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車体は作れるとしても、台車買って、動力買うと結構な額になるんだよなあ。
ただ、某氏がプラ車体で苦しんでいるので、応援したくなって、側面を何とかクラフトロボで作ろうかと思っていたら、それがなぜか偶然見たE655系のずしりとしたYoutube走行動画の迫力につながり、そんなこんなでサクサク製図してしまったなりよ。
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マジョーラ塗装とかどうしようかと思ったけど、Nスケールじゃそういう感じに出ないかななどと思ったり。
とりあえず側面はクラフトロボでざくざく切って、今回は扉だけでなく窓も抜いて、前面は本物と同じく別構体にして、仕上げは前面のみ塗装、側面はインク ジェットとクラフトロボ、パンタと台車と動力と出来ればクーラーはKATOのASSY、他のはうまく流用パーツで作れないかななどと。
で、せっかくインクジェット印刷仕上げだから、もっと機器ルーバーを細かくやってみるとか、いろいろできそうだけど私の連休は今日で一度終わるのです。
ま、仕掛品として、今後検討していこうと思ってます。
ちなみにE655系といえば、紙で作っている方がいます。
すんごいです。かないません。神様紙様です。すばらしい作例。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(2)モックアップのモックアップ作成
「座して死を待つより」というヒトいるけど、そういう場合、だいたい座して死を待ったほうが傷が浅めで済んだりするんだよね(挨拶)。
というわけで絶賛停滞中のE655なごみ(ハイグレード車輌)ぶっちゃけ新お召電車のNゲージ作成を進めてみます。
ちょいと出来心で仕掛品追加。|モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん <http://ameblo.jp/yonebor/entry-10672868562.html >
↑で作った図面の検証です。図面はInkscapeでつくりました。
Inkscape 自由に描く。 <http://inkscape.org/index.php?lang=ja >
まず箱に組めるか。これ大事。前回の通勤電車と若干車体構造を変えます。ちゃんと窓を抜くので、となると床下と床上を分離構造にしなくちゃいけない。そうしないと窓の透明部材が取り付けられない。
それ以前に車体断面の形状も大丈夫か見なくちゃいけない。
慢性金欠病のうちでもさすがにコピー用紙は買えるので、レーザーで印刷し、組んでみる。
ちなみに紙工作の基本はT字・L字の接合や折り目を使うのが基礎。一見紙でふにゃふにゃかと思うかもしれないけど、インクジェット写真用紙ぐらいでつくれば強度はしっかりします。
でも今回は試作の試作、図面が破綻していないかのチェックのため、コピー用紙で作る。
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まず車体のイメージはこれでよさそう。
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横から。不自然さは余り無い。
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車体断面。若干小柄な感じがするけど、大きなミスはない感じ。
というわけで、ここからじわじわと図面を修正し、作っていきます。
動力と台車を発注しました。
プロジェクトが、ついに、始まった。
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そろそろこの替刃が欲しくなる。でもまだ切れているので大丈夫だと思うけど。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(3)モックアップのモックアップ作成・カラー検討
E655系・新お召電車をつくる。
というわけでコピー用紙とはいえ構体ができたので、続いてカラープリントアウトを貼りつけてカラーを見てみます。
画面ではかなりマゼンダが強い感じでしたが、どうなんでしょう。
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模型のモックアップ、しかもコピー紙でのチェックなので、金の3本線なんかはおとなしめです。
ちょっとゆがんでいますが、これも実試作の時に写真用紙で精度が出ると思うので、今回はまあこれでいいかなと。
立派にブドウ色です。マジョーラは諦めようと思ったり。
車体マーキングなんかも全部プリンタ印刷で仕上げる予定です。
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これで窓を抜いたらどんな感じかな。
窓抜きは台車と動力が届いてからにしようと思いつつ、予定は未定であって決定ではないと含みを持たせてみる。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(4)カット試験と供試体による分析
というわけでもないんですが、とりあえずカットしてみます。
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カット前の図面。これはInkscapeからPNGにエクスポートして、それをjpgに変換してROBO Masterに読み込ませてカットラインを設定する。やり方は前回の通勤電車篇で紹介したとおり。
クラフトロボによる通勤電車工作・まとめ|モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん <http://ameblo.jp/yonebor/entry-10602765560.html >
