指導講話(馬場武典先生)平成26年3月15日(土)

投稿日: 2014/03/15 5:02:49

〇面打ちについて

・面を打った後に竹刀を跳ね上げて気を抜かない。

・打った後、そこからが打突の始まり。

・相手の中心を割って行くように、竹刀をはじくのは10cm程度(実際はもっとはじくが)のつもりで。

・打突時の発生は「メーン!」ではなく、「メエェーーン!」と打突時の「メ」から竹刀をはじいた後の「エェー」を強調することで、打突後の動きがしっかりしてくる。

・打突後、竹刀や腕を落さずに剣先の向きに上がっていくように。剣先が上がり切った頂点で振り返る。

・左足の引きつけは、左足で床を蹴ろうとするから引きつけが悪くなる。右足を踏み込んだら、引きつけた左足の「かかとを床につける」ようにすると自然に引きつけられる。

〇懸かり稽古に懸った後の動作について

・懸かり稽古は、次から次に途切れず懸かった方が全体の勢いがあって良い面もあるが、西雄舘では、懸かり稽古一回ごとに蹲踞をしている。それだけで足腰が鍛えられる。

・懸かり稽古で元立ちがそのまま次の人を受ける場合、懸かった人が竹刀を納めて元立ちに礼をしてはいるが、きつくても所作をいいかげんにせず、正しく行う。

・懸かった後に戻る際も、だらだらと歩いて戻るのではなく、懸かり稽古をしている人たちの邪魔にならないように機敏に間をすり抜けて戻っていく。

〇竹刀の扱いについて

・竹刀を置くときに音がしている人がいる。竹刀は刀と同じであるから、大事に扱う。

・武士の時代は、武士と武士が道をすれ違う時、鞘と鞘が振れないよう、お互いに左側通行をしていた。もし鞘が触れたら、どちらかの不注意であるから、不注意をした者は土下座して謝らなければならなかった。そのくらい武士にとって刀は大切にされた物であった。

・メジャーリーグのイチロー選手は、バットをほかの誰にも触らせない。打席で打った後も投げない。マリナーズ時代は専用のバット置きも作ってもらっていた。グローブ等の道具も同じように大切に扱っている。

・2月に五島で高校の九州選抜大会があったが、九州で最高の高校生剣士が集まる大会であったにもかかわらず、竹刀検量で100本もの不合格竹刀があった。竹刀は自分の身体の一部であって、竹刀と友達にならないと強くはならない。

〇子供たちが帰った後

・面打ちについては、面の中心を打っていない子が多い。右や左を打っていることが多いので、あくまでも中心を狙って打つよう指導すること。

・五島の九州高校選抜大会の選手は、礼をした後の抜刀について、ひょっと竹刀を構えたり、試合後の納刀も右手を膝に置かずにささっと立ち上がっていた。

・納刀は、右手を膝に置いて、初めて納刀が終わる。

・世界選手権大会も、藤原崇郎先生(総監督)が、日本選手に納刀だけでも他国の模範としてしっかりさせたいと指導を行ったが、指導陣にでさえまったく浸透しなかった。

・子供たちの頃から、剣道の“心”を指導しなくてはいけない。