お客様ニーズが見える ID-POS分析。
「私には何にも得意なことがない。」とカミさんが呟きました。
ちょっと待ってください!彼女はお茶の輸出入会社に勤め、中国語がペラペラで、日本茶アドバイザー、中国茶アドバイザー、旅程管理者、おまけに己書師範の資格、小型限定普通二輪免許まで持っています。(確か簿記の資格も持っていた気が?)
翻って私は普通自動車免許しか持っていませんw
「何言ってんのぉ!俺なんかより得意なこといっぱいあるじゃん♪」と言いたいところですが、せっかくのネタなので。。。
【組織(会社)】
「ゆでガエル」な私たち 〜 なぜ「忙しさ」は「儲け」に変わらないのか?
属人化と標準化(ドジャースは大谷翔平に旅費精算をさせるのか?)
【相手(部下)】
ぼくとAIの7日間戦争(部下のパフォーマンスを損なわないコミュニケーション考)
と来て、最後(?)は【自分(個人)】についての考察です。
最初にお断りしておきますが、私は平日の時間の1/3以上を占める仕事は、「自分の人生にとって有用」で「やりたい」ものであるべきだ。お金儲けは最高のゲームだ。働く仲間である「会社にもそう考えて欲しい」と願っている、希少な派閥です。
注: 本稿で述べる「価値」は、あくまで仕事やキャリアにおける「市場(マーケット)から見た、仕事上のリソースとしての有用性」に限定しています。家族や友人、地域社会など、市場原理の外にある「人としての真の価値」を計るものではないことを、強くお断りしておきます。
「日本で一番偉い人は?」「総理大臣!」 小学生の会話ですw
けれども、日本で一番偉い総理大臣と言っても、ID-POS分析の設計は出来ませんし、畜産のバイイングも出来ません。寧ろそこまでやってもらったら、国家安寧のためにも困ります。
この世にID-POS分析は不要だったとしても、畜産バイヤーは、総理大臣にとっても不可欠でしょう。
総理大臣とは 貢献分野 が違うからです。
そう!総理大臣は無茶だとしても、私たちは既にして各貢献分野のNo.1に限りなく近い位置に立っている、メチャクチャ貴重なリソースなのです。
図は、AIによる 小売業勤務者 ∧ 食品スーパー勤務者 ∧ 本部勤務者 ∧ 商品部勤務者 ∧ 畜産バイヤー の就業人口※の推論です。階層が下がれば下がる程、ニッチになって行きます。
畜産バイヤーの就業人口3,888人は、おおよそ裁判官の就業人口(推論で約3,800人)に相当します。
※.皆さんの職務の代表例として挙げているだけですので、「酒造メーカー/菓子問屋の北関東エリアの営業マン」のように脳内変換してみてください。結果は、さして変わらないものとなるはずです。
合っているか?いないか?は別として、(畜産バイヤーじゃない方も含めて)あなた自身が、社会にとってメチャクチャ貴重なリソースなのだと理解していただければ、それだけで十分です。(こんな貴重なリソースを、貢献以外の雑務にコキ使うなんて「社会貢献」が聞いてあきれませんか?w)
6,800万人の中のNo.1を総理大臣とするならば、そこを目指すのは夢物語のような話ですが、3,888人中のNo.1であれば、「ワンチャン、イケるかも?」と思いませんか?
さて、あなたがそれだけ貴重な今の職務に就いたのは、「望んで」の事だったでしょうか?
