）Dが<10 ng/mLである小児の喘息増悪のリスクはプラセボと比較して低下した（RR = 0.48、95％CI: 0.28～0.83, p = 0.009）。VitDの補給は、プラセボと比較して、アトピー性皮膚炎を持つ小児のScoring Atopic DermatitisまたはEczema Area and Severity Indexスコアを有意に減少させた（標準平均差=-0.5、95% CI: -0.87～-0.12, p = 0.009）。また、VitDの補給は、プラセボと比較して、アレルギー性鼻炎の子供たちの症状-薬物療法のスコアを減少させた（平均（標準偏差）。43.7 (3.3) vs. 57.8 (4.4), p = 0.001)。
▶論文情報Vitamin D Supplementation and Allergic Diseases during Childhood: A Systematic Review and Meta-AnalysisNutrients 2022, 14(19), 3947 発行日：2022年9月23日

◆2022年9月28日

【in vivo】幼少期の低カロリー甘味料摂取はラットのグルコース調節、糖質による行動、および記憶機能を乱す（USA）

小児における低カロリー甘味料（LCS）の消費は、食環境における広範な存在と、砂糖代替による肥満緩和の取り組みにより、劇的に増加している。しかし、幼少期のLCS摂取が認知機能や生理学的プロセスに及ぼす長期的な影響に関するメカニズム研究は不足している。思春期における毎日のLCS（アセスルファムカリウム、サッカリン、ステビア）摂取が、成体の代謝、行動、腸内マイクロバイオーム、脳トランスクリプトームの結果に及ぼす影響をラットを用いて評価した。青年期の習慣的なLCS摂取は、体重増加がないにもかかわらず、正常な口腔内グルコース処理に影響を与え、海馬依存性記憶に障害を与えることが明らかになった。さらに、舌の甘味受容体の発現を長期的に低下させ、糖質による食欲および消費反応に変化をもたらすことがわかった。幼少期のLCS習慣的摂取は、ラットのグルコレギュレーション、糖質刺激行動、海馬依存性記憶に長期的な影響を与え、その一部は、栄養トランスポーター、甘味受容体、中枢遺伝子経路の発現変化に基づく可能性がある。
▶論文情報Early life low-calorie sweetener consumption disrupts glucose regulation, sugar-motivated behavior, and memory function in ratsJCI Insight. 2022 Sep 13;e157714. 発行日：2022年9月13日

◆2022年9月12日

【コホート研究】就学前の子どもの25(OH)D3レベルは小児期におけるアトピー性湿疹のオッズ低下と関連（スペイン）

スペインの出生コホートにおいて、母子のビタミンDレベルが小児期を通じてアレルギーおよび喘息関連症状と関連しているかどうかを、妊婦（N = 2525）および小児（N = 803）を対象に血清中の25-ヒドロキシビタミンD3（25(OH)D3）濃度を測定した。アレルギーおよび喘息関連症状に関する情報は、1歳から9歳まで繰り返し行われた質問票から得た。母親の19％、子どもの24％が25(OH)D3値不足（20ng/ml未満）であった。4歳時の子どもの25(OH)D3レベルが高いことは、4歳から9歳までのアトピー性湿疹の低いオッズと関連していた（5ng/mlあたりの調整オッズ比=0.90、95%CI=0.84-0.97）。就学前の子どもの25(OH)D3レベルは、その後の小児期におけるアトピー性湿疹のオッズの低下と関連し、母子ともに遅発性喘鳴の有病率を低下させる可能性がある。
▶論文情報Prenatal and child vitamin D levels and allergy and asthma in childhoodPediatr Res. 2022 Sep 3. 発行日：2022年9月3日

◆2022年8月29日

母親の葉酸サプリメント摂取は、2歳児における喘息および湿疹と関連しない（北海道大学）

母親による葉酸サプリメントの摂取は、子孫の早期発症アレルギーのリスクと関連することが報告されている。食事性葉酸の摂取を考慮しながら、母親の葉酸サプリメント摂取と子孫の喘鳴や湿疹などのアレルギー症状との関係を「日本環境子ども調査」の母親84,361名、子ども85,114名について調べた。22.1%の母親が葉酸サプリメントを毎日摂取していることがわかった。一方、56.3％の母親はこれらのサプリメントを摂取していなかった。母親の葉酸サプリメントの摂取は、子供の喘息や湿疹とは関連がなかった。
▶論文情報Maternal dietary folate intake with folic acid supplements and wheeze and eczema in children aged 2 years in the Japan Environment and Children’s StudyPLoS One. 2022 Aug 22;17(8):e0272968. 発行日：2022年8月22日

