名称 :シラード・エンジン(Szilard's engine)発案者:レオ・シラード(Leo Szilard)場所 :アメリカ(ハンガリー出身)年代 :1929年マクスウェルの悪魔を単純化して1分子のみを閉じ込めたシラードのエンジン(後述)と呼ばれるモデルを提唱した。、悪魔が同じ大きさの2つの部屋のどちらに分子があるかを観測するということにより、エントロピーが減少する手法を示した。 アイデア自体はシンプルで、構成要素は温度が一定に保たれた箱、箱の中を左右に動ける仕切り、分子一個の3つだけである。動作原理は次の通りである。①箱の中に1分子閉じ込める。②箱の真ん中に仕切りを入れる。③分子が仕切りの右にあるか左にあるか測定する。④右にあれば仕切りをゆっくり左に動かし、左にあれば仕切りをゆっくり右に動かす。⑤仕切りが箱の端に到達したら、仕切りを外す。この動作を繰り返すことで熱力学第一法則を破らずにエネルギーを生み出すことが出来るのではないかと考えた。
シラードの洞察元々気体運動に対して構築された概念であるエントロピーと、情報を得るということ、もしくは知識をもつということの間に深いつながりがあることを示し、また、ボルツマン定数とは実は情報量の単位と物理学の単位を変換する比例定数であることを明らかにした。 シラードは、全体の系のエントロピーは減少しないはずなので、悪魔が観測によって情報を得ることによってそれ以上のエントロピーの上昇を伴うだろうと結論した。動画: