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メタボリック
2025年4月9日
肥満はビタミンD補充開始後、25(OH)D値が定常状態に達するまでの時間を延長させる可能性がある（USA）
肥満は、循環25(OH)D値に影響を及ぼすことが知られているが、ビタミンD補充開始後、安定した25(OH)D値に達するまでに要する時間に影響を及ぼすかどうかについては、あまり知られていない。 この観察研究は、BMIがビタミンD補充に反応して25(OH)D値が定常状態に達するのに必要な時間を変化させるかどうかを調べるために行われた。1日700IUのビタミンD3と500mgのカルシウムを12ヵ月間投与され、0、6、12ヵ月後に25(OH)Dを測定した人を対象とした。 ベースラインのBMIカテゴリー（正常体重、BMI 18.5～24.9kg/m2、n=62；過体重および肥満、BMI≧25kg/m2、n=105）別に25(OH)D値の軌跡を評価した。 ベースラインの25(OH)D値は78±31.3nmol/L（標準体重）、74.7±36.5nmol/L（過体重および肥満）であった。正常体重の参加者は6ヵ月までに25(OH)D値が定常状態に達したのに対し、過体重と肥満の参加者では6ヵ月から12ヵ月の間に25(OH)D値が上昇し続けた。 この解析から、過体重および肥満の成人においてビタミンD補充を開始してから25(OH)D値が定常状態に達するまでに要する時間は、臨床で一般的に用いられている通常の3ヵ月時点よりも長いことが示唆される。 ビタミンD状態の臨床的モニタリングを最適化するためには、過体重および肥満者において、ビタミンD補充に対する循環25(OH)D反応の時間経過をより精密に定義する必要がある。肥満はビタミンD補充開始後、25(OH)D値が定常状態に達するまでの時間を延長させる可能性がある（USA）
▶論文情報Obesity may extend the time required to reach a steady-state 25(OH)D level after initiating vitamin D supplementationJBMR Plus. 2025 Feb 8;9(4):ziaf030. 発行日：2025年2月8日
2025年3月28日
【コホート研究】食事性カルシウム／マグネシウム比と心血管疾患リスク（イラン）
～食事のCa：Mg比が高いほどCVDの10年リスクが高い～
食事摂取の様々な側面の中で、食事中のカルシウムとマグネシウムの比率（Ca：Mg）はあまり研究されていない。 本研究の目的は、イラン、シーラーズの医療スタッフの健康コホート参加者において、食事のCa：Mg比と10年間の心血管リスクとの関連を評価することである。参加者のうち、3,382名（男性1,515名、女性1,867名）、年齢中央値（IQR）41.00（10.00）歳が研究の対象となった。 単変量モデルでも調整モデルでも、Ca：Mg比が1単位増加すると10年冠動脈リスクが高くなった。食事のCa：Mg比が高いほどCVDの10年リスクが高いことが示された。【コホート研究】食事性カルシウム／マグネシウム比と心血管疾患リスク（イラン）
～食事のCa：Mg比が高いほどCVDの10年リスクが高い～
▶論文情報Dietary Calcium to Magnesium Ratio and Risk of Cardiovascular DiseasesBiol Trace Elem Res. 2025 Mar 24.発行日：2025年3月24日
2025年3月12日
【前向きコホート】脂肪組織のn-6系多価不飽和脂肪酸含量と全死亡（デンマーク）
～脂肪組織中のアラキドン酸含量はより高い全死亡率と関連～
N-6系多価不飽和脂肪酸（PUFAs）は多様な生物学的作用を及ぼす可能性があるが、死亡率との関連についての知見は限られている。これらの脂肪酸への内因性曝露の長期的マーカーである個々のn-6系PUFAsの脂肪組織含量と全死亡率との関連を調べた。採用時に臀部から脂肪組織生検を採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸組成を分析した。中央値21年間の追跡期間中に、1,160名の参加者が死亡した。 脂肪組織中のリノール酸およびアラキドン酸含量の中央値はそれぞれ10.60％および0.36％であった。 多変量連続解析では、脂肪組織のリノール酸含量と全死亡率との間に統計学的に有意な逆相関が認められた（p < 0.001）。 対照的に、アラキドン酸の脂肪組織含量と全死亡率の連続分析では、統計的に有意でない正の関連が認められた（p = 0.078）。 最高四分位と最低四分位を比較すると、死亡率のHRはそれぞれ脂肪組織中のリノール酸で0.76、アラキドン酸で1.28であった。脂肪組織中のリノール酸含量は全死亡率と逆相関していたが、脂肪組織中のアラキドン酸含量はより高い全死亡率と関連していた。【前向きコホート】脂肪組織のn-6系多価不飽和脂肪酸含量と全死亡（デンマーク）
～脂肪組織中のアラキドン酸含量はより高い全死亡率と関連～
▶論文情報Adipose tissue content of n-6 polyunsaturated fatty acids and all-cause mortality: a Danish prospective cohort studyThe American Journal of Clinical Nutrition February 3,2025 発行日：2025年2月3日
◆2025年3月3日
朝食摂取のタイミングと朝食省略が思春期女子の昼食後の血糖値およびインスリン血症に及ぼす影響
～朝食摂取頻度の低い女子は朝食から昼食までの食事間隔が食後血糖に影響する～
思春期の女子は、時間の制約や朝の食欲減退のために朝食を抜くことが多い。 本研究では、朝食摂取頻度の低い女子を対象に、朝食摂取タイミングと朝食省略（BO）が昼食時の血糖およびインスリン反応に及ぼす急性影響を検討した。 15名の女子（13.1±0.8歳）が、無作為化クロスオーバーデザインで、早朝朝食摂取（EM-BC；8:30）、午前中朝食摂取（MM-BC；10:30）、BOの3つの条件を完了した。 12時30分に標準化された昼食が提供され、その後昼食後2時間の観察期間が設けられた。BOと比較すると、いずれの朝食条件も昼食後の血糖反応を低下させ、午前中の朝食は早朝の朝食よりもセカンドミール効果が高かった。 これらの所見は、朝食摂取頻度の低い女子において、朝食から昼食までの食事間隔が食後血糖に影響する重要な因子である可能性を示している。朝食摂取のタイミングと朝食省略が思春期女子の昼食後の血糖値およびインスリン血症に及ぼす影響
～朝食摂取頻度の低い女子は朝食から昼食までの食事間隔が食後血糖に影響する～
▶論文情報Impact of Breakfast Consumption Timing versus Breakfast Omission on Post-Lunch Glycaemia and Insulinaemia in Adolescent Girls: A Randomised Crossover TrialBr J Nutr. 2025 Feb 14:1-33. 発行日：2025年2月14日
◆2025年2月12日
【NHANES】米国女性における多価不飽和脂肪酸摂取量とエストラジオール値の関連性（中国）
～EPAとDPAの摂取が特に閉経前の女性においてエストラジオールレベルの上昇と関連している～
多価不飽和脂肪酸（PUFA）は体内の恒常性維持に重要な役割を果たしている。 しかし、PUFA摂取量とエストラジオール値の関係についての研究は限られている。 本研究の目的は、米国の女性における食事からのPUFA摂取量とエストラジオール値の関連を調査することである。PUFA摂取量とエストラジオール値に関するデータは、2013～2016年の20歳以上の女性を対象とした国民健康・栄養調査（NHANES）から抽出した。非閉経女性においてEPAおよびDPAの摂取量が多いほどエストラジオール値が上昇することを示唆している。 これらの知見は、女性の生殖に関する健康とホルモンレベルの調節における食事成分の重要性を支持するものである。【NHANES】米国女性における多価不飽和脂肪酸摂取量とエストラジオール値の関連性（中国）
～EPAとDPAの摂取が特に閉経前の女性においてエストラジオールレベルの上昇と関連している～
▶論文情報Association between polyunsaturated fatty acid intake and estradiol levels among U.S. womenFront Nutr. 2024 Nov 20:11:1500705. 発行日：2024年11月20日
◆2025年2月3日
血圧、肥満度、喫煙、糖尿病が日本人の健康寿命に及ぼす影響の包括的評価（東京科学大学）
～高血圧、肥満、喫煙、糖尿病の影響で健康寿命が10年短縮する～
健康寿命（HLE）は先進国で広く用いられている集団健康指標であるが、非伝染性疾患リスク因子の組み合わせとの関係についてはほとんど知られていない。 本研究は、日本人集団における血圧値、肥満度、喫煙の有無、糖尿病（DM）の組み合わせによる65歳時点のHLEを検討するために実施された。全国コホート研究（NIPPON DATA90）において、1990年の参加者から健康診断、血液検査、面接および質問票によりこれらの危険因子に関するデータを得た。 その後、1995年と2000年に65歳以上の参加者に日常生活動作に関する調査を実施し、多段階生命表を用いて組合せ特異的HLEとその95％信頼区間（CI）を算出した。研究集団は6,569名（男性：2,797名、女性：3,772名）で、2010年まで追跡された。 グレードII/IIIの高血圧、肥満、現在喫煙者、DMを有する男性（HLE：12.9歳、95％CI：12.9-13.0歳）の65歳時HLEは、これらの危険因子を有さない男性（HLE：22.6歳、95％CI：22.4-22.8歳）より9.7年短かった。 同様に、グレードII/IIIの高血圧、肥満、現在喫煙者であること、DMを有する女性（HLE：16.2歳、95％CI：15.9-16.5歳）の65歳時のHLEは、これらの危険因子を有さない女性（HLE：26.3歳、95％CI：26.3-26.3歳）より10.1年短かった。HLEの大きな相違は、非伝染性疾患リスク因子の影響を強調するものであり、日本人高齢者のHLEを改善するための健康介入を策定する際に考慮すべきである。血圧、肥満度、喫煙、糖尿病が日本人の健康寿命に及ぼす影響の包括的評価（東京科学大学）
～高血圧、肥満、喫煙、糖尿病の影響で健康寿命が10年短縮する～
▶論文情報Comprehensive assessment of the impact of blood pressure, body mass index, smoking, and diabetes on healthy life expectancy in Japan: NIPPON DATA90J Epidemiol. 2025 Jan 11. 発行日：2025年1月11日
◆2025年1月22日
【コホート研究】コーヒーの摂取、添加物の使用と2型糖尿病のリスク（USA）
～添加物を含まないコーヒーを1杯追加するごとにT2Dリスクは10％低下～
コーヒーの摂取は2型糖尿病（T2D）リスクの低下と一貫して関連している。 しかし、添加物の使用がその関連性を修飾するかどうかは不明である。砂糖、人工甘味料、クリーム、非乳製品コーヒーホワイトナーの添加を考慮し、コーヒー摂取とT2Dリスクとの関連を検討する。 3,665,408名年の追跡期間中に、13,281例のT2D発症を記録した。 多変量調整後、3コホートのプール解析において、添加物を含まないコーヒーを1杯追加するごとにT2Dリスクは10％低下した。逆相関はクリームを加えた参加者においても変わらなかった。 コーヒーに砂糖を加える（1杯当たり平均小さじ1杯）参加者では、関連は有意に弱まった。人工甘味料を使用している人においても同様のパターンが観察された。コーヒーホワイトナーを使用した人におけるコーヒー摂取とT2Dリスクとの関連も、交互作用は有意ではなかったが減弱した。砂糖または人工甘味料の添加は、コーヒー摂取量の増加とT2Dリスクとの逆相関の大きさを有意に減弱させたが、クリームの使用は逆相関を変化させなかった。【コホート研究】コーヒーの摂取、添加物の使用と2型糖尿病のリスク（USA）
～添加物を含まないコーヒーを1杯追加するごとにT2Dリスクは10％低下～
▶論文情報Coffee Consumption, Additive Use, and Risk of Type 2 Diabetes– Results from Three Large Prospective US Cohort StudiesThe American Journal of Clinical Nutrition January 17, 2025 発行日：2025年1月17日
◆2025年1月9日
【前向きコホート】食事性ポリアミンと2型糖尿病発症との関連（中国）
～ポリアミンがT2DMの予防および管理における栄養学的介入の有望な標的となる～
食事からのポリアミン摂取とT2DM発症との関連を解析することを目的とした。UK Biobankの参加者のうち、ベースライン時にT2DMを有していなかった168,137名を対象とした。 食事ポリアミンは、食品の分量と栄養素データベースに基づいて算出された。追跡期間中央値11.2年（IQR, 11.8-13.2）の間に、4422名（2.6％）がT2DMを発症した。 1日の食事摂取量の平均（SD）は、スペルミジンが10.5（11.8）mg/日、スペルミンが4.3（2.1）mg/日、プトレシンが12.7（6.9）mg/日であった。 五分位群1と比較して、食事性スペルミジンの五分位群2～5の多変量調整ハザード比（95％CI）は、0.87（0.79～0.96）、0.87（0.79～0.96）、0.91（0.82～0.99）、および0.96（0.88～1.06）であった。食事のスペルミジンとプトレシンが高いほどT2DMのリスクは低く、一方、食事のスペルミンが高いほどT2DMのリスクは高いようであった。 これらの所見は、食事からのポリアミン摂取の最適レベルを示唆し、ポリアミンがT2DMの予防および管理における栄養学的介入の有望な標的となる可能性を示している。【前向きコホート】食事性ポリアミンと2型糖尿病発症との関連（中国）
～ポリアミンがT2DMの予防および管理における栄養学的介入の有望な標的となる～
▶論文情報The Associations of Dietary Polyamines with Incident Type 2 Diabetes Mellitus: A Large Prospective Cohort StudyNutrients 2025, 17(1), 186 発行日：2025年1月4日
◆2024年12月23日
【in vivo】社会的絆はオキシトシンを介する脳肝軸を保持し動脈硬化を抑制する（慶応義塾大学）
～社会的孤独がオキシトシン分泌を減少させ動脈硬化を促進させる～
他者との社会的交流は生命維持に不可欠である。 社会的孤立や孤独は、心代謝性疾患や心血管疾患、全死亡のリスクを高めることが示唆されているが、社会的なつながりが心代謝性疾患や心血管疾患の健康を維持する細胞的・分子的メカニズムについては、まだほとんど解明されていない。社会的なつながりが心代謝性疾患や心血管疾患からどのように保護するのかを調べるため、アテローム性動脈硬化を起こしやすい高脂肪食を与えたApoe-/-マウスの兄弟を、12週間、個別飼育または集団飼育のいずれかに無作為に割り付けた。in vivoおよびin vitroのアプローチにより、オキシトシンが肝細胞に及ぼす影響と、それに続く心代謝および心血管系の機能について検討した。個体飼育されたApoe-/-マウスは、体重、食行動、摂食条件、交感神経活動、グルココルチコイド反応、全身性炎症とは無関係に、通常の群飼いのマウスと比較して、脂質代謝が障害され、より大きな脆弱なアテローム性動脈硬化病変を発症した。 このオキシトシンは、肝細胞の末梢OXTR（オキシトシン受容体）を介して胆汁酸産生とLPL（リポ蛋白リパーゼ）活性を制御し、その下流標的にはCyp7a1、Angptl4、Angptl8が含まれる。 肝細胞特異的OXTR欠損マウスおよび肝細胞上のOXTRを標的とするアデノ随伴ウイルス投与マウスは、重篤な脂質異常症およびアテローム性動脈硬化症の悪化を引き起こしたが、肝細胞特異的OXTRコンディショナルノックアウトマウスではなく、社会的に隔離されたマウスにオキシトシンを経口投与すると、脂質プロファイルが改善し、アテローム性動脈硬化症の発症が遅延した。社会性と肝脂質代謝を結びつける新しい脳-肝臓軸を同定し、孤独に伴う動脈硬化の進行に対する治療戦略の可能性を提唱するものである。【in vivo】社会的絆はオキシトシンを介する脳肝軸を保持し動脈硬化を抑制する（慶応義塾大学）
～社会的孤独がオキシトシン分泌を減少させ動脈硬化を促進させる～
▶論文情報Social Bonds Retain Oxytocin-Mediated Brain-Liver Axis to Retard AtherosclerosisCirc Res. 2024 Nov 27. 発行日：2024年11月27日
◆2024年12月12日
【NHANES】うっ血性心不全患者におけるマグネシウムの状態、血清ビタミンD濃度と死亡率（中国）
～VDとMgの適切な摂取は心血管の健康を維持し予後を改善する～
うっ血性心不全（CHF）患者におけるマグネシウム（Mg）の状態、血清ビタミンD（VD）濃度と死亡率との関係を評価することである。マグネシウム欠乏スコア（MDS）は、腎臓の再吸収能力に影響を及ぼす病態生理学的要因を考慮し、Mg欠乏の状態を予測するために開発されたスコアリングシステムである。 主要アウトカムはCHF患者の全死因死亡率、副次アウトカムは心血管疾患（CVD）による死亡率であった。合計で1022名のCHF患者が含まれ、そのうち418名（40.90％）が2019年12月31日までに死亡した。 すべての共変量で調整した結果、高いMDS（＞2ポイント）は、全死亡およびCVDによる死亡、血清VD濃度が高いほど、全死亡およびCVDによる死亡のリスクが低かった。 血清VDとMgの状態は、CHF患者の予後を改善する上で複合的な効果を持つ可能性があり、したがって血清VDとMgの適切な摂取レベルは、心血管の健康を維持し、それによって予後を改善するために有益であると考えられる。【NHANES】うっ血性心不全患者におけるマグネシウムの状態、血清ビタミンD濃度と死亡率（中国）
～VDとMgの適切な摂取は心血管の健康を維持し予後を改善する～
▶論文情報Magnesium status, serum vitamin D concentration and mortality among congestive heart failure patients: a cohort study from NHANES 2007–2018Magnes Res. 2024 Nov 1;37(2):61-75. 発行日：2024年11月1日
◆2024年11月21日
【コホート研究】ビタミンDは脂質代謝と関連する（ドイツ）
～25(OH)Dレベルが増えるとLDLおよび総コレステロールの減少、HDLレベルの上昇と関連している～
ビタミンDは脂溶性のステロイドであり、脂質代謝に影響を与えることで心血管の健康に影響を与える。 脂質異常症は心血管疾患（CVD）の重要な危険因子であるため、本研究では、年齢と性別の影響を考慮しながら、ビタミンDレベルと脂質パラメータの関係を調べることを目的とした。47,778名の外来患者を対象としたこの横断研究では、25(OH)D）および1,25(OH)2Dと、LDL、HDL、TCなどの脂質パラメータとの相関を解析した。25(OH)D値はコホート全体でLDLおよびTCと負の相関を示した。 この関連は特に50歳以上の男性で顕著であったが、女性は50歳以前ではLDLおよびTCと正の相関を示し、50歳以降では負の相関を示した。 HDL値はすべての年齢層で25(OH)Dと正の相関を示し、閉経後の女性で最も強い相関を示した。 一方、1,25(OH)2Dは50歳以上でHDLとのみ正の相関を示し、LDLやTCとはどの年齢層でも有意な相関はみられなかった。25(OH)Dレベルの上昇と、LDLおよび総コレステロールの減少、HDLレベルの上昇を特徴とする、より良好な脂質プロファイルとの関連を強調するものであった。 この関連は特に50歳以上と閉経後の女性で顕著である。【コホート研究】ビタミンDは脂質代謝と関連する（ドイツ）
～25(OH)Dレベルが増えるとLDLおよび総コレステロールの減少、HDLレベルの上昇と関連している～
▶論文情報Vitamin D Is Associated with Lipid Metabolism: A Sex- and Age-Dependent Analysis of a Large Outpatient CohortNutrients 2024, 16(22), 3936 発行日：2024年11月18日
◆2024年11月12日
クウェートのメタボリックシンドローム女性におけるマグネシウムと食物繊維の摂取量の低さ（クウエート）
～マグネシウムと食物繊維を増やすことでMetS発症リスクが低下する～
クウェートのメタボリックシンドローム女性におけるマグネシウムと食物繊維の摂取量の低さ（クウエート）
～マグネシウムと食物繊維を増やすことでMetS発症リスクが低下する～
食事性マグネシウムと食物繊維はMetSのリスク軽減に関与しているが、この母集団に対する具体的な影響についてはまだ十分に検討されていない。 本研究は、クウェートの女性における食事からのマグネシウムと食物繊維の摂取とMetSの有病率およびその構成要素との関連を調査することを目的とした。18～65歳（歳）の女性170名を対象とした。 食事摂取量を評価するために修正半定量的食物摂取頻度調査票（SFFQ）を用いてデータを収集し、血清マグネシウムおよび他の代謝マーカーを評価するために生化学的測定を行った。MetSの有病率は、IDF基準では24％、ATP III基準では18％であった。 MetSの女性は、MetSでない女性に比べて、食事からのマグネシウム摂取量および食物繊維摂取量が有意に少なかった（p＜0.001）。 食事性マグネシウム摂取量、食物繊維摂取量、血清マグネシウム値の間に強い正の相関が認められた。マグネシウムと食物繊維の摂取量の増加は、血圧測定を除き、MetSおよびその構成因子の発症確率の低下と関連していた。マグネシウムおよび食物繊維の食事摂取量の増加は、クウェート人女性におけるMetS発症のオッズ低下と関連している。 これらの知見は、マグネシウムと食物繊維の豊富な食事をMetSの予防戦略として推進することを支持するものである。
▶論文情報Low dietary magnesium and fiber intakes among women with metabolic syndrome in KuwaitFront Nutr. 2024 Oct 16:11:1451220. 発行日：2024年10月16日
◆2024年10月29日
【横断研究】血漿リゾホスファチジルコリン濃度とインスリン抵抗性との関連性
～リゾホスファチジルコリンが低下するとインスリン抵抗性が上昇する～（中国）
【横断研究】血漿リゾホスファチジルコリン濃度とインスリン抵抗性との関連性
～リゾホスファチジルコリンが低下するとインスリン抵抗性が上昇する～（中国）
本研究の目的は、リゾホスファチジルコリン（LPC）とインスリン抵抗性（IR）および小児・青年の腹部肥満との関連を探ることである。中国天津市の7～18歳の若年者612名を対象に横断研究を行った。IRを有する青少年では、対応するLPCと比較して、5つの特定のLPCが有意に異なっていた。 LPC24:0と26:0は調整後、IRと有意に関連していた。 LPC 24:0および26:0レベルの低下はいずれもIRのリスク上昇と関連しており、腹部肥満のORはそれぞれ0.68および0.51であった。LPC 24:0および26:0レベルの低下は、IRおよび腹部肥満のリスク増加と関連していることが示唆された。 重要なことは、腹部肥満への対処が、LPC 26:0によるIRの影響を媒介する可能性があることである。
▶論文情報Abdominal obesity in youth: the associations of plasma Lysophophatidylcholine concentrations with insulin resistancePediatr Res. 2024 Oct 19.発行日：2024年10月19日
◆2024年10月15日
【in vivo】通常の単一油の代わりにブレンド油を摂取することは、総合的な健康成果を高めるための有用な戦略となりうる
～単一オイルよりもブレンドオイルの摂取が全体的な健康状態を向上させる～（パキスタン）
【in vivo】通常の単一油の代わりにブレンド油を摂取することは、総合的な健康成果を高めるための有用な戦略となりうる
～単一オイルよりもブレンドオイルの摂取が全体的な健康状態を向上させる～（パキスタン）
食用油脂は、様々な植物油をブレンドすることにより、より健康的なものに改良されるべきである。 そこで本研究では、心臓病やその他の代謝性疾患の進行を抑制するために、健康を保護し促進する脂肪酸を配合したブレンド油を検討した。高脂血症ラット30匹を用い、ブレンドオイルの治療効果を調べるために生物学的有効性試験を行った。 各群（ココナッツ油、亜麻仁油、オリーブ油、ひまわり油、ブレンド油）に5匹ずつ42日間割り付け、高脂血症ラットの初期値と比較した。ブレンドオイルの摂取は、様々な肥満指数を有意に減少させ、脂質プロファイルを改善し、心血管リスク指数に対して有意な予防効果をもたらした。 さらに、ブレンドオイルの結果は、心電図において有意な健康保護改善を示した。 定期的に摂取することで、肥満や代謝性疾患の発症を抑制できる可能性がある。
▶論文情報Consumption of edible oil blended with flax, coconut, sunflower, and olive oil can significantly improve the negative health consequences of high-fat/high-cholesterol diet in Sprague Dawley ratsFront Nutr. 2024 Sep 20:11:1469601. 発行日：2024年9月20日