新規作成でA4横の用紙を選び、挿入>ファイル読み込みでjpgを読み込み、色設定でカットラインを黄色などにし、カットの内側を透明にする。そしてカットラインを書いていく。
で、カット前にトンボ認識。トンボ認識に戸惑う。前回使ってから時間がたつので難儀。トンボ認識は手動できっちり認識させてからカットしたいのです。
で、カット。
ちょっと刃が痛んできたのか、すこし角が切れ損なうところが3箇所ほどでたが、まだいい。
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で、供試体0号。とりあえず組んでみる。完成体には構造的に違うところが多いけど、まずプリントの成果も見てみたかった。
車体側面の折り曲げは治具を作るのがいいかもしれないと思った。
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反対側。前頭部は別の構造にするためにオミットしている。
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側面。きれいに切れている。塗装仕上げはしないので、製作は最新の注意がいる。
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反対側。こちらも良く切れている。
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供試体0号はこんな感じで、現物化による寸法の変更などの懸賞の役目を終えた。
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そして供試体1号。今度はかなり実モデルに近づけるための構造に変わっている。
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これは反対側本のラインがしっかり表現され、車体断面もこんな感じかなと。
今日はこれでほぼ作業終了。あとは台車と動力の来着を待つ感じです。
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替刃の購入、考える時期かも。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(5)消耗品の購入について
交換カッターを発注。まだ刃はボロボロではないのだけど、少しだけ角を切り損なうことがあるので。
これまでうちでリンクしていた楽天の店は送料700円、またクラフトロボの製造元直販はカード払いが出来ず、しかも送料手数料800円。
ところが、Amazonだと1セット買うだけで既に送料無料。
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こっちは文房具・オフィス用品のカテゴリに入っている。
とりあえずカッティング台紙はスプレーのりで粘着力は回復するし、台紙ごと切ることは余り無いので、あまり喫緊に必要ではない感じ。
とりあえずカッター注文。これですこし頑張れそうです。
今の私には2500円といえども重大な決意のいる額ですが、買いました。
頑張るしかないなあ。
とりあえず分かったことは、クラフトロボの消耗品はAmazonで買うべし、ということのようです。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(6)供試体による分析2・のりしろは必要
米田車輌で製作中の風景。
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米田車輌で製作中の風景。
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まず供試体4号。中間車の作成が目的。コピー用紙でレーザープリンタに出力してマーキングなど研究した用紙を使って車体構造を検討。いきなりTR車で実験しているところが不敬である。
床と屋根を含めた側壁の分離構造をどうするか検討。
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供試体6号。再び先頭車。
上下分離構造のためのチェック。ほぼ何とかできた。
少し断面型が柔らかく甘くなってしまったが、ともあれ何とかなった。
あとは本番用の写真用紙をカットしてさらに供試体を作ることになる。
そしてAmazonからクラフトロボのカッター到着。
XXモロE654-101(2号車)1 posted by (C)YONEDEN
1輌分はこの図面で、あとは床下だけを別に作る予定。
で、ふととあるところで見たんだけど、とある人が鉄道模型を作る上で、「パクられるのが嫌だから途中経過は載せない」と書いている人がいた。
ふーん。
そういう考え方は私にはないけどなー。だって、パクって作れる程度のものしか作れないんじゃないかとか、やっぱりこうやって工夫をしている人は人で情報を共有して、もっといい模型を作ってくれればいいのになとか、色々思った。
だいたい途中を見せた程度でパクられるなんていう模型はその程度でしかないんだと思うけどなー。
まあ個人の趣味だから仕方が無いけど、うちのははもう丸パクリしたければすればいい、それでもっとうまく作れるならそれでいいじゃないかと思う。
カッコいい模型が増えることは、決して不愉快なものじゃないと思うんだけどなー。
個人個人の考えだから、仕方が無いけど。
といいつつ、他の方の作例を見てすごいと思うことはなんどもある。
E655の作例で、今のところこの2つの作例をリスペクトしている。
■富士川車輛工業・ホビーサイド <http://ftfactory1993.cool.ne.jp/hobby.htm >
超絶技巧。クラフトロボを使っているらしい。プラシートを刃の深さ33+3回切断で切っているという。当然刃はぼろぼろになるらしいが、E655を1編 成つくるぐらいはなんとか持つという。すごい。仕上がりのクオリティの高さもすごい。カッコヨス。E257を種車にしているという。