◆2022年8月10日

血漿DHAの低濃度は子どもの肥満と正の相関があり、小児の代謝リスクを評価するためのより感度の高い双方向バイオマーカーとなる可能性（中国）

小児集団の血漿および赤血球中のドコサヘキサエン酸（DHA）を測定し、食事および代謝リスクパターンとの関連に関して比較することを目的に、5歳から7歳の子供435名を対象に調査を実施した。血漿と赤血球のDHA濃度には有意な相関が認められた（r = 0.232, p < 0.001）。多様な食品を多く摂取することを特徴とする多様な食事パターンは、血漿DHA濃度と正の相関を示した（β = 0.145, 95% CI: 0.045~0.244, p = 0.004）。体重、骨盤幅、BMI、上腕周囲径、胸囲が高い肥満リスクパターンの子供は、血漿DHA濃度が低かった（OR = 0.873, 95% CI: 0.786~0.969, p = 0.011 ）。
▶論文情報Docosahexaenoic Acid as the Bidirectional Biomarker of Dietary and Metabolic Risk Patterns in Chinese Children: A Comparison with Plasma and ErythrocyteNutrients 2022, 14(15), 3095 発行日：2022年7月28日

◆2022年7月19日

【RCT】シンバイオティックの補給は小児肥満症における食事療法と運動療法を上回る効率的な減量戦略である（トルコ）

外因性肥満の小児61名を対象に、12週間にわたり多種類のシンバイオティクスが身体測定、糖代謝、脂質パラメーターに及ぼす影響を検証した。1日1回、シンバイオティクスサプリメント（Lactobacillus acidophilus, Lacticaseibacillus rhamnosus, Bifidobacterium bifidum, Bifidobacterium longum, Enterococcus faecium, fructo-oligosaccharidesなどの混合物）または毎日プラシーボの投与を行った。ベースライン時、両群間で身体測定値、グルコースおよび脂質パラメータに統計的に有意な差は認められなかった。12週間後、体重（p<0.01）、BMI（p<0.05）、ウエスト周囲径（p<0.05）、ウエスト周囲径／身長比（p<0.05）の変化（ベースライン比の減少率）は、シンバイオティクスを摂取した子供たちで有意に高かった。多種類のシンバイオティクスを毎日摂取することで、体重、BMI、ウエスト周囲径、ウエスト/身長比といった身体測定値が改善された。

▶論文情報Effects of Multispecies Synbiotic Supplementation on Anthropometric Measurements, Glucose and Lipid Parameters in Children With Exogenous Obesity: A Randomized, Double Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial (Probesity-2 Trial)Front Nutr. 2022 Jul 1;9:898037. 発行日：2022年7月1日

◆2022年7月19日

睡眠時間の短さと食事のタイミングの遅さは、就学前児童の脂肪率増加と関連する（USA）

睡眠時間の短さは、就学前児童の肥満リスクと関連しているが、そのメカニズムは明らかではない。3-5歳児118名を対象に、睡眠特性と体組成、エネルギー代謝、体重調整行動との関連、および1年後の追跡調査における子どもの睡眠および食事パターンと体組成との縦断的な関連について評価を行った。遅い睡眠中間点は、より大きな脂肪量（0.33；95％CI：0.05、0.60）および体脂肪％（0.92；95％CI：0.15、1.70）と関連した。短い睡眠時間（-0.02；95％CI: -0.03, -0.00）および遅い食事タイミング（0.83；95％CI: 0.24, 1.42）は、1年後の高い体脂肪％と関連していた。

▶論文情報The Role of Sleep and Eating Patterns in Adiposity Gain among Preschool-Aged ChildrenAm J Clin Nutr. 2022 Jul 14;nqac197 発行日：2022年7月14日

◆2022年6月27日

十分な母乳栄養量とBifidobacterium breveの特殊な糖質代謝能力が、生後の腸管バリアに重要な役割を果たす（USA）

リーキーガットは早産児によく見られる現象であるため、妊娠24 0/7週から32 6/7週に生まれた早産児113人を対象に腸内細菌検査を実施した。Bifidobacterium breveの存在比が有意に高いことと、母親の母乳を多く含む食事が生後1週間の腸管バリア成熟と関連することがわかった。これらの要因をゲノム分解メタゲノム解析により検討した結果、Bifidobacterium breve株はヒトの母乳オリゴ糖や宿主由来の糖タンパク質を同化する高度に特殊な遺伝的能力を持つことが明らかになった。母乳栄養と腸内細菌のコロニー形成が生後腸管バリアの成熟に果たす役割のメカニズムを提案するものであり、壊死性腸炎（NEC）などの腸管透過性亢進症の予防と治療のための治療薬を開発する上で重要な知見である。
▶論文情報Highly Specialized Carbohydrate Metabolism Capability in Bifidobacterium Strains Associated with Intestinal Barrier Maturation in Early Preterm InfantsmBio. 2022 Jun 13;e0129922. 発行日：2022年6月13日