◆2024年10月2日
【in vivo】運動不足と朝食抜きはラットの内臓脂肪蓄積を引き起こす
～特に運動不足の人の健康への影響を防ぐためには、規則正しい食事のタイミングが重要～（名古屋大学）
【in vivo】運動不足と朝食抜きはラットの内臓脂肪蓄積を引き起こす
～特に運動不足の人の健康への影響を防ぐためには、規則正しい食事のタイミングが重要～（名古屋大学）
運動不足や朝食抜きは、肥満や2型糖尿病など様々な代謝性疾患の危険因子として知られている。摂食のタイミングを遅らせる朝食抜きモデルが、ラットの脂質代謝関連遺伝子の概日リズムを変化させることにより、脂質代謝異常を誘導することを報告してきた。本研究の目的は、運動不足と朝食抜きの脂質代謝に対する相乗効果を明らかにすることである。 運動不足モデルラットとして坐骨神経切断ラットを採用したのは、偽手術ラットに比べて自発運動量が軽度低下することを確認したからである。 そして、身体不活発モデルラットに、対照群ではZT12-0、朝食抜き群ではZT16-0の間、マイルドな高脂肪食を11日間与えた。 体重増加と総食餌摂取量は両群で同程度であった。 朝食抜きは有意な内臓脂肪蓄積を誘導したが、これは我々が過去に行った朝食抜きや運動不足の研究では観察されなかった。 朝食抜きにより、肝臓および副睾丸脂肪組織において、時計および脂肪生成関連遺伝子のmRNAレベルが変化し、血清インスリンレベルが変化した。 これらの結果は、運動不足と朝食抜きが相乗的に、概日時計と肝臓および脂肪組織における脂質代謝の変化により、内臓脂肪の急激な蓄積を誘導することを示唆している。 したがって、規則正しい食事のタイミングは、座りがちな現代社会の健康にとって重要な役割を果たしている。
▶論文情報Physical inactivity and breakfast skipping caused visceral fat accumulation in ratsScientific Reports volume 14, Article number: 22644 (2024) 発行日：2024年9月30日
◆2024年9月20日
【RCT】超加工食品の摂取は有意な体重増加を引き起こす（東京大学）
【RCT】超加工食品の摂取は有意な体重増加を引き起こす（東京大学）
超加工食品（UPFs）が非UPFsと比較して体重および自由行動時のエネルギー摂取量に及ぼす影響を明らかにすること。東京大学医学部附属病院で実施された無作為化非盲検クロスオーバー試験において、過体重/肥満の日本人男性参加者を、UPFsまたは非UPFsのいずれかを1週間摂取する群に無作為に割り付け（1：1）、その後2週間のウォッシュアウト期間を経て、1週間代替食に移行した。 糖尿病、高血圧、その他何らかの持病があり、定期的に病院を受診している人は除外された。 食事は、総エネルギーと多量栄養素のレベルを一致させるようにデザインされた。 主要アウトカムは、UPF期間と非UPF期間の体重変化の差とした。9名の適格な参加者が、UPFを使用する群と使用しない群のいずれかに無作為に割り付けられ、試験を開始した。 すべての参加者が試験を完了した。 UPF摂取期間中は、非摂取期間中と比較して、体重が1.1kg増加し、1日あたりの消費カロリーが813.5kcal増加した。 咀嚼回数については、1カロリーあたりの咀嚼回数はUPF期間中に有意に少なかった。
▶論文情報Ultra-processed foods cause weight gain and increased energy intake associated with reduced chewing frequency: A randomized, open-label, crossover studyDiabetes Obes Metab. 2024 Sep 12. 発行日：2024年9月12日
◆2024年9月13日
【NHANES】BMIは血清尿酸値と正の相関を示し、血清VCは血清尿酸値と負の相関を示す（中国）
【NHANES】BMIは血清尿酸値と正の相関を示し、血清VCは血清尿酸値と負の相関を示す（中国）
過体重/肥満と血清ビタミンC（血清VC）と血清尿酸（SUA）との関連を検討し、メンデルランダム化（MR）を用いて因果関係を評価した。2017～2018年の全米健康栄養調査（NHANES）の参加者4,772名を本研究の対象とした。観察研究によると、BMIはSUAと正の相関を示し、血清VCはSUAと負の相関を示した。過体重／肥満（BMI > =25）の人では、血清VCのSUAに対する負の影響は、血清VCが増加するにつれて強まった。 高血清VCレベルは、低血清VCレベルに比べ、過体重/肥満の人のSUAを減少させた。横断的観察分析により、BMIはSUA値と正の相関を示し、血清VCはSUA値と負の相関を示すことが明らかになった。 SUAに対するVCと肥満の因果関係を示す証拠があった。 特に過体重・肥満の人のSUA値管理におけるVCの重要性が強調された。 この知見は、高SUA値の管理に役立つかもしれない。
▶論文情報Relationship between serum vitamin C and serum uric acid in people with different BMIs: results from the NHANES 2017–2018 and Mendelian randomization studyFront Nutr. 2024 Aug 23:11:1429123.発行日：2024年8月23日
◆2024年9月3日
日本人の非肥満非糖尿病女性において筋肉量の低さはインスリン感受性の低さ、膵β細胞機能の低下、高血糖と関連している（武庫川女子大学）
日本人の非肥満非糖尿病女性において筋肉量の低さはインスリン感受性の低さ、膵β細胞機能の低下、高血糖と関連している（武庫川女子大学）
骨格筋量がインスリン感受性、膵β細胞機能、ブドウ糖摂取後の血糖値と関連するかどうかを検証した。肥満でも糖尿病でもない若年および中年の日本人女性において、骨格筋量の低さ（体格に対する）はインスリン感受性の低さと関連していた。 低筋肉量の中年女性では、膵β細胞の代償不全の初期マーカーである体質指数が低く、したがってグルコース排泄が多かった。 骨格筋量の低さは、日本人ではBMIがかなり低くても2型糖尿病の発症に関連する可能性がある。
▶論文情報Low muscle mass is associated with low insulin sensitivity, impaired pancreatic β cell function, and high glucose excursion in nondiabetic nonobese Japanese womenMetabol Open. 2024 Jul 30:23:100306 発行日：2024年8月6日
◆2024年8月2日
【Review】様々な食用植物油の健康への影響（マレーシア）
【Review】様々な食用植物油の健康への影響（マレーシア）
種子、ナッツ、果物の一部など、多様な供給源に由来する植物油は、食生活の健康において重要な役割を果たしている。 しかし、さまざまな種類の植物油摂取による健康への影響に関する現在のエビデンスは、依然として議論の余地がある。 中程度から非常に低い確度のエビデンスによると、キャノーラ油、バージンオリーブ油、米ぬか油などの一価不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸は、血清総コレステロール値と低比重リポ蛋白値を減少させるのに有益であることが示された。 逆に、ココナッツオイルやパームオイルなどの飽和脂肪酸を多く含む油は、総コレステロール値や低比重リポ蛋白値を上昇させるが、高比重リポ蛋白値も上昇させることが、低～非常に低い確度のエビデンスから示唆されている。 オリーブオイル、ゴマ油、ココナッツオイルの摂取は血糖コントロールを改善する可能性があることを示した、確信度の非常に低いエビデンスがある。 確実性の低いエビデンスは、オリーブ油の摂取が乳がん、消化器がん、その他のがんのリスクを減少させることを示した。 中程度から非常に低い確実性のエビデンスは、キャノーラ油とゴマ油の摂取が体重を減少させることを示唆した。 植物油の摂取はさまざまな健康上の利点をもたらすようであり、特に一価不飽和および多価不飽和を多く含む油を推奨量摂取した場合、脂質値を低下させる有益な効果があることを要約した推定値が示している。
▶論文情報Health effects of various edible vegetable oil: An umbrella reviewAdvances in Nutrition 発行日：2024年7月23日
◆2024年8月1日
【NHANES】十分なMgの豊富な食品とMgの補充はT2DM患者の肝臓の健康管理に有益である（イラン）
【NHANES】十分なMgの豊富な食品とMgの補充はT2DM患者の肝臓の健康管理に有益である（イラン）
抗酸化栄養素としての食事性マグネシウム（Mg）が肝疾患の発生および発症に関連している可能性があることが判明している。 本研究の目的は、T2DM患者における食事性Mgと肝線維症（LF）リスクとの関連を評価することである。18歳以上のT2DM患者のデータをNational Health and Nutrition Examination Survey（NHANES 2017-2018）から抽出した。 食事Mg摂取情報は24時間食事リコールレビューにより入手した。合計945名の参加者が最終的に組み入れられ、そのうち219名（23.17％）がLFを有していた。 共変量で調整した後、T2DM患者、特に肝脂肪症の既往のある患者では、食事性Mgの高水準の摂取は、LFの低オッズと関連していた。食事性Mgの高水準の摂取は、T2DM患者の健康な肝臓の維持に有益である可能性がある。 十分なMgの豊富な食品とMgの補充は、T2DM患者の肝臓の健康管理に有益である可能性がある。 これらの所見を確認するためには、さらなるコホート研究が必要である。
▶論文情報Association between dietary magnesium intake and liver fibrosis among type 2 diabetes mellitus patients: a cross-sectional study from the NHANES databaseMagnes Res. 2024 Jul 1;37(1):33-44. 発行日：2024年7月1日
◆2024年7月18日
【SR&メタ解析】亜麻仁の補給は血清中のCRPとIL-6の値を有意に減少させたがTNF-αの値は減少させなかった（イラン）
【SR&メタ解析】亜麻仁の補給は血清中のCRPとIL-6の値を有意に減少させたがTNF-αの値は減少させなかった（イラン）
亜麻仁が炎症性バイオマーカーに有効であることを報告しているが、一方で相反する結果を報告している研究もある。 このメタアナリシスの目的は、成人における亜麻仁が炎症性バイオマーカーに及ぼす影響を評価することであった。 全体として、亜麻仁の補給は、C反応性蛋白（CRP）とインターロイキン6（IL-6）を有意に減少させた。 さらに、亜麻仁は腫瘍壊死因子α（TNF-α）の濃度を有意に変化させなかった。 亜麻仁の補給はCRPとIL-6の血清濃度を有意に低下させたが、TNF-aは低下させなかった。 したがって、このメタアナリシスは、現在のエビデンスが、炎症状態の管理における亜麻仁の潜在的な有益性を支持していることを示唆している。
▶論文情報Effects of flaxseed supplementation on inflammatory biomarkers: a GRADE-assessed systematic review and meta‐analysis of randomized controlled trialsProstaglandins Other Lipid Mediat. 2024 Jul 4:106868. 発行日：2024年7月5日
◆2024年7月4日
【コホート研究】食事性ビタミンAは心代謝性多疾患合併症の予防因子であり、この効果は44歳以上と女性群で強かった（中国）
【コホート研究】食事性ビタミンAは心代謝性多疾患合併症の予防因子であり、この効果は44歳以上と女性群で強かった（中国）
ビタミンAと単一の心代謝性疾患との関連は広く研究されているが、食事からのビタミンA摂取量と心代謝性多疾患合併症（CMM）リスクとの関連は研究されていない。そこで本研究では、ビタミンAの摂取源の違いによるCMMリスクとの関連を検討した。China Health and Nutrition Survey（CHNS）の1997～2015年の18歳以上の13,603名を対象とした。食事摂取量は、連続3回の24時間食事リコールと家庭の食品目録から算出した。CMMは、少なくとも2つの心代謝性疾患の発症と定義した。追跡期間中央値9.1年後、CMMの新規症例は1050例であった。CMMのリスクは、ビタミンAの摂取量が多い群で有意に低かった。β-カロチン（Q1 vs Q5 HR 0.82、95％CI 0.66-1.02）とレチノール（Q1 vs Q5 HR 0.59、95％CI 0.48-0.73）の摂取量も同様に負の相関を示した。サブグループ解析では、44歳以上（HR 0.72、95％CI 0.57-0.92）および女性（HR 0.62、95％CI 0.45-0.84）で保護効果が強かった。
▶論文情報Association between Dietary Total Vitamin A, β-carotene, and Retinol Intake and Risk of cardiometabolic multimorbidity: Results from the China Health and Nutrition Survey, 1997-2015Res Sq [Preprint]. 2024 May 30:rs.3.rs-4384704. 発行日：2024年5月30日
◆2024年6月24日
【in vivo】MASLDとメタボリックシンドロームの発症に、腸内細菌叢、食事性鉄、ミトコンドリア鉄インポーターが明らかに寄与している（USA）
【in vivo】MASLDとメタボリックシンドロームの発症に、腸内細菌叢、食事性鉄、ミトコンドリア鉄インポーターが明らかに寄与している（USA）
鉄の摂取は腸で調節され、腸内細菌叢の影響を強く受ける。腸からの血液は直接肝臓に排出され、鉄の状態と腸内細菌叢の状態を知らせている。鉄またはマイクロバイオームの変化は、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患（MASLD）の発症と密接な相関がある。鉄代謝の変化と腸内細菌叢が関連するMASLD発症の根本的なメカニズムを調べるために、通常食または低鉄食を与えた特定病原体フリー（SPF）マウスと無菌（GF）マウスを比較した。SPFマウスに低鉄食を与えたところ、血清トリグリセリドが減少し、MASLDも減少した。一方、低鉄飼料を与えたGFマウスは血清トリグリセリドが増加し、肝脂肪症は発症しなかった。SPFマウスは、肝臓の脂質代謝に有意な変化を示し、腸内細菌叢の存在に依存したインスリン抵抗性の増加を示した。ミトコンドリア鉄インポーターMitoferrin2（Mfrn2-/-）の全身欠損が、脂質代謝の著しい変化を伴う低鉄食でのMASLDの発症を悪化させた。
▶論文情報Low-Iron Diet-Induced Fatty Liver Development Is Microbiota Dependent and Exacerbated by Loss of the Mitochondrial Iron Importer Mitoferrin2Nutrients 2024, 16(12), 1804 発行日：2024年6月8日
◆2024年6月6日
【NHANES】米国成人のコリン摂取量とアテローム性動脈硬化性心血管疾患との間に逆相関が観察された（中国）
【NHANES】米国成人のコリン摂取量とアテローム性動脈硬化性心血管疾患との間に逆相関が観察された（中国）
アテローム性動脈硬化性心血管疾患（ASCVD）における食事性コリンの役割は不明である。動物実験から得られた知見は矛盾しており、一方で臨床的な研究は不足している。2011年から2018年にかけてNHANESの5525名を対象に実施された。参加者はASCVD群（n＝5015）と非ASCVD群（n＝510）に分類された。ASCVD患者はASCVDでない患者と比較してコリン摂取量が少なかった。コリン摂取量の高い3分位群では、男性、既婚者、高学歴者、運動量が多い者の割合が高かったが、喫煙者と飲酒者の割合は低かった。また、コリン摂取量の高い三分位群では、うっ血性心不全や脳卒中の既往歴のある人の割合が低かった。年齢、性別、人種、民族、身体活動で調整した後、コリン摂取量と心臓病、脳卒中、ASCVDとの間に逆相関が認められた。
▶論文情報An inverse association of dietary choline with atherosclerotic cardiovascular disease among US adults: a cross-sectional NHANES analysisBMC Public Health. 2024 May 31;24(1):1460. 発行日：2024年5月31日
◆2024年5月28日
ALT/AST比を表す単純で正確なマーカーは、糖尿病、アルコール摂取量、性別に関係なく、一般集団におけるインスリン抵抗性をスクリーニングする実用的な方法となりうる（韓国）
ALT/AST比を表す単純で正確なマーカーは、糖尿病、アルコール摂取量、性別に関係なく、一般集団におけるインスリン抵抗性をスクリーニングする実用的な方法となりうる（韓国）
併存疾患にかかわらず、一般集団におけるインスリン抵抗性を予測するためのアラニンアミノトランスフェラーゼ/アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ（ALT/AST）比を評価した。空腹時血清グルコース、インスリン、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価（HOMA-IR）、β細胞機能の4つの指標をインスリン抵抗性を示すために実施した。男女ともALT値は、糖尿病、脂質異常症、飲酒、肥満の状態に基づく層別化分析において、前述の4つのインスリン抵抗性指標と正の相関を示し、一貫していた。多変量線形回帰において、ALT値と比較すると、ALT/AST比は、韓国人男性では空腹時血清グルコースとHOMA-βに対して優れた予測能を示し、韓国人女性ではすべてのインスリン抵抗性指標に対して予後を改善した。インスリン抵抗性の有無の予測に関しては、ALT/AST比は、韓国人においてALT値のみよりもHOMA-IRをよりよく予測することができた。ALT/AST比を表す単純で正確なマーカーは、糖尿病、アルコール摂取量、性別に関係なく、一般集団におけるインスリン抵抗性をスクリーニングする実用的な方法となりうる。
▶論文情報Effectiveness of the ALT/AST ratio for predicting insulin resistance in a Korean population: A large-scale, cross-sectional cohort studyPLoS One. 2024 May 17;19(5):e0303333. 発行日：2024年5月17日
◆2024年5月17日
食事によるグリシンの補給がミトコンドリア内毒性代謝産物の蓄積に起因する肥満に伴う代謝性合併症を治療しうる（シンガポール）
食事によるグリシンの補給がミトコンドリア内毒性代謝産物の蓄積に起因する肥満に伴う代謝性合併症を治療しうる（シンガポール）
グリシンは、尿中排泄のためにグリシン抱合経路を介して潜在的に有毒な外因性および内因性の化合物および代謝産物と反応するため、ヒトの解毒系に不可欠な成分である。肥満患者ではグリシンの利用可能性が低下しているため、この解毒経路が損なわれている可能性がある。しかし、肥満手術後はグリシンの産生が増加するため、解毒経路は回復するはずである。肥満に伴うグリシン欠乏がグリシン抱合経路に及ぼす影響を検討する。III度肥満21名と健康体重21名を対照としてリクルートした。ベースライン時に[1,2-13C2]グリシンを注入し、いくつかのアシルグリシンの合成率を定量することでグリシン共役経路を研究した。肥満症患者において、肥満手術の6ヵ月後に同じ測定が繰り返された。肥満の参加者は対照群より有意に体重が重かった（平均BMI40.5±7.1対20.8±2.1kg/m2）。また、血漿グリシン濃度が有意に低く、アセチルグリシン、イソブチリルグリシン、チジルグリシン、イソバレリルグリシン、ヘキサノイルグリシンの絶対合成速度が遅かった。肥満症患者16名について、手術前後のデータが得られた。術後のBMIは40.9±7.3から31.6±6.0kg/m2に減少した。血漿グリシン濃度は164±26から212±38μmol/Lに上昇し、アセチルグリシン、イソブチリルグリシン、チジルグリシン、イソバレリルグリシン、ヘキサノイルグリシンの排泄率が有意に高かった。
▶論文情報The impact of obesity-associated glycine deficiency on the elimination of endogenous and exogenous metabolites via the glycine conjugation pathwayFront Endocrinol (Lausanne). 2024 Apr 3:15:1343738. 発行日：2024年4月3日
◆2024年5月2日
【前向きコホート】様々な食品添加物である乳化剤と2型糖尿病のリスク上昇との間に正の関連がある（フランス）
【前向きコホート】様々な食品添加物である乳化剤と2型糖尿病のリスク上昇との間に正の関連がある（フランス）
乳化剤が腸内細菌叢、炎症、代謝擾乱に有害な影響を及ぼす可能性が実験的に示唆されている。フランス人成人の大規模前向きコホートにおいて、食品添加物である乳化剤への曝露と2型糖尿病リスクとの関連を検討することを目的とした。フランスのNutriNet-Santé前向きコホート研究に登録された成人104,139名のデータを解析した；82,456名（79-2％）が女性で、平均年齢は42-7歳（SD 14-5）であった。104,139名の参加者のうち、1,056名が追跡期間中に2型糖尿病と診断された。以下の乳化剤の摂取は2型糖尿病のリスク上昇と関連していた：総カラギーナン、カラギーナンガム、リン酸三カリウム、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドのアセチル酒石酸エステル、クエン酸ナトリウム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム。フランスの成人の大規模前向きコホートにおいて、2型糖尿病のリスクと工業用食品に広く使用されている様々な食品添加物乳化剤への曝露との間に直接的な関連を見出した。
▶論文情報Food additive emulsifiers and the risk of type 2 diabetes: analysis of data from the NutriNet-Santé prospective cohort studyLancet Diabetes Endocrinol. 2024 May;12(5):339-349. 発行日：2024年4月26日
◆2024年4月18日
【NHANES】食事からのマグネシウム摂取量は胆石の有病率と有意な線形負の相関を示した（中国）
【NHANES】食事からのマグネシウム摂取量は胆石の有病率と有意な線形負の相関を示した（中国）
脂質異常症やコレステロール代謝異常は胆石症患者によくみられる。これまでの研究で、食事性マグネシウムが脂質代謝に影響を与えることが証明されている。血漿中のアテローム性指標（AIP）は新しい脂質マーカーとして注目されている。本研究の目的は、米国成人における食事性マグネシウム摂取量と胆石との相関の可能性、およびAIPの潜在的な媒介的役割を検討することである。完全調整モデルでは、オッズ比（OR）0.58、95％信頼区間（CI）（0.42、0.81）で示されるように、食事からのマグネシウム摂取と胆石の存在との間に統計的に注目すべき逆相関が観察された。原因中間解析の結果、マグネシウム摂取量と胆石との関連はAIPによって部分的に媒介されており、その媒介率は3.2％であった。食事からのマグネシウム摂取は胆石の有病率と有意な線形負の相関を示し、その中でAIPが仲介的役割を果たした。この発見は、胆石の予防と管理に新たな視点を提供するものである。
▶論文情報Association between dietary magnesium intake and gallstones: the mediating role of atherogenic index of plasmaLipids Health Dis. 2024 Mar 20;23(1):82. 発行日：2024年3月20日
◆2024年4月8日
他のアミノ酸に比べてロイシンの摂取量が多いことはグルコース値の低下と関連していた（山口大学）
他のアミノ酸に比べてロイシンの摂取量が多いことはグルコース値の低下と関連していた（山口大学）
タンパク質の摂取は糖尿病のリスクを高めると報告されているが、その結果は一貫していない。成人期の糖尿病は、幼少期の食事アミノ酸組成に起因している可能性がある。青年期におけるアミノ酸組成と血糖バイオマーカーとの関連を検討することを目的とした。中学2年生1238名を対象に、食事摂取量を食物摂取頻度調査票を用いて評価し、空腹時グルコース値とインスリン値を測定した。グルコースとロイシンの関連のみが有意であった。他のアミノ酸をロイシンで置換した場合、全アミノ酸の0.1％の増加はグルコース値の低下（-1.02mg/dL）と相関した。ロイシンのイソロイシンまたはメチオニンへの1対1置換では、グルコースが低下した（それぞれ-2.98および-2.28mg/dL）。他のバイオマーカーとの関連は観察されなかった。アミノ酸の組成データ分析により、青年期におけるグルコースとの関連のみが明らかになったが、本研究の結果は他の集団においても検証されるべきである。
