大強速軽(だいきょうそくけい)

投稿日: 2013/10/27 9:46:57

「大きく」、「強く」、「速く」、「軽妙に」打ちなさい、という教えのことです。

「大きく」、「強く」、「速く」、打つだけなら、力まかせに打ってもできることですが、この三点に加えて「軽妙に」打つ修行をすることで、正確で冴えのある打突が表現できます。

少年期、特に中高生の勝負にこだわりがちな時期は、小さく速く打つ傾向に陥りがちです。

その場合、ほとんどが相手の間合いに入れず打突するので、竹刀が相手に届かなかったり、届いたとしても正確でない当てっこの弱い打突、あるいは打ちは強くても鈍重な打突となり、有効打突の条件から離れていきます。

このような打突では打たれた相手の心にも響きません。

さらには自分自身も相手の当てっこの竹刀にさわられるのが怖くなり、体勢を崩してまで当てに入るような打突しかできなくなっていくのです。

このことは、小さく速いだけの当てっこの打突に旗を挙げる審判にも責任がありますが…。

全日本選手権の上位に食い込む選手の有効打突は、スローでみると振りが大きい上に、打ち切った打突をしています。

馬場勇司先生は、「稽古で大強速軽を心がけていても、試合になると半分くらいの大きさでしか打てないのだから、稽古の時はできるだけ大きく打ちなさい。」と指導されています。

勝負に勝っても負けても、見る者を感動させるような一本を打つことができるよう、大強速軽を心がけていきたいものです。