「最終的に自分が決めたのだから、結局のところそれは『望んだ』のだ」という、哲学じみた論法はなしでお願いしますねw
私の場合は、まったく違いました。 大学を中退し、「新卒じゃないし、就職ってどうやってしたらいいんだろ?」と「転職フェア」に行きました。めんどくさいんで、その時「一番空いていたブースの会社」に就職してしまおうとノリで決め、最初の会社に入りました。 それが小売業の基幹システムを製造・販売している会社でした(ごめん!U社!ありがとう!U社!w)。
その後、その会社の専務に「一緒に会社を作らないか?」と誘われ、そこに参加したのは「望んで」でしたが―― 前職では「木を見て森を見ず」と、基幹システムより下に見られていたPOS分析を製造・販売することになったのも、プログラマーが集まらず「お前が一番若いんだから、お前がやれ!」と、やったこともないプログラミングをやらされる羽目になったのも、いずれもただただ「背に腹」は代えられなかったからにほかなりません。
現在のライフワーク(?)であるID-POS分析も、POS分析の製造を担当していた手前、「サマリもせず、無駄に重たいだけで、大した役にも立たない代物」と避けてきましたが、前任者の退職により、いやいや担当させられるはめになったものです。
その後、その会社が倒産し、破産管財人によるデューデリジェンス、事業譲渡を経て十余年、いまに至ります。
もちろん、今の私があるのは、多くの人とのたまたまの出会いや支えがあったこと、そしてお客さんや取引先を裏切れなかったことからです。しかし、キャリアの分岐点で、私が流されていったのは、たいていが「望まざる道」や「残り物」の方でした。きれいに言えば「望まれた」方、あるいは「運命」なのかもしれませんが、謙虚さに欠ける私には、そういった実感は、まるでありません。
多くの人が「望む」場所には、激しい競争が待っています。 一方で、望まざる方へ、望まざる方へと、たまたま流れ着いた、小学生も憧れない「誰も望まざる彼岸」で、私は小学生のようにこう思います。
「東大卒と戦わなくてよくて、良かった!」とw
これは「望まざる方へ進め!」でも「たまたまのすゝめ」でもありません。
当初から何もかも望んだ方へ、望んだ方へと、進められる人たちは、寧ろ稀ではないでしょうか。
意図せずとも、私たちの立ち位置は、勝手に戦略的優位にあるという事をご理解いただきたく、つまらない自分語りをしてみました。
自分語りついでに―― 私はメチャクチャ頭が(当然の如く手先も)不器用です。
例えばスマホに「コピペ出来ない二段階認証コード」が来ると、紙と鉛筆が必要です。複雑な式を一度に書けない為、EXCELの列が際限無く増えて行きます。そりゃ大学(理学部!)中退するわけですw
スーパーHのN課長にPI値によるPOS分析の話を聞いた時には、上司二人が「これは革命だ!」「これを形にすれば売れるぞ!」と色めき立つ中、私は何が何だか、さっぱり分からずに居ました。
ID-POSコンサルタントのS先生に、ID-POS分析の指南を受けた際にも、社員一同「ウンウン、なるほど」と頷き、質問もする中、私にはまず、ID-POSの「いろはのい」であるID数すら理解できず、ハナからついて行く事ができませんでした。
どちらも、後日、自分で生データをEXCELでシコシコ計算してみて、まずは「こういう数字なんだ」と理解する必要がありました。次いで、それを分析してみて「どんな施策が導き出せそうか?」をシミュレーションしてみる必要がありました。
しかし、最終的に私は当時の社内で「POS分析/ID-POS分析マニア」のように見なされるようになっていました。
時間は誰よりも掛かりましたが、結果、誰よりも「腹落ち」できたのだと思っています。
私は不得手を望んで不得手になったわけではありませんし、それを克服しようともしませんでした。(今でもキーボードは、人差し指と親指、あとは右手の中指しか使えないSEですw)
けれども、これもまた「不器用のすゝめ」ではありません。
ここまで筆を尽くして間抜けな話ではありますが、この章で言いたかった事は、本章の題名そのままです。
「あなたは既にして貴重なリソース」であると。
これだけは、仕事上のリソースとしての私たちだけでは無く、一人の人間としても、確かな事です。
私たちの流れの中には、目を背けたくなるようなドス黒い淵も、荒々しい瀬もあった事でしょう。それも今遠目に振り返って見れば、陽光にきらめく一筋の、私たち独自の流れにすぎません。
(この先に激流が待ち構えていない保証はありませんがw)
仕事の話に戻れば、あなたの個性も経験も、決して標準化し、引き継げるようなものではないのです。
次の図は、私(ID-POS分析担当SE)の職種における就業人口の推論です。
ID-POS分析担当SEの就業人口は、先に上げた職種よりさらに少なく1,071人です。これは、おおよそプロ野球選手の就業人口(推論で約950〜1,000人)に相当します。
私って、貴重なリソースだと思いませんか?(こんな貴重なリソースを、貢献以外の雑務にコキ使うなんて「社会貢献」が聞いてあきれませんか?w)
けれども、ウチのID-POS分析システムBiZOOPe(ビズープ) は、あまり売れていませんorz 今のところ需要をさばききれないほど多忙でもなければ、FA宣言して獲ってくれるところもないでしょうw
同じくらい希少であるというだけで、プロ野球選手とは「月とスッポン」ですorz
では、同じくらい希少なのに、なぜリソースとしての価値※にここまでの差があるのか?
