〈凡例〉
◎ テキストは、底本としてPTS版を使用。ただし、VRI版(Vipassana Research Institute)http://www.tipitaka.org/romn/を採用した箇所もある(変更箇所については※で注記)。
◎ 和訳中の〔 〕や( )等々について。〔 〕と[ ]は、本文の補足。[ ]は、他のテキストからの引用で補足箇所が長文となる場合、および、見出しを追加する際に使用。( )は、前の語の説明。【 】は、PTS版のページ数。( )内に説明を付加するにあたり、注釈書等を参照したが、訳者の個人的見解を反映させた箇所もある。〔 〕内の補足も同様であり、勇み足的な付加や誤解については識者諸賢の御叱正を乞う次第である。
( )内の、「・」は、前後の並列関係を、「:」は、前の語の追加説明を、「※」は、注記の指示(注記本文は§終了後に提示)を、それぞれ意味する。( )内の太字は、該当するパーリ語の漢訳語。阿含経典に限らず、南伝大蔵経を含む仏典全般から一般的なものを記載した。( )内の数字は、底本記載のものもあるが、読解の助けとなるべく、適宜補足したものもある。数字については、便宜上の観点から、( )内に限らず適宜に補足を加えた。[ ]内の見出しは、訳者による補足のほか、例外的に底本記載のものもある。これらの補足の可否については、各自判断されたい。
◎ 読者の便宜をはかるため、VRI版の通し番号(1.~896.)、および、ニャーナモーリ長老訳 “THE PATE OF PURIFICATION” の§番号を付加した。
( )内の「Ch.」は、「Chapter」の略。たとえば、(Ch.8§8)とあるなら、第八章§8を参照(という意味)。
省略箇所(……略……)については、訳者の判断で省略せず、該当文章を再掲した箇所もあれば、底本より広範囲に省略した箇所もある。
改行箇所については、底本によらず、“THE PATE OF PURIFICATION” に依拠した。ただし、底本やVRI版の改行に従った箇所もある。
◎ 訳文は意訳を避け、直訳体を採用。あたうかぎりの逐語訳を試み、原テキストの忠実な再現を心掛けたが、テキストの難解さに加えて、訳者の力量不足もあり、不本意ながら日本語の語感を優先させて意訳した箇所もある。くわえて、翻訳自体も、そのような微妙な箇所においては、非才ゆえの誤訳は避けられない。また、微妙とは言えない箇所においても、訳者の力量からすると、誤訳なしとは言い切れない。至らぬ点は、皆様の御叱正と御批判を乞う次第である。
◎ 翻訳にあたり、先学の御業績として、水野弘元博士訳『清浄道論』(大蔵出版)、および、ニャーナモーリ長老訳“THE PATE OF PURIFICATION”(THE PENANG BUDDHIST ASSOCIATION)を参照した。PTS版に存する誤植等も、水野弘元博士訳『清浄道論』の註にもとづき、適宜訂正することができた。〈重要術語索引〉もまた、ニャーナモーリ長老の訳書にもとづいている。この場を借りて、甚深の謝意を申し述べたい。かつまた、注釈書(Visuddhimagga-mahāṭīkā)を参照するにあたり、上記サイトhttp://www.tipitaka.org/romn/を利用させていただいた。PTS版で700ページを超える大著を翻訳できたのも、これらの先学の御業績あってこそであり、その御法恩には、ただただ感謝するしかない。拙い翻訳とはいえ、世に真理の教えが広がる一助となることを祈念するばかりである。合掌。
関西パーリ語実習会(文責 正田大観)