◆2022年6月6日

乳児の腸内細菌叢は多様性が低く、組成に関しても個人差があるものの、口腔内細菌と共通している（スウェーデン）

乳児の腸内細菌叢は多様性に乏しく、個人差はあるものの、口腔内細菌叢と共通する性質があることが明らかになった。腸内細菌叢の組成は生後2年間でかなり収束し、より多様な成人に近い微生物叢になることが示された。出産形態は、幼児期には個人差の一部を占めていたが、時間の経過とともに顕著に減衰した。
▶論文情報Development of gut microbiota during the first 2 years of lifeSci Rep. 2022 May 31;12(1):9080. 発行日：2022年5月31日

◆2022年5月25日

【横断研究】睡眠時間は朝食習慣とは無関係に体重状態と逆相関する（ギリシャ）

朝食抜き、睡眠不足、身体活動の低下が小児肥満と関連することが文献で示唆されている。ギリシャの複数の学校に通う10-12歳の児童の体重状態における朝食の食習慣、睡眠時間、身体活動の共同影響について1688人の生徒を対象に横断研究を実施した。体重過多／肥満の有病率は男児で高かった（32.5％ vs. 20.4％、p＜0.001）。平均睡眠時間は、朝食習慣の頻度とは独立して過体重／肥満のオッズを減少させた［OR（95％CI）：0.86（0.76，0.97）］。睡眠時間と朝食習慣（p＝0.002）および身体活動（p＜0.001）との間に相互作用が観察された。睡眠時間は朝食習慣とは無関係に体重状態と逆相関するが、十分な睡眠時間と頻繁な朝食摂取、中等度／十分な身体活動の共働は、小児肥満に対する相乗効果の結果、深く高い関連性を持つと思われる。
▶論文情報The path between breakfast eating habit, sleep duration and physical activity on obesity status: An epidemiological study in schoolchildrenNutr Health. 2022 May 17;2601060221102270. 発行日：2022年5月17日

◆2022年5月9日

【RCT】乳児期のビタミンD補給1000IU/日は12カ月までに除脂肪体重を緩やかに増加させる（カナダ）

母親のビタミンD状態が血清25-ヒドロキシビタミンD（25（OH）D）50nmol/L未満の子宮内曝露は、乳児の身体組成に悪影響を与える可能性がある。出産後24-36時間後の血清25(OH)Dが50nmol/L未満の乳児が試験に参加し、ベースライン（産後1ヶ月）時から12ヶ月までビタミンDを400 IU/d（男性29名、女性20名）または1000 IU/d（男性29名、女性20名）に無作為に割り付けた。25(OH)D が 50 nmol/L 以上（十分）の乳児（男性 23 名、女性 18 名）を非無作為化対照群として、400 IU/d を投与した。ベースライン時の平均血清25(OH)D濃度は、400IU/dと1000IU/dのビタミンD群ではそれぞれ45.8 ± 14.1, 47.6 ± 13.4, 基準群では69.2 ± 16.4 nmol/Lであった。血清25(OH)D濃度は3カ月から12カ月で試験群の平均で50nmol/L以上まで上昇した。除脂肪量は、12カ月時点ではビタミンD1000IU/d群が400IU/d群に比べ高かったが（7013±904.6 g 対 6690.4±1121.7 g、P = 0.0428）、基準群（6715 ± 784.6 g、P = 0.19）には及ばなかった。
▶論文情報Correction of neonatal vitamin D status using 1000 IU/d of vitamin D increased lean body mass by 12 months of age compared to 400 IU/d: a rand1omized controlled trialAm J Clin Nutr. 2022 Apr 19;nqab431. 発行日：2022年4月19日

◆2022年5月9日

アトピー性皮膚炎を発症した幼児期における腸内細菌群の発達の乱れが腸内生態系の確立を阻害する（韓国）

腸内細菌は、幼児期におけるアレルギー疾患の発症に影響を及ぼす。幼児期における腸内細菌叢の動態がアトピー性皮膚炎（AD）に及ぼす影響と、この恒常性を制御する宿主とマイクロバイオームの潜在的な相互作用について解析した。腸内細菌叢はAD群、非AD群ともに年齢とともに成熟するが、AD群ではその発達が乱れていた。加齢に伴う短鎖脂肪酸（SCFA）産生菌のコロニー形成の乱れは、SCFA産生の異常とIgEレベルの上昇をもたらした。酪酸の不足は宿主細胞の酸素消費率を低下させ、腸内に酸素を放出し、腸内細菌叢を擾乱させる可能性がある。腸内細菌叢の発達の乱れは、ADの幼児期における免疫反応など、バランスのとれた微生物-宿主間の相互作用を悪化させる可能性がある。
▶論文情報Disordered development of gut microbiome interferes with the establishment of the gut ecosystem during early childhood with atopic dermatitisGut Microbes. Jan-Dec 2022;14(1):2068366. 発行日：2022年4月29日

