お客様ニーズが見える ID-POS分析。
図は、ブランドスイッチの分析結果画面上部に表示されるサマリ表です。
「Switch」の489名と、「その他へ」の2,153名の和 2,642名が、「流出計」の5,540名と一致しません。
これは分析結果画面下部の内訳をご覧頂ければ分かると思いますが、対象商品から流出しながらも、前期・当期共に比較商品を継続利用している顧客を、流出計にはカウントしながらも、流出計の内訳(「Switch」「その他へ」)としては表示していないという仕様によります。
これは、「比較商品を継続利用している顧客の、対象商品の未利用化は、Switchもしくは、その他への流出と言えるのか?」「寧ろ対象商品の一見的利用では無いか?」(逆もまた然り)という解釈の問題です。
項目として「一見利用」を追加するのも、却ってややこしいかと考え、このような仕様となっています事、ご了承願います。
図はニーズの見える化の分析結果です。ここでは例として、「フジッコ」というブランドに絞って、ブランドスイッチ戦略について考えてみます。
まず、目的範囲f5を制圧している「おかず畑」シリーズは、一つのマーケットセグメントとして完全に独立しており、その利用者率は8.58%ですが、ブランドとしては盤石の体制を築いていると言えます。(目的範囲内の商品の利用者は、主に目的範囲内で買い回っており、目的範囲外の商品をあまり利用しない=非併買な人が多いという計算結果によります。)よって、ブランドスイッチを意識する必要はありません。
更にブランドを伸長させる為には、重点レコメンドの立った商品(特に1stと2nd)の活性化が鍵となります。強いて脅威を挙げるとするならば、関連順の近い「ヤマザキ かぼちゃサラダ」がそれにあたります。
併買者が多く、「ニーズそのもの」と言える選択範囲ですが、その中に3rdレコメンドが含まれる場合、更なる選択肢(新商品)の、追加余地があると考える事ができます。その際には、重点レコメンド付商品の、前後の行間を読みます。例えば、ブランドの最下部にある「おかず畑 ひじきと豆のサラダ」であれば、前にある同ブランドの「おかず畑 れんこんのサラダ」と見比べ、あるいは後の「ヤマザキ かぼちゃサラダ」と見比べ、その行間(ニーズの隙間)を埋めるような商品を考える事で、より一層のニーズの充足を図ります。
同一選択範囲内の他ブランド商品は、喉元の棘と言えます。
顧客はこの中で選択を行っていますので、まずは顧客に、直接的なライバルと比較検討してもらえる土俵に乗る為に、隣接する場所に陳列位置を取る事です。
選択範囲f1_n1は、自ブランドが1stレコメンドを取っていますが、f4_n6は他ブランドに1st、3rdの両レコメンドを握られており、厳しい状況です。しかしこのニーズは、利用者率36.08%という最大のニーズを形成していますから、ここは何とかしたいところです。
この場合、相手の方が強い為、ランチェスターの弱者の戦略に則れば、1/√3の価格、あるいは√3倍のフェイシング数、√3倍の販促物等の、要は√3倍の戦力で、「蒸しサラダ豆」は「サラダに!まめ」の各個撃破を図ります。後方支援として、「このまま使えるだいず水煮」での「サラダに!まめ&ひじき」の各個撃破を図り、挟み撃ちにするというのも考え方の一つです。
「1.確立されたブランドへの戦略」と同様に、新商品の投入を図るというのも一つの手です。
「蒸し黒豆」の方は強者の戦略が採れますから、敵を徹底模倣した新商品を投入するというのが常道です。
ニーズ(選択範囲)単位で各個撃破を図り、やがては目的範囲の占有=ブランド確立を図る。逆に敵さんにこんな風にデータを見られたら?と思うと、怖くありませんか?w
以上、ブランドスイッチのご質問への回答でした。