▶論文情報Dietary Amino Acid Composition and Glycemic Biomarkers in Japanese AdolescentsNutrients 2024, 16(6), 882 発行日：2024年3月19日
◆2024年3月25日
【SR&メタ解析】中程度の量のビタミンC、E、β-カロテンを摂取することは、2型糖尿病のリスクを低下させるのに十分であり、摂取量が多くなるとそれ以上の効果はない（スウェーデン）
【SR&メタ解析】中程度の量のビタミンC、E、β-カロテンを摂取することは、2型糖尿病のリスクを低下させるのに十分であり、摂取量が多くなるとそれ以上の効果はない（スウェーデン）
ビタミンC、E、β-カロテンと2型糖尿病（T2D）および関連形質との関係を評価するため、系統的レビューとメタ解析を行った。食事および循環抗酸化物質とT2Dとの間に逆相関が認められた（観察研究）。最もリスクが低かったのは、ビタミンC 70mg/日まで、ビタミンE 12mg/日、β-カロテン 4mg/日であった。インスリン抵抗性に関しては、より高い食事性ビタミンCおよびビタミンEの補充がリスク低下と関連していた。エビデンスの確実性は、T2Dと食事性ビタミンEおよびβ-カロテンとの関連については高く、その他の関連については低～中程度であった。ビタミンC、Eおよびβ-カロチンの適度な摂取は、インスリン抵抗性を低下させることによりT2Dリスクを低下させる可能性がある。RCTにおけるサプリメントによる予防効果の欠如は、高摂取よりもむしろ十分な摂取がT2D予防の役割を果たす可能性を示唆している。
▶論文情報Vitamins C, E, and beta-carotene and risk of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysisAdvances in Nutrition Available online 15 March 2024, 100211 発行日：2024年3月15日
◆2024年3月11日
怒りはコルチゾールレベルを上昇させ強迫的な摂食につながる可能性がある（京都大学）
怒りはコルチゾールレベルを上昇させ強迫的な摂食につながる可能性がある（京都大学）
2型糖尿病患者において、一般的な心身症ストレス因子が内分泌ホルモンと食行動に及ぼす影響を検討するために行われた。40名の2型糖尿病患者を対象として行われた。安静時ホルモン採血と4種類の自己報告式質問票を用いた。POMS（Profile of mood state）質問票の「怒り/敵意」（AH）サブカテゴリーの得点が高い患者は、血清コルチゾールが有意に高かった。食行動質問票では、「空腹感／飽食感」（β＝0.49、P＜0.01）および「気分転換としての食事」（β＝0.39、P＝0.03）のサブカテゴリーが血清コルチゾールの高値と関連していた。安静時の朝のコルチゾール値は、POMS-AHで高評価の参加者、および「空腹時にいらいらする」「いらいらや不安時に食べる傾向がある」と報告した参加者で高かった。睡眠の質と食行動との関連は認められなかった。気分状態は食行動と関連している。怒りはコルチゾール濃度を上昇させ、強迫的な摂食につながる可能性がある。様々な形の敵意は、食欲のコントロールとコルチゾール分泌の増加における重要な因子であり、2型糖尿病患者における食事の自己管理を成功させる障害となりうる。したがって、気分状態の評価と否定的気分のコントロールは糖尿病管理における重要な治療目標である。
▶論文情報An exploratory study of factors in disordered eating behavior in diabetes self-management in JapanJ Diabetes Investig. 2024 Mar 1. 発行日：2024年3月1日
◆2024年2月8日
【NHANES】食事からの十分なマグネシウム摂取は、特にマグネシウム欠乏スコア高値者において糖尿病リスクを低下させる可能性がある（中国）
【NHANES】食事からの十分なマグネシウム摂取は、特にマグネシウム欠乏スコア高値者において糖尿病リスクを低下させる可能性がある（中国）
マグネシウム欠乏スコア（MDS）は、ヒトにおけるマグネシウム欠乏を予測するための従来のアプローチよりも信頼性が高いと考えられている。MDSおよび食事からのマグネシウム摂取と糖尿病との関連を検討した。MDS≧2の参加者は、糖尿病について1.26のPRを示した。食事性マグネシウム摂取量のSDあたりの増加は、糖尿病有病率の低下と関連していた。サブグループ解析では、食事性マグネシウム摂取量の最低レベル、中間レベル、最高レベルを含むすべてのレベルにおいて、MDS≧2と糖尿病との間に正の関連が認められた。MDSは糖尿病と関連し、特にマグネシウム摂取量が少ない人では糖尿病と関連する。食事からの十分なマグネシウム摂取は、特にMDS高値者において糖尿病リスクを低下させる可能性がある。
▶論文情報Associations of the magnesium depletion score and magnesium intake with diabetes among US adults: an analysis of the National Health and Nutrition Examination Survey 2011-2018Epidemiol Health. 2024 Jan 10:e2024020. 発行日：2024年1月10日
◆2024年1月29日
【in vivo】高ホモシステイン血症誘発性アテローム性動脈硬化症を予防し、心臓血管と肝臓の健康を促進するためには、ビタミンB群を十分なレベルに維持することが重要である（USA）
【in vivo】高ホモシステイン血症誘発性アテローム性動脈硬化症を予防し、心臓血管と肝臓の健康を促進するためには、ビタミンB群を十分なレベルに維持することが重要である（USA）
高ホモシステイン血症（HHcy）、すなわち中間アミノ酸であるホモシステインの蓄積は、アテローム性動脈硬化症の独立した危険因子であるが、この効果を媒介する複雑な生物学的過程はまだ解明されていない。ホモシステインの濃度を調節する因子には、いくつかの酵素の活性や、ピリドキサールリン酸（ビタミンB6）、葉酸（ビタミンB9）、メチルコバラミン（ビタミンB12）などの補酵素の十分な量などがある。動脈硬化の発症と進行に対する高ホモシステイン血症の生物学的影響をよりよく理解するために、ヒトの動脈硬化のモデルであるアポリポ蛋白E欠損（apoE-/-）マウスに、高ホモシステイン血症食（メチルドナーとビタミンB群が少ない）（HHD）または対照食（CD）を与えた。8週間後、血漿、大動脈、肝臓を採取してメチル化代謝物を定量し、血漿は広範な標的メタボローム解析にも使用した。血漿および肝ホモシステインの重篤な蓄積とBCAプラーク負荷の増加が観察され、HHDのアテローム性作用が確認された。さらに、S-アデノシルメチオニンとS-アデノシルホモシステインの比（SAM:SAH）で間接的に評価した血漿と大動脈のメチル化能の低下が、HHDマウスで検出された。ベタインとその代謝前駆体であるコリンは、CDマウスに対してHHDマウスの肝臓で有意に減少した。HHcy誘発性アテローム性動脈硬化症を予防し、心臓血管と肝臓の健康を促進するためには、ビタミンB群を十分なレベルに維持することが重要であることを示している。
▶論文情報Diet-Induced Severe Hyperhomocysteinemia Promotes Atherosclerosis Progression and Dysregulates the Plasma Metabolome in Apolipoprotein-E-Deficient MiceNutrients 2024, 16(3), 330 発行日：2024年1月23日
◆2024年1月17日
【Review】筋肉の健康をよりよく維持することは成人のT2DM患者の全般的な健康とQOLを改善する大きな可能性を秘めている（スペイン）
【Review】筋肉の健康をよりよく維持することは成人のT2DM患者の全般的な健康とQOLを改善する大きな可能性を秘めている（スペイン）
2型糖尿病（T2DM）と骨格筋萎縮（SMA）はますます一般的になってきている。T2DMの発症がSMAのリスクを増加させるのか、あるいはその逆なのかは、長い間研究されてきた。両疾患とも骨格筋の健康状態におけるネガティブな変化と関連しており、その結果、身体機能の低下、QOLの低下、死亡リスクの上昇につながる可能性がある。栄養不良はT2DMとSMAの両方を悪化させる。T2DMとSMAは、互いを強化し悪化させる悪循環で結ばれている。筋のインスリン抵抗性がT2DMとSMAの病態生理学的な関連であると思われる。エビデンスに基づき、T2DM-SMA患者の効果的な治療は、筋肉量の回復と維持にかかっていると結論付けた。身体活動の指導とともに主要な機能性栄養素を定期的に摂取することが、すべてのT2DMおよびSMA患者において、低血糖を維持し、筋肉の状態を改善するのに役立つことを提案する。良好な血糖コントロールを提供しながらSMAに対処するための良い候補として、タンパク質、低GI炭水化物、アミノ酸、HMB、ポリフェノール、ミオイノシトール、オメガ3、ビタミンD、およびクレアチンなど、いくつかの成分が提案されているが、T2DM患者のより多くのサンプルサイズにおいて、より長期間の治療で骨格筋の健康利益に関連する最適な用量を実証するためには、より多くのランダム化およびプラセボ対照試験が必要である。現在のエビデンスでは、最適な栄養摂取とレジスタンストレーニングの併用がこれらの患者にとって最良の戦略であるようであるが、特定の栄養介入と標的トレーニングスキームの役割を解明する臨床試験をさらに実施する必要がある。
▶論文情報The Vicious Cycle of Type 2 Diabetes Mellitus and Skeletal Muscle Atrophy: Clinical, Biochemical, and Nutritional Bases Nutrients 2024, 16(1), 172 発行日：2024年1月4日
◆2023年12月25日
EPAはDHAと比較して、男性では炎症経路を低下させ、女性では小胞体ストレス経路を低下させる（USA）
EPAはDHAと比較して、男性では炎症経路を低下させ、女性では小胞体ストレス経路を低下させる（USA）
最近のデータは、心血管疾患リスクに対する超長鎖オメガ-3脂肪酸補給の反応にかなりのばらつきがあることを示している。この一貫性のなさは、EPAとDHAの効果の差、および/または性差によるものかもしれない。低悪性度の慢性炎症を有する50～75歳の被験者16名（男性8名、女性8名）が、EPA3g/日、DHA3g/日、プラセボ（高オレイン酸ひまわり油3g/日）を比較する無作為化対照クロスオーバー試験に参加した。各試験終了時に血液単球を分離し、RNA配列を決定した。単球遺伝子発現に性差が認められたため、男女のデータを別々に解析した。1088個の遺伝子が男性で、997個が女性で異なる発現を示した。男女ともに、EPAとDHAはプラセボと比較して、タンパク質のターンオーバーとミトコンドリアのエネルギー代謝に関与する遺伝子を抑制した。男性のみにおいて、EPAとDHAは創傷治癒とPPARα活性化に関連する遺伝子を上昇させた。女性のみでは、EPAとDHAは小胞体ストレス応答に関連する遺伝子を活性化した。DHAと比較して、EPAは、男性では炎症過程に関与する遺伝子の発現を低下させ、女性では小胞体ストレス応答に関与する遺伝子の発現を低下させた。男女で観察されたEPAおよびDHAに対する反応のばらつきは、オメガ3脂肪酸を用いたこれまでの心血管臨床試験で得られた相反する結果を説明する一因となりうる。
▶論文情報Monocyte transcriptomic profile following EPA and DHA supplementation in men and women with low-grade chronic inflammationAtherosclerosis. 2023 Dec 3:388:117407. 発行日：2023年12月3日
◆2023年12月13日
【NHANES】血漿中Hcy濃度は脳卒中高齢者の全死亡率と正の相関を示し葉酸値とビタミンB12値はHcyと逆相関していた（中国）
【NHANES】血漿中Hcy濃度は脳卒中高齢者の全死亡率と正の相関を示し葉酸値とビタミンB12値はHcyと逆相関していた（中国）
血漿ホモシステイン（Hcy）、ビタミンB12、葉酸と全死亡リスクとの関連は不明である。血漿中Hcy、ビタミンB12、葉酸の濃度が、米国人脳卒中成人における全死亡リスクを独立して予測するかどうかを検討した。Cox比例ハザードモデルと制限付き三次スプラインを用いて、脳卒中成人におけるHcy、葉酸、B12レベルの全死因死亡のハザード比（HR）と95％信頼区間（CI）を推定した。431名の参加者（平均年齢64.8歳）が対象となった。追跡期間中央値10.4年の間に316名が死亡した。Hcyは成人脳卒中患者の全死亡と正の相関を示した。血漿中Hcy濃度が第4四分位の脳卒中患者は、第1四分位の患者に比べて全死亡リスクが1.631倍高かった。血漿中Hcyと全死亡との関連は、高齢者において強く有意であった（交互作用のp = 0.020）。血漿葉酸およびビタミンB12濃度はHcy濃度と逆相関を示した。成人の脳卒中患者において、葉酸、ビタミンB12値と全死亡率との間に有意な関連は観察されなかった。
▶論文情報Associations between homocysteine, vitamin B12, and folate and the risk of all-cause mortality in American adults with strokeFront. Nutr., 14 November 2023 Sec. Nutritional Epidemiology 発行日：2023年11月14日
◆2023年11月29日
【NHANES】食事性マグネシウム摂取量は特に女性において脳卒中リスクと逆相関していた（中国）
【NHANES】食事性マグネシウム摂取量は特に女性において脳卒中リスクと逆相関していた（中国）
米国成人における食事からのマグネシウム摂取と脳卒中リスクとの関連を成人29,653名を対象とした国民健康栄養調査（NHANES）2007～2018年のデータを用いて解析した。食事からのマグネシウム量は、2回の24時間食事リコールにより評価した。脳卒中の転帰は、自己申告による質問票の結果を用いて定義した。食事性マグネシウム摂取量と脳卒中リスクとの間に逆相関が認められた。食事性マグネシウム摂取量の最高四分位と最低四分位では、脳卒中の多変量調整オッズ比（95％信頼区間）は0.56（0.36-0.86）であった。女性のマグネシウム摂取量は脳卒中リスクと負の相関を示したが、男性ではこの負の相関は認められなかった。そして、この逆相関は40〜59歳のグループで統計的に有意であった。用量反応解析の結果は、食事からのマグネシウム摂取と脳卒中リスクとの間に直線的な関係を示した。
▶論文情報Association of Dietary Magnesium Intake with the Risk of Stroke among AdultsInt Heart J. 2023 Nov 14. 発行日：2023年11月14日
◆2023年11月16日
【NHANES】T2Dとうつ病の併発により罹患率と早期死亡のリスクが高くなる（USA）
【NHANES】T2Dとうつ病の併発により罹患率と早期死亡のリスクが高くなる（USA）
2型糖尿病（T2D）とうつ病は、深刻な身体障害と生活の質の低下を伴う世界的な公衆衛生上の問題である。この2つの疾患はしばしば併存していることが多くのエビデンスから示唆されている。しかし、T2D患者におけるうつ病による死亡リスクなどの長期的な影響については十分に検討されていない。合計14,920名のアメリカ人成人が研究サンプルに含まれ、そのほぼ10分の1がうつ病（9.08％）またはT2D（10％）を有していた。調整後分析では、T2Dを有する人はT2Dを有さない人に比べて死亡する確率が1.70倍（95％CI = 1.42-2.03）高かった。うつ病のないT2D患者では死亡リスクは1.55倍であったが、T2Dとうつ病の両方を有する患者では死亡リスクは4.24倍であった。
▶論文情報Depression increases the risk of mortality among people living with diabetes: Results from national health and nutrition examination survey, USADiabetes Metab Syndr. 2023 Oct 18;17(11):102892. 発行日：2023年10月27日
◆2023年11月6日
【RCT】中鎖脂肪酸の摂取は肝臓ミトコンドリアにおけるβ酸化の活性化を通じて摂取した長鎖脂肪酸の代謝動態を増加させる（日清オイリオ）
【RCT】中鎖脂肪酸の摂取は肝臓ミトコンドリアにおけるβ酸化の活性化を通じて摂取した長鎖脂肪酸の代謝動態を増加させる（日清オイリオ）
中鎖および長鎖トリグリセリド（MLCTs）は、摂取した長鎖トリグリセリド（LCTs）の代謝を改善することが期待されている。MLCTsの摂取がLCTsの代謝に及ぼす影響を評価し、菜種油（対照油）の摂取と比較した。無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験が、BMI25～30kg/m2の座りがちな参加者を対象に行われた。30名の参加者に14gのMLCTsまたは対照油を4週間摂取してもらった。摂取したLCTsの代謝は、炭素13（13C）標識LCTsの分解によって放出される同位体標識二酸化炭素を測定することによって評価した。MLCTsの摂取により、摂取したLCTsの代謝は対照油と比較して著しく促進された。MLCTsの摂取は、肝臓ミトコンドリアにおけるβ酸化の活性化を通じて、摂取した長鎖脂肪酸（LCFAs）の代謝動態を増加させる可能性が示唆された。
▶論文情報Ingestion of triglycerides containing medium- and long-chain fatty acids can increase metabolism of ingested long-chain triglycerides in overweight personsFront. Nutr.Sec. Clinical Nutrition 発行日：2023年10月31日
◆2023年10月24日
【横断研究】インスリン抵抗性は非肥満者における認知/情動および体性抑うつ症状と正の相関を示した（韓国）
【横断研究】インスリン抵抗性は非肥満者における認知/情動および体性抑うつ症状と正の相関を示した（韓国）
インスリン抵抗性（IR）とうつ病との間に正の関連があることを示唆する証拠が増えている。IRと抑うつ症状領域との関連を解析し、性および肥満度の影響を明らかにすることを目的とした。研究サンプルは、Korea National Health and Nutrition Examination Study 2020の19～79歳の参加者4007名である。参加者は健康面接と検査を行い、循環インスリンとグルコース値、患者健康調査票9（PHQ-9）、関連する共変量のデータを提供した。IRは、非肥満者における認知/情動および体性抑うつ症状と正の相関を示した。
▶論文情報The association between insulin resistance and depressive symptoms - A national representative cross-sectional studyJ Psychosom Res. 2023 Sep 28:175:111502. 発行日：2023年9月28日
◆2023年10月10日
【Review】栄養学的介入は、不安およびうつ病患者の糖尿病リスクを低下させるだけでなく、糖尿病患者の精神的健康を増進させるために利用されるべきである（USA）
【Review】栄養学的介入は、不安およびうつ病患者の糖尿病リスクを低下させるだけでなく、糖尿病患者の精神的健康を増進させるために利用されるべきである（USA）
世界中で、糖尿病、うつ病、不安症状は公衆衛生上の重要な問題として広く認識されている。最近の研究では、糖尿病とこれら2つの精神疾患との間に相互に影響しあう関係が明らかにされており、それぞれの疾患が他の疾患の経過や結果に影響を及ぼしている。不安、うつ病、および糖尿病の相互作用を調査するために、各疾患の発症および重症度に対する影響を含む徹底的な文献レビューを実施した。さらに、うつ病、不安、糖尿病、およびリスクのある人の関連合併症の予防と管理に対する栄養の効果を評価した。うつ病や不安症などの精神障害は2型糖尿病の発症リスクを高め、血糖コントロール不良、糖尿病関連合併症の増加、死亡率の上昇に関連することが示された。逆に、糖尿病はうつ病や不安症の発症リスクの増加とも関連している。両疾患の管理に対する統合的アプローチは、患者の転帰を改善し、疾患による全体的な負担を軽減するためにきわめて重要である。栄養学的介入は、不安およびうつ病患者の糖尿病リスクを低下させるだけでなく、糖尿病患者の精神的健康を増進させるために利用されるべきである。
▶論文情報Exploring the Interrelationships between Diabetes, Nutrition, Anxiety, and Depression: Implications for Treatment and Prevention StrategiesNutrients 2023, 15(19), 4226 発行日：2023年9月30日
◆2023年9月25日
【NHANS】食事からのコリン摂取量が多いほど、CVDリスク、特に脳卒中リスクが低い（中国）
【NHANS】食事からのコリン摂取量が多いほど、CVDリスク、特に脳卒中リスクが低い（中国）
コリンは人体に不可欠な栄養素であるが、食事から摂取したコリンは心臓血管系にとって危険な代謝物に代謝される。先行研究では、食事からのコリン摂取と心血管疾患（CVD）リスクとの間に相反する結果が得られているため、米国の成人を対象にこれを調査することを目的とし、14,323名を対象に調査を実施した。食事性コリン摂取量は、24時間の食事想起インタビューにおいて、食事性コリン摂取量とサプリメントコリン摂取量を含む2つの食事性コリン総摂取量の平均値として評価した。CVDのない参加者は、CVDのある参加者に比べて食事性コリン摂取量がかなり多かった（318.4mg/d vs. 297.2mg/d）（p < 0.05）。多変量調整後、食事性コリン摂取量の四分位が最も高い群は、最も低い群と比較して、CVDリスクの低下（OR 0.693、95％CI [0.520, 0.923]）と関連していた。脳卒中についても一貫した結果が得られた。特に60歳以上の参加者とBMI＜30kg/m2の参加者において、これらの結果が支持された。食事からのコリン摂取量が多いほど、CVDリスク、特に脳卒中リスクが低いことがわかった。
▶論文情報Association between Dietary Choline Intake and Cardiovascular Diseases: National Health and Nutrition Examination Survey 2011–2016Nutrients 2023, 15(18), 4036 発行日：2023年9月18日
◆2023年9月11日
【コホート研究】非発酵乳の摂取量が非常に多い（1,000g/日を超える）ことは、主要な冠動脈有害事象のリスク上昇と関連（スウェーデン）
【コホート研究】非発酵乳の摂取量が非常に多い（1,000g/日を超える）ことは、主要な冠動脈有害事象のリスク上昇と関連（スウェーデン）
乳製品の摂取と心血管疾患（CVD）リスクとの関連は一貫していない。乳製品の摂取量が多い集団を対象とした研究は不足している。スウェーデンのMalmö Diet and Cancerコホート研究において、乳製品の摂取と主要有害冠動脈イベントおよび脳卒中の発症リスクとの関連を検討することを目的とした。対象は、CVDまたは糖尿病の有病者なしの26,190名であった。平均19年間の追跡で、3,633例の冠動脈主要有害事象と2,643例の脳卒中が報告された。潜在的交絡因子を調整した結果、非発酵乳の摂取量が非常に多い場合（1,000g/日以上）は、摂取量が少ない場合（200g/日未満）と比較して、主要冠動脈有害事象のリスクが35％（95％信頼区間8～69％）高かった。対照的に、発酵乳の中程度の摂取量（100～300g/日）は、摂取しない場合と比較して主要な冠動脈有害事象のリスクが低いことと関連していた。チーズ（女性のみ）とバターの摂取は、主要な冠動脈有害事象のリスクと逆相関していた。いずれの乳製品も脳卒中リスクとの間に明確な関連は認められなかった。これらの結果は、異なる乳製品を別々に研究することの重要性を強調している。
▶論文情報High consumption of dairy products and risk of major adverse coronary events and stroke in a Swedish populationBr J Nutr. 2023 Sep 6;1-28. 発行日：2023年9月6日
◆2023年8月28日
【症例対照研究】心血管リスクの高いスペイン人高齢男性において血清銅高値とCVD初発リスク上昇との間に有意な関連が認められた（スペイン）
【症例対照研究】心血管リスクの高いスペイン人高齢男性において血清銅高値とCVD初発リスク上昇との間に有意な関連が認められた（スペイン）
心血管リスクの高い高齢者集団において、血清銅（S-Cu）濃度と心血管疾患（CVD）初発リスクとの関連を評価した。追跡期間中央値4.8年の間に、CVDと診断された計207例の発症例を436例の対照群と性、年齢、介入群についてマッチさせた。すべての参加者のS-Cu濃度は基準値750μg/L～1450μg/Lの範囲内であった。男性では、対照群959.3μg/Lより症例群1014.1μg/Lの方が平均S-Cu濃度が高かった（p = 0.004）。男性では、CVDの多変量調整オッズ比は2.36、女性では0.43であった。心血管リスクの高いスペイン人高齢男性において、基準値内ではあるがS-Cu高値とCVD初発リスク上昇との間に有意な関連が認められた。