■MICROTRAIN GALLERY <http://homepage3.nifty.com/t-seno/ >
ここもすごい。ここを見て、つくろうと思った。この方も超絶技巧。特に手で切っているらしいところにびっくり。模型は垂直水平がきっちりでなきゃ駄目だとはいえ、それをやっているところでものすごくリスペクト。
なんとか自分なりのE655を作りたいなと思いつつ。
あ、そだ、そろそろプリンセスプラスティックの4話目をブクログにアップせねば。
いろいろやりたいと思いつつ出来ないでいます。
今日はなんか、無茶苦茶眠たかった。なんか疲労のリボ払い状態というか。よくないなあ。
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クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(8)部品来着と図面再調整・組み立て試験
E655系「なごみ」ハイグレード車・新お召電車につかう部品がようやく届いた。
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でも、
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KATOのASSYの動力ユニットって、動力台車を含まないんですね。びっくり。
でも無事揃いました。まだ碍子とかどうしようかと思うけど。
結局、某模型店には在庫を聞くのは下策と思った。DT71台車を使うのだけど、KATOのASSYの番号の付け方も変で、DT71ならDT71と書けばいいのに***系用と丁寧に書いてあるおかげで部品の互換関係がわからず。
E531の台車ということで探したら「ありません」と言うけど、DT71であればE233のものと大して変わらないんだけどなあ。
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ともあれ何とか供試体7号。シャーシ周りを工夫。
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連結器も仮に付けてみました。
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これが供試体8号。一瞬でも気を抜くと光沢仕上げの車体が汚れてしまうので細心の注意が必要。
光沢がすごいので本当に車体に色々映り込む。マジョーラ塗装ではないけど、うまく作れば美しいものになりそう。
はたしてうまく作れるか。まだまだ試作は続く。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(9)構体の作成方法の検討という地獄。
昨日、突然Webが繋がらなくなった。
結局ADSLモデムのほうがちょっとおかしかったらしい。交換となるという。
で、そのオフラインの間、実にリアルに充実した生活でした。クラフトロボも集中的にいじれたし、地域の仕事もできたし。
で、クラフトロボでの工作ソフト、ロボ添付のROBO Masterの欠点。
1)整列機能がない。選択したオブジェクトの整列ぐらいはやってほしい。
2)オブジェクトのグルーピング機能が貧弱。グルーピングの階層化が混乱しやすい。解除できないグループが起きたりする。
3)切断線を書いていくときに、平気で切断線の目標にした挿入JPGを選択してしまうことよくあり。挿入jpgの位置を保護することぐらいはやってほしい。
結局ROBO Masterは今回の企画、塗装は最小限にしてプリンタ印刷した図面を正確に切って組み立てて超光沢仕上げにするという企画にはなかなか難しいことがよく分かった。
とはいえまだまだなんとか工夫していきますけどね。
で、その試作は3号車を作成中。5号車を供試体として作りはじめ、2号車で試作していたのだけど、3号車を作った。
マジョーラ仕上げができないので超光沢仕上げで代えるのだが、どうしても工作時に汚してしまう。
そこで側面の養生をすることにした。一つラップでできたらと思ったが接着が弱く使えない。
そこでマスキングテープを使うが、これだとテープの糊が残りすぎる。
次に考えたのがスプレーのりで仮止め。これも糊が残りすぎる。
どうしたものかと考えこむ。最終的にはコピー用紙を表面以外の部分からテープ止めして養生するしかなさそう。
苦闘は続く。
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で、今日の進捗。台車・台枠周りはこんな感じ。
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で、死屍累々の試験体状態とシャーシ。
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恥ずかしい供試体を見て! いやっ、恥ずかしい、な写真。
まだまだ実験中なので、断面がガタガタです。試作なんてそんなモンです。
紙だと簡単に1両の構体が作れるのがいいですね。納得行くまで作り直せる。
あと、密かに前面をつくっています。軽量紙粘土で整形、紙構体と結合みたいな考え方。
さて、少しずつ交直流の屋根上をどうするかも考えなきゃ。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(10)構体の作成
一部方面に好評な、クラフトロボでE655系新お召電車「なごみ」を作るの続報。
とうとうTR車を含めた中間4両を作成。
実はシャーシにも改良を施している。紙製シャーシなのだけど、台車の牽引装置を2mm径のなべネジで作ったのだけど、ネジの長さは5ミリでは短すぎた。8mmの深さにして、ワッシャを5枚使ってスペーサーにする。
というのもKATOのDT71は床下とスナップ接続するので、その分のスペーサーにワッシャが3枚必要だった。
そしてなべネジとナットの破損防止にワッシャを1枚ずつ、そしてネジの緩み止めにE型止め輪が必要であった。