◆2022年4月22日

【後ろ向き研究】日本人乳児のVDレベルは低いが、骨形成に悪影響を与えるものではない（慶応義塾大学）

出生時の新生児のビタミンDレベルは母親の25(OH)Dレベルに完全に依存しているが、血清25(OH)Dの半減期は2-3週間であるため、生後1ヶ月の乳児のビタミンDレベルは母乳、ミルク、日光暴露から得られる。一方、乳児期早期の25(OH)D欠乏症のレベルはまだ不明である。305人の1ヶ月児と252人の2ヶ月児を対象とし、調査を実施した。487名（87.4％）が、文献上よく使用されているカットオフ値である20ng/mL未満の閾値を示した。この結果は、日本人の乳幼児がビタミンDサプリメントの摂取を控えていることや、乳幼児期に屋外での活動が少ないという日本人の文化的慣習が主な原因であると考えられる。具体的には、変曲点は、生後1ヶ月の日本人乳児で7.90ng/mL（95％信頼区間、6.31-9.49）、2ヶ月の日本人乳児で6.74ng/mL（95％信頼区間、5.80-7.68）であり、既報より低い値であった。1〜2ヶ月の日本人乳児の25(OH)D値は12ng/mL未満であることを考えると、この値は必ずしも深刻なビタミンD欠乏を示すものではなく、骨形成に悪影響を与えるものでもないが、日本のほとんどの満期新生児において、政策的な推奨による栄養性くる病の予防の必要性を示唆するものである。
▶論文情報
The cut-off values of vitamin D deficiency in early infancyPediatr Neonatol. 2022 Mar 22;S1875-9572(22)00052-3.
発行日：2022年3月22日

◆2022年4月14日

グルテンの摂取と炎症は、リスクの高い子どもたちのセリアック病の発症に影響する（イタリア）

セリアック病（CD）を発症した乳児の食事パターンは、ビスケットとフルーツジュースの摂取量が多く、乳製品、豆類、野菜、果物の摂取量が少ないことが特徴的であった。CDを発症した遺伝的素因のある乳児は、グルテン摂取前4カ月に独特の血清サイトカインプロフィールを示した。グルテンの摂取量は、CDを発症した乳児においてのみ、36カ月目の血清サイトカインにおける炎症性プロファイルと強い相関があった。
▶論文情報
Gluten consumption and inflammation affect the development of celiac disease in at-risk childrenScientific Reports volume 12, Article number: 5396 (2022)
発行日：2022年3月30日

◆2022年3月16日

【SR&メタ解析】血中ビタミンD濃度と小児および青年の腹部肥満との間に負の関係がある（イラン）

小児および青年における血中ビタミンD濃度と腹部肥満の関係を評価するために、包括的レビューと用量反応メタ解析を行った。29,353人の健康な子どもを対象とした14の横断研究から得られた19の効果量を組み合わせると、血清ビタミンDの最高レベルと最低レベルは、腹部肥満の35％減少したオッズと関連していた［オッズ比（OR）：0.65、95％ CI：0.50, 0.84］。血清ビタミンD濃度を20から40ng/mlに増加させることは、小児の腹部肥満のオッズを減少させることと関連していた。
▶論文情報
Serum Vitamin D Levels in Relation to Abdominal Obesity in Children and Adolescents: A Systematic Review and Dose-Response Meta-AnalysisFront Nutr. 2022 Feb 16;9:806459.
発行日：2022年2月16日

◆2022年1月6日

【コホート研究】血漿ビタミンB12濃度は健康なデンマークの3歳児の認知発達と正の相関（デンマーク）

栄養状態の良いデンマークの小児において、9カ月と36カ月の血漿ビタミンB12および葉酸と36カ月の精神運動発達の関係を280名を対象に調査し、9カ月および36カ月時点のビタミンB12および葉酸とASQ-3との関連を回帰モデルを用いて解析した。ビタミンB12は、栄養状態の良い子供の3歳時の精神運動発達と正の相関があった。
▶論文情報
Plasma vitamin B12 concentration is positively associated with cognitive development in healthy Danish 3-year-old children; the SKOT cohort studiesBr J Nutr. 2021 Dec 16;1-25.
発行日：2021年12月6日