▶論文情報Association between serum copper levels and risk of cardiovascular disease: A nested case-control study in the PREDIMED trialNutr Metab Cardiovasc Dis. 2023 Jul 17;S0939-4753(23)00277-6. 発行日：2023年7月15日
◆2023年8月18日
食事からのマグネシウム摂取が末梢動脈疾患の発症と負の相関がある（中国）
食事からのマグネシウム摂取が末梢動脈疾患の発症と負の相関がある（中国）
マグネシウムは末梢動脈疾患（PAD）と強い関連があることが分かっており、食事からのマグネシウム摂取はこの疾患の予測因子として有望である。しかし、食事からのマグネシウム摂取量の低下とPADのリスク増加との関係は依然として不明であり、この関係を明らかにするためにはさらなる研究が必要である。PADのある参加者はPADのない参加者と比較して食事性マグネシウム摂取量が少なかった。すべての共変量で調整した後も、食事性マグネシウム摂取量はPADと負の相関を示した。食事性マグネシウム摂取量を四分位群に分けた場合、第四分位群と比較して、第一分位群はPADの高い発症率と関連していた。サブグループ解析の結果、非白人、喫煙歴なしまたは喫煙歴のある人、非高血圧・非糖尿病患者などの特定のサブグループにおいても、食事からのマグネシウム摂取とPADとの関連は有意であった（P＜0.05）。食事性マグネシウム摂取が不十分な人、特に摂取量が過度に少ない人は、PADのリスクを減らすためにマグネシウム摂取量を増やすべきである。
▶論文情報Association between dietary magnesium intake and peripheral arterial disease: Results from NHANES 1999–2004PLoS One. 2023 Aug 11;18(8):e0289973. 発行日：2023年8月11日
◆2023年8月4日
【NHANES】血清カロテノイド濃度はCVD有病率と負の相関を示し心臓発作と脳卒中に対してはより顕著な負の効果を示した（中国）
【NHANES】血清カロテノイド濃度はCVD有病率と負の相関を示し心臓発作と脳卒中に対してはより顕著な負の効果を示した（中国）
血清カロテノイド濃度とCVDリスクとの関係を、米国で得られた全国的な成人サンプルを用いて調査した。血清カロテノイド（総カロテノイド、リコピン、β-カロテン、α-カロテン、ルテイン/ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン）とCVDとの関連を、多変量ロジスティック回帰分析、線形回帰分析、加重分位和（WQS）回帰分析を用いて検討した。最終的に、本研究では12,424名のボランティアのデータが解析された。多変量モデルのデータから、ルテイン/ゼアキサンチン、α-カロテン、リコピン、β-クリプトキサンチンはCVDの有病率と負の相関があることが示された（p < 0.05）。第1四分位値と比較すると、第4四分位値はα-カロチン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、リコピンと関連していた。さらに、用量反応分析により、高血圧とすべてのカロテノイドとの負の線形相関が示された。
▶論文情報The protective effect of serum carotenoids on cardiovascular disease: a cross-sectional study from the general US adult populationFront Nutr. 2023 Jul 12;10:1154239. 発行日：2023年7月12日
◆2023年7月26日
【症例対照研究】ビタミンCとマグネシウムと肥満基準との間に有意な関連がある（イラン）
【症例対照研究】ビタミンCとマグネシウムと肥満基準との間に有意な関連がある（イラン）
症例群（n=812成人）はBMIが25kg/m2以上の人で構成され、対照群（n=793）はBMIが17.9～24.9kg/m2であった。有効化された124項目の食物摂取頻度調査票を用い、微量栄養素に関連した食事の質を、摂取された微量栄養素の食事必要量に対する割合として算出される栄養質指数（INQ）を用いて判定した。対照群では、症例群と比較してビタミンA、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、セレンのINQスコアが有意に高かった。さらに、BSAが正常（男性：≦1.91m2、女性：≦1.71m2）な人は、BSAが高い人と比較して、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、亜鉛のINQスコアが有意に高かった。多変量調整回帰モデルにおいて、ビタミンCおよびマグネシウムのINQは、肥満／過体重のオッズ（BMIおよびBSAの両カテゴリーにおいて）と有意に関連していた。
▶論文情報The micronutrient content of the diet is correlated with serum glucose biomarkers and lipid profile and is associated with the odds of being overweight/obese—a case-control studyFront. Nutr., 29 June 2023 Sec. Nutritional Epidemiology 発行日：2023年6月29日
◆2023年7月19日
【in vivo】スクラロースの長期摂取は細胞外シグナル調節キナーゼ1/2依存性経路を介して肝インスリン抵抗性を誘導する（台湾）
【in vivo】スクラロースの長期摂取は細胞外シグナル調節キナーゼ1/2依存性経路を介して肝インスリン抵抗性を誘導する（台湾）
スクラロースは食品に最も広く利用されている甘味料の一つであるが、インスリン感受性に対するスクラロースの影響と詳細な機序は依然として曖昧である。マウスにスクラロースを経口投与したところ、インスリン分泌が促進され、血糖値が低下することを見いだした。マウスをchow食、高脂肪食（HFD）、スクラロース添加HFD（HFSUC）の3群に無作為に割り付け、スクラロースの長期摂取がグルコースホメオスタシスに及ぼす影響を調べた。スクラロースのボーラス投与による影響とは対照的に、スクラロースの補充は、グルコースおよびインスリン負荷試験によって決定されるHFD誘発インスリン抵抗性および耐糖能を増強した。小胞体ストレス阻害剤の前処理は、HepG2細胞におけるスクラロース誘導性インスリン抵抗性を減少させた。
▶論文情報Long-Term Consumption of Sucralose Induces Hepatic Insulin Resistance through an Extracellular Signal-Regulated Kinase 1/2-Dependent PathwayNutrients 2023, 15(12), 2814 発行日：2023年6月20日
◆2023年6月28日
【RCT】冠動脈性心疾患患者の食事にオリーブオイルと亜麻仁を取り入れることは内皮機能と血漿炎症因子を改善することで二次予防に貢献する（イラン）
【RCT】冠動脈性心疾患患者の食事にオリーブオイルと亜麻仁を取り入れることは内皮機能と血漿炎症因子を改善することで二次予防に貢献する（イラン）
冠動脈性心疾患（CHD）患者において、健康的な食事の一部としてオリーブオイルと亜麻仁を摂取することが、内皮機能、血漿炎症因子、および脂質プロファイルに与える影響を評価した。対照群では、参加者は一般的な心臓に良い食事の推奨を受け、介入群では、これらの推奨に加え、参加者は毎日25mlのオリーブオイルと30gの亜麻仁を3ヶ月間摂取した。ベースライン時および3ヵ月後に、上腕のFMD、血漿中の非対称ジメチルアルギニン、インターロイキン6（IL-6）、IL-10、高感度CRP、腫瘍壊死因子α（TNF-α）、単球化学吸引性蛋白1（MCP-1）、脂質とリポ蛋白の変化を測定した。50名の患者が試験を終了した（介入群n = 24、対照群n = 26）。対照群と比較して、亜麻仁とオリーブオイルの摂取は上腕動脈FMD％を有意に改善し、血漿IL-6、TNF-α、MCP-1、総コレステロールを減少させ、hs-CRP、非HDL-コレステロールは減少傾向にあったが、他の試験指標の濃度は両群間で差がなかった。
▶論文情報Effects of olive oil and flaxseed consumption in a healthy diet on endothelial function, plasma lipids and inflammatory factors of patients with coronary heart disease: a randomized clinical trialCoron Artery Dis. 2023 Jun 5. 発行日：2023年6月5日
◆2023年6月19日
肝硬変患者の肝細胞障害の重症度と予後は肝細胞のマグネシウム欠乏と相関する（イタリア）
肝硬変患者の肝細胞障害の重症度と予後は肝細胞のマグネシウム欠乏と相関する（イタリア）
ヒト肝硬変肝におけるマグネシウム含有量と、血清AST値、肝細胞障害の発現、MELDNa予後スコアとの相関を評価することを目的とし、肝移植時に得られた肝生検において、肝硬変患者（CIR）27名と健康な肝臓を持つ故人ドナー（CTRL）16名の肝臓組織中のマグネシウム含有量を原子吸光分析法で、CIR15名の肝細胞内を放射光蛍光X線顕微鏡法で測定した。CIRはCTRLに比べ、肝マグネシウム量が低く、TRPM7陽性肝細胞の割合が高く、CIRでは移植時のMELDNaおよび血清ASTは、肝組織および肝細胞のマグネシウム含有量と逆相関し、TRPM7で強く染色された肝細胞の割合と直接相関した。
▶論文情報Severity of Hepatocyte Damage and Prognosis in Cirrhotic Patients Correlate with Hepatocyte Magnesium DepletionNutrients 2023, 15(11), 2626 発行日：2023年6月3日
◆2023年5月19日
【単盲検】カカオフラバノールの定期的な摂取は、TMAOと尿酸レベルを低下させ、FMD値を増加させることで心血管の健康を改善する（スペイン）
【単盲検】カカオフラバノールの定期的な摂取は、TMAOと尿酸レベルを低下させ、FMD値を増加させることで心血管の健康を改善する（スペイン）
カカオフラバノールとレッドベリーアントシアニンが、ホモシステイン、アンジオテンシン変換酵素（ACE）、一酸化窒素（NO）、血管拡張（FMD）、血圧、脂質プロファイルなどの心血管バイオマーカーに及ぼす影響を解析した。さらに、二次胆汁酸（SBA）、短鎖脂肪酸（SCFA）、トリメチルアミンN-オキシド（TMAO）などの微生物叢関連代謝物との相互作用の可能性を確認することを目的とした。45歳から85歳までの健康なボランティア60名を対象に、ココアパウダー2.5g/日（フラバノール総量9.59mg/日）、レッドベリー混合物5g/日（アントシアニン総量13.9mg/日）または両者を組み合わせた7.5g/日を12週間摂取してもらう無作為並行群間試験が行われた（研究チームによる単盲検）。ココアを摂取したグループは、介入後、血清中のTMAO（p = 0.03）および尿酸（p = 0.01）レベルの有意な減少を示し、FMD値（p = 0.03）および総ポリフェノール（creatinineで補正）の増加（p = 0.03）を伴っていた。
▶論文情報Regular Consumption of Cocoa and Red Berries as a Strategy to Improve Cardiovascular Biomarkers via Modulation of Microbiota Metabolism in Healthy Aging AdultsNutrients 2023, 15(10), 2299 発行日：2023年5月13日
◆2023年5月9日
【in vivo】ビタミンEはマウスの肝臓の鉄分減少を誘導し鉄分調節を変化させる（USA）
【in vivo】ビタミンEはマウスの肝臓の鉄分減少を誘導し鉄分調節を変化させる（USA）
肝臓の鉄輸送に重要なタンパク質を欠くマウスは、鉄を介した酸化的損傷により脂肪症を発症するが、ビタミンEの経口摂取により肝疾患から保護される。マウス肝臓の鉄感知制御系および非ヘム鉄レベルの調節における食事性ビタミンE補給の役割を検討する。6週齢のC57Bl/6雄性マウスに、通常量の鉄とコントロール（45 mg/kg）または高濃度（450 mg/kg）の2R-α-トコフェロール（Vit E）を含む精製食を18日間与えた。マウスの血漿と肝臓を分析し、非ヘム鉄、鉄の恒常性維持タンパク質のレベルと活性、および酸化ストレスのマーカーを測定した。ビタミンEを摂取したマウスは、コントロールマウスと比較して、肝臓の非ヘム鉄（38%減少、p<0.0001）とフェリチン（74%減少、p<0.01）のレベルが低下した。また、トランスフェリン受容体1および二価金属輸送体1の肝臓mRNAのレベルは、コントロールの42％および57％に減少し、酸化ストレス応答および鉄応答遺伝子の主要な制御因子である核因子赤血球2関連因子（Nrf2）標的のmRNAレベルも、Vit E肝臓で抑制された。鉄調節ホルモンであるヘプシジンは血漿中濃度が低く（p<0.05）、ヘプシジンによって調節される鉄輸出装置であるフェロポーティンは肝臓で高いレベルで発現していた（p<0.05）。マウスにビタミンEを経口投与すると、鉄と酸化還元を感知する転写因子Nrf2が抑制され、肝臓のフェロポーティンを介した鉄の排出が促進されることにより、肝臓の鉄貯蔵量が枯渇し、間接的にビタミンEの抗酸化作用を高めると考えられる。
▶論文情報Vitamin E induces liver iron depletion and alters iron regulation in miceBIOCHEMICAL, MOLECULAR, AND GENETIC MECHANISMS IN NUTRITIO 発行日：2023年4月29日
◆2023年4月25日
【in vitro】工業的トランス脂肪酸が特異的に毒性を発揮し、EPAやDHAがその有効な抑制因子として機能する（東北大学）
【in vitro】工業的トランス脂肪酸が特異的に毒性を発揮し、EPAやDHAがその有効な抑制因子として機能する（東北大学）
トランス脂肪酸（TFAs）は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合をトランス配置で含む不飽和脂肪酸であり、その食品源によって、工業的TFAs（iTFAs）と反芻動物TFAs（rTFAs）に分類される。エライジン酸（EA）を含むiTFAが、rTFAを含む他の種類の脂肪酸ではなく、ダメージ関連分子パターンである細胞外ATPの処理により、アポトーシス信号調節キナーゼ1（ASK1）-p38 MAPキナーゼ経路を介してアポトーシスを誘導する強いプロアポトーシス効果を持つことを発見した。また、ドコサヘキサエン酸（DHA）などの多価不飽和脂肪酸（PUFA）は、EA依存性のASK1活性化およびアポトーシスの増加を強力に抑制することを見出した。これらの結果は、iTFAがASK1を標的とすることで特異的に毒性を発揮し、PUFAがその有効な抑制因子として機能することを示すものである。
▶論文情報A comprehensive toxicological analysis of trans-fatty acids (TFAs) reveals a pro-apoptotic action specific to industrial TFAs counteracted by polyunsaturated FAsScientific Reports volume 13, Article number: 5883 (2023) 発行日：2023年4月13日
◆2023年4月24日
【前向きコホート】NAFLD患者において、血清マグネシウムの高値が肝細胞癌のリスク低下と有意に関連する（USA）
【前向きコホート】NAFLD患者において、血清マグネシウムの高値が肝細胞癌のリスク低下と有意に関連する（USA）
NAFLD患者における血清マグネシウム値と肝細胞がん（HCC）リスクとの関連性を検討することを目的とし、NAFLD患者26,053名を対象に調査を実施した。平均5.15年の追跡調査の後、395人の患者が血清マグネシウムの最初の測定の後にHCCを発症した。HCCを発症したNAFLD患者は、HCCを発症していない患者に比べ、血清マグネシウムの平均値が著しく低かった。
▶論文情報High serum magnesium is associated with lower risk of hepatocellular carcinoma among patients with nonalcoholic fatty liver diseaseCancer. 2023 Apr 13. 発行日：2023年4月13日
◆2023年4月14日
肥満女性では血清および尿中のコルチゾール濃度が上昇し、低亜鉛血症、低セレン血症、低マグネシウム血症になる（ブラジル）
肥満女性では血清および尿中のコルチゾール濃度が上昇し、低亜鉛血症、低セレン血症、低マグネシウム血症になる（ブラジル）
肥満女性では、血清および尿中のコルチゾール濃度が上昇し、低亜鉛血症、低セレン血症、低マグネシウム血症とこれらのミネラルの尿中排泄量が増加した。また、コルチゾール／コルチゾン比と赤血球の亜鉛およびセレン濃度には負の相関があり、GPxおよびSOD活性と赤血球および血漿の亜鉛およびセレン濃度には有意な正の相関があった。コルチゾール濃度の上昇に対する脂肪率の影響と、亜鉛、セレン、マグネシウムというミネラルのコンパートメント化におけるこのホルモンの役割を示唆するものである。
▶論文情報Association Between Parameters of Cortisol Metabolism, Biomarkers of Minerals (Zinc, Selenium, and Magnesium), and Insulin Resistance and Oxidative Stress in Women with ObesityBiol Trace Elem Res. 2023 Apr 11. 発行日：2023年4月11日
◆2023年4月11日
【Review】αリポ酸（ALA）は腎臓疾患をターゲットとした有望な薬剤である（USA）
【Review】αリポ酸（ALA）は腎臓疾患をターゲットとした有望な薬剤である（USA）
腎臓はエネルギー消費の激しい臓器であり、常に内因性、外因性の障害にさらされ、急性腎障害（AKI）や慢性腎臓病（CKD）の発症につながる。しかしながら、AKIやCKDを効果的に治療するための治療法は存在しない。ALA の腎保護作用に共通するメカニズムとして、酸化的損傷の減少、抗酸化能の増加、炎症の抑制、腎線維化の緩和、ネフ ロン細胞死の抑制がある。これらのメカニズムにより、ALAは腎臓の傷害を緩和し、腎臓の機能を向上させるという生物学的機能を発揮する。しかしながら、ALAを腎臓疾患を対象としたより良い治療薬とするためには、より包括的な前臨床試験および臨床試験が必要である
▶論文情報Renal-Protective Roles of Lipoic Acid in Kidney DiseaseNutrients 2023, 15(7), 1732 発行日：2023年4月1日
◆2023年4月5日
【横断研究】耐糖能異常者では、食事からのマグネシウムとカリウムの摂取は、体脂肪の低下と関連する可能性がある（中国）
【横断研究】耐糖能異常者では、食事からのマグネシウムとカリウムの摂取は、体脂肪の低下と関連する可能性がある（中国）
糖尿病予備軍における体組成に対するミネラルの習慣的摂取を検討した研究はほとんどない。IGTの中国人被験者155名（年齢中央値：59（53-62）歳、女性58％）を対象に、体脂肪率などの体組成評価、経口ブドウ糖負荷試験（OGTT）、HOMA-IR（インスリン抵抗性の恒常性モデル評価）、栄養プログラム解析による3日間の食事記録などを実施した。ミネラルの食事摂取量は体脂肪と負の相関があった。肥満の人は太り過ぎと比較して、鉄中央値（IQR）、マグネシウム、カリウムの1日の摂取量が最も低かった。食事性マグネシウムとカリウムの摂取量が多いことは、年齢、性別、マクロ栄養素、食物繊維、身体活動の調整後も体脂肪の低下と有意に関連していた。
▶論文情報Higher dietary magnesium and potassium intake are associated with lower body fat in people with impaired glucose toleranceFront. Nutr.Sec. Nutrition and Metabolism 発行日：2023年3月22日
◆2023年3月23日
高齢のT2D患者において、平均的なタンパク質摂取量は少なく、特に朝食と夕食では、ロイシン摂取量が推奨レベルより著しく低い（イタリア）
高齢のT2D患者において、平均的なタンパク質摂取量は少なく、特に朝食と夕食では、ロイシン摂取量が推奨レベルより著しく低い（イタリア）
高齢者の推奨されるタンパク質摂取量は、主食で25～30g、各食事で少なくとも2500～2800mgのロイシンを摂取することである。2型糖尿病（T2D）高齢者の食事によるタンパク質とロイシンの摂取量と分布については、まだほとんどエビデンスがないため、T2D高齢者における毎食のタンパク質とロイシンの摂取量を65歳以上のT2D患者138名（男性91名、女性47名）を対象とし、調査を実施した。平均的なタンパク質摂取量は0.9±0.2g/kg体重/日であり、推奨値を遵守している患者は23%に過ぎなかった。平均的なタンパク質摂取量は、朝食で6.9g、昼食で29g、夕食で21gであった。朝食で推奨されるタンパク質摂取量に達した患者はおらず、昼食では59％、夕食では32％の患者が推奨値を遵守していた。ロイシンの平均摂取量は、朝食で579mg、昼食で2195mg、夕食で1583mgであった。高齢のT2D患者において、平均的なタンパク質摂取量は少なく、特に朝食と夕食では、ロイシン摂取量が推奨レベルより著しく低いことが示された。
▶論文情報Protein and Leucine Intake at Main Meals in Elderly People with Type 2 DiabetesNutrients 2023, 15(6), 1345 発行日：2023年3月10日
◆2023年3月9日
【RCT】遅い食事スケジュールは若年成人男性の24時間平均間質性グルコース濃度を増加させる（国立健康栄養研究所）
【RCT】遅い食事スケジュールは若年成人男性の24時間平均間質性グルコース濃度を増加させる（国立健康栄養研究所）
食事が体内時計とずれていると、グルコース代謝に悪影響が出る可能性があるが、異なる食事スケジュール（早い時間と遅い時間の比較）を繰り返すことで、1日を通してグルコース濃度がどのように変化するか知られてない。連続グルコースモニター（CGM）を用いて、異なる食事スケジュールが24時間のグルコース反応に及ぼす影響を調べた。8名の若年成人男性（年齢：20.9±3.4歳、肥満度：21.3±1.8kg/m2）がそれぞれ2種類の食事スケジュール（早期［08：30、13：30、19：30］、後期［12：00、17：00、23：00］）で食事を行った。遅い食事スケジュールは、若年成人男性の24時間平均間質性グルコース濃度を増加させる。この知見は、特に糖尿病などの疾患を持つ人が食事のタイミングを決める際に有用な示唆を与えると思われる。
▶論文情報Delayed Eating Schedule Raises Mean Glucose Levels in Young Adult Males: a Randomized Controlled Cross-Over TrialJ Nutr. 2023 Jan 10;S0022-3166(22)13770-3. 発行日：2023年1月10日
◆2023年2月27日
【SR】トコトリエノールはNAFLDの管理に使用するための潜在的な薬剤となる可能性がある（マレーシア）
【SR】トコトリエノールはNAFLDの管理に使用するための潜在的な薬剤となる可能性がある（マレーシア）
トコトリエノール（T3）は、α-トコフェロールを超える抗炎症および抗酸化特性を有しており、NAFLD管理に使用する薬剤として期待されている。T3異性体または天然混合物（パームまたはアナトー由来）がNAFLDのアウトカム（肝組織学、超音波または肝プロファイル）を改善したと述べられている。しかし、その改善はNAFLDの重症度、研究期間、介入の種類（異性体/異なる組成の混合物）に依存した。メカニズム的には、T3は脂質代謝を改善し、肝脂肪症を予防し、ミトコンドリアおよび小胞体ストレス、炎症、そして最終的には肝線維症を減少させることがわかった。
▶論文情報Tocotrienol in the Management of Nonalcoholic Fatty Liver Disease: A Systematic ReviewNutrients 2023, 15(4), 834 発行日：2023年2月6日
◆2023年2月14日
【Scoping review】オメガ3インデックスを8％以上に改善するためには1,000～1,500mg/日のEPAおよびDHAの摂取を少なくとも12週間継続すること（USA）
【Scoping review】オメガ3インデックスを8％以上に改善するためには1,000～1,500mg/日のEPAおよびDHAの摂取を少なくとも12週間継続すること（USA）
n-3系脂肪酸の全体的な状態の指標であるomega3-index（O3i）≥8%は、慢性疾患、特に心血管疾患のリスク低減と関連付けられている。O3iを改善するのに十分なn-3 FA摂取量を推定するため、調査を実施した。O3iを推奨レベルまで上昇させるのに有効であることが示された最低用量は、DHAとEPAの組み合わせを12週間以上、1,000 mg/日以上摂取したものであった。トリグリセリドからなるサプリメントは、他のフォーミュラよりも生物学的利用能が高く、その結果、より効果的であった。評価されたデータに基づき、O3iを8％以上に改善するための実用的な推奨事項は、トリグリセリドとして1,000～1,500mg/日のEPAおよびDHAの摂取を少なくとも12週間継続することである。