走らせてナンボの鉄道模型、こういう所をおろそかにしてはいけない。
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で、これがTR車、E655-1。これもあとで図面を見たらちょっと狂いがあるので、あとで構体を作り直すかもしれない。
気軽に作り直しが聞くのが紙模型の良さ。
組み立て時の光沢面の養生はコピー用紙を光沢面にマスキングテープでかぶせて行なった。あまりきっちり養生しなくても問題なくきれいになる。
背景に扇風機が写っている。こるものさんの横溝密室みたい。
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TR車を別の方向から。
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で、中間車4両が揃った。
さて、先頭車はどうしたものか。あと屋根上のディテーリング。
今のところ、ノーアイデア。先頭部だけは紙粘土で作ったけど、うまくいくかどうか分からない。
運否天賦。
ともあれドア取り付け・窓張りの作業もまだある。
難易度高い作業が続く。
某氏には「プラで作ったほうが簡単じゃないの?」とツッコミを受けた。
そうです、そんな気がしてきました。
とはいえこうなったら後戻りは出来ない。何としても紙で作るしかないと追い詰まる。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(11)構体と屋根上の工作
E655系ハイグレード車輌・新お召電車「なごみ」制作。
とりあえず構体がある程度できたので、シャーシに連結器をつけ、構体受けに仮止めの両面テープをつけて構体を半固定する。
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で、一挙に屋根上も作ってしまう。
とくにE655系は走る変電所とも呼ばれる交直流電車なので、屋根上に高圧機器がどっさりある。
それをどう再現するか。
碍子はKATOのASSYという別売パーツで24個入りのモノがあった。テーパーしているので正確な再現ではないが、私としては致し方ないなと思った。本来なら銀河モデルのパーツに6段碍子などといったパーツがあったのだが、ショップに行くとぜんぜんなかった。
代わってあったのは完成品模型の行き先表示シールとか。やっぱり模型はつくるものではなく買うものになりつつあるのかなとちょっと寂しい。
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で、作ってみた。
碍子はプラパーツ、機器類は工作用紙の積層で作成。クーラーはInkscapeで展開図をデザインして、紙に印刷して組み立てて取り付け。
碍子の上の引き通し線はオーバースケールなのであえて今はつくっていない。これが主パンタ側らしいのだけど、走行写真を見るとこっち側はあんまり上げていない感じ。
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こっちがいつも上がっている補助パンタ側。まだまだ作りが甘いけど、めどが立った感じ。
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で、4両できた中間車を撮影。光量不足で暗いけど、しっかり光量を確保すると粗が見えまくりなのでご勘弁を。あまり悲しい思いをさせたくないのです。まだまだ調整中です。
しかも組みあがってから、あれ、窓がいっこ足りない、と気づくはめに。こりゃ1両もう一回つくるかな。
紙模型だから作り直しはそれほど難しくない。というより作りなおせばなおすほど留意点と経験値が積み重なってうまくいくので楽しいのです。
というわけでPicasaでアップ。今朝の時点のE655。
屋根上はこんな感じ。
で、よりによって工作に使っているちゃぶ台で餃子を食べることになるという恐ろしい事態となり、ブックケースに格納して退避させる。ラー油だのなんだのが飛び散って汚れたらおしまいである。
正直、心がボッキリ折れた感じ。フォト蔵は無茶苦茶だわ、嫁ユキさんが不調だわ、他にもいろいろありすぎる。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(13)前面の工作
まだ続いています、クラフトロボでE655系をつくるシリーズ。
ちょっと私事で触っていなかったのですが、それはもうひとつ、前面形状を作るため。
前面形状は基本的に流用できる前面用パーツがない場合はプラ板積層削り出しが定石だけど、あえて。
ダイソーの軽量紙粘土を使ってみます。
こればっかりはやっぱり紙の展開図では無理だろうと。
これはもう既に大まかな形は作ってあって、乾燥固化を待っていました。
で、嫁が「乾いたんじゃない?」というので、切削してみます。
結果は、うーん。
IMG_0655 posted by (C)YONEDEN 切削性は非常に良好です。サクサクカッターで削れます。
でも、ヤスリがけになると、ぼろぼろになる感じ。
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まあ、この上にラッカープラパテを盛って目止めする予定なので問題はないのですが。
嫁もフィギュアを作るのに使っていて、このぼろぼろになるのは分かっていました。
というわけで、曲がりなりながら順調です。
実車は写真で見る限りリップスポイラーっぽくなっていますが、それも再現できそうです。
というわけでもう少し乾燥させて、ラッカーパテを盛ってみます。
若干正確さからはケチがつくかなと思いますが、模型は心の表象ですから。
最終的には私の好きな655系になると思います。
で、この紙粘土を使ったのは、1つつみ100円という安さと、ものすごい軽量さ。
これだったらクラフトロボの側面と合体させてもシャーシバランスは崩れないかもと期待しています。
某氏も頑張って作っているわけですから、負けるわけには行きません。
がんばります!
