お客様ニーズが見える ID-POS分析。
私たち、毎日一生懸命働いていますよね!? でも、ふと「この忙しさって、儲けに繋がっているのかな?」と思ったりしませんか?
「毎日営業日報上げてるけど、これで売上って上がるの?」
「会議では突っ込まれ、突っ込みに対する報告資料が増えるばかり。こんな資料いくら作っても儲からないよね?一言 助言をくれれば良いのに…」
「単品で利益管理させられてるけど、部門で利益管理してる友達の会社の方が株価も業績も上なんだよな…」
日報も利益管理も、細かくしようと思えば際限無く細かくする事ができます。
相手が居る事ですので、売上を生み出す事は困難ですが、「管理のための管理」「言い訳の為の言い訳」なら容易く自家生産することができます。モノを生み出す事を「生産性」と言うならば、売上をそっちのけにして自家生産に集中した方が、はるかに「生産的」です。「付加価値を生み出す」事の困難さを知っている賢い人たちが、往々にして組織の立法者、あるいは警察官として立ち居振る舞っているのはこの為です。
そんな中、毎日一生懸命働いていている私たちを例えて「ゆでガエル」と呼びます。 カエルの入った鍋に水を張り、少しづつ水温を上げて行くと、カエルは鍋から逃げ出す事のないまま、最終的にはゆで上がってしまうというメタファー※1です。
ミソは、「鍋」の水温が「時系列で気づかない位少しづつ」上がって行くことです。いきなり熱湯ならすぐに逃げ出してしまいます。
徐々に水温が上がる事を、「徐々に仕事が増える事」や「徐々に売上が減る事」に当て嵌めてみて下さい。もしも「徐々に人が辞める事」、中でも「新人が辞める事」が当て嵌まるのだとしたら、あなたは気付いていなくとも、あなたが浸かっている鍋の水温は、相当に上昇しているものと思われます。
諸行無常。元より永遠というものは存在しませんが、名だたる大企業ですら、人の一生にも満たないスパンで生まれては消えて行くのは、組織というもののDNAが、元より「ゆであがるようにできている」からでは無いか?と本稿では仮定しています。※2
※1.カエルの名誉の為、この余りにも有名なメタファーに一言付け加えるならば、これはカエルが外部温度によって体温が変わる変温動物であるという事から行われた、19世紀の実験が生んだデマです。実際にカエルは、不快になれば、躊躇無く鍋から逃げ出します。ゆであがるのは私たち人間の方です。
※2. AIの推論によれば、近年このサイクルはさらに早まっています。S&P500(米国を代表する500社)企業の平均寿命は、1950年代には約60年でしたが、近年では20年以下にまで縮まっているというデータもあります。つまり「人の一生にも満たない」どころか、「人が成人する前に消えていく」レベルにまで加速しているのです。 例えば「町中華」が店を畳むのを、私たちは「個人経営だから」と、惜しみながらも自然に受け止めます。ところが実際は、1〜2代(30〜60年)勤め上げた「町中華」の方が、現代の巨大企業より命が長いのです。 個人経営は天寿のまま(ナチュラル)に消えて行くが、組織経営の多くは天寿をまっとうする事無く、自ら『ゆであがって』消えて行く(アンナチュラル)。。。 この「不自然な死」への違和感から、本稿では「組織」と「ゆであがり」の因果関係に着目しています。
では、組織の「DNA」は、一体どんな「しくみ」で、私たちを「ゆであがらせる」ようにできているのでしょうか?
「ゆであがる」のは、「じわじわ上がる水温」に気づかない(あるいは、気づいていないフリをする)存在そのもの、すなわち私たちカエルがいるからです。
なぜ気付けない(あるいは、気づいていないフリをする)のか?ポイントは、①鍋の中のカエルが一匹では無いこと、②鍋の主のようなカエルも居れば、今しがた入って来たばかりの新入りのカエルも居ること。
そう、組織が組織たる要件そのものにあります。
じわじわと水温が上がっているとは言え、長い事浸かっている鍋の主たちと、今しがた入ってきたばかりの新入りたちとでは、当然感じる熱さが違います。それをサーモグラフィーで見て行きましょう。
まず、サーモグラフィーの両端から見ていきます。
[赤](鍋の主): 一番長く鍋に浸かっているカエルたちです。体温は一番高くなっているはずですが、この先徐々に水温が上がったとしても『ゆであがる前に逃げ切れる』勝算がある為、多少の熱さは我慢できます。『この鍋ヤバいぞ!』なんて言われても、信じたくもありません。『我が社の財務状況は健全で、収益も安定している』などと、まるで自分たち自身に言い聞かせるように、ゲロゲロ周囲に吹聴し始めます。
[青](新入り):今しがた鍋に入って来たばかりのカエルたちです。入りたては 『意外と熱いな…』と思うかもしれませんが、何分新入りですので『諸先輩方も入っている事だし、慣れて来たらまあ、こんなものかな?』『財務状況は健全で、収益も安定しているらしいし』と、「熱さ」への実感が未だありません。
そして、最後に真ん中です。
[黄色](中堅): 新入りたちほど実感が無い訳でもなく、主たちほど「熱い」訳でもない。「なんかこの鍋、じわじわ熱くなってきてないか?」と訝みつつも、横目でチラッと確認すると、主たちも新入りたちもじっとしてるし…と、まるで「それが男気!」とばかりに我慢大会の様相を呈し始めます。一方で、熱で朦朧としはじめたか?「主たちを見てみろ!これしきの事で熱いと言っているのか?」「心頭滅却すれば火もまた涼し!」とばかりに、鍋に薪を焚べ続ける(仕事を増やし続ける)立法ガエル、警察ガエルになる者たちも、この頃から出始めます。彼らにとっては、熱さ(忙しさ)に耐えるのが仕事、より熱くする(仕事を増やす)のが仕事です。
「みんな真面目で勤勉でビックリするよ!」そんな組織こそ、加速度的に茹で上がる「ヤバい」組織なのかも知れません。
中堅ガエルたちが訝しんだり、仕事を増やしたりしている内に時は過ぎ、やがて彼らも鍋の主になって行きます。その頃には、散々自分たちで仕事を増やしておきながら、「折角ここまで我慢して来たんだ!もう逃げ切るしかない!」と、それ以外合理的な選択肢が無いように感じられ始めます。
あなたが新入りだったとして、やがてあなたも中堅になります。あなたが中堅だったとして、やがてあなたも主になります。
そんな事が繰り返されます。
こうして組織は「ゆであがる」ようにできているのではないでしょうか?となればこれは、誰が悪いという訳でもありません。みんな「同じ鍋のカエル」であり、これが組織のDNAなのですから。。。
「誰が悪いって訳じゃ無いんだから仕方が無い」「DNAなんだから仕方が無い」「社長がそう言うんだから仕方がない」「お客の要望なんだから仕方が無い」etc、etc、etc。。。
はて?何事も「仕方が無い」で済むんだったら、それって仕事でしょうか?『仕方がある』ようにするのが仕事じゃあないでしょうか?
