空気槽分離比重差浮力モーター(Air tank separation specific gravity buoyancy motor)発案者:野口 紀幸(Noguti Noriyuki)場所 :日本年代 :2007年これは、真水と塩水の比重および浮力の違いによって回る浮力モーターである。興味深く考えさせられるアイデアである。
原理真水は比重が小さく浮力も小さい。塩水は比重が大きく浮力も大きい。この二つの液体が混ざらずに存在できれば二つの液体の比重(浮力)差から仕事を取り出せるのではないだろうか?
装置の構造真水の水槽と塩水の水槽を隔てるために、下部に山なりの空気槽を設置した。下部を山なりにすることで空気の槽ができて二つの液体は混ざらずに存在し続けることができるのだ。下部空気槽と上部空気槽は共に、曲げた板(ガイド)によって作られている。ガイド(空気槽)の中に鎖状の浮力体が掛かるように設置されている。そして、円滑に動くように浮力体はローラー状になっている。
考察野口氏は動いたと主張していたが、証拠はなく理論的にもあり得ないと考える。なぜなら、空気槽を設けて液体を隔てたとしても、比重が違う時点で水面の高さによってバランスされるからである。若干ではあるものの、比重の大きい塩水の水面は低くなり、比重の小さな真水の水面は高くなるはずだ。したがって、真水は長い距離に小さな浮力が働き、逆に塩水は短い経路に大きな浮力が働くことによって合計の浮力は0になるはずである。たとえ鎖が回転したとしても、鎖が塩水と真水を出入りすることで塩分の勾配が徐々になくなってしまい、いずれ勾配は無くなるだろう。
備考野口氏は実際に作って稼働しているところまで確認したらしい。しかし、証拠写真や証拠動画は見たことが無い。何が原因か忘れてしまったが、彼は批判を浴びてそれに腹を立てて装置を壊してしまったようだ。たしかに、ネットでは叩かれていたのを目撃した。現在、彼の安否は不明である。動画:なし