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(14)前面の工作2
お召電車E655工作。軽量粘土で作った前面ブロックをラッカーパテで目止めしました。
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これが固化したら細部をさらにつくりこみます。
おまけ。
20年前に買った旧成田エクスプレス253系の写真。現在E655を製作する上でのサイズ参考にしています。
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結構ウェザリングしてあります。当時高校生だった私が手を入れてました。
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で、良く見ないと見えないけど、何気に乗客シートのヘッドレストカバーに色挿ししてあったりします。
暇だったんですね。なにやっていたんでしょうか。
貧乏高校生していたんですけどね。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(15)前面の工作3
お召電車E655系をつくる。
クラフトロボ工作のはずだけど、前面だけは軽量紙粘土にラッカーパテを盛って成形することにしてます。
その現況。
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こんな感じになってます。ラッカーパテが乾燥して第1次の削り出し作業。
でも前頭部はもうちょっと長くていいかな。でもこの合わせた側面は供試体なので、実際よりも寸詰まりになっています。
バランスを見るのも大事だから、なんとか工夫が必要だなあ。
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ラッカーパテでグレーに目止めしただけでうれしくなってしまう。それっぽくなったような気が。
スポイラー状のスカートも、写真では見えにくいけど形になってきました。
こういう小さなモチベーションを重ねて、プロジェクトは進んでいく。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(16)カット跡の処理とペーパー車輌作成のTips
嫁の入院準備に買い物に出かける。
医療費自体は保険とかでなんとかするけれど、入院はその医療費とは別の生活用品費などが困る。
結局母上に借金して、母上と一緒に嫁と買い物をする。
しかし生活用品や服などは独身生活なくニート生活のまま小説書いたりしてずるずるになってしまった人生のためさっぱりわからず、書店などで時間を潰す。嫁がずいぶん検討していたらしく、スムースに必要品が見つかったようだ。よかった。
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平台に2冊あった。例によって他の平台の本より低くなっていたので売れていたのだろう。
まあ私はAmazonで手に入れる予定。軽妙な文章が良い。こじらせた中二病というかだけど、でも中二の色が出ているところがかえっていいんじゃないかと思う。
ともあれ作者が自身の世界を存分に発揮した本というのはだいたい面白い。なんかマーケティングだの戦略だのより、自分という人間を押すことは自分という世界を表現することに尽きると思う。
バカげているところを本気で馬鹿げてやっているので、読んで清々しいいい気持ちになる。おすすめ。
そして買い物を終えて無事帰宅。
で、E655系のクラフトロボ工作。
実は気になっていたのが車体の切断跡。これが写真用紙なので当然真っ白で、他のシックな部分とあしきコントラストとなっていて気になっていた。
それをマジックで塗ってしまうことにした。
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屋根上。これが聞いて驚く手抜きぶりで、じつはInkscapeで作ったパターンをレーザープリンタでコピー用紙に出力したものを折り曲げて仕上げてしまった。
なんという手抜きぶり。でも他の方法を考えるとどうにもかえって工作の難易度が上がったりディテールが潰れたりする懸念があり、これで一応の暫定措置とする。
手で600dpiの工作などできるわけもなく、プリンタの性能におんぶにだっこでいこうという今回の工作の主眼通りです。
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で、側面の切断跡を塗ったことでこんなに全体が落ち着いた。
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あと、車体の支持法。
床面に小さなバルジをつくって車体を載せてと思ったのだが、車体側に爪楊枝をカットしたもので沈み込まないよう爪を作り、床下カバーにはまるようにした。