◆2021年11月22日

ビタミンD2はビタミンD欠乏症を予防する役割を果たしている（中国）

2013年に中国国民栄養健康監視（CNNHS）から1435人の被験者が登録された。血清25(OH)Dの総量が30 nmol／L未満の有病率は8.9％であった。血清25(OH)D2は10.9％の児童に検出された。交絡因子を調整した結果、25(OH)D2が検出されなかった小児は、25(OH)D2が検出された小児に比べて、総25(OH)D濃度が8.48 nmol／L低く、3～5歳の子どもにビタミンDの欠乏が多く見られた。ビタミンD2は中国の3〜5歳児のビタミンD欠乏症を予防する役割を果たす可能性がある。
▶論文情報
Relationship between Serum 25OH-Vitamin D2 Level and Vitamin D Status of Children Aged 3–5 Years in China
Nutrients 2021, 13(11), 4135
発行日：2021年11月19日

◆2021年10月21日

【横断研究】Cu / Zn比は慢性疾患を持つ子供における炎症状態と亜鉛欠乏のリスクが高いことを示している可能性（スペイン）

慢性疾患を持つ児童・青年78名の患者（女性55％）を対象に、血清銅濃度、血清銅／亜鉛（Cu／Zn）比、および栄養指標との関連性を横断的・比較的に評価した。小児および男性は、思春期および女性に比べて、血清銅の異常および高銅血症を発症するリスクが高いことがわかった。
▶論文情報
Copper and Copper/Zn Ratio in a Series of Children with Chronic Diseases: A Cross-Sectional Study
Nutrients 2021, 13(10), 3578
発行日：2021年10月13日

◆2021年10月15日

【SR&メタ解析】グルテンフリー、カゼインフリーダイエットが常同行動を減らし、ASDの子供たちの認知を改善できる（中国)

8件の研究（被験者数297名）のうち、5件の研究では、グルテンおよびカゼインを含まない（GFCF）食事による食事介入により、常同行動が有意に減少したことが報告され（標準平均差（SMD）＝-0.41、95％信頼区間（CI）：-0.68～-0.15）、3件の研究では、認知機能が改善したことが報告された（SMD＝-0.46、95％CI：-0.91～-0.01）。
▶論文情報
A systematic review and meta-analysis of the benefits of a gluten-free diet and/or casein-free diet for children with autism spectrum disorder
Nutrition Reviews, nuab073
発行日：2021年10月 7日

◆2021年10月11日

【RCT】ミルク由来オリゴ糖（MOS）を含む乳児用調製粉乳は、腸の免疫応答を改善する（フィリピン)

生後21〜26日の健康期の乳児に、タンパク質そのままの牛乳ベースの粉ミルク（対照群、CG、n = 112）、または7.2 g MOS/Lを含む同じ粉ミルク（実験群、EG、n = 114）を6カ月齢まで与えた。また、観察研究で得られたヒトの母乳のみで育てられた乳児（HFI, n = 70）を参考資料とした。その結果、MOSを含む乳児用調製粉乳は、腸内細菌叢と代謝シグネチャーをHFIに近づけ、強力なビフィドジェニック効果をもたらし、糞便中の病原菌を減らし、腸の免疫応答を改善した。
▶論文情報
Vitamin D supplementation and cardiometabolic risk factors among diverse schoolchildren: a randomized clinical trial
Am J Clin Nutr., nqab336
発行日：2021年10月 7日

◆2021年10月1日

【RCT】小学生のビタミンD補給は、HDL-C、LDL-C、総コレステロールに対して、特に低用量の600IUで良好な効果を示し、効果の持続も示す（アメリカ)

8～15歳の多様な人種の小学生を対象に、600、1000、2000IU/日のVDを6か月間補給する二重盲検無作為化試験を行った。604名の子どものうち、40.9％が初期値でのVD不足(20ng/mL未満、平均22.0±6.8ng/mL)）、46.4％が過体重／肥満、60.9％が1つ以上の基準値から外れた血中脂質または血糖値を有していた。補給後6か月の時点で、HDL-Cは600および1000IU群で上昇したままであり、TGは1000および2000IU群で上昇したままであった。
▶論文情報
Vitamin D supplementation and cardiometabolic risk factors among diverse schoolchildren: a randomized clinical trial
Am J Clin Nutr., nqab319
発行日：2021年9月22日

◆2021年8月31日

【横断研究】ASD小児の主要な自閉症状はVA欠乏および睡眠障害と関連（中国)

ASD児(n＝856)と非ASD児(TDC;n＝316)を比較し、血中VA濃度と睡眠障害の関連性を検討した。ASD患児はTDC児と比較して、血清VA濃度が低く、睡眠障害の有病率が高かった。
▶論文情報
Vitamin a deficiency and sleep disturbances related to autism symptoms in children with autism spectrum disorder: a cross-sectional study
BMC Pediatr. 2021 Jul 3;21(1):299.
発行日：2021年7月3日

◆2021年7月27日

【コホート研究】生後まもない時期の腸内細菌叢は体重増加との関連性を示す（スペイン)

