湧泉(ゆうせん)

投稿日: 2014/03/30 1:31:10

湧泉とは、足の裏にあるツボで、足底を内側に曲げると人の字のようになる交点のくぼみ(図の赤丸)部分をいいます。

整体では、湧泉を刺激すると、からだの疲労が抜け、生命エネルギーが『泉』のように『湧』いてくるといわれています。

剣道でも、左右の湧泉に体重を乗せることで安定した足運びが可能となるので、重要なキーワードのひとつです。

【悪癖の例】

・左足の湧泉が床から離れ、つま先重心(左足が外を向く人は親指側に重心がある)になってしまうと、左足の運びが床に十分伝わらず左腰が流れ、また右足重心になり、足幅も広くなってしまいます。その結果、居着き(いつき)、構えの崩れ、打ち急ぎ、出遅れが生じるのです。(左足裏の皮が向けやすい人は、このタイプに多いです。)

・打突時に左足が跳ね足になり、上体が前に倒れ打突が安定しないため、有効打突になりにくい。

⇒打突時に湧泉を床から離さず左足を引きつけるように意識すれば腰が安定し、打突も安定します。

・右のかかとを痛めやすい。 ⇒ 右かかと重心になっており、踏み込みのときも、かかとから踏み込んでいるため痛める。右ひざを軽く曲げ、湧泉での踏み込みを心がける。

・下がるとき、右足のつま先側が浮き上がってしまう人(特に切り返しでみられる)は、かかと重心になっており、右ひざも伸びるため、相手に攻め込まれやすくなってしまいます。

・下がるときの足運びでは湧泉の重心を気を付けていても、前進に切り替えるときに左のかかとがついてしまう人も多いです。

勝負では一瞬の居着きが命取りになるため、いつ相手が攻めてきても対応できるような心構えでの足運びが重要です。

近年は空前のランニングブームですが、世の中には100km超級のウルトラマラソンというものが存在し、日本を含め世界各地で行われています。

ウルトラランナーたちの間では、メキシコのタラウラマ族の走りを学び、“かかと着地”は故障の元、今や“つま先着地”(フォアフットランニング)の時代となっているそうです。

剣道の教えも、昔からフォアフット(湧泉)であった、ということですね。