▶論文情報The influence of dietary and supplemental omega-3 fatty acids on the omega-3 index: A scoping reviewFront. Nutr., 19 January 2023Sec. Nutrition and Metabolism 発行日：2023年1月19日
◆2023年2月2日
【RCT プール解析】マグネシウムの補給は血清グルコース、脂質、血圧のコントロールに有益な効果を示す（中国）
【RCT プール解析】マグネシウムの補給は血清グルコース、脂質、血圧のコントロールに有益な効果を示す（中国）
1,325人のT2D患者を対象とした24の無作為化対照試験のプール解析により、マグネシウム補給を受けた被験者は、空腹時血糖値、糖化ヘモグロビン、収縮期血圧、拡張期血圧を統計的に有意に低下させることがわかった。詳細なサブグループ解析により、年齢、肥満度、国、罹病期間、ベースラインのマグネシウム値、ベースラインの血糖コントロール条件などの参加者の健康状態、ならびにマグネシウム製剤、用量、介入期間がマグネシウム添加の効果に影響を与えることが示された。用量効果分析により、279mg/dを116日間、429mg/dを88日間、300mg/dを120日間が、それぞれ血糖値、循環脂質、血圧のコントロールを改善する平均最適用量と期間であることが示された。
▶論文情報Effects of magnesium supplementation on improving hyperglycemia, hypercholesterolemia, and hypertension in type 2 diabetes: A pooled analysis of 24 randomized controlled trialsFront. Nutr., 18 January 2023Sec. Clinical Nutrition 発行日：2023年1月18日
◆2023年1月23日
【前向きコホート】葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量および血清濃度はMetSの発症と逆相関（USA）
【前向きコホート】葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量および血清濃度はMetSの発症と逆相関（USA）
米国人における葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量と血清レベルは、メタボリックシンドローム（MetS）発症と関連があるか、米国成人4414名を対象としたコホート研究を実施した。30年間（平均［SD］、22.1［9.5］年）の追跡期間中に、合計1240例のMetSの発症が認められた。ビタミンB群摂取量の最低五分位と比較して、最高五分位におけるMetS発症のHRは、潜在的交絡因子調整後、葉酸で0.39， ビタミンB6で0.61， ビタミンB12で0.74であった。同様に、これらのビタミンB群の血清データがあるサブセットでは、有意な逆相関が観察された。米国の黒人および白人の若年成人における葉酸、ビタミンB6、およびビタミンB12の摂取量と血清濃度が、MetSの発症と逆相関することを見いだした。
▶論文情報Folate, Vitamin B6, and Vitamin B12 Status in Association With Metabolic Syndrome IncidenceJAMA Netw Open. 2023;6(1):e2250621. 発行日：2023年1月11日
◆2023年1月6日
【NHANS】テストステロン値が高いほど糖尿病前症のリスクが低いことと関連している（USA）
【NHANS】テストステロン値が高いほど糖尿病前症のリスクが低いことと関連している（USA）
糖尿病予備軍と血清総テストステロン（TT）との関連、およびその関連性が集団特性によって修飾されるかどうかを20歳以上の成人5330名のデータを基に評価を実施した。糖尿病予備軍とテストステロンの四分位値との間に用量反応関係が認められた。サブグループ解析では、いくつかのグループ（男性：年齢50歳未満、白人および黒人、過体重／肥満、十分な身体活動、非喫煙）でより強い相関の違いが示された。米国の成人では、テストステロン値が高いほど、糖尿病前症のリスクが低いことと関連していた。その関連性の強さは、人口特性、体重の状態、性別、生活習慣の要因によって異なっていた。
▶論文情報Higher Serum Testosterone Level Was Associated with a Lower Risk of Prediabetes in US Adults: Findings from Nationally Representative DataNutrients 2023, 15(1), 9 発行日：2022年12月20日
◆2022年12月9日
【in vivo】鉄はNAFLDの発症・進展に「マルチヒット」要因の一つとして重要な役割を担う（大阪公立大学）
【in vivo】鉄はNAFLDの発症・進展に「マルチヒット」要因の一つとして重要な役割を担う（大阪公立大学）
鉄過剰症を伴うNAFLDと代謝異常性鉄過剰症（DIOS）の重複を示唆する証拠は増えつつあるが、鉄がこれらの病態にどのように関与しているかのメカニズムはまだ不明である。鉄過剰症を伴うNAFLDモデルラットの病態における鉄の役割について検討した。高脂肪、高果糖の欧米食を26週間摂取させたラットは、体重増加、脂質異常症を伴い、肝脂肪症を呈した。欧米食に鉄過剰摂取を加えると、血清トリグリセリドとコレステロールがさらに増加し、肝炎が増強した。患部肝では洞様マクロファージ/クッパー細胞に強い鉄沈着が見られ、NFκBの核移行とTh1/M1関連サイトカインのアップレギュレーションを伴っていた。このモデルは、DIOSと同様にNAFLDの発症・進展のメカニズムを解明し、「マルチプルヒット」要因の一つとしての鉄の重要な役割を明らかにするのに役立つ。
▶論文情報Dietary iron overload enhances Western diet induced hepatic inflammation and alters lipid metabolism in rats sharing similarity with human DIOSScientific Reports volume 12, Article number: 21414 (2022) 発行日：2022年12月10日
◆2022年12月9日
【NHANES】うつ病の有病率は血清銅レベルと関連し、肥満はうつ病のリスクを悪化させる（中国）
【NHANES】うつ病の有病率は血清銅レベルと関連し、肥満はうつ病のリスクを悪化させる（中国）
血清銅レベルとうつ病の症状との関連性を評価することを目的とし、また、BMI（体格指数）の修正がうつ病の症状に与える影響について、5419名を対象に調査を実施した。うつ病症状の有病率は、銅の値が高いサンプルで有意に高いことがわかった。血清銅、セレン、亜鉛のレベルのうち、うつ病症状と血清銅レベルとの関連のみが、未調整モデルで有意に観察された（P = 0.002）。高銅レベル（114-134μg/dL）および超高銅レベル（≧134μg/dL）の人は、血清銅レベルが正常な人に比べて、うつ病症状のオッズ比がそれぞれ1.85（95％CI 1.24，2.77）- および 1.72（95％ CI 1.21，2.44）倍高くなることが示された。高銅濃度および超高銅濃度を含む銅濃度と肥満（BMI≧30kg/m2）の交互作用では、うつ症状を有するオッズ比が有意に高かった（4.12（95％CI 1.38，12.27），4.53（95％CI 1.87，10.96） ）。血清銅の濃度は、うつ病症状の有病率と正の相関があった。肥満は、血清銅濃度が高い人のうつ病の症状を持つリスクを悪化させた。
▶論文情報BMI Modifies the Association Between Depression Symptoms and Serum Copper LevelsBiol Trace Elem Res. 2022 Nov 27. 発行日：2022年11月27日
◆2022年11月29日
【前向きコホート】血清Cu濃度の上昇は、フィンランドの中高年男性において、すべてのBMIカテゴリーでCVD死亡のリスク上昇と関連（フィンランド）
【前向きコホート】血清Cu濃度の上昇は、フィンランドの中高年男性において、すべてのBMIカテゴリーでCVD死亡のリスク上昇と関連（フィンランド）
フィンランド人男性において、異なる肥満度（BMI）カテゴリーにおける血清Cu値とCVD死亡リスクとの関連性について、ベースライン時に冠動脈心疾患がなかった42～60歳の男性1911名を対象に調査を実施した。。中央値25.8年の追跡期間中に、358人のCVD死亡が発生した。CVD死亡のリスクはCu値の増加とともに連続的に増加した（非直線性については、p＝0.64）。血清Cu濃度の第3四分位群に属する肥満男性は、CVD死亡のリスクが最も高かった（HR（95％CI）2.71（1.27-5.78））。血清Cuは、CVD死亡の予後マーカーまたは危険因子となる可能性がある。
▶論文情報Serum copper and the risk of cardiovascular disease death in Finnish menNutr Metab Cardiovasc Dis. 2022 Oct 5;S0939-4753(22)00407-0. 発行日：2022年10月4日
◆2022年11月16日
【RCT SR&メタ解析】2型糖尿病における高血糖、高コレステロール血症、高血圧の改善にマグネシウムの補給が有効（中国）
【RCT SR&メタ解析】2型糖尿病における高血糖、高コレステロール血症、高血圧の改善にマグネシウムの補給が有効（中国）
マグネシウム摂取による2型糖尿病の臨床転帰の改善効果については相反する結果が得られている。2型糖尿病におけるマグネシウム補給の血糖、循環脂質、血圧コントロールへの効果を評価し、関連する実践的内容を調査した。1,325名の2型糖尿病を対象とした24の無作為化比較試験により、マグネシウム補給を受けた被験者は、空腹時血糖（FBS）、HbA1c、収縮期血圧（SBP）と拡張期血圧（DBP）が統計的に有意に減少していた。用量効果関係から、279mg/dを116日間、429mg/dを88日間、300mg/dを120日間が、それぞれ血糖値、循環脂質、血圧コントロールを改善する平均最適用量と期間であることが示された。
▶論文情報Effects of magnesium supplementation on improving hyperglycemia, hypercholesterolemia, and hypertension in type 2 diabetes: A systematic review and updated meta-analysis of randomized controlled trialsFront. Nutr.Sec. Clinical Nutrition 発行日：2022年11月9日
◆2022年11月8日
【Review】サーカディアンリズムの乱れは24時間エネルギー消費を約3％（1日あたり約55kcal）減少させ不健康な食事選択を促進する（カナダ）
【Review】サーカディアンリズムの乱れは24時間エネルギー消費を約3％（1日あたり約55kcal）減少させ不健康な食事選択を促進する（カナダ）
肥満やメタボリックシンドロームの従来の危険因子、例えば過剰なエネルギー摂取や運動不足では、これらの疾患の高い有病率を完全に説明することはできない。睡眠不足と概日リズムの乱れは、メタボリックシンドロームの発症や体重増加の原因となる。ヒトにおける睡眠不足と概日リズムのズレが、食欲ホルモン（グレリン、レプチン、ペプチド-YYに注目）、エネルギー消費、食物摂取と選択、肥満のリスクなどに与える影響についてまとめた。睡眠不足と概日リズムの乱れは重要な代謝性ストレス要因であり、体重増加や肥満と関連している。睡眠不足は、エネルギー消費を1日あたり〜100kcal増加させるが、エネルギー摂取量も1日あたり250kcal以上増加させ、エネルギー収支がプラスになり、体重が増加する。睡眠制限により、食べたい欲求が高まり、睡眠不足による過剰な食事摂取は、食欲ホルモンよりも認知制御や報酬機構に関係していると言われている。概日リズムの乱れは24時間エネルギー消費を約3％（1日あたり約55kcal）減少させ、食欲ホルモンのレベルを変化させ、十分な睡眠の状態よりも不健康な食事選択を促進する。
▶論文情報The role of insufficient sleep and circadian misalignment in obesityNat Rev Endocrinol. 2022 Oct 24;1-16. 発行日：2022年10月24日
◆2022年11月2日
【RCT】低炭水化物食の介入は6ヶ月間で通常の食事と比較してヘモグロビンA1cを0.23%有意に減少させた（USA）
【RCT】低炭水化物食の介入は6ヶ月間で通常の食事と比較してヘモグロビンA1cを0.23%有意に減少させた（USA）
未治療のヘモグロビン A1c が 6.0%～6.9%の成人において、通常の食事と比較して低炭水化物食を促進する食事介入は、ヘモグロビン A1c の 6 ヶ月変化にどのような効果をもたらすかを調査するため、成人150名を対象とした無作為化臨床試験を実施した。参加者は低炭水化物食介入群（最初の3ヵ月は炭水化物40グラム未満、3ヵ月から6ヵ月は60グラム未満を目標）と通常の食事に無作為に割り付けられた。ベースライン時の平均（SD）HbA1cは6.16％（0.30％）であった。通常の食事療法群と比較して、低炭水化物食事療法介入群では、6ヵ月の HbA1c の減少が有意に大きかった（純差，-0.23%；95% CI，-0.32%～-0.14%；P＜0.001 ）。低炭水化物の食事介入は、グルコース低下薬を服用していないHbA1c上昇者において血糖値の改善につながったが、この試験では体重減少とは別にその効果を評価することができなかった。この食事療法が継続されれば、2型糖尿病の予防と治療に有用な食事療法になるかもしれないが、さらなる研究が必要である。
▶論文情報Effects of a Low-Carbohydrate Dietary Intervention on Hemoglobin A1c A Randomized Clinical TrialJAMA Netw Open. 2022;5(10):e2238645. 発行日：2022年10月26日
◆2022年10月24日
食事性ビタミンCの摂取は糖尿病患者の炎症および骨粗鬆症のリスクを低下させる可能性がある（USA）
食事性ビタミンCの摂取は糖尿病患者の炎症および骨粗鬆症のリスクを低下させる可能性がある（USA）
食事性ビタミンCの摂取は、疫学調査において骨密度（BMD）の改善と関連している。VCAM-1とadiponectinは破骨細胞を活性化し、骨量減少を増加させることが知られている。糖尿病を有する被験者において、ビタミンCの循環レベルとBMDとの間に関連性があるかどうか、また、ビタミンCのBMDに対する有益な効果が、アディポネクチンおよびVCAM-1の循環レベルの同時低下と関連するかどうかを検討した。糖尿病患者はビタミンC濃度が低く、VCAM-1および炎症性サイトカイン濃度が高かった。糖尿病患者において、ビタミンC血中濃度と腰椎BMDとの間に有意な正の相関があり、また総アディポネクチン値およびVCAM-1値とビタミンCおよび腰椎BMDとの間に有意な負の相関があった。ビタミンC、VCAM-1の循環レベルとBMDの相互関係は強く、新しい知見である。
▶論文情報The Positive Association of Plasma Levels of Vitamin C and Inverse Association of VCAM-1 and Total Adiponectin with Bone Mineral Density in Subjects with DiabetesNutrients 2022, 14(19), 3893 発行日：2022年9月20日
◆2022年10月12日
【RCT】ビタミンD長期補給は、中高年2型糖尿病患者の空腹時インスリン、HOMA-IR、およびnonHDL-C、hs-CRP、尿酸の血清濃度を有意に低下させる（中国）
【RCT】ビタミンD長期補給は、中高年2型糖尿病患者の空腹時インスリン、HOMA-IR、およびnonHDL-C、hs-CRP、尿酸の血清濃度を有意に低下させる（中国）
中高年の2型糖尿病（T2D）患者におけるビタミンD長期補給の代謝プロファイルへの影響を評価するため、50歳から70歳のT2D患者270名を対象に無作為化比較試験を実施した。ビタミンD群の参加者は30カ月間ビタミンD3（800IU/日）を経口投与された。30ヵ月後、ビタミンD群は対照群よりも大きな血清25(OH)Dの増加を示した（12.39±6.99 vs 5.35±5.29ng/ml, P <0.001 ）。一方、空腹時インスリン、HOMA-IR、非高密度リポタンパク質コレステロール（non-HDL-C）、高感度CRP（hs-CRP）、尿酸の値の変化は、両群間で有意差があった（すべてP＜0.05）。ベースラインの25(OH)Dが20ng/ml以上のサブグループ（P=0.042）または女性患者のサブグループ（P=0.034）で尿酸の変化が両グループ間で有意に異なることが示された。そして、空腹時血糖値（FBG）の変化は、本試験終了時に25(OH)D濃度が30ng/mlに達している患者において、ビタミンD群（-0.30±2.52mmol/L）と対照群（0.49±1.78mmol/L、P=0.049）で有意差があった。また、ベースライン時に肥満があった患者では、トリグリセリドの変化量に両群間で有意差が認められた［0.05(-0.59, 0.23) vs 0.41(-0.01, 0.80) mmol/L, P=0.023］。
▶論文情報Effects of long-term vitamin D supplementation on metabolic profile in middle-aged and elderly patients with type 2 diabetesJ Steroid Biochem Mol Biol. 2022 Sep 28;106198. 発行日：2022年9月28日
◆2022年9月30日
【NHANS】500〜1000mg/日のVC補給を含むVC摂取の奨励が糖尿病前および糖尿病の米国成人に有益である（USA）
【NHANS】500〜1000mg/日のVC補給を含むVC摂取の奨励が糖尿病前および糖尿病の米国成人に有益である（USA）
NHANESデータベースの2型糖尿病6807名と1型糖尿病428名の成人男性25206名と成人女性26944名のビタミンC（VC）摂取量、血清VC、空腹時血糖値、A1c値を分析した。VC摂取量および血清VC値は、糖尿病予備軍および2型糖尿病のマーカー、すなわち空腹時血糖値およびA1c値と逆相関していた。2型糖尿病のリスクは、VC摂取量が推定平均必要量（EAR）未満で、VCサプリメントを摂取していない成人で増加した（オッズ比1.20、95％CI 1.1-1.3および1.28、95％CI 1.18-1.40、それぞれ）。血清VCが低く、不足している糖尿病成人の生存年数の中央値は、血清VCが正常な糖尿病成人のそれより短かった。糖尿病の米国成人におけるVC摂取量の減少と血清VCの低下による悪影響の観察から、500〜1000mg/日のVC補給を含むVC摂取の奨励が、糖尿病前および糖尿病の米国成人に有益である可能性が示唆された。
▶論文情報Decreasing Vitamin C Intake, Low Serum Vitamin C Level and Risk for US Adults with DiabetesNutrients 2022, 14(19), 3902 発行日：2022年9月21日
◆2022年9月14日
【RCT】EPA、DHAとアトルバスタチンの併用はアトルバスタチン単独よりもsmall dense LDL濃度、non HDL-C、VLDL-CおよびTGをより大きく改善した（UK）
【RCT】EPA、DHAとアトルバスタチンの併用はアトルバスタチン単独よりもsmall dense LDL濃度、non HDL-C、VLDL-CおよびTGをより大きく改善した（UK）
安定したスタチン治療を受けている高脂血症患者において、エイコサペンタエン酸（EPA）およびドコサヘキサエン酸（DHA）4g/日の補給が、小型で高密度LDL-C粒子濃度などの血清中脂質に及ぼす効果について8週間以上スタチン療法を受けている非HDL-C濃度が130 mg/dL以上の患者44名を対象に評価した。n-3 FAとアトルバスタチンの補給は、血清非HDL-C（- 9.5% vs 4.7%、P < 0.01）、TG（- 21.5% vs 6.2%、P < 0.001）およびVLDL-C（- 36.9% vs 4.0%、P < 0.001）およびTC（- 6.6% vs 2.1%、P < 0.001）を著しく低下させることとなった。LDL-C，HDL-C，およびLDL IとLDL IIのサブクラスの血清濃度の変化率には両群間で有意差はみられなかった。EPA、DHAとアトルバスタチンの併用は、アトルバスタチン単独よりも、small dense LDL濃度、non HDL-C、VLDL-CおよびTGをより大きく改善した。
▶論文情報N-3 fatty acid supplementation mediates lipid profile, including small dense LDL, when combined with statins: a randomized double blind placebo controlled trialLipids Health Dis. 2022 Sep 1;21(1):84. 発行日：2022年9月1日
◆2022年8月31日
【RCT SR&メタ解析】CoQ10の補給は、特に糖尿病における血糖コントロールに有益な効果をもたらし、100-200mg/日のCoQ10は最大の効果を達成する（中国）
【RCT SR&メタ解析】CoQ10の補給は、特に糖尿病における血糖コントロールに有益な効果をもたらし、100-200mg/日のCoQ10は最大の効果を達成する（中国）
これまでのレビューでは、血糖コントロールに対するCoQ10の効果は一貫していなかったと報告されている。また、血糖コントロールのためのCoQ10の最適な摂取量について検討したレビューはない。RCTから得られた既存のエビデンスを統合することにより、血糖コントロールに対するCoQ10の有効性を調査し、用量反応関係を評価することを目的とし40の研究（n = 2,424名）を基に調査を実施した。CoQ10は、空腹時血糖値 、空腹時インスリンを有意に減少させた。CoQ10の補給は、特に糖尿病における血糖コントロールに有益な効果をもたらし、100-200mg/日のCoQ10は最大の効果を達成することができ、これは血糖障害患者におけるCoQ10の食事ガイドラインの根拠となり得る。
▶論文情報Effects of coenzyme Q10 supplementation on glycemic control: A GRADE-assessed systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trialsEClinicalMedicine. 2022 Aug 3;52:101602. 発行日：2022年8月3日
◆2022年8月23日
肝臓酵素の高値は糖尿病リスクの上昇と関連していたが現在軽度の飲酒者では高値の者でも糖尿病リスクの増加は認められなかった（国立循環器病センター）
肝臓酵素の高値は糖尿病リスクの上昇と関連していたが現在軽度の飲酒者では高値の者でも糖尿病リスクの増加は認められなかった（国立循環器病センター）
肝臓酵素と飲酒が糖尿病リスクに及ぼす複合的な影響について検討することを目的に吹田調査の30-79歳の非糖尿病患者5972名のデータを解析した。中央値13年の追跡期間中に597例の糖尿病の発症が確認された。γ-GTP、ALT、ASTの高値は糖尿病リスクの上昇と関連し、現在の軽飲酒者は非飲酒者よりも糖尿病リスクが低いことが示された。これらの関連に性差は認められなかった。
▶論文情報Liver enzymes, alcohol consumption and the risk of diabetes: the Suita studyActa Diabetol. 2022 Aug 16. 発行日：2022年8月16日
◆2022年8月12日
【コホート研究】糖尿病患者における空腹時トリグリセライドは心血管死亡リスクと正の相関を示す（AUS）
【コホート研究】糖尿病患者における空腹時トリグリセライドは心血管死亡リスクと正の相関を示す（AUS）
空腹時トリグリセリドと心血管疾患（CVD）死亡率との関連について、26,570名の成人（3,978名が糖尿病）を対象に調査を実施した。ベースライン時の糖尿病有病率は、中性脂肪が高い人ほど高かった。このコホートは平均12.0年間追跡され、1,492名のCVD死亡が記録された。糖尿病患者では、トリグリセライドが1自然対数単位高いほどCVD死亡の多変量調整リスクが30％高かったが（HR, 1.30; 95％ CI, 1.08-1.56 ）、糖尿病でない患者ではそうではなかった（HR, 0.95; 95％ CI, 0.83-1.07 ）。糖尿病患者においては、高トリグリセリド（200〜499mg/dL）の人は、正常トリグリセリド（<150mg/dL）の人に比べて、CVD死亡の多変量調整リスクが44％（HR, 1.44; 95% CI, 1.12-1.85）高かった。空腹時トリグリセライドが200 mg/dl以上であれば、糖尿病患者においてCVD死亡のリスク上昇と関連するが、糖尿病でない患者では関連しないことを証明した。
▶論文情報Fasting triglycerides are positively associated with cardiovascular mortality risk in people with diabetesCardiovasc Res. 2022 Jul 29;cvac124. 発行日：2022年7月29日
