最低品揃えの技術と実務

近くの店に「最低限代替可能」な品揃えがあれば、多くの人はそこで買い物を済ませてしまいたいものです。

全ての顧客の品揃え要望に応えていてはキリがありませんが、「最低限代替可能」な品揃え無い場合、遠くの他店に来店機会を与えています。
逆に遠くの他店が「最低限代替可能」な品揃えと認識できていない商品自店が品揃えしてい場合、遠くの他店の顧客の自店への来店動機となっています

このように「最低限代替可能」な品揃えは来店動機商品とも言え、来店そのものを規定してしまう為、人口減少傾向の続く現代においては大きな問題です。

ここでは全店で最低限必要な商品は何か?BiZOOPeTapir_MK を使ったID-POSによる最低品揃えについて記します。

分析条件についてはID-POS分析の勘所 に準じます(最大パターン棚割採用店舗群での分析が基本となります)。

何故そうなるかの理由、用語、ロジック等については別途 【ロジック】実際には大量の計算が必要なのでBiZOOPeが計算します をご覧下さい。

最大パターン採用店舗群で最低品揃え商品を調べる

図はビールカテゴリーの最大パターン採用店舗群(5店舗)で、単品をTapir_MK マーケット・セグメンテーションに掛けたものです。

最大パターン採用店舗群で分析するのは、

1)隠れた来店動機商品を見逃さない

2)ロジック上選択購買されている商品同士代替可能と見做事から、物理的に選択購買ができない顧客を対象から外す為

の2点によります。

2ndレコメンド以上(図の青フォント)の商品が、全店で品揃えしたい最低品揃え(7SKU)です。

それに対して販売実績店舗数が5店舗に満たない(図の赤フォント)商品が散見されますので、各店の配荷状況の確認を行います。

分析結果

⬇採用順昇順に並び替え

因みに1stレコメンドが、ビールマーケットから抽出された大分類=seg_fを代表する「超最低品揃え」、2ndレコメンドが、ビールマーケットを更に細分化した小分類=seg_nを代表する「最低品揃え」を指します。
1st〜2ndレコメンド商品の利用ID数の単純和がビールマーケットの利用ID数に満たない時に3rdレコメンドが振られます。

棚割ソフト等でその他店舗での品揃え状況を調べる

前項で抽出した最低品揃え商品(7SKU)が、最大パターン採用店舗以外(23店舗)で品揃えされているかを棚割ソフト等で調べ、品揃え店舗数が23店舗に満たない商品(図の赤フォントについては品揃えを行います。

特に「黒ラベル350ml」の品揃え店舗数は0店舗ですので、従前より当該商圏の顧客の来店/売場利用に大きな影響を与え続けていた事が推察されます。

品揃えを行っただけでは「無い」と思い込んだままの顧客も多い為、「なんだ、あるんじゃん!」と気付いてもらう為には、品揃えと共にチラシ等の販促で周知を図る事も必要です。


以上を全カテゴリーもしくは全重点カテゴリーにおいて実施する事により来店動機商品が拡充され、来店/利用の大きな改善が期待できます。

取引先にID-POS分析を開示する事で、この実務を極力多くのカテゴリーにおいて実施する事を検討して下さい。

以上、最低品揃えの技術と実務でした。