これは本当にこのままうまくいくかわからないので、もうちょっと落ち着いてからご紹介しようと思う。またしても手抜きかもしれないけど、合理的な方法を探すのもまた工作の楽しみ。
逆に呆れる苦労をするのも楽しみ。地獄のような、どうやってつくろうかと途方にくれるのも楽しみ。
工作って、そういうところが楽しいのです。
ただ、それはプリンタやクラフトロボがあるから、なんども失敗できる。
失敗を踏んだ数だけうまくなっていくのもまた楽しいところです。
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クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(18)ついに前面が形になる
調子にのってやってしまった。
試験のはずなんだけど、車体と前面をつないでみる。
前面のスカートも切り離して分離し、シャーシ側と構体側に分ける。
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微妙に写りの悪い写真を使うのがチキンなところです。もうちょっと煮詰めたい。小2・3日煮詰めたい。
でも、こうして形になると楽しいです。
今日はこれを眺めながら、のんびりしようかな。
塗膜は厚塗りですが、いずれ研ぎ出してみたいなとか。
まあ、いいやね。
しかし本当にヨネタ顔というか、私の顔つきだなあ。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(19)最後の戦いを前に
E655系制作、最後のの戦いに近づく。
クラフトロボで先頭車側面を作り、塗装。
車体は全てクラフトロボカット紙折り曲げシングルスキン構造。
前頭部のブロックは塗装がブドウ色2号だったので色が合わないのだが、まあ楽しくつくろうということで。
しばらくしたら合間を見て塗料を買いに行くつもり。
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とはいえTR車入り6連が出来上がりました。
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朝日を受けて。
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5号車の屋根上。もうちょっと手を入れると思う。
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こんな感じです。まだまだアップは禁止ということで。
実は運転室窓をかなり大きくつくってしまい、その後始末も大変でした。
これ、黒いところは紙で貼ってあります。展開図なしに現物合わせで紙を切って張り、黒に塗装。
泥縄式工作、そろそろ終わりそうです。
さて、これで動力がちゃんと動いてカーブが回れるか。
やばし。
クラフトロボでNゲージのお召電車を作ってみる(20)前頭部の調色、そして竣工
E655系(というと異論が出そう)の工作。
側面をクラフトロボで切り抜いたインクジェット印刷光沢紙でシングルスキン構造に作るという方法でやってきたけど、前面は紙では作らず軽量紙粘土・ラッカーパテ整形で作った。
しかしこうすると前面の色が問題になる。インクジェットと同じ色にしなければならない。
はじめブドウ色2号で塗ったのだが合うわけもなく。
というわけで塗料を買出しに行く。
帰宅して調色開始。
すると、私RGBの人なんで、CMYKの仕組みがわからない。
だからブドウ色に混ぜてしまい、どんどん黒くなる。(RGBだとどんどん白くなるけど)
ところが偶然持っていた近鉄マルーンにわずかに黒とブドウ色を混ぜてみたらいい感じ。
さすが専門教育を受けた嫁のアドバイス。助かった。
というわけで塗装。
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ちなみに塗装でうすめ液をけちってガイアノーツカラーを水で洗おうとして大失敗したのは秘密だ。(みんな絶対マネしちゃダメだよ!)
あとで実家の工房にうすめ液分けてもらいに行こう。
でもいい感じに仕上がってきた。
ついでにこんな物も作った。
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日章旗。Youtubeにはこれを取り付けるときの職員さんが一礼するシーンがある。
というわけでぞんざいに扱えないのでグリーンマックスのパンタ用の小さなプラ箱をうすめ液で拭いてシールを剥がして綺麗にし、収め箱を作る。
で、いつものように竣工記念日を記したブックケースカバーを作り、ほぼ終了。
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日章旗掲揚試験も実施。