生後1か月の経膣分娩児88人と帝王切開分娩児36人の正期産児を対象に、特定の糞便微生物の絶対量を測定し、生後12か月までの成長を調べた。その結果、生後1か月のブドウ球菌レベルに応じて乳児を3分位に分類すると、最も高い3分位の帝王切開出産児では、生後12か月時の体重が有意に低かった。
▶論文情報
Levels of Predominant Intestinal Microorganisms in 1 Month-Old Full-Term Babies and Weight Gain during the First Year of Life
Nutrients 2021, 13(7), 2412
発行日：2021年7月14日

◆2021年6月25日

【RCT】牛ラクトフェリン強化製剤は、貧血児の下痢および呼吸器感染症罹患率を減少させる（中国)

生後4～6か月に母乳のみで育てられ、6～9か月に離乳してミルクを与えられた貧血の乳児に牛由来ラクトフェリン強化ミルクを与え、最終的に96名の下痢や呼吸器感染症罹患率を調べた。ラクトフェリンなし群(FG0)に比べ、ラクトフェリン量38mg/100g群(FG1)では鼻水、喘ぎ、発疹の罹患率が低く（P＜0.05）、ラクトフェリン量76mg/100g群(FG2)では呼吸器系疾患、喘ぎの罹患率が低かった（P＜0.05）。
▶論文情報
Dose effect of bovine lactoferrin fortification on diarrhea and respiratory tract infections in weaned infants with anemia: A randomized, controlled trial
Nutrition. 2021 Apr 23;90:111288.
発行日：2021年4月23日

◆2021年6月16日

【SR＋メタ解析】妊娠中のPM2.5をはじめとする汚染物質への曝露が、新生児のASDリスク上昇と関連（フランス)

周産期(妊娠前～生後2年目)の大気汚染物質曝露による新生児のASDリスクについて調べた。2020年7月までの28件の研究で、合計758 997人の新生児が対象となった(ASD 47190人、コントロール703980人)。2.5μm未満の粒子状物質（PM2.5）が5μg/m3増加するごとに、どのモデルを用いても新生児のASDリスクが増加した（グローバルモデルで7％、悲観的モデルで5％、楽観的モデルで15％増加）。
▶論文情報
Autism spectrum disorder and air pollution: A systematic review and meta-analysis
Environ Pollut.2021 Jun 1;278,116856.
発行日：2021年3月2日

◆2021年6月14日

【メタ解析】乳酸菌とビフィズス菌の混合株は、3歳未満の乳児の湿疹発生率を減少させる（中国)

乳酸菌とBifidobacteriumの混合株が、3歳未満の乳児の湿疹に及ぼす影響を9件のRCT(乳児2093名)を選出し調べた。乳酸菌とビフィズス菌の混合株は、プラセボと比較して、3歳未満の乳児の湿疹を予防することができた。Lactobacillus rhamnosusGG（LGG）とB. longumの混合株を除き、他のサブグループ介入群は予防効果を奏した。
▶論文情報
Can Mixed Strains of Lactobacillus and Bifidobacterium Reduce Eczema in Infants under Three Years of Age? A Meta-Analysis
Nutrients 2021, 13(5), 1461
発行日：2021年4月25日

◆2021年5月26日

【3重盲検RCT】ビタミンD3 1000IU/日12週間補給は、高TG血症児の脂質プロファイルを、体組成を変えることなく改善する（ブラジル)

4～11歳のブラジル人高TG血症児44名(女児56.8%、褐色人種54.5%)を対象とした、無作為化3重盲検プラセボ対照交叉試験を行った。VD補給群とプラセボ群に分け、それぞれVD3(1000IU/日）とヒマワリ油を5滴ずつ、12週間にわたって毎日投与した。プラセボ群と比較し、VD補給群は血清TC（p＜0.001）、LDL-C（p＜0.001）、non-HDL-C（p＜0.001）、TC/HDL-C（p＝0.001）、LDL-C/HDL-C比（p＜0.001）が減少したことがわかった。
▶論文情報
Vitamin D supplementation reduces serum lipids of children with hypertriglyceridemia: a randomized, triple-masked, placebo-controlled crossover trial
Nutrition 2021 Apr 28,111296.
発行日：2021年4月28日

◆2021年5月13日

【エコチル調査】妊娠前と妊娠中の身体活動レベルが高いと、子が1歳のときの睡眠や発達上の問題が軽減される（九州大学、産業医科大学)

日本全国規模のコホート研究のデータ(2011～2014年)を用い、妊娠前と妊娠中の母親の身体活動(PA)と、1歳児の睡眠及び発達上の問題との関連を調査した。身体活動レベルによって5群に分けた。その結果、PAレベルが高い群の子は1歳時の22時以降の就寝や乳児の発達を示すASQスコア異常のリスク比が低かった。
▶論文情報
Influence of physical activity before and during pregnancy on infant’s sleep and neurodevelopment at 1-year-old
Sci Rep.2021;11:8099.
発行日：2021年4月14日