鍋の中、朦朧とする頭で「生産性!」「属人化!」「標準化!」「仕事!」と叫んでいるカエルたちが居ます。同じように朦朧とする頭で「生産性の為なら仕方が無い」「属人化は廃した方がいいに決まってる」「標準化はすべきもの」「仕事が辛いのは当たり前」と黙々と薪を焚べるカエルたちが居ます。
「鍋から出るのはリスクだ!」鍋の中心で、リスクをさけぶ、それが朦朧とした私たち「ゆでガエル」の正体です。
本当の「リスク」とは何なのか?「生産性」「属人化」「標準化」「仕事」それらが本当は何なのか?それを考えずに、ボーッと生きていること。 決して「仕方がある」ようにはしようとしないこと。それこそが、私たち「同じ鍋のカエル」が同胞に、そして自らに科している、「ゆでガエルの罪と罰」です。
罪と罰。。。立法者、警察官、もしくは組織の被害者をもって自らを任じていた私たちは、等しく組織を「ゆであげる存在」でもあったんですね。。。罪には罰が待っているのが道理であると。。。
どこかの塾長なら『男なら死ねい!』と一喝する事でしょう!?(「ゆであがれ!」って意味じゃありませんよw)
畢竟人も組織も永遠では無い、すなわちいずれは「死」を迎えるという事は冒頭申しました。であるならば「逃げ切る」生き恥、「ゆであがる」生き恥を晒すのでは無く「魁よ!」「己の束の間煌めいて見せよ!」という事だと筆者ガエルは理解しています。
再新再生、新陳代謝を繰り返す事をしなければ、組織は早々に死を迎えます。その為には死ななければならない。では如何に死ぬか?裏を返せば、ぼくたちはどう生きるかと…
もっと人に優しく言うならば、 「ぼくらは『ゆであがる』(罰を受ける)為に生まれてきたわけじゃないよ!」「ぼくらは競合に負ける為に生まれてきたわけじゃないよ!」「どうせなら楽しくやろうぜ!」 …というドブガエルの詩です。
(エンハラ(エンジョイハラスメント)、ビジョハラ(ビジョンハラスメント)で訴えられちゃうかもしれませんがw)
その為に、まず私たちが「思考停止」で「自家生産」し続け、鍋の温度を上げ続けている「不要な我慢」を特定することから始めてみませんか? それこそが、『仕方がある』仕事の第一歩です。
このように、私たちへの罰、すなわち不要な我慢と、私たちの罪、すなわち不要な仕事の自家生産と忠実なる遂行は、鍋の中で「ボーッと生きている」事から生じていました。
であるならば、どうせ既にゆだった身、いっそ『水風呂』に浸かれば、寧ろ頭スッキリ『整う』かもしれません!w
私たちにまず必要なのは、一旦『整える』事です。
もしも本稿が、あなたにとっての「冷水」になれたとしたら、次はバッチリ「整って」頂く番です。
頭スッキリ整えば、自家生産された薪を鍋底から引っこ抜いて行く余力、「同じ鍋のカエルたち」を水風呂へと叩き込み、整ってもらう為の余力を生み出す方法が分かる筈です。
私たちを整えてくれるのは「論理」と「区別」と「覚悟」です。
カエルの凡知恵ながら、あなたの「覚悟」と、あなたの頭が「整う」事を助ける「ツール」をここに共有させて下さい。それが、「仕方があるようにする仕事(本当の仕事)」と、「仕方がないからやっている仕事(ゆであがる仕事)」を「論理」で「区別」する、「仕事を8つに区別する棚卸表」です。
この読了時間4分想定の「鍋」で詳細を語ろうとすれば、それこそ熱が入りすぎて、読者ガエルの皆さんが「ゆであがり」かねませんw
今回は「仕事を8つに分類する棚卸表」をここに置いておきますので、 ぜひ、ダウンロードしてじっくりと眺め、是非みなさま自身の意志と思考で、みなさま自身の意志と思考を「整えて」みてください。
Googleスプレッドシートで開きます。クリックして開いたら、ファイル>ダウンロード>Microsoft Excel(.xlsx)を選択し、ダウンローしてからお使い下さい。
尚、本稿は小売業さま向けID-POS意思決定支援サービスBiZOOPeのホームページ内の一稿です。
本ツールは売り物ではありませんので、これによっておかしなカエルが増えたとしても、当方の責に帰するものではございませんw