これで作成作業はほぼ完了。次は試運転、公式試運転と進めていく。
E655系Y編成の試運転を行いました。
軽微な調整がありましたが、ほぼトラブルフリーに終わりました。
しかしまだまだもっと頑張るところもあると思っています。
まあ、工作とはそういうものだと思っています。
E655(Y編成)中間試運転。
順調に走りこみを続けています。
で、ヘッドライトをどうしようかななどと考える。
本物のE655のヘッドライトがかなり明るいので、必要かななどと。
でもチップLEDの配線は勘弁。
どうしたものかとじっと手を見る。
E655系Y編成試運転。
いつもペーパー車体の難点が、シャーシと車体をきっちり結合すると走行性能にトラブルが起きること。
それはシャーシだけだったらねじれ剛性とかに柔構造で耐えられるのだけど、車体を付けると剛性が上がって、逆に線路への足回りの追従性能が落ちるのです。
これは毎回ある最後の関門。
対策としてはウエイトを取り付けることとか、台車のヨー変化追従性を上げること、そして車体の合いを確認するのが基本。
で、無事それができました。やっぱりKATO小カント-小カントのS字はきつい。でもかなりスムースに通過できるようになりました。
ウエイトは板鉛を思ったけど、実家で小釘をもらってまとめてシート状に接着することで解決。
父母の仕事場でやりました。父母も工芸の仕事中。
一緒にやりながら色々と話したけど、それはまたそのうち。
テーマ:クラフトロボ工作 E655Y編成、ほぼ完成。
というか、これからも手を入れていくけど、とりあえず別のことをする。明日ちょっとイベントに出展するので。
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こんな感じ。
リクエストにお答えして、とりあえず横から撮影してみました。
夜間の室内撮影で光量が不足しているため、GIMPのトーンカーブで調整してあります。
よく考えると左右が違っているとかありそうですが、まああくまでもY編成ですので。
あとで直すこともできますので。
クモロE654-101
モロE655-201
モロE654-101
特別車両E655-1
モロE655-101
これにKATOのフライホイール動力が取り付けられています。
クロE654-101
こんな感じです。いかがでしょうか。
で、クラフトロボ製E655系について。
資料が集まれば集まるほど、不出来に思えてならない。
E655「なごみ」を名乗れないとまで思いつめる。
そこで。
IMG_1026 posted by (C)YONEDEN
というわけで今朝撮影したE655-500ゆたかの写真。
ほぼ作業は終了、近日中に貸しレイアウトでの公式試運転へ。
北急電鉄では、JRのE655系ハイグレード車両、お召し運用を行える車両の予備編成・「Y編成」の公式試運転前の運転試験が行われていた。
お召運用列車の指定事業者記念運転に向けての試運転だった。
もともとE655系はJRにあり、お召運用車両として指定されながら、ジョイフルトレインとして臨時列車にも利用されている。
そしてその予備編成を作るに当たって、JRはE655系をもう一本増備することに難色をしめし、そこで指定事業者制度を利用して事業者を募集し、そこに北急電鉄が名乗りを上げたのだ。
旧国鉄系とは異なる初めてのお召運用車両の保有として、話題になった。
北急では米田重工と協力し、その建造にあたってきた。
そして構内試運転も順調にこなし、ついに本線試運転が始まったのだ。
その試運転のマスコンは運転甲組の若手、来嶋運転士が握る。
「あっ、お召だ」
「JRの尾久で見たのと同じだ」
Y編成は通過駅で多くの羨望の目と声を集めながら、通過線を通過する。
来嶋も晴れがましさを感じながらも、もはや先輩の梅沢機関士から命ぜられてEH510の運転士シートカバーを外したやんちゃな頃からは違ってきた自分を感じた。
そしてそんな乗客が鈴なりのとある駅を出たときだった。
来島は突然、ハッとしてマスコンをぐっと押しこみ、非常制動をかけた。
その後でシステムの警報音が鳴り響いた。Y編成の自己診断システムが作動したのだ。
突然の停車に駅の乗客達がのぞき込む。
その視線の集中のなか、来嶋が業務用携帯で救援要請を行った。
やってきた検車区の検車係が、車両点検を行った。
「思ったより大きな故障だ。こいつはいけない。自走不能だ」
検車係が顔をしかめて、考え込んでいた。
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結局、運転指令所との連絡の上、試運転を打ち切って帰還することになった。
救援にやってきたのは機関車EF510 600だった。
「一歩間違えば大惨事だった」
検車係が来嶋に漏らした。
「脱線の危険もあった。しかしよく気付いたね」
来嶋はそれでも顔がこわばったままだった。
危機は回避できたが、北急電鉄では、みなそれぞれの持場で、お通夜の雰囲気のように、沈んだ。