◆2021年4月28日

【Review】コリン、葉酸、VDは、胎児の脳の発達に不可欠である（USA)

コリン、葉酸、VDの補給は、脳の発達を保護し、遺伝的あるいは環境的に脆弱な子供たちの将来の精神病性障害のリスクを減少させる可能性がある。このレビューの目的は、妊娠中の微量栄養素の安全性と有効性を裏付ける現在の証拠を示し、今後の研究分野を提案する
▶論文情報
Choline, folic acid, Vitamin D, and fetal brain development in the psychosis spectrum
Schizophr Res.2021 Apr 8;doi:10.1016/j.schres.2021.03.008
発行日：2021年4月8日

◆2021年4月20日

ASD小児へのオメガ3投与は、ASDの特徴的行動である常同行動や社会的コミュニケーションなどを改善（イラン）

54名の自閉症児を対象に、二重盲検RCTを実施し、オメガ3を1000mg/日を8週間摂取する症例群（n＝28）と中鎖TGのプラセボを摂取する対照群（n＝26）に割り付けた。年齢、性別、出生時体重、BMI、食事摂取量、母親の年齢、母親のBMIを調整した結果、介入群は対照群と比較して、介入後に常同行動（p＝0.02）、社会的コミュニケーション（p＝0.02）、自閉症の重症度を示すGARSスコア（p＝0.001）が有意に改善した。社会的相互作用サブスケールのスコアには有意な変化は認められなかった。
▶論文情報
The effect of omega-3 fatty acids supplementation on social and behavioral disorders of children with autism: a randomized clinical trial
Endocrinol Diabetes Metab 2021; 27 (1): 12–18
発行日：2021年1月18日

◆2021年4月16日

【横断研究】慢性疾患小児の69％が高い亜鉛欠乏リスクを有する可能性（スペイン）

前向き72時間食事調査により、慢性疾患を持つ一連の小児の食事性亜鉛欠乏症または亜鉛摂取不足症患者の有病率を分析した。低亜鉛血症の患者はすべて食事による亜鉛の摂取が不足していた。
▶論文情報
Zinc Nutritional Status in a Series of Children with Chronic Diseases: A Cross-Sectional Study
Nutrients 2021, 13(4), 1121
発行日：2021年3月29日

◆2021年4月7日

新生児期の抗生物質使用は腸内ビフィズス菌多様性低下を介し、生後6年間の男児の発育遅延をもたらし、小児期以降の使用は肥満度上昇と関連（イスラエル）

正期産の子ども12,422名からなる無選別の出生コホートで調査した結果、潜在的な交絡因子を調整した後の新生児期の抗生物質曝露後の生後6年間の体重と身長の増加は、女児ではなく男児で有意に減衰した。また特に2歳までの糞便中のビフィズス菌の存在量と多様性の低下が見られた。
▶論文情報
Microbiology: Neonatal antibiotic use associated with reduced growth in boys
Nat Commun. 2021;12, 443.
発行日：2021年1月26日

◆2021年3月26日

【臨床試験】アレルギーやアトピー児の1/3にビタミンD不足がみられ、牛乳アレルギー児は鉄欠乏性貧血リスクが高い（アメリカ）

0～17歳の牛乳アレルギー患者(n=77)、その他の食物アレルギー患者(n=70)、食物アレルギーのないアトピー患者(n=87)のビタミンDと鉄分の状態を比較した結果、牛乳や代替乳飲料を一切摂取していない食物アレルギーの年長児は、VD不足リスクが最も高かった。
▶論文情報
Vitamin D and iron status in food allergic children
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Mar 8;S1081-1206(21)00173-3.
発行日：2021年3月8日

◆2021年3月17日

アレルギー疾患有病児は血中ビタミンDは濃度が低く、ビタミンD欠乏小児の免疫マーカーも低い（ポーランド）

アレルギー性疾患のある子供たちのグループでは、対照グループよりもビタミンD欠乏症の頻度が有意に高く（p= 0.007）、重度の臨床経過をたどった子供と比較して、軽度の経過をたどった子供たちのグループでは、統計的に有意に高い血中ビタミンD濃度が観察された（p = 0.03）。
▶論文情報
Vitamin D and Immunological Patterns of Allergic Diseases in Children
Nutrients 2021, 13(1), 177
発行日：2021年1月8日