少し視点を変えて、まさに「希少さ」が価値を決めていそうな、貴金属や鉱物の価値の決まり方を見てみます。
貴金属や鉱物の価値は、
価値 ≒ 希少性 ✕ 需要(有用性)✕ 信頼・安定性
で決まると言われています。希少性は重要ですが、貴金属や鉱物にあっても、希少なだけでは価値はつかないということですね。レアアースのように、産業における有用性が高ければ、需要は大いに高まり、価値が高くなります。金のように信頼性が高く、錆びずに安定していれば、やはり価値が高くなります。
※.大事な事なので繰り返しになりますが、本稿で述べる「価値」は、あくまで仕事やキャリアにおける「市場(マーケット)から見た、仕事上のリソースとしての有用性」に限定しています。家族や友人、地域社会など、市場原理の外にある「人としての真の価値」を計るものではないことを、強くお断りしておきます。
これを私たち働く仲間に当てはめると、どうなるでしょうか。
まず、「需要(有用性)」についてですが、式の中にもある「希少性」(私たちの現在のキャリア)を前提とした時に、「需要のあるオイシそうな職を探せ!」では身も蓋もありません。であるならば、需要とは、自身の有用性で高める、あるいは生み出すものです。では、私たちのリソースとしての有用性を誰が判断するのか? マーケットです。 よって、これは「マーケットにとっての有用性」と言い換えられます。
次に、「信頼・安定性」についてですが、「信頼」も「有用性」と同じく、マーケットが判断するものです。 よって、私たちがそれを勝ち得るためには、信頼のスタンダードである、金のように安定的でなくてはなりません。少なくとも、人によって態度を変えたりせず、自らの安定性を折に触れ省み続ける「謙虚さ」が必要です。
以上のことから――
マーケットにおける価値 ≒ 希少性 ✕ マーケットにとっての有用性 ✕ 謙虚さ
となります。
ベン図の3つの円が重なった部分(価値)を見てください。統計には決して現れることのない「希少性」がさらに極まっています。
マーケットにとっての有用性を高め続け、それをマーケットに認知してもらえるよう努め(共に私が今取り組んでいること)、謙虚さ(多分、私に最も欠けているもの)を増せば、私たちは真に希少で、貴重な、プロ野球のスター選手のように、マーケットにおいて価値ある存在(No.1)になれるはずです。(No.2でも、多分だめじゃないですw 問題はマーケットにおける価値の有無だけです。)
オー! ノーッ、おれの嫌いな言葉は一番が「努力」で、二番目が「ガンバル」なんだぜーッ!(by ジョセフ・ジョースター)
希少性は、「戦える」舞台に立っているということで、たまたま得られますが、貴重(価値)となると、やっぱ努力※が必要そうですねorz
そこにいつ辿り着けるのか?そもそも辿り着けるものなのか?見当もつきませんが、馬鹿だと思われても「この私には『夢』がある!」って言って、生きていくのも、楽しそうでしょ?