「記念運転は危険がある。
特別な任務、普段と同じはずが、同じにできない。
技量を積めば積むほど、それができない。
だがそれを、JRは毎回無事にやっているんだ。
JRにはその国鉄の、菊と動輪のころの、よき文化が現場に今なお息づいている。
それがJRの本当の資産なんだ。
北急もまだまだと言わざるをえない」
指導機関士である梅沢が、皆にそう言いながら、無念の表情を見せた。
保線区が総員で冬の雨の線路で点検を行っていた。
Y編成の故障に関連する部品脱落の可能性が残っているためだった。
降っている雨が、雪へ変わった。
散々なホワイトクリスマスとなった。
家に帰れないものも多かった。
電力区でも、その異常事態時の原因不明の電圧変動について、調査が行われることになった。
「でもうちは関係ないですよね」
若い電力区の新入りが溜息をつく。
「そういう考えは間違いだぞ。安全という使命を持ち、事故防止のために職責を超えて一致するのが鉄道だ。しっかりやれ」
職長が叱責する。
その間、問い合わせの集中する本社にも、クリスマスケーキの差し入れがあった。
そのマジパンのネームプレートには、「安全の使命のために・2010」とあった。
皆で手づかみで食べながら、仕事にあたる。
そこに着替えを持ってくる鉄道員の家族の姿も多かった。
一報を聞いた周遊中の北急の誇るブラウンコーストエクスプレスでも、クルーが不安がっていた。
「明日の新聞に載るでしょう。ツイッターでも拡散する。
情報は必然的に拡散する。それをどう処理するか。
漏らさないというのは大事だけど、漏れることの制御が必要ね。
隠蔽してはいけない。しかし適切な広報は必要ね」
チーフアテンダントが、続いて「まず調べは専門の部署に任せて、私たちは私たちの仕事に専念しましょう」と添えた。
ブラウンコーストエクスプレスはクルーズを続けた。
北急電鉄の樋田社長は、北急本社の質素な執務室で、苦しんでいた。
経営の浅知恵とわがままで、現業部門に迷惑をかけた、と感じていた。
そこに秘書がコーヒーを入れて持ってきた。
「北急電鉄の創業に関わった私の祖父もいつも苦しんでいました。
こういう時は現場第一です。
行きましょう、現場へ」
樋田は肯き、コートをとった。
相模大川には北急の車両基地があり、工場や運行管理センターが集中している。
そこについた社長は、報告された事情をまとめた。
そして、口を開いた。
「この問題が拡大拡散する前に、我が社は、お召し列車指定事業者の指定を自主的に返上しようと思う」
皆がうなだれを深くしたその時だった。
「ちょっと待って下さいよ!」
来嶋がさけんだ。
「こんなにみんなでがんばって、それはないでしょう。
機関車にも電車にも命がある。
原因も解明せずにその命運を奪うなんて、車が可哀想だとは思いませんか?
走らせましょうよ、原因を解明して、それをクリアして。
私たち鉄道員はひとつの魂になっているんです。
それが、このままではばらばらになる。
記念運転どころか、普段の運転だってうまくいかなくなる。
未だ結論を出さないでください。
もしお召に使われないとしても、Y編成の魂を受け止めるんです。
あのとき、Y編成の悲鳴が聞こえた。
気のせいかもしれないけど、私はそれを信じる。
罐の、車両の声を聞き、信じて運転するのが運転士なら、その声を聞いてなおしてやる仕事も、気分良く走らせるために電力を与え、線路を支え、お客様をごあんないするのが鉄道じゃないでしょうか。
中途半端で終わらせてはダメです。絶対に」
社長は頷いた。
「だが、時間は間に合わない。試運転が歳末に重なる。あまりにもリスキーだ」
そのとき、皆が口にした。
「終夜運転を縮小すれば筋ができますよ」
「そうです、終夜運転を縮小する会社も今はいっぱいありますよ」
「他にも工夫ができるはずです!」
「その準備の運用をつかえば、それまでの原因究明と解決、そして試運転もできます」
「やりましょうよ。Y編成の魂を、蘇らせましょう!」
社長は、苦悩のまま、立ち尽くしていた。
雪は降り続け、保線と電力のみなは、点検と防雪ヒーターの調整にさらに忙しく働いていた。
IMG_1028 posted by (C)YONEDEN
そのなか、Y編成が相模大川の工場に戻ってきた。
「耐久レースのピットと思えばたいしたことないですよ」
みなが明るい顔を作って、異常の調査に入った。
北急電鉄の長い夜が、始まった。
■<続く>
しかし本当にレンタルレイアウトでこの足回り故障が起きたのには冷や汗が出ました。
部品脱落を心配しましたが、それは解決したのですが、参りました。
単純な原因としては台車のセンターピボットのネジが外れたというものですが、あとで家で試運転すると時折原因不明の脱線が発生します。
車体剛性がさらにやや上がっているので、軌道のS字部分のねじれへの追従性能が落ちているのかもしれません。
どうしたものでしょうか。
「しかしたんなるボルスタレス台車の牽引装