◆2022年8月2日
【RCT SR&メタ解析】オメガ3サプリメントの摂取がHcyを有意に改善する（イラン）
【RCT SR&メタ解析】オメガ3サプリメントの摂取がHcyを有意に改善する（イラン）
オメガ3多価不飽和脂肪酸（PUFA）の補給がホモシステイン（Hcy）の形成に関与する酵素に影響を与え、高ホモシステイン血症を改善することを示すいくつかの証拠があるが、ヒトにおけるこれらの知見はまだ矛盾しているため、既存のランダム化比較試験（RCT）を用いて、オメガ3補給のHcyへの影響を調査を行った。20のRCT研究、2676名の参加者を対象に調べた結果、オメガ3補給は対照群と比較して、血漿Hcy値を有意に低下させる（WMD: 1.34 μmol/L; 95% CI: 1.97 to -0.72; P < 0.001） ことが示された。介入期間12週間未満、1日あたりの用量3g以上のオメガ3サプリメントは、介入期間12週間以上、用量3g以下の場合よりもHcy値の有意な低下を引き起こすことが示された。
▶論文情報Association between hyperhomocysteinemia and the risk of all-cause and cause-specific mortality among adults in the USBr J Nutr. 2022 Jul 6;1-28. 発行日：2022年7月6日
◆2022年7月21日
【NHANES】高ホモシステインは70歳未満の成人における全死亡および原因別（CVD、癌）死亡の高リスクと関連（中国）
【NHANES】高ホモシステインは70歳未満の成人における全死亡および原因別（CVD、癌）死亡の高リスクと関連（中国）
米国の成人における高ホモシステイン血症と全死因死亡率および特定原因による死亡率との関連を評価することを目的とし、18歳から70歳の成人8,442名を対象に調査を行った。中央値14.7年の追跡期間の後、1,007人（11.9％）が死亡した。その内訳は、197人の心血管疾患（CVD）関連死亡、255人のがん関連死亡、58人の呼吸器疾患関連死亡であった。高ホモシステイン血症を有する参加者は、有さない参加者と比較して、全死亡のリスクが93％増加し（ハザード比［HR］、1.93；95％信頼区間［CI］、1.48-2.51）、CVD死亡のリスクが160％増加し（HR、2.60；95％CI、1.52-4.45）、癌死亡のリスクが82％増加した。
▶論文情報Association between hyperhomocysteinemia and the risk of all-cause and cause-specific mortality among adults in the USBr J Nutr. 2022 Jul 6;1-28. 発行日：2022年7月6日
◆2022年7月 7日
【前向き研究】十分なビタミンDの状態を維持し、欠乏症を回避することが、T2D患者のCVD合併症の予防に役立つ（中国）
【前向き研究】十分なビタミンDの状態を維持し、欠乏症を回避することが、T2D患者のCVD合併症の予防に役立つ（中国）
ビタミンD補給による有益な効果は、ビタミンD濃度が特定の閾値以下の場合にのみ存在することを示唆する閾値効果の存在が提唱されている。ビタミンDの欠乏または不足が特に多い2型糖尿病（T2D）患者において、血清25-ヒドロキシビタミンD［25（OH）D］濃度および遺伝因子と全CVDおよびサブタイプのリスクとの関連性を、当初CVDを発症しておらずUK Biobankで血清25(OH)Dを測定したT2D患者15,103人を対象とし調査を実施した。血清25(OH)D濃度の平均（標準偏差）は43.4 (20.4) nmol/Lで、65.7%の参加者が50 nmol/L未満のビタミンDであった。中央値11.2年の追跡期間中に、3,534件のCVDイベントが記録された。25(OH)D <25nmol/Lの人と比較して、25(OH)D≥75nmol/Lの人は、CVDのHRが0.75（0.64、0.88）、虚血性心疾患（IHD）が0.69（0.56、0.84）、脳卒中が0.74（0.52、1.06）であった。血清25(OH)D濃度の上昇は、遺伝的感受性やVDRの遺伝子変異にかかわらず、T2D患者の総CVDおよびIHDのリスク低下と有意に関連していた。リスクの低減は、血清25(OH)D濃度が50nmol/L付近でプラトーになる傾向があった。
▶論文情報Vitamin D status, genetic factors, and risk of cardiovascular disease among individuals with type 2 diabetes: a prospective studyThe American Journal of Clinical Nutrition, nqac183 発行日：2022年6月30日
◆2022年6月29日
【RCT】CoQ10介入により高齢者、女性、非肥満者のHDL機能の改善はより顕著（中国）
【RCT】CoQ10介入により高齢者、女性、非肥満者のHDL機能の改善はより顕著（中国）
脂質異常症患者におけるCoQ10補給のHDL機能への影響を探るため、 101 名を対象に 24 週間の無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施した。全患者をCoQ10群（120 mg/日、n = 51）またはプラセボ群（n = 50）に無作為に割り付けた。プラセボと比較して、HDLを介したコレステロール排出能（CEC）が有意に改善し（平均変化量、1.21±2.44 vs -0.12±2.94; P = 0.014）、HDL炎症指数（HII）が減少した（平均変化量、-0.32±0.58 vs -0.05±0.49, P = 0.014)。CoQ10群におけるCECとHDLコレステロールの変化には正の相関が認められた（r，0.30；P＝0.032）。さらに、HDL機能の改善は、高齢者、女性、非肥満者でより顕著であり、CoQ10介入により最も恩恵を受ける特定の集団であることも明らかになった。
▶論文情報Coenzyme Q10 supplementation improves cholesterol efflux capacity and antiinflammatory properties of high-density lipoprotein in Chinese adults with dyslipidemiaNutrition. 2022 Apr 22;101:111703. 発行日：2022年6月11日
◆2022年6月20日
【NHANES】十分なビタミンB6状態が高齢者のPUFA代謝に正の影響を与える可能性（USA）
【NHANES】十分なビタミンB6状態が高齢者のPUFA代謝に正の影響を与える可能性（USA）
加齢とビタミン B6（B6）欠乏が多価不飽和脂肪酸（PUFA）代謝に二重の影響を及ぼす可能性を示唆するこれまでの証拠があり、B6欠乏時のPUFA組成の摂動は、加齢に関連した健康上の転帰に関連する可能性がある。高齢者において、B6摂取量および血漿ピリドキサール5'-リン酸（PLP）濃度と血漿PUFA濃度および比率（エイコサペンタエン酸（EPA）、ドコサヘキサエン酸（DHA）、アラキドン酸（AA）、EPA＋DHA、EPA／AA、（EPA＋DHA）／AA）にそれぞれ男女別の関連があるかどうかを60歳以上の461人を対象に調査を実施した。PLP値が高いほど、EPA、DHA、EPA＋DHA、EPA／AA、（EPA＋DHA）／AAの量が多いことと関連した。十分なB6状態は、高いEPAおよびEPA/AAの状態と関連していた。十分なビタミンB6状態が高齢者のPUFA代謝に正の影響を与える可能性を示唆している。
▶論文情報Associations of Vitamin B6 Intake and Plasma Pyridoxal 5′-Phosphate with Plasma Polyunsaturated Fatty Acids in US Older Adults: Findings from NHANES 2003–2004Nutrients 2022, 14(11), 2336 発行日：2022年6月2日
◆2022年6月16日
【NHANES】葉酸とビタミンB6の食事摂取量が多いほど、全死因死亡率および心血管死亡率が低いことと有意に関連（中国）
【NHANES】葉酸とビタミンB6の食事摂取量が多いほど、全死因死亡率および心血管死亡率が低いことと有意に関連（中国）
米国の大規模コホートにおいて、食事からの葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量と全死亡率および特定原因による死亡率との関係を検討することを目的とした。葉酸およびビタミンB6の食事摂取量は、男性では全死因、心血管疾患、およびがんによる死亡率と逆相関し、女性では全死因および心血管疾患による死亡率と逆相関していた。食事性ビタミンB12と全死亡率および原因別死亡率との間には、有意な関連は観察されなかった。
▶論文情報Intakes of Folate, Vitamin B6, and Vitamin B12 in Relation to All-Cause and Cause-Specific Mortality: A National Population-Based CohortNutrients 2022, 14(11), 2253 発行日：2022年5月27日
◆2022年6月8日
【RCT】マグネシウムとビタミンDの併用は、過体重または肥満の人において、ビタミンDサプリメント単独と比較して、血清25-ヒドロキシビタミンD濃度の上昇に効果的（USA）
【RCT】マグネシウムとビタミンDの併用は、過体重または肥満の人において、ビタミンDサプリメント単独と比較して、血清25-ヒドロキシビタミンD濃度の上昇に効果的（USA）
ビタミンDおよびマグネシウムの状態不良は、過体重および肥満（Owt/Ob）の人に見られ、しばしば心血管疾患のリスク上昇と関連している。血清25-ヒドロキシビタミンD（25OHD）濃度の上昇に対する、ビタミンDのみと比較したマグネシウムとビタミンDの併用の有効性と、これらのサプリメントの心代謝系アウトカムへの影響を明らかにすることを目的とし、マグネシウム＋ビタミンD（MagD; 360 mg magnesium glycinate + 1000 IU vitamin D 3 × daily）、ビタミンDのみ（VitD; 1000 IU vitamin D 3 × daily）、およびプラセボの3つの治療群に分け、12週間の二重盲検無作為化比較試験を行った。MagD群では、血清25OHD濃度が最も上昇した（6.3 ± 8.36 ng/mL、P < 0.05）。MagDの併用は、Owt/Ob患者におけるVitDの単独補給と比較して、血清25OHD濃度の上昇においてより効果的である可能性がある。
▶論文情報The effect of combined magnesium and vitamin D supplementation on vitamin D status, systemic inflammation, and blood pressure: A randomized double-blinded controlled trialNutrition. 2022 Apr 1;99-100:111674. 発行日：2022年5月13日
◆2022年5月27日
【コホート研究】TMAOおよび関連代謝物の血漿濃度は、死亡リスクと正の相関があり高齢者の死亡に関連する重要な新規リスク因子である（USA）
【コホート研究】TMAOおよび関連代謝物の血漿濃度は、死亡リスクと正の相関があり高齢者の死亡に関連する重要な新規リスク因子である（USA）
L-カルニチンとホスファチジルコリンに由来する新しい血漿代謝物であるトリメチルアミンN-オキシド（TMAO）と関連代謝物（すなわち、コリン、ベタイン、カルニチン、ブチロベタイン）は、米国の一般集団の高齢者の死亡リスクと関連があるか5333人を対象に調査を実施した。TMAOおよび関連代謝物は死亡リスクと正の相関を示し、このリスクは腎機能の低い人で最も高かった。循環血中TMAOが高齢者の死亡リスクと関連する重要な新規リスク因子であることを示唆している。
▶論文情報Association of Trimethylamine N-Oxide and Metabolites With Mortality in Older AdultsJAMA Netw Open. 2022 May 2;5(5):e2213242. 発行日：2022年5月20日
◆2022年5月11日
【NHANES】食事性ビタミンDおよびサプリメント性ビタミンDはインスリン抵抗性と逆相関（USA）
【NHANES】食事性ビタミンDおよびサプリメント性ビタミンDはインスリン抵抗性と逆相関（USA）
米国の非糖尿病成人6294人を対象に、血清、食事、サプリメントによるビタミンDレベルとインスリン抵抗性の関連性について調査を実施した。インスリン抵抗性を有するオッズは、血清およびサプリメントによるビタミンD摂取量の四分位が最低の者では、他の四分位を合わせたものと比較して、有意に大きかった。結論として、この全国代表的な標本では、血清、食事、サプリメントによるビタミンDはそれぞれインスリン抵抗性を予測し、特に血清レベルが低い人とビタミンDをサプリメントで摂取していない人では、その傾向が強かった。ビタミンDの濃度が低い人は、ビタミンDの濃度を上げることで、典型的にはサプリメントによって助けられる可能性があるように思われる。
▶論文情報Serum, Dietary, and Supplemental Vitamin D Levels and Insulin Resistance in 6294 Randomly Selected, Non-Diabetic U.S. AdultsNutrients 2022, 14(9), 1844 発行日：2022年4月28日
◆2022年5月11日
【前向きコホート】血清マグネシウム濃度の低さは、インスリン抵抗性と糖尿病のリスクの高さと関連していた（中国）
【前向きコホート】血清マグネシウム濃度の低さは、インスリン抵抗性と糖尿病のリスクの高さと関連していた（中国）
ベースライン時にインスリン抵抗性（IR）および糖尿病を持たない18歳以上の5044人を対象とし、血清マグネシウム濃度とインスリン抵抗性および2型糖尿病との相関を調査した。前向きコホート研究の結果、血清マグネシウム値が0.89～0.93mmol/Lの参加者は、血清マグネシウム値の最低五分位の参加者と比較して、IRおよび2型糖尿病のリスクが最も低いことが明らかになった。今回の解析では、血清マグネシウム値とIRおよび糖尿病との間に非線形な用量反応関係が見られた。血清マグネシウム値とIRおよび2型糖尿病のリスクとの間にはU字型の相関が認められ、低値と高値はリスク上昇と関連していた。用量反応解析の結果、血清マグネシウム値が0.93mmol/L前後の参加者は、IR（HOMA-IR≥2.5）および2型糖尿病のリスクが最も低いことが示された。
▶論文情報Association of Serum Magnesium with Insulin Resistance and Type 2 Diabetes among Adults in ChinaNutrients 2022, 14(9), 1799 発行日：2022年4月25日
◆2022年4月26日
【RCT】オメガ3はHDLの機能性に関連した心血管リスクの低減に有効（中国）
【RCT】オメガ3はHDLの機能性に関連した心血管リスクの低減に有効（中国）
エイコサペンタエン酸（EPA）とドコサヘキサエン酸（DHA）を豊富に含むω-3がHDL機能に及ぼす役割を調査するため、心血管リスクの高い147人をω-3群（魚油1gずつ-EPA370mgとDHA230mg、1日3回、EPA+DHA合計1,800mg）とω-6群（ひまわり油1gずつ-リノール酸760mg、1日3回、リノール酸合計2,280mg）のいずれかに無作為に割り付け、8週間試験を実施した。オメガ3はラージHDL（HDL = 28.7%）を改善し，スモールHDL（HDL10 = -10.6%）とHDL中の非エステル化脂肪酸（NEFAs-HDL）レベル（-16.2%）を減少させた。オメガ3は、サイズ改善とその脂質、抗酸化物質、酵素組成の変化によるHDL機能性に関連した心血管リスクの低減に有効であった。
▶論文情報Omega-3 Fatty Acids Improve Functionality of High-Density Lipoprotein in Individuals With High Cardiovascular Risk: A Randomized, Parallel, Controlled and Double-Blind Clinical TrialFront Nutr. 2022 Feb 23;8:767535. 発行日：2022年2月23日
◆2022年4月18日
2030年には中国人成人の6割以上が腹部肥満に悩まされることになる（中国）
2030年には中国人成人の6割以上が腹部肥満に悩まされることになる（中国）
2030年に予測される中国人成人の肥満の有病率に対する人口の高齢化の影響を調べた。2030年には中国人成人の約3分の2が過体重/一般的な肥満に罹患し、2030年には中国人成人の60％以上が腹部肥満に罹患することが予測された。中国は肥満と高齢化のパンデミックが進行しており、高齢者の肥満の割合は、若年者よりも高い。肥満の予防は医師の仕事の一部であり、患者が若いうちに健康的なライフスタイルを確立するよう指導することは、これまで以上に重要になる。
▶論文情報Projecting National-Level Prevalence of General Obesity and Abdominal Obesity Among Chinese Adults With Aging EffectsFront Endocrinol (Lausanne). 2022 Mar 8;13:849392. 発行日：2022年3月8日
◆2022年4月6日
【メタ解析】血清ビタミンD濃度は、成人における高血圧のリスクと用量反応的に逆相関している（イラン）
【メタ解析】血清ビタミンD濃度は、成人における高血圧のリスクと用量反応的に逆相関している（イラン）
成人における血清ビタミンD値と高血圧（HTN）および高血圧予備軍との関連について評価した。前向き研究において、血清ビタミンDが高値の参加者は、低値と比較して高血圧のリスクが16％減少した（RR: 0.84; 95%CI: 0.73, 0.96; 12エフェクトサイズ）。前向き研究における用量反応解析では、血清ビタミンD濃度が25 nmol/L増加するごとに、高血圧のリスクが5％減少することが明らかになった（RR: 0.95; 95% CI: 0.90, 1.00）。また、血清ビタミンD濃度とHTNとの間には有意な非線形関係が認められた（Pnonlinearity < 0.001）。
▶論文情報Serum Vitamin D Levels in Relation to Hypertension and Pre-hypertension in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Epidemiologic StudiesFront Nutr. 2022 Mar 10;9:829307. 発行日：2022年3月10日
◆2022年3月29日
超加工肉および油脂／スプレッド類の高摂取が、高齢のT2D患者における認知機能低下の加速と関連している（イスラエル）
超加工肉および油脂／スプレッド類の高摂取が、高齢のT2D患者における認知機能低下の加速と関連している（イスラエル）
全標本（N=568、平均年齢71.3±4.5歳、男性60％）のうち、141人が超加工食品から31％以上（上位4分の1）のカロリーを摂取していた。超加工肉の摂取が多いほど、実行機能およびグローバル認知の低下が早かった（それぞれβ=-0.041±0.013；p=0.002およびβ=-0.026±0.010；p=0.011）。さらに、超加工油/スプレッド類の消費は、実行機能およびグローバル認知のより早い低下と関連していた（それぞれ、β=-0.037±0.014、p=0.006、β=-0.028±0.010、p=0.009）。超加工食品の総摂取量および乳製品やパン/ペストリー/でんぷん由来のUPFは、認知機能の変化と関連していなかった。
▶論文情報Consumption of ultra-processed food and cognitive decline among older adults with type-2 diabetes J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2022 Mar 19;glac070. 発行日：2022年3月19日
◆2022年3月10日
【RCT】卵由来のホスファチジルコリンは、TMAOに変化はなく血漿コリンの有意な増加をもたらしたが微生物叢の多様性は変化しなかった（USA）
【RCT】卵由来のホスファチジルコリンは、TMAOに変化はなく血漿コリンの有意な増加をもたらしたが微生物叢の多様性は変化しなかった（USA）
メタボリックシンドロームにおける腸内細菌叢、トリメチルアミンN-オキシド（TMAO）形成、血漿カロテノイドのルテインとゼアキサンチンに対する卵由来のホスファチジルコリン（PC）と酒石酸コリン（CB）サプリメントの効果を23名を対象に調査を実施した。被験者は卵3個/日またはCBサプリメントを4週間摂取するようにランダムに割り付けられた（どちらの食事もコリン相当量は400mg/日）。血漿中のルテインとゼアキサンチンは、ベースラインまたはCBサプリメントの摂取と比較して、卵摂取後に有意に増加した（p < 0.01）。一方、TMAOはベースラインと比較して、処理間で差がなかった（p>0.05）。食事介入は微生物相の多様性指標や相対的な分類群存在量に影響を与えなかったが、細菌の多様性とHDLの間に相関が観察された。卵の摂取後、血漿中のルテインおよびゼアキサンチンの増加が観察されたことから、MetSに共通する条件である酸化ストレスに対する影響と考えられた。
▶論文情報Comparison between Egg Intake Versus Choline Supplementation on Gut Microbiota and Plasma Carotenoids in Subjects with Metabolic SyndromeNutrients 2022, 14(6), 1179 発行日：2022年3月11日
◆2022年3月10日
【RCT】クエン酸マグネシウムの経口補給は、動脈硬化や血圧を有意に変化させなかった（オランダ）
【RCT】クエン酸マグネシウムの経口補給は、動脈硬化や血圧を有意に変化させなかった（オランダ）
動脈硬化および血圧に対するクエン酸マグネシウムの補給の効果を評価し、マグネシウムの他の製剤にも同様の効果があるかどうかを164人（平均±SD年齢、63.2±6.8歳、女性104人［63.4％］）を対象に調査した。過体重および軽肥満の被験者に、クエン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、またはプラセボのいずれかが24週間投与された。マグネシウムの1日の総量は450mg/日であった。クエン酸マグネシウムも他の製剤も、プラセボと比較して24週時点の頸動脈-大腿脈波速度や血圧に影響を与えなかった。クエン酸マグネシウムは酸化マグネシウムまたは硫酸マグネシウムよりも24時間尿中マグネシウム排泄量をより顕著に増加させた。マグネシウムのサプリメントは、少なくとも動脈硬化の値が正常な被験者においては、動脈硬化に有益な効果をもたらさない可能性がある。
▶論文情報Effects of Magnesium Citrate, Magnesium Oxide, and Magnesium Sulfate Supplementation on Arterial Stiffness: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Intervention TrialJ Am Heart Assoc. 2022 Mar 5;e021783. 発行日：2022年3月3日
◆2022年3月3日
【コホート研究】ビタミンB12の低および高血清レベル、葉酸の低血清レベルの両方がT2D患者におけるCVD死亡の高リスクと有意に関連している（中国）
【コホート研究】ビタミンB12の低および高血清レベル、葉酸の低血清レベルの両方がT2D患者におけるCVD死亡の高リスクと有意に関連している（中国）
2型糖尿病患者において、血清葉酸およびビタミンB12濃度は心血管疾患（CVD）死亡率と関連するかについて2型糖尿病患者8067人を対象としたコホート研究を実施した。血清葉酸およびビタミンB12レベルとCVD死亡リスクとの間に非線形的な関連があることが示唆された。血清ビタミンB12は低値でも高値でもCVD死亡率の上昇と関連したが、血清葉酸は低値でCVD死亡率の上昇と関連した。血清葉酸とビタミンB12を適度なレベルに維持することで、2型糖尿病患者のCVD死亡リスクを減少させる可能性を示唆する。
▶論文情報Associations of Serum Folate and Vitamin B12 Levels With Cardiovascular Disease Mortality Among Patients With Type 2 DiabetesJAMA Netw Open. 2022;5(1):e2146124. 発行日：2022年1月31日
◆2022年2月24日
【RCT】魚油＋VD群と魚油群はNAFLDの肝細胞障害のバイオマーカーと血漿TAGレベルに対して有益な効果を示した（中国）
【RCT】魚油＋VD群と魚油群はNAFLDの肝細胞障害のバイオマーカーと血漿TAGレベルに対して有益な効果を示した（中国）
