サイバーリンクスの ID-POS分析
”併買”の読み方についての質問をいただきました。
AIに音読させたら「へいがい」なんて言ってましたが、売買(ばいばい)ですから、併売も併買もどちらも「へいばい」です。 大事なことは、同じ「ばい」でも、販売の「ばい」では無く、購買の「ばい」であるという点です。
正解が出たので、「はい、このページはこれにて終了!」でしょ? え? まだ続くの? ……続けさせてくださいよ! ここからが本題なんですからw
つまり、主語が「企業」なのか「お客さま」なのか、言葉の指すものが「一つ」なのか「全般」なのかという決定的違いがあります。
「併売」なんて言ってるうちは、あなたは決して報われません。 これは単なる精神論に留まらず、私たちの商売の根幹に関わる、ものの見方の違いです。クリックしてもらえない恨み言(?)も込めて、ちょっと綴らせてくださいw
「併売(クロスマーチャンダイジング)」と聞くと、みんな目の色を変えて「おむつとビール」みたいな奇跡の組み合わせを探したがります。データマイニングの教科書に出てくるアレです。
でも、売り場にそんな奇跡、そうそう転がってるわけがありません。
一方で、「何と何を組み合わせれば売れるか?」をみなさんどこから探しているでしょうか? 「おむつとビール」の奇跡は、どこから発見されたものでしょうか? 結局のところ、お客さまにとっては突飛でも何でもない普段の買い物、すなわち「併買」の中からでしょ?
例えば、鮮魚売り場のサンマの隣に大根を置く「関連陳列」。これを「プラス一品買わせるテクニック」だと思っていませんか? それが大間違いです。
お客さまは、サンマの売り込みを見て「今夜は塩焼きにしようか!」と盛り上がる。 でも、大根はさっき通り過ぎた青果売り場。戻るのは面倒くさい。 もしそこに大根がなければ、「大根おろしのないサンマは無いな……」と盛り下がり、メニューを生姜焼きに変えてしまうかもしれません。
ここで大事なのは、メニューがサンマから生姜焼きに変わったところで、代わりに肉やキャベツを買うわけですから、買い上げ点数はさして変わらない(プラス一品にはならない)ということです。
つまり、サンマの隣に大根を置くのは「プラス一品」売り込むためじゃない。 お客さまが「今夜はサンマ!」と盛り上がったその気持ちを、「面倒くさい」で挫折させない「利便性」のため。 あるいは、「あ゙〜ッ!大根忘れた!」という買い逃しによる「マイナス一品」を防ぐため。 すなわち、お客さまの「快適なくらし」のためです。
お客さまが普段から併せ買っているものがあれば、あちこちからピッキングしなくても済むよう近くに置く。当然の如く「併せ買う」。
これは定番棚割だって同じ事です。 お客さまが普段から取捨選択(日付を跨いで併せ買い)しているものを近くに置く。吟味して納得の上、どちらかを買う。
ストレスの無い買い物、盛り下がらない買い物が、自然と来店につながる。 それが「併買」の根底にある考え方です。
視点をもう少し広げてみましょう。 私たち自身の行動を振り返れば、「併買(あわせてかう)」の本当の意味、そしてそのスケールの違いが見えてきます。
私たちは、ある時は自宅近くのA店を、ある時は通勤経路上のB店を利用します。 これは、私たちがくらしの中でA店とB店という空間を「併せて利用している(併買している)」状態です。
時間軸でも同じです。 私たちは大体、買い物する曜日が決まっています。 例えば1/10(土)と1/17(土)に買い物をしたならば、1/10と1/17という時間を「併せて利用している(併買している)」わけです。
もちろん、これを売り手側の都合で「併売」しようとすることも不可能ではありません。 A店で買ったらB店のクーポンを出すとか、土曜日ポイント10倍にして毎週来店してもらうとか、「お得で人を釣る」こともできるでしょう。
しかし、本来A店だけで済ませたいのに、「お得」のためにわざわざB店を利用させる施策。 土曜日が仕事の人は、そもそも「お得」に預かれない施策。
「お得」を求める買い手の都合もあるでしょうが、そのほとんどが売り手都合の誘引であり、前章のお客さまの「快適なくらし」に反しています。
こうして見ると、売り手が必死(?)になっている「併売」は、くらしどころか、同時という瞬間だけを見て、たった2つの組み合わせを売り込むという、刹那的な「点」の話でしかありません。 これはあくまでも「販促(プロモーション)」領域の言葉です。
対して「併買」は、時間と空間をまたいだ、お客さまのくらしそのものをあらわしています。 「お得」という餌で釣るのではなく、お客さまのくらしの時空に快適に溶け込んでいく。 このデザインこそが「マーケティング」の領域です。
「併売(どうセットで売るか・どう釣るか)」という「点」で一喜一憂していては、あなたはいつまで経っても「大勝ち」できません。 「併買(どうくらしに溶け込むか)」という「時空」をデザインしてこそ、初めてあなたは「大勝ち」への道を進むことができるのです。
併売は、併買という時空の中にある、特異点の一つに過ぎません。
だから私は、検索順位が底辺だろうが、クリックしてもらえなかろうが、意地でも「併買」と書き続けます。 それが、あなたの「大勝ち」につながる道なんですから。
(と言いつつ、これで”併売”ってワードも相当数詰め込みましたよ(売り手の都合)w 販促も不要って訳じゃ無いっすからね☆ 検索順位とクリック数上がるのかしら?)
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