さて、長くなりましたが、私たちの話はこれくらいにして、冒頭のカミさんの話に戻りましょう。
※.希少を貴重とする努力を妨げる原因は、会社にもあります。興味のある方は、属人化と標準化(ドジャースは大谷翔平に旅費精算をさせるのか?) をご覧ください。
次の図は、カミさんの職業、取得資格の就業人口に占める割合の推論です。
個々で見ていくと、畜産バイヤーの3,888人を下回るのは、己書師範の3,500人、中国茶アドバイザーの1,500人だけで、ID-POS分析担当SEの1,071人を下回るものはありません。(カミさんの職種にまで踏み込めば、もっと希少度が上がるのでしょうが、小さな会社で、何でもやってるみたいなのでw)
要は、個々の特技は私には「凄い!」と思えても、単体で見れば、「それほど希少なわけでもない」ということなのでしょう。
これが「私には何にも得意なことがない。」と、カミさんが感じる原因の一つかと思われます。
となれば、ベン図の要領でこれらを重ねれば、希少性が増すはずですが、全ての円をベン図で組み合わせると、本当に競争相手が、限りなく0に近くなってしまいます。
これって、良いことなのでしょうか?もしかして、マーケットも限りなく0に近づくってことなのかもしれません。。。
※.経済学的には、機会費用と需要曲線の観点から、高度に希少なスキルは競争相手を減らす一方で、市場からの需要(効用)そのものが偏在・消失し、価値を生まなくなるリスクも同時に生まれる、という考え方があるそうです。
カミさんには手札が多すぎるのです。
不器用な私の手札は、今のところ「ID-POS分析担当SE」たった一枚しかありませんが、お世辞にも器用とは言えない(類は友を呼ぶw)カミさんは、手札がありすぎるがゆえに、どの手札とどの手札を使ったらいいかが分からないのではないでしょうか?
器用な平成ライダーなら、局面に応じて手札を入れ替え、フォームチェンジ(オーズ)すればいいでしょうが、私たち昭和ライダーは、1分間のチャージアップ(ストロンガー)がせいぜいですorz
まずは何か二枚手札を選んで、その重なる部分に一点集中、超電ドリルキックかましていくしかないのではないでしょうか?
そこで、現業ベースと現業無視での手札選びを、AIに頼んでみましたw
推論1は「ありきたり」のように思われますが、皆さんも自分の職種を「ありきたり」のように思っていませんでしたか? 推論人数は、なんと約100人だそうです。
しかもここに、マーケットへの有用性を生み出し続け、それをマーケットに認知してもらい、謙虚であり続けるという努力が必要ですから、十分No.1を狙える気がします。
推論2は、門外漢には「ニーズがあるの?」と思われますが、ターゲット市場が馬鹿デカい!多分最初は欲張らずに一点集中した方がいいですが、必要に応じてここにもう一つの円として、お茶の知識なんかも重ねられそうです。 推論人数はなんとなんと、約30人だそうです。
市場を切り拓くためには相当努力も必要なんでしょうが、なんか「オイシい」ような気もしてきましたw
ぶっちゃけ、私がノリで会社を選んだように、私はどのカードを切ってもいいと思っていて、AIの推論が正しいかどうかも気にしていません。「好きこそものの上手なれ」ですから、カミさんの「好きなカード」を切ればいいと思います。
流れ着こうが、自分で選ぼうが、他人が選ぼうが、結局のところ、 やるか/やらないか ってだけですから。
当然、仕事が全てじゃ無いんで「やらない」って選択肢だって、アリアリのアリだと思いますよ。
いかがだったでしょうか?あくまでもキャリア考としてはー
①現業でNo.1を突き詰めんとする方は、マーケットにとっての自身の有用性を謙虚に高め、より得意にする。
②その前に自分の「得意なこと」を見出したい方は、まず自分の持っている手札を二枚切り、その一点に、①の手法で集中してみる。
いずれも、それ以外は「捨てる/捨ててる」ってことで、これぞプロの仕事というのが結論です。
なお、これを読んでくださった小売バイヤーの方、メーカー/ベンダーの方、お茶のご用命は、ぜひともウチのカミさんまで!w
それでは皆さま、ちょっと早いですが、メリークリスマス!