2017/11/3(金)に開催された防災シンポジウムの基調講演「小さな命の意味を考える」でスマートサイバープロジェクト特別講師:佐藤敏郎さんの話です。
佐藤さんは女川中学校で教師をしていた時、卒業式の準備中に東日本大震災(2011.3.11 14:46)に遭い、約40分後に女川の町は津波にのまれる経験をされました。
震災から6年経って「被災地ってどこのこと」のように忘れ去ってしまうのはよくないということで講演で記録を伝えています。以下、講演の内容メモをランダムに羅列します。
●「大丈夫ってどういうこと」・・・①色々と対策を立てて安心、②そんなことはないだろうという油断
①の大丈夫を心得るべきだが、②に走りやすいのが人間である。しかしながら、最近は行政、自主防災会を中心に①の活動が盛んになっていることが心強い。
●災害は起こる。起こった直後の支援と心のケア(花束)継続した復興支援(種を蒔く)が重要。
●俳句を作るプロジェクトを行った。震災直後の5月に行ったが、皆が集中して作る姿に驚いた。それから半年ごとに行っており、今も継続している。言葉(俳句)にすると説明しなくてよい、一人じゃない、いろいろな人がいてもよい、など共有ができた。
●過去から石碑により津波を伝えてきたはずだが、忘れ去られている。千年後の命守るため21の石碑プロジェクトが当時の中学生が中心で発足した。1000万円募金を集め、彼らが成人式までにすべて建てる計画である。
●16歳の語り部。あの日を語ること。未来を語ること。東松島は学校から戻ってから津波。当時小学校5年生。目の前で津波にさらわれている人を助けずに見捨てた罪悪感に悩んだ末、語った。防災とは、あの日を語ること、未来を語ること。3.11を言い訳にせず、これからどうするかという指針になっている。
●大川小学校(108名)で次女を含む74名(70名死亡、4名行方不明)が犠牲になった。講演で命の意味付けを語り、未来の意味付けを考える。防災マニュアル、訓練で命を守れるか?想定外に対応できる判断を身に付ける。普段の行動から習慣付け、近所の人たちと信頼を作ること。ゴミの分別のように防災感覚がつければよい。小雑誌を発行している。是非、読んでいただきたい。
以上