Pure Data(Pd)は、1990年代にミラー・パケット(Miller Puckette) が開発したデスクトップミュージックとマルチメディア作成用のビジュアルプログラミング言語である。Puckette が主に開発したが、Pd はオープンソースプロジェクトであり、多数の開発者が参加している。BSD License に似たライセンス条件でリリースされている。
Wikiペディアより 引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/Pure_Data
Maxとよく似たソフトですが、もともとのMaxの開発者もミラー・パケット氏です。Maxは1988年〜1990年ごろにかけて開発されていて、商用にする際にその当時IRCAMに在籍していたパケット氏がIRCAMの運営側とアプリケーションの著作権の問題で訴訟し対立した経緯があります。ソフトウェアの著作権やオープンソースの可能性は、今だから当たり前に感じられますが、パケット氏は当時からその問題を意識していました(Pdがパブリックドメインの頭文字を意味することも意識されているそう)。
その後、ミラーパケット氏はカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)音楽部門の教員、研究者となり、1996年、フリーウェアPure Dataを開発することになります。
Maxはその後「Max/MSP」となりまた最近「Max」に戻りましたが、生みの親が同じなので似ていて当たり前ということになります。
それから、意訳もあるかと思いますが、Pdについて「音楽のツールは誰にでも開かれているものであるべきで、今もフリーソフトとして開発されている」と聞いたことがあります。また、機能拡張して画像や映像を扱うこともできるのに、パケット氏が開発するPureDataは「音に関する最低限の機能」に絞られたPd-Vannila(バニラ=純粋という意味)と呼ばれることがあり、区別されています。いろんな機能をつけると、音の処理に影響があって本末転倒ということらしいです。音に繊細な音楽家ほどレイテンシー(データ処理の遅延)は致命的な問題と意識されるので、当然でしょう。
このような(Pdという)道具のなりたちを頭に入れておくと、その道具でつくるものに自信を持つことができ、行き詰まった時に道具のせいにすることが少なくなります。
Pdには、大きく2種類あります。パケット氏がリリースしているPd(Pd-Vanilla)と、有志がリリースしているPd(Pd-L2Ork)です。
パケット氏の音や音楽へのこだわりを理解できていると、PureDataが2種類あることに納得がいきます。パケット氏のPureDataは「Pd-Vanilla」と呼ばれ(Pd-Vanillaとは明記されてないのですが)、機能拡張されたPureDataは「Pd-L2Ork(今は開発されてないPd-extendedの代わり)」という名前で区別されます。
ざっくり説明すると、音に特化して処理が軽いほうがPd-Vanillaで、いろいろな機能を使いたい場合はPd-L2Ork、感じです。
使い分けてもいいですが、個人的にはPd-Vanillaをベースに手動で必要な機能拡張だけをインストールして使っています。RaspberryPiなどではPd-L2Orkの音の処理が間に合わなくなったことがあるためです。
Pdのパッチはどちらでも開けるので、Pd-VanillaとPd-L2Orkを両方インストールしておいて、使い分けても良いと思います。
Pd-L2Orkは2015年で更新が止まっています。Pd-Vanillaは現在も更新が続いているので(RaspberryPi版も)、Pd-Vanillaをベースに、必要な機能拡張をインストールしていきます。