2019.02.25|MON
2019.02.25|MON
●研究報告の様子(左から高橋・大上・川口研究員)
2019(平成30)年2月25日(月)東洋大学板倉キャンパスにて、地域活性化研究所2018年度シンポジウムを実施しました。
今年度は「地域に根ざした健康づくりを考える」をシンポジウムテーマに、研究所員が板倉町民を対象に実施してきた健康づくり支援の活動報告と特別講演、そして地域の活動紹介(ポテトクラブ様)を行いました。
活動報告では3名の研究所員から、板倉町の中高齢者や中高年女性を対象とした運動教室や食事指導等の結果報告をいたしました。筋力や持久力等の身体能力の向上や運動に対する意識の変容といった運動教室の効果や、食事調査から不足しがちな栄養素摂取量が明らかになりました。
●特別講演(渡邊氏)
●ポテトクラブ様からご提供いただいた料理
特別講演では、渡邊裕氏(東京都健康長寿医療センター研究所)から「口腔の健康を通して健康寿命の延伸を考える」の題でご講演をいただきました。氏のご講演では、現在、注目されているフレイル(健康障害を起こしやすい脆弱な状態)の中でも、特に口腔機能の低下に焦点をあてたオーラルフレイルについてお話をいただきました。加齢に伴い嚥下が困難になる、ものが噛めなくなる、滑舌が悪くなるといった口のトラブルを発端に、栄養不足はもちろんのこと、コミュニケーションを忌避するなどといった社会活動の減少を招き、それに伴いうつ傾向に陥ること等、多角的な問題が発生し、負のスパイラルが形成されることで、最終的には要介護状態や死に至るとのことです。氏は、このオーラルフレイルの予防策として、積極的に外出して人と会う、大きく口を動かして、笑う、食べる、話す、一日一回は硬いものを食べる、毎日しっかり歯を磨く、歯科定期健診を受けるといったことをお話された他、食の多様化(噛む必要がない食べ物が増えた)によって、現在、子供世代にもオーラルフレイルの問題が顕れていることを強調し、世代を越え、また、家庭や地域が一体となって考えるべき課題であることを訴え、論を閉じました。
本会は板倉町民を中心に、板倉町をはじめとする近隣自治体や本学学生等、約80名にご参加いただきました。参加者からは、勉強になった、参考になったというお声から、運動教室を続けたい、運動教室に来年は参加したいといったご感想を頂きました。本シンポジウムが研究報告のみに留まらず、本会の実施そのものが地域に根ざした、地域を活性化させる活動であったと考えています。
なお、シンポジウム終了後、交流会にて、活動紹介をしたポテトクラブ様より、地元の食材を使ったお料理をご提供いただき、多数の地域の皆様のご参加のもと、盛会に終ることができました。