魚油とビタミンD3（FO＋D）の補給が非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）のバイオマーカーに及ぼす影響について検討した。3ヶ月間の無作為化比較試験において、56.0±15.9歳のNAFLD患者111名を、FO＋D群（n＝37）、魚油群（FO、n＝37）、コーン油群（CO、n＝37）に無作為に割り付けた。被験者は、エイコサペンタエン酸（EPA）＋ドコサヘキサエン酸（DHA）＋ビタミンD3 1680IUを摂取できるカプセル（3g/日）、またはEPA＋DHA 2.34g/日（FO群）、リノール酸 1.70g/d (CO 群)を摂取した。FO + D群およびFO群でALT、TAGおよびTNF-αレベルの有意な純減が見られた（P < 0.05） 。また、FO + D群は、コントロール群と比較して、インスリン（- 1.58 ± 2.00 mU/L vs. - 0.63 ± 1.55 mU/L, P = 0.050）およびIL-1β（- 6.92 ± 7.29 ng/L vs. 1.06 ± 5.83 ng/L, P < 0.001） の著しい減少がみられた。FO＋D群とFO群は、NAFLD患者の肝細胞障害のバイオマーカーと血漿TAGレベルに対して同様の有益な効果を示し、FO＋D群では、FO群に比べてインスリンレベルと炎症に対していくつかの示唆的な追加効果があった。
▶論文情報
The effects of fish oil plus vitamin D 3 intervention on non-alcoholic fatty liver disease: a randomized controlled trial
Eur J Nutr. 2022 Jan 24. 発行日：2022年1月24日
◆2022年2月15日
【SR＆メタ解析】ヘム鉄源に富む欧米風の食事パターンを採用することがT2Dの高いリスクと関連する（イラン）
【SR＆メタ解析】ヘム鉄源に富む欧米風の食事パターンを採用することがT2Dの高いリスクと関連する（イラン）
総鉄分、ヘム鉄、非ヘム鉄、サプリメント鉄分摂取量と2型糖尿病（T2D）リスクとの長期的な関連を評価することを目的とした。11の前向きコホート研究323,788人、T2D発症28,837例が含まれた。ヘム鉄摂取量が多いほどT2Dのリスクが20％高いことが示された（95％ CI 1.07, 1.35; I2 = 77%, n = 11; GRADE = 中等度）。用量反応解析では、ヘム鉄摂取量が1mg/日増加するごとにリスクが16％高くなる（95％CI 1.03, 1.30）、正の単調な関連が示された。総鉄、非ヘム鉄、補助鉄の食事摂取量とT2Dリスクとの間には、有意な関係は検出されなかった（GRADE = 非常に低い）。ヘム鉄源に富む欧米風の食事パターンを採用することがT2Dの高いリスクと関連する。
▶論文情報
Dietary iron intake and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
Eur J Nutr. 2022 Feb 2. 発行日：2022年2月2日
◆2022年2月4日
【横断研究】ビタミンD3値とインスリン抵抗性の間には負の相関があり、インスリン抵抗性の影響因子を探る上で新たな証明となる（中国）
【横断研究】ビタミンD3値とインスリン抵抗性の間には負の相関があり、インスリン抵抗性の影響因子を探る上で新たな証明となる（中国）
NHANESデータベースの2009年から2018年までの9298人の参加者を対象に分析し、その関係性と潜在的なメカニズムを調査した。ビタミンD3とインスリン抵抗性の間に強い関連があることが明らかになった。つまりビタミン摂取量が1単位増えるごとにインスリン抵抗性の発症リスクが0.82倍減少する（OR 0.82、95％CI 0.72-0.93）。ビタミンD3は、MAPキナーゼのアップレギュレーション、NF-kBシグナル伝達経路の調節、サイトカインレベルおよびプロスタグランジン経路の調節により炎症反応の発生を抑制し、インスリン抵抗性を低下させる。ビタミンD3値とインスリン抵抗性の間には負の相関があり、インスリン抵抗性の影響因子を探る上で新たな証明となった。
▶論文情報
Association between vitamin D3 levels and insulin resistance: a large sample cross-sectional study
Scientific Reports volume 12, Article number: 119 (2022) 発行日：2022年1月7日
◆2022年1月26日
オメガ3指数は成人の好中球・リンパ球比率と逆相関する（USA）
オメガ3指数は成人の好中球・リンパ球比率と逆相関する（USA）
好中球・リンパ球比率（NLR）は、全身性炎症のバイオマーカーであり、自然適応免疫系のバランスを測定することができる。またオメガ3指数（O3I）は、血中のEPA+DHAの量を測定する。O3Iの低下とNLRの上昇はともに心血管疾患やがんなどの慢性疾患や死亡のリスク上昇と関連している。低O3Iは全身性の慢性炎症に一部寄与している可能性があると仮定し、日常的な臨床評価を受けた炎症［CRP（3mg/mL）未満］のない健康成人（18歳以上、n = 28,871、51％女性）においてO3IとNLRに関係があるかどうかを調査した結果、NLRは、年齢、性別、BMI、CRPで調整する前（p < 0.0001）、および調整した後（p < 0.0001）ともにO3Iと逆相関していた。
▶論文情報
The omega-3 index is inversely associated with the neutrophil-lymphocyte ratio in adults'
Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2022 Jan 7;177:102397. 発行日：2022年1月7日
◆2022年1月20日
【コホート研究】朝食の摂取と適度な睡眠時間が、特に男性においてMetSのリスク低下と関連する（徳島大学）
【コホート研究】朝食の摂取と適度な睡眠時間が、特に男性においてMetSのリスク低下と関連する（徳島大学）
朝食抜きと短時間睡眠のメタボリックシンドローム（MetS）に対する性差の関連およびそれらの相互作用を検討するため、35-69歳の男性14,907人、女性14,873人のデータを解析した。朝食摂取は、6日/週以上（摂取者）と6日/週未満（スキップ者）の2つのカテゴリーに分類された。睡眠時間は3つのカテゴリーに分類された。睡眠時間は、6時間未満、6時間から8時間未満、8時間/日以上の3つに分類した。男性では、朝食抜きと短い睡眠時間は、MetSの有病率（それぞれOR 1.26, 95%CI 1.12-1.42, OR 1.28, 95%CI 1.12-1.45 ）、肥満およびMetSの構成要素の増加と独立して関連していた。朝食抜きと短い睡眠時間との間には、有意な相互作用は観察されなかった。女性では、朝食抜きと短い睡眠時間は、肥満の有病率の上昇と関連していたが、MetSとは関連していなかった。朝食の摂取と適度な睡眠時間が、特に男性においてMetSのリスク低下と関連する可能性を示している。
▶論文情報
Association of skipping breakfast and short sleep duration with the prevalence of metabolic syndrome in the general Japanese population: Baseline data from the Japan Multi-Institutional Collaborative cohort study
Prev Med Rep. 2021 Oct 25;24:101613. 発行日：2021年10月25日
◆2022年1月11日
より高い鉄摂取量は若い日本人の2型糖尿病患者の肥満と独立して関連している（新潟大学）
より高い鉄摂取量は若い日本人の2型糖尿病患者の肥満と独立して関連している（新潟大学）
2型糖尿病患者（n＝1567、男性63.1％、平均年齢62.3±11.6歳）を対象に調査を実施した。30歳から54歳の若い年齢層では、鉄分摂取量の最高四分位と肥満に直接的な線形関連が認められた（OR = 3.641, 95% CI = 1.020-12.990; p trend = 0.011）。栄養素ではなく食品群を用いた多変量解析では、ライフスタイル要因、エネルギー摂取量、豆と野菜の摂取量を調整した後、若い年齢層で肥満の正の傾向がみられた（p傾向＝0.023）。鉄分摂取量の多さは、多量栄養素や食物繊維の摂取量とは無関係に肥満と関連していたが、調べた年齢層の中で最も若い四分位値においてのみであった。
▶論文情報
Higher Iron Intake Is Independently Associated with Obesity in Younger Japanese Type-2 Diabetes Mellitus Patients
Nutrients 2022, 14(1), 211 発行日：2022年1月4日
◆2021年12月27日
【横断研究】マグネシウムの摂取が血清ビタミンDとT2Dのリスクとの関連に影響を与える（中国）
【横断研究】マグネシウムの摂取が血清ビタミンDとT2Dのリスクとの関連に影響を与える（中国）
2007年から2014年まで継続的に行われた全米健康・栄養調査（NHANES）のデータを解析し、10,249名の参加者を対象とした。血清ビタミンDとT2D発症率との関連は、マグネシウム低摂取群とマグネシウム高摂取群で異なった（OR：0.968、95％Cl：0.919-1.02 vs. OR：0.925, 95％Cl：0.883-0.97 ）。さらに、ビタミンDレベルとマグネシウム摂取量の間には、T2Dの発生率を減少させるという相互作用の証拠があった（相互作用のp値＝0.001）。
▶論文情報
Dietary Magnesium Intake Affects the Association Between Serum Vitamin D and Type 2 Diabetes: A Cross-Sectional Study
Front Nutr. 2021 Nov 25;8:763076. 発行日：2021年11月25日
◆2021年12月17日
【SR＋メタ解析】n -3系サプリメントが2型糖尿病患者の血糖因子と脂質プロファイルを改善できる（イラン）
【SR＋メタ解析】n -3系サプリメントが2型糖尿病患者の血糖因子と脂質プロファイルを改善できる（イラン）
n-3系不飽和脂肪酸の摂取はFBS（-0.36（-0.71～-0.01））、HbA1c（-0.74（-1.13～-0.35））、HOMA.IR（-0.58（-1.13～-0.03））などの血糖値因子を有意に低下させることがわかった。さらにTG：-0.27（-0.37～-0.18）、TC：-0.60（-0.88～-0.32）、LDL：-0.54（-0.85～-0.23）、HDL：0.60（0.23～0.96）などの脂質プロファイルにも有意な改善が認められたとしている。また、炎症マーカーであるTNF-α（-0.13（-0.75～0.48））、CRP（-0.72（-1.70～0.27））、体重（-0.09（-0.24～0.07））、BMI（-0.13（-0.29～0.02））の減少は、統計的に有意ではなかった。T2DM患者におけるn-3系不飽和脂肪酸の最適な摂取量および摂取期間は、1000～2000mg／d、8週間以上である。
▶論文情報
Effect of n-3 (Omega-3) Polyunsaturated Fatty Acid Supplementation on Metabolic and Inflammatory Biomarkers and Body Weight in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-Analysis of RCTsMetabolites. 2021 Oct 28;11(11):742. 発行日：2021年11月28日
◆2021年12月9日
【コホート研究】EPA+DHAと魚類の摂取量が多いとCHD死亡リスクは低下する（オランダ）
【コホート研究】EPA+DHAと魚類の摂取量が多いとCHD死亡リスクは低下する（オランダ）
食事および循環中のEPA+DHAおよび植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸と心筋梗塞後の長期死亡リスクとの関連を60～80歳のオランダ人心筋梗塞既往患者4067名（男性79％，スタチン投与86％）のデータをもとに解析した。EPA+DHAの食事摂取量はCHD死亡率のみと有意に逆相関した（200 mg/d以上と50 mg/d以下では，HR, 0.69 [0.52-0.90]，100 mg/dあたりでは，HR, 0.92 [0.86-0.98]）。α-リノレン酸は、死亡率との有意な関連はなかった。
▶論文情報
Dietary and Circulating Long-Chain Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids and Mortality Risk After Myocardial Infarction: A Long-Term Follow-Up of the Alpha Omega CohortJ Am Heart Assoc. 2021 Nov 30;e022617. 発行日：2021年11月30日
◆2021年12月2日
【Review】ビタミンB12と葉酸の補給はMSにかなりのプラスの影響を及ぼす（インド）
【Review】ビタミンB12と葉酸の補給はMSにかなりのプラスの影響を及ぼす（インド）
葉酸、ビタミンB12、およびその他のB複合体サプリメントは、血漿中のホモシステインレベルを低下させるのに効果的であり、MSの有病率の低下につながる。いくつかの研究では、葉酸とビタミンB12の補給と、心血管疾患およびインスリン抵抗性の軽減におけるそれらの有効性との間に正の関連性があることが報告されている。また葉酸とビタミンB12の両方が、ウエストヒップ比、トリグリセリドレベル、HDL-Cレベルなどの肥満と脂質プロファイルのマーカーに相乗効果をもたらすことが報告されている。
▶論文情報
Role of Vitamin B12 and Folate in Metabolic SyndromeCureus. 2021 Oct 6;13(10):e18521. 発行日：2021年10月6日
◆2021年11月25日
フレイルは2型糖尿病の高齢患者の酸化ストレスと関連している（スペイン）
フレイルは2型糖尿病の高齢患者の酸化ストレスと関連している（スペイン）
65歳以上のT2D患者100名を対象に（15％がフレイル、57％がプレフレイル）調査を実施した。頑健ではない患者では酸化ストレスの上昇が認められた。今回の研究では、高齢者におけるT2Dの存在は、フレイルの高い有病率と高い酸化ストレスレベルに関連していることが示された。これはより大きな罹患率と死亡率を引き起こす状態であり、この集団におけるフレイルの診断の重要性を強調する。
▶論文情報
Frailty Is Associated with Oxidative Stress in Older Patients with Type 2 DiabetesNutrients 2021, 13(11), 3983 発行日：2021年11月9日
◆2021年11月 9日
【コホート研究】ビタミンAの状態が高いほど、男性の全体的および原因別の死亡率が低くなる（中国）
【コホート研究】ビタミンAの状態が高いほど、男性の全体的および原因別の死亡率が低くなる（中国）
30年間のコホート追跡調査で、男性29,104人のうち23,797人が死亡した。血清レチノール濃度が高かった被験者は、レチノール濃度が低かった被験者と比較して、総死亡、CVD、心疾患、呼吸器疾患の死亡率が有意に低く、死亡リスクが17～32％低下していた（Ptrend < 0.0001）。血清レチノール濃度が高いほど、心血管疾患、心臓疾患、呼吸器疾患による死亡を含む総死亡率が低いことが示された。
▶論文情報
Association between serum retinol and overall and cause-specific mortality in a 30-year prospective cohort studyNat Commun 12, 6418 (2021). 発行日：2021年11月5日
◆2021年11月 9日
【コホート研究】ビタミンDレベルの変化と脂質レベルの変化との間に一貫した関連性がある（USA）
【コホート研究】ビタミンDレベルの変化と脂質レベルの変化との間に一貫した関連性がある（USA）
2018年対2017年（コホート1；n＝5580）、2019年対2018年（コホート2；n＝6057）、2020年対2019年（コホート3；n＝7249）のいずれかの年に、ビタミンDレベルが10ng／mL以上増加（グループ1）または減少（グループ2）した個人を対象に、1年間の脂質レベルの変化を評価した。TC，LDL-C，TGのレベルは，グループ1では低下し，グループ2では上昇した。ビタミンDレベルの変化は、HDL-Cレベルの変化とは有意に関連しなかった。
▶論文情報
Association of changes in lipid levels with changes in vitamin D levels in a real-world settingSci Rep. 2021 Nov 2;11(1):21536. 発行日：2021年11月2日
◆2021年11月 1日
【前向き研究】セレン濃度が高いほど、2型糖尿病患者のすべての原因と心臓病による死亡率が低くなる（中国）
【前向き研究】セレン濃度が高いほど、2型糖尿病患者のすべての原因と心臓病による死亡率が低くなる（中国）
T2D患者における血清セレン濃度と全死因および心疾患死亡率との関連を 第3回NHANES（NHANES III）およびNHANES（2003～2004年，2011～2014年）に参加したT2Dの成人3199人を対象とし前向きに検討した。セレン濃度が最低の四分位群と比較して、最高の四分位群の多変量調整後のHR（95％CI）は、全死亡で0.69（0.54，0.89）（P-trend = 0.002）、心疾患死亡で0.66（0.45，0.99）（P-trend = 0.03）であった。
▶論文情報
Serum selenium concentrations and risk of all-cause and heart disease mortality among individuals with type 2 diabetesAm J Clin Nutr. 2021 Oct 19;nqab241. 発行日：2021年10月19日
◆2021年10月 25日
【SR＆メタ解析】循環25（OH）Dの最も低いカテゴリーは、CVD発生率イベントおよび再発性CVDイベントのリスクが高い（オーストラリア）
【SR＆メタ解析】循環25（OH）Dの最も低いカテゴリーは、CVD発生率イベントおよび再発性CVDイベントのリスクが高い（オーストラリア）
合計79件の研究（1,397,831人のCVD症例46,713件）をメタ分析の対象とし、そのうち61件はCVD発生イベントのリスクを、18件はCVD再発イベントのリスクを調べた。CVD発症イベントのリスク（RR = 1.34、95％CI: 1.26-1.43、p < 0.001）およびCVDイベントの再発リスク（RR = 1.86、95％CI: 1.46-2.36、p < 0.001）は、循環25(OH)Dの最高カテゴリーよりも最低カテゴリーの方が高かった。
▶論文情報
Circulating 25-hydroxy-vitamin D and the risk of cardiovascular diseases. Systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2021 Sep 21;S0939-4753(21)00443-9.
発行日：2021年9月20日
◆2021年10月 13日
【横断研究】血清25(OH)D3値は糖尿病の有病率と逆相関（北海道大学）
【横断研究】血清25(OH)D3値は糖尿病の有病率と逆相関（北海道大学）
抗糖尿病薬を服用していない35～79歳の480名を対象に，空腹時血糖値≧126mg／dLおよび／またはHbA1c値≧6.5％と定義した糖尿病の有病率を，血清25（OH）D3値に基づいて比較した。血清25(OH)D3値は、日本人一般集団における糖尿病有病率と逆相関し、血清25(OH)D3値とHOMA-IRとの間にはわずかな逆相関が認められた。
▶論文情報
Serum 25-hydroxyvitamin D3 Levels and Diabetes in a Japanese Population: The DOSANCO Health Study
J Epidemiol. 2021 Sep 28.
発行日：2021年9月28日
◆2021年10月 5日
【in vivo】脂肪分と糖分の過剰摂取では血管異常の発生部位が異なる（近畿大学）
【in vivo】脂肪分と糖分の過剰摂取では血管異常の発生部位が異なる（近畿大学）
ラットに高脂肪食と高シュークロース食を摂取させた際に、どの部位の大動脈と周囲の脂肪組織に影響が及ぶかを検証した。その結果、高脂肪食を摂取させた場合は、腹部の大動脈の免疫バランスが崩れ、周囲の脂肪組織の悪性化が促進することが明らかになった。一方、高シュークロース食を摂取した場合は、胸部の大動脈の免疫バランス異常と脂肪組織の悪性化が誘導されることが分かった。
▶論文情報
Different effects of high-fat and high-sucrose diets on the physiology of perivascular adipose tissues of the thoracic and abdominal aorta
Adipocyte. 2021 Dec;10(1):412-423.
発行日：2021年9月13日
【近畿大学プレスリリース】https://newscast.jp/news/7980278
◆2021年9月21日
【SR＋メタ解析】MCTオイルは、コレステロールに影響を及ぼさないが、中性脂肪(トリグリセリド)をわずかに増加させる（オーストラリア）
【SR＋メタ解析】MCTオイルは、コレステロールに影響を及ぼさないが、中性脂肪(トリグリセリド)をわずかに増加させる（オーストラリア）
MCTオイルと他の油脂を比較する介入期間2週間以上のRCTを発表した2020年3月までの論文7報のメタ解析を行い、MCTの血中脂質への影響を調べた。MCTオイルは総コレステロール(TC)、LDL-C、HDL-Cに影響を与えなかったが、トリグリセリド(TG)は増加させた。
▶論文情報
Medium-Chain Triglyceride Oil and Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials
J Nutr. 2021 Jul 13;nxab220.
発行日：2021年7月13日
◆2021年9月10日
【二重盲検RCT】高血圧を併発する2型糖尿病患者のVD2000IU/日補給は、内皮機能を改善させ、ICAM1および酸化LDLを減少させる（イラン）
【二重盲検RCT】高血圧を併発する2型糖尿病患者のVD2000IU/日補給は、内皮機能を改善させ、ICAM1および酸化LDLを減少させる（イラン）
高血圧を有する2型糖尿病患者44名をVD群(2000IU/d、n=23)とプラセボ群(対照、n=21)に無作為に分け12週間投与した。介入群では、血清VD濃度が32.42±10.56から40.45±12.94に上昇した（p < 0.001）。プラセボ群に比べても酸化LDL（p＝0.017）とICAM1（p＜0.001）が有意に低下し、FMD（p＜0.001）が有意に上昇した。
▶論文情報
The effect of vitamin D supplementation on flow-mediated dilatation, oxidized LDL and intracellular adhesion molecule 1 on type 2 diabetic patients with hypertension: A randomized, placebo-controlled, double-blind trial
Diabetes Metab Syndr. 2021 Jul 5;15(4):102200.
発行日：2021年7月5日
◆2021年9月3日
【横断研究】高齢男性のVB群と葉酸摂取量が多いと、ウエストが太くなりにくい（カナダ）
【横断研究】高齢男性のVB群と葉酸摂取量が多いと、ウエストが太くなりにくい（カナダ）
高齢男性357名を対象に、VB群の食事摂取量とCVD危険因子との関連を検討した。VB群(OR:0.30、95％CI:0.10-0.86、P＝0.01)および葉酸(0.20、0.02-0.52、P＝0.002)の高摂取と高ウエスト周囲径との間には有意な逆相関が認められた。
▶論文情報
Associations between Dietary Intake of B-vitamins and Cardiovascular Risk Factors in Elderly Men: A Cross-Sectional Study
Int J Clin Pract. 2021 Jul 31;e14691.
発行日：2021年7月31日
◆2021年9月1日
【SR＋メタ解析】リノール酸摂取量の多さと、体内リノール酸濃度の高さは、ともに2型糖尿病リスク低下と有意に関連（イラン）
【SR＋メタ解析】リノール酸摂取量の多さと、体内リノール酸濃度の高さは、ともに2型糖尿病リスク低下と有意に関連（イラン）
成人におけるリノール酸(LA)と2型糖尿病(T2DM)のリスクとの関連を調べた結果、LAの高摂取はT2DMのリスクを6％低下と関連し、用量反応分析では、LAの摂取エネルギーが5％増加するごとに、T2DMのリスクが10％低下した。
▶論文情報
Dietary Intake of Linoleic Acid, Its Concentrations, and the Risk of Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Dose-Response Meta-analysis of Prospective Cohort Studies
Diabetes Care. 2021 Aug 20;dc210438.