◆2021年2月24日

ASD児の症状や発達と、血清ビタミンA、ビタミンD、葉酸、亜鉛値が相関（中国）

中国の重慶市と海南市からASD児738名と典型的発達(TD)児302名を対象に栄養状態とASD症状の関連性を解析した結果、TD児よりもASD児の方が全粒穀物、牛乳・乳製品、豆・大豆製品、野菜、果物の摂取量が少なく、血清葉酸、VB12、VD濃度はASD児で一貫して低かった。
▶論文情報
Nutritional Status and Symptoms in Preschool Children With Autism Spectrum Disorder: A Two-Center Comparative Study in Chongqing and Hainan Province, China
Front Pediatr. 2020 Sep 3;8:469.
発行日：2020年9月3日

◆2021年2月10日

【Narrative Review】妊婦のDHA、EPA、アラキドン酸摂取は、子どものアトピー性皮膚炎や喘息などの免疫疾患リスクを減らす可能性（イギリス）

アラキドン酸とDHA含有粉ミルクまたは母乳を飲んでいる乳児の免疫マーカーは類似しており、アレルギー疾患や呼吸器疾患リスクが低下していたが、これら脂肪酸を含まない粉ミルクでは類似しなかった。
▶論文情報
Long-Chain Polyunsaturated Fatty Acids (LCPUFAs) and the Developing Immune System: A Narrative Review
Nutrients 2021, 13(1), 247
発行日：2021年1月16日

◆2021年1月19日

【SR＋メタ解析】オメガ3サプリは成人ではなく乳児の睡眠を改善する可能性（アメリカ）

臨床レベルの睡眠障害を有する子どもの総睡眠障害スコアを減少させた（WMD = -1.81; 95%CI、-3.38～-0.23）が、健康な子どもの総睡眠時間、睡眠潜時、または睡眠効率には影響を及ぼさなかった。
▶論文情報
Omega-3 long-chain polyunsaturated fatty acid and sleep: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials and longitudinal studies
Nutr Rev.,nuaa103
発行日：2020年12月31日

◆2020年12月23日

【臨床試験】ラクトフェリンの摂取が、子どもの睡眠の質を改善する可能性を確認（森永乳業㈱・信州大学）

長野県松本市内の1～2歳の保育園児109名を対象に、プラセボまたはラクトフェリン48mg/日を含む食品を13週間摂取させ、保護者へのアンケートを行った結果、ラクトフェリン摂取群は睡眠アンケートの「総スコア」が改善する傾向が見られた。
▶論文情報
Effects of Lactoferrin on Sleep Conditions in Children Aged 12–32 Months: A Preliminary, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial
Nat Sci Sleep.2020 Sep 29;12:671-677.
発行日：2020年9月29日

◆2020年12月8日

【横断研究】小児の腸内細菌叢と腸内の短鎖脂肪酸は小児肥満や体脂肪分布と有意に関連（中国）

6〜9歳の236人の子供が参加した横断研究の結果、一部の腸内細菌数および酢酸、プロピオン酸、酪酸の糞便中濃度は、肥満と体脂肪分布と有意に関連していた。
▶論文情報
The associations of the gut microbiome composition and short-chain fatty acid concentrations with body fat distribution in children
Clin Nutr.2020 Nov.20.doi:10.1016/j.clnu.2020.11.014.
発行日：2020年11月20日

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小児

【Review】マイトファジーと自閉症スペクトラムの交差点（ブルガリア）～ミトコンドリア機能不全がASDの原因なのか結果なのかがまだ明確になっていない～

生後6～11ヵ月の乳児における重要なビタミンDと鉄の摂取量（ドイツ）～乳児は鉄とビタミンDの摂取量が足りていない～

【SR&メタ解析】小児および青年の鉄欠乏性貧血治療における鉄補給の最適量と期間（インド）～低用量の鉄補給（5mg/kg/日未満）がHbの改善には好ましい～

【RCT】小児肥満集団におけるインスリン抵抗性に対するミオイノシトールと亜鉛の有効性（イタリア）～ミオイノシトールと亜鉛の摂取は重度の肥満に効果がある～

【コホート研究】日本人出生コホートにおいて、生後18ヵ月時の自閉症スペクトラム障害のリスクは出生前のポリ塩化ビフェニル曝露量と関連している（長崎大学）～PCBへの出生前曝露が後の自閉症行動の出現と関連する～

自閉症の神経発達における栄養学的側面（USA）～葉酸とタウリンの発達初期の補充はASD症状の重症度を軽減するのに最も効果的～

【コホート研究】1歳時のヨーグルト摂取頻度と3歳時の発達との関係（富山大学）～1歳時点でのヨーグルトの定期的な摂取は3歳時点での発達遅滞のリスク低下と関連する～

自閉スペクトラム症の子どもにおける『精神状態に関与する』腸内細菌数～乳酸菌やビフィズス菌の変化がASDの重症度や感覚障害に関与していることは明らか～（エジプト）

【Review】発達期の精神神経免疫学における初期生活ストレスと鉄代謝～慢性で重度のストレスがHPA機能を通して鉄代謝に影響を与える～（USA）