発行日：2021年8月20日
◆2021年8月23日
【RCT】軽～中度の高TG血症患者の食事を、飽和脂肪酸から中鎖脂肪酸に置き換えることで食後TG血症を防ぐ （ドイツ）
【RCT】軽～中度の高TG血症患者の食事を、飽和脂肪酸から中鎖脂肪酸に置き換えることで食後TG血症を防ぐ （ドイツ）
軽度の高TG血症患者8名と正常脂質血症の健常対照者5名を対象に、飽和脂肪酸（SFA）、一価不飽和脂肪酸（MUFA）、中鎖脂肪酸（MCFA）のいずれかを含む3種類の標準化脂肪食を無作為な順序で摂取させた。MCFAは食後の総血漿TGおよびその他のTGパラメーターの有意な上昇をもたらさないが、SFAおよびMUFAはともに上昇をもたらした。
▶論文情報
Postprandial Lipid Metabolism in Normolipidemic Subjects and Patients with Mild to Moderate Hypertriglyceridemia: Effects of Test Meals Containing Saturated Fatty Acids, Mono-Unsaturated Fatty Acids, or Medium-Chain Fatty Acids
Nutrients 2021, 13(5), 1737
発行日：2021年5月20日
◆2021年8月19日
【前向きコホート研究】ビタミンDの摂取量が、2型糖尿病高齢者の筋肉量の減少に関係 （京都府立医科大学）
【前向きコホート研究】ビタミンDの摂取量が、2型糖尿病高齢者の筋肉量の減少に関係 （京都府立医科大学）
2型糖尿病(T2DM)の高齢者197名を対象に、各種ビタミンの摂取量と筋肉量の減少との関係を調べた。13.7±5.2カ月の追跡調査において、筋肉量が減少しているとみなした骨格筋量指数(SMI)の減少率が1.2％以上の人のビタミンB1、B12、Dの摂取量は、減少していない人に比べて有意に少なかった。
▶論文情報
Vitamin Intake and Loss of Muscle Mass in Older People with Type 2 Diabetes: A Prospective Study of the KAMOGAWA-DM Cohort
Nutrients 2021, 13(7), 2335
発行日：2021年7月8日
◆2021年8月16日
【無作為化交差研究】早めの時間の夕食(18時)は、遅い時間(21時)と比べて血糖値の変動に良い影響を与える （熊本県立大学）
【無作為化交差研究】早めの時間の夕食(18時)は、遅い時間(21時)と比べて血糖値の変動に良い影響を与える （熊本県立大学）
12名の参加者(男性2名、女性10名)を対象とし、夕食を18時に食べるのと21時に食べるのとで、24時間の血糖値と食後の脂質代謝が改善するかどうかを3日間の無作為化交叉試験をにて検討した。2日目の24時間平均血糖値には、両群間で有意な差が認められた（p＝0.034）。
▶論文情報
Eating Dinner Early Improves 24-h Blood Glucose Levels and Boosts Lipid Metabolism after Breakfast the Next Day: A Randomized Cross-Over Trial
Nutrients 2021, 13(7), 2424
発行日：2021年7月15日
◆2021年7月29日
【症例対照研究】血漿コリンとベタインは、虚血性脳卒中後のCVDや脳卒中の再発リスクを低下させる（中国）
【症例対照研究】血漿コリンとベタインは、虚血性脳卒中後のCVDや脳卒中の再発リスクを低下させる（中国）
年齢（±1歳）、性別、治療群を一致させた323件の心血管イベント(264件の脳卒中再発を含む)と323件の対照(心血管イベントの再発なし)を対象とし、血漿中コリンおよびベタインと心血管イベントおよび脳卒中の再発との関係を前向きに検討した結果、血漿コリンおよびベタインは、虚血性脳卒中後の心血管イベントおよび脳卒中の再発と逆相関していた。
▶論文情報
Plasma choline and betaine and risks of cardiovascular events and recurrent stroke after ischemic stroke
Am J Clin Nutr., nqab199.
発行日：2021年6月22日
◆2021年7月19日
【前向き研究】バターとマーガリンの摂取は、総死亡率とCVD死亡率の上昇と関連 （中国）
【前向き研究】バターとマーガリンの摂取は、総死亡率とCVD死亡率の上昇と関連 （中国）
アメリカのNIH_AARP Diet and Health Studyの50～71歳の521,120名の参加者を対象に、食用油摂取量と死亡率について前向き調査を行った結果、バターとマーガリンの摂取は総死亡率の上昇と関連し、キャノーラ油とオリーブ油の摂取は総死亡率低下と関連していた。
▶論文情報
Cooking oil/fat consumption and deaths from cardiometabolic diseases and other causes: prospective analysis of 521,120 individuals
BMC Med. 2021;19, 92.
発行日：2021年4月15日
◆2021年7月8日
【NHANES】ホイップクリーム、ケーキ、クッキー、乳菓子、牛肉、ヤギ肉、鹿肉、バター類は血漿トランス脂肪酸を有意に上げる （アメリカ）
【NHANES】ホイップクリーム、ケーキ、クッキー、乳菓子、牛肉、ヤギ肉、鹿肉、バター類は血漿トランス脂肪酸を有意に上げる （アメリカ）
アメリカのNHANES2009-2010のデータを用いて、摂取食品と血漿トランス脂肪酸(TFA)の関連を調べた。ホイップクリーム、ケーキ、クッキー、ペイストリー、パイ、牛乳や乳製品デザート、牛肉／子牛肉、ラム／ヤギ、鹿肉、バター類の食品の摂取は血漿中TFA上昇と有意に関連していた。
▶論文情報
Dietary sources of plasma trans-fatty acids among adults in the United States: NHANES 2009-2010
Curr Dev Nutr.nzab063
発行日：2021年4月12日
◆2021年6月29日
【メタ解析＋SR】血清VD値が高いほど2型糖尿病＋糖尿病予備軍になるリスクは低くなる （イラン）
【メタ解析＋SR】血清VD値が高いほど2型糖尿病＋糖尿病予備軍になるリスクは低くなる （イラン）
2020年8月までの成人における血中ビタミンDと2型糖尿病（T2D）および糖尿病予備軍リスクに関する論文を対象にメタ解析にて評価した。血清VD濃度が10ng/ml増加するごとに、T2D(RR：0.88、95%CI:0.83-0.94)およびT2Dと糖尿病予備軍の複合(0.89、0.87-0.92)のリスクがそれぞれ12%および11%減少した。
▶論文情報
Serum vitamin D levels in relation to type-2 diabetes and prediabetes in adults: a systematic review and dose–response meta-analysis of epidemiologic studies
Cri Rev Food Sci Nutr.2021 Jun 2;doi:10.1080/10408398.2021.1926220
発行日：2021年6月2日
◆2021年6月17日
【RCTメタ解析】ホエイプロテイン補給は、脂肪量、体格、体脂肪率に影響を与えることなく、除脂肪体重の増加を介して体組成を有意に改善（イラン）
【RCTメタ解析】ホエイプロテイン補給は、脂肪量、体格、体脂肪率に影響を与えることなく、除脂肪体重の増加を介して体組成を有意に改善（イラン）
大豆とホエイプロテインの補給が体組成に及ぼす影響について2020年8月までの10件のRCT(参加者596名)のメタ解析を行った。その結果、ホエイプロテイン補給後の除脂肪体重の有意な増加が認められた（WMD: 0.91; 95% CI: 0.15-1.67,p=0.019)。
▶論文情報
Comparison of the Effect of Soy protein and Whey protein on Body Composition: A Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials
Bri J Nutr.2021;doi:10.1017/S0007114521001550
発行日：2021年5月11日
◆2021年6月7日
トランス脂肪酸はDNAメチル損傷の様式により異なる毒性シグナルを介してアポトーシスを促進（東北大学）
トランス脂肪酸はDNAメチル損傷の様式により異なる毒性シグナルを介してアポトーシスを促進（東北大学）
DNA損傷には、二本鎖切断などの切断、鎖間架橋などの修飾といった様々な様式が存在しており、トランス脂肪酸は、DNA 二本鎖切断時には ASK1 非依存的な JNK の活性化増強、およびミトコンドリアにおける活性酸素の産生増大によって細胞死を促進し、DNA 鎖間架橋形成時には、鎖間架橋形成時の NADPH オキシダーゼによる、RIP1というキナーゼ分子に依存的な活性酸素産生を増大させて細胞死を促進させる。（東北大学プレスリリースより改）
▶論文情報
trans-Fatty acids promote p53-dependent apoptosis triggered by cisplatin-induced DNA interstrand crosslinks via the Nox-RIP1-ASK1-MAPK pathway
Sci Rep.2021;11:10350.
発行日：2021年5月14日▶プレスリリース情報トランス脂肪酸による毒性シグナルの新たな制御機構を解明 東北大学プレスリリース発行日：2021(令和3)年5月19日
◆2021年5月28日
【パイロット二重盲検RCT】経口25(OH) D3摂取は吸収不全や肥満者のVD欠乏管理に有効（アメリカ）
【パイロット二重盲検RCT】経口25(OH) D3摂取は吸収不全や肥満者のVD欠乏管理に有効（アメリカ）
6名の吸収不良患者と10名の健常者を対象に、無作為化二重盲検クロスオーバー試験を実施し、VD3または25(OH)D3のいずれかを900μg経口投与した後、薬物動態試験（PKS）を行った。VD3 のPKSでは，吸収不良患者のAUCは健常者に比べて64％低かった。また、25(OH)D3のAUCは2群間で有意な差はなかった。健常者10名をBMIの高い／低い群に分けた（各5名）。VD3のPKSでは、BMIの高い群は低い群に比べてAUCが53％低かったが、25(OH)D3のAUCは2群間で有意な差はなかった（P = 0.500）。
▶論文情報
A pilot-randomized, double-blind crossover trial to evaluate the pharmacokinetics of orally administered 25-hydroxyvitamin D3 and vitamin D3 in healthy adults with differing BMI and in adults with intestinal malabsorption
Am J Clin Nutr., nqab123
発行日：2021年5月19日
◆2021年5月17日
TG/HDL-C比は、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、重度のアテローム性動脈硬化症の患者を特定できる（カナダ）
TG/HDL-C比は、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、重度のアテローム性動脈硬化症の患者を特定できる（カナダ）
メタボリック症候群(MetS)とインスリン抵抗性を識別する方法として、TG/HDL-C比を評価し、動脈硬化の重症度との関連も3つのコホートデータを解析して評価した。最適カットオフ値を超えるTG/HDL-C比は、動脈硬化の重症度と強く関連していた（p = 0.0001）。
▶論文情報
Triglyceride/High‐Density Lipoprotein Cholesterol Ratio: A Clue to Metabolic Syndrome, Insulin Resistance, and Severe Atherosclerosis
Lipids 2021 Apr 21;doi:10.1002/lipd.12302
発行日：2021年4月21日
◆2021年5月6日
【SR＋メタ解析】CoQ10は活性酸素に対する抗酸化防御に効果がある（イラン）
【SR＋メタ解析】CoQ10は活性酸素に対する抗酸化防御に効果がある（イラン）
酸化ストレス変数に対するCoQ10の効果を検証するため、17件の試験と972名の参加者をメタ解析に含めた。主要試験のプール解析では、CoQ10が血清総抗酸化能を増加させ、SODレベルが低下し、MDAレベルもプラセボ群に比べて有意に低下した。CoQ10は活性酸素に対する抗酸化防御状態を改善するものとして言及することができる。
▶論文情報
Diabetes, Age, and Duration of Supplementation Subgroup Analysis for the Effect of Coenzyme Q10 on Oxidative Stress: A Systematic Review and Meta-Analysis
Complement Med Res. 2021 Apr 16;1-14.
発行日：2021年4月16日
◆2021年4月21日
【NHANES】米国成人の葉酸、VB12、VB6の摂取量は、糖尿病リスクと逆相関（中国）
【NHANES】米国成人の葉酸、VB12、VB6の摂取量は、糖尿病リスクと逆相関（中国）
NHANES2007～2016年のデータを用いて、葉酸、VB12、VB6摂取とと糖尿病と糖尿病予備軍の関連を調べたところ、VB12と糖尿病との間には線形逆相関が認められ、食事性葉酸、食事性VB6と糖尿病との間には非線形逆相関が認められた。
▶論文情報
Association of folate, vitamin B-12 and vitamin B-6 intake with diabetes and prediabetes in adults aged 20 years and older
Asia Pac J Clin Nutr. 2021;30(1):75-86.
発行日：2021年3月30日
◆2021年4月9日
【NHANES横断研究】食事からのオメガ3、6摂取量はNAFLDリスクと逆相関（中国）
【NHANES横断研究】食事からのオメガ3、6摂取量はNAFLDリスクと逆相関（中国）
2007～2014年の米国NHANESデータを用い、食事によるオメガ3およびオメガ6PUFAの摂取量とNAFLDリスクとの関連を検討した結果、男性、女性、45歳以下および45歳以上の個人において、オメガ3、6摂取量とNAFLDリスクとの間に有意な負の相関が認められた。
▶論文情報
Dietary n-3 and n-6 fatty acid intakes and NAFLD: A cross-sectional study in the United States
Asia Pac J Clin Nutr. 2021;30(1):87-98.
発行日：2021年3月30日
◆2021年3月30日
【三重盲検RCT】高オレイン酸大豆油は、より好ましい脂質/リポタンパク質プロファイルをもたらす（アメリカ）
【三重盲検RCT】高オレイン酸大豆油は、より好ましい脂質/リポタンパク質プロファイルをもたらす（アメリカ）
高オレイン酸大豆油、高オレイン酸大豆油＋水酸化大豆油(80:20)、大豆油、パーム油＋パーム核油(50:50)の4種類のいずれかをを含む高制御食を60名に与え、冠動脈心疾患(CHD)との関連を検討する三重盲検クロスオーバー無作為化対照試験を行った。その結果、過酸化脂質を除いて、食事療法は他のCHDマーカーに影響を与えなかった。
▶論文情報
Consumption of High‐Oleic Soybean Oil Improves Lipid and Lipoprotein Profile in Humans Compared to a Palm Oil Blend: A Randomized Controlled Trial
Lipids 2021 Feb 17;doi:10.1002/lipd.12298
発行日：2021年2月17日
◆2021年3月19日
【RCT】健康で標準体重の若年女性はケトジェニックな低糖質高脂肪食でLDLコレステロールが増加する（スウェーデン）
【RCT】健康で標準体重の若年女性はケトジェニックな低糖質高脂肪食でLDLコレステロールが増加する（スウェーデン）
24名の健康な正常体重の若い女性に対し、4週間のケトジェニックな低炭水化物高脂肪(LCHF：炭水化物4％、脂肪77％、たんぱく質19％)食の後、4週間の対照食（炭水化物44％、脂肪33％、たんぱく質19％）を摂取する交叉試験を行った結果、17名の女性が試験を完了し、LCHF食ではすべての女性でLDLコレステロールを増加させ、さらにApoB-100、sd LDL-C(小型高密度)、およびlbLDL-C(大型低密度)が増加した（それぞれ、p＜0.001、p＜0.01、およびp＜0.001）。
▶論文情報
A Ketogenic Low-Carbohydrate High-Fat Diet Increases LDL Cholesterol in Healthy, Young, Normal-Weight Women: A Randomized Controlled Feeding Trial
Nutrients 2021, 13(3), 814
発行日：2021年3月2日
◆2021年3月8日
【RCT】オメガ3の摂取は腹部大動脈瘤を改善する可能性がある（オーストラリア）
【RCT】オメガ3の摂取は腹部大動脈瘤を改善する可能性がある（オーストラリア）
オメガ3系脂肪酸1.8g/日（DHA:EPA=5：1）12週間摂取が、腹部大動脈瘤（AAA）患者の血管硬化指標に与える影響を調べた結果、オメガ3摂取AAA患者のPWV（脈波伝播速度）および心拍数を有意に減少させた。
▶論文情報
Long Chain Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids Improve Vascular Stiffness in Abdominal Aortic Aneurysm: A Randomized Controlled Trial
Nutrients 2021, 13(1), 138
発行日：2020年12月31日
◆2021年2月25日
【Review】マグネシウムを適度に含む食事は、遺伝子発現、プロテオーム調節、腸内細菌組成、ビタミンB1、ビタミンD代謝への正の影響を介して、メタボリックシンドロームを改善する（イタリア）
【Review】マグネシウムを適度に含む食事は、遺伝子発現、プロテオーム調節、腸内細菌組成、ビタミンB1、ビタミンD代謝への正の影響を介して、メタボリックシンドロームを改善する（イタリア）
適度なMg2+を含む適切な食事パターンは、血圧、高血糖、および高TG血症を減少させることにより、メタボリックシンドロームを改善する。これは、遺伝子発現およびプロテオームプロファイルの調節、ならびに腸内細菌組成およびビタミンB1およびDの代謝に正の影響を介して起こる。
▶論文情報
Magnesium in Obesity, Metabolic Syndrome, and Type 2 Diabetes
Nutrients 2021, 13(2), 320
発行日：2021年1月22日
◆2021年2月15日
非空腹時中性脂肪（TG）が低値または高値で、日本人集団の心血管疾患死亡率が高くなる（慶應義塾大学、滋賀県立大学）
非空腹時中性脂肪（TG）が低値または高値で、日本人集団の心血管疾患死亡率が高くなる（慶應義塾大学、滋賀県立大学）
一般的な日本人集団では、空腹時以外のTG値と致命的なCVDイベントとの間にはU字型の関連が認められた。
▶論文情報
Relationship between non-fasting triglycerides and cardiovascular disease mortality in a 20-year follow-up study of a Japanese general population: NIPPON DATA90
J Epidemiol. 2021 Jan 16.doi:10.2188/jea.JE20200399.
発行日：2021年1月16日
◆2021年2月3日
【ランダム化二重盲検交叉研究】DHAは炎症性サイトカインを広範囲に減衰させ、その効果はEPAよりも優れる（アメリカ）
【ランダム化二重盲検交叉研究】DHAは炎症性サイトカインを広範囲に減衰させ、その効果はEPAよりも優れる（アメリカ）
慢性炎症を有する男性9名と閉経後女性12名(50～75歳）がEPA＋DHA3g/日を10週間摂取した結果、DHAはEPAと比較してIL10発現を低下させた。
▶論文情報
EPA and DHA differentially modulate monocyte inflammatory response in subjects with chronic inflammation in part via plasma specialized pro-resolving lipid mediators: A randomized, double-blind, crossover study
Atherosclerosis 2020 Dec 7.doi:10.1016/j.atherosclerosis.2020.11.018.
発行日：2020年12月7日
◆2021年1月26日
日本人前期高齢者集団において、超加工食品（Ultra-processed Food）摂取量が多い人は、たんぱく質・ビタミン・ミネラル不足リスクが高く、肥満になりやすい（女子栄養大学、地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター）
日本人前期高齢者集団において、超加工食品（Ultra-processed Food）摂取量が多い人は、たんぱく質・ビタミン・ミネラル不足リスクが高く、肥満になりやすい（女子栄養大学、地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター）
169人(男性66人，女性103人)を対象に超加工食品(UPF）の摂取エネルギー割合を算出し、肥満度との関連を解析した。UPFエネルギー割合高群ほど総エネルギー摂取量が有意に高い一方で、たんぱく質エネルギー比率、体重あたりたんぱく質、食物繊維、ビタミンA・E・K・B1・B6・C、ナイアシン当量、葉酸、カリウム、マグネシウム、鉄の摂取量が有意に低かった。更に肥満となるオッズ比（95%CI）もUPFエネルギー割合高群は4.51（1.50-13.57）と低群に比べ有意に高かった。
▶論文情報
市町村国保の特定健診受診者におけるultra-processed foodsの利用と栄養素等摂取状況および肥満度との関連
Nihon Koshu Eisei Zasshi 2020 Dec 26.doi:10.11236/jph.20-044.
発行日：2020年12月26日
◆2021年1月15日
【横断研究】味噌を食べる習慣のある2型糖尿病の女性は、サルコペニア有病率が低い（京都府立医科大学・亀岡市立病院・松下記念病院）
【横断研究】味噌を食べる習慣のある2型糖尿病の女性は、サルコペニア有病率が低い（京都府立医科大学・亀岡市立病院・松下記念病院）
2型糖尿病の男性192人と女性159人を対象に調査を行った結果、女性では、味噌を習慣的に摂取しているグループではサルコペニアの存在が低かった（18.8％対42.3％、p = 0.018）が男性のサルコペニアの存在との間に関連はなかった。
▶論文情報
Habitual Miso (Fermented Soybean Paste) Consumption Is Associated with a Low Prevalence of Sarcopenia in Patients with Type 2 Diabetes: A Cross-Sectional Study
Nutrients 2021, 13(1), 72
発行日：2020年12月28日
◆2021年1月4日
慢性肝疾患の高齢者の血清25(OH)D低値とフレイルやサルコペニアが関連（東京慈恵会大学・富士市立中央病院）
慢性肝疾患の高齢者の血清25(OH)D低値とフレイルやサルコペニアが関連（東京慈恵会大学・富士市立中央病院）
慢性肝疾患患者231人の血清25-ヒドロキシビタミンD [25（OH）D]レベルと虚弱またはサルコペニアとの関係を調査した結果、低血清ビタミンDレベル、特に重度のビタミンD欠乏状態は、慢性肝疾患患者の虚弱およびサルコペニアと密接に関連してる。 ▶論文情報
Low Serum 25-Hydroxyvitamin D Levels Are Related to Frailty and Sarcopenia in Patients with Chronic Liver Disease
Nutrients 2020, 12(12), 3810
発行日：2020年12月12日
◆2020年12月16日
ビタミンD補給では、浸潤性がんや心血管疾患罹患率は低下しない（アメリカ）
ビタミンD補給では、浸潤性がんや心血管疾患罹患率は低下しない（アメリカ）
50歳以上の男性と55歳以上の女性の合計25,871名を対象に、VD3を2000IU/日摂取する無作為化プラセボ対照試験を実施した結果、 VDによる浸潤がん罹患および主要心血管疾患罹患抑制効果は認められなかった。
▶論文情報
Vitamin D Supplements and Prevention of Cancer and Cardiovascular Disease
N Engl J Med. 2019; 380:33-44
発行日：2019年1月3日
◆2020年12月11日
ビタミンAサプリメントは腸脳相関を介して脂肪と砂糖の摂り過ぎによる過剰な体重増加を抑制し、再認記憶障害を予防（フランス）
ビタミンAサプリメントは腸脳相関を介して脂肪と砂糖の摂り過ぎによる過剰な体重増加を抑制し、再認記憶障害を予防（フランス）
VAは高脂肪食により誘発された過剰な体重増加を抑制し、また腸-脳軸を介して海馬機能に対して保護作用を示した。
▶論文情報
Dietary vitamin A supplementation prevents early obesogenic diet-induced microbiota, neuronal and cognitive alterations
Int J Obes.2020. doi:10.1038/s41366-020-00723-z.
発行日：2020年11月22日
◆2020年11月30日
オメガ3系脂肪酸は心臓内の脂肪酸組成を変化させることで炎症を抑制し、心臓機能に有益な効果をもたらす（東京大学）
オメガ3系脂肪酸は心臓内の脂肪酸組成を変化させることで炎症を抑制し、心臓機能に有益な効果をもたらす（東京大学）
オメガ3 FA補給は、炎症性サイトカインの発現と心臓への炎症性細胞の浸潤を抑制し、心臓機能障害と線維化を改善した。
▶論文情報
Omega-3 fatty acid prevents the development of heart failure by changing fatty acid composition in the heart
Sci Rep.2020;10, 15553.
発行日：2020年9月23日
◆2021年5月28日
【パイロット二重盲検RCT】経口25(OH)D3摂取は、吸収不全や肥満者のVD欠乏管理に有効（アメリカ）
【パイロット二重盲検RCT】経口25(OH)D3摂取は、吸収不全や肥満者のVD欠乏管理に有効（アメリカ）
6名の吸収不良患者と10名の健常者を対象に、無作為化二重盲検クロスオーバー試験を実施し、VD3または25(OH)D3のいずれかを900μg経口投与した後、薬物動態試験（PKS）を行った。VD3 のPKSでは，吸収不良患者のAUCは健常者に比べて64％低かった。また、25(OH)D3のAUCは2群間で有意な差はなかった。健常者10名をBMIの高い／低い群に分けた（各5名）。VD3のPKSでは、BMIの高い群は低い群に比べてAUCが53％低かったが、25(OH)D3のAUCは2群間で有意な差はなかった（P = 0.500）。
▶論文情報
A pilot-randomized, double-blind crossover trial to evaluate the pharmacokinetics of orally administered 25-hydroxyvitamin D3 and vitamin D3 in healthy adults with differing BMI and in adults with intestinal malabsorption
Am J Clin Nutr., nqab123
発行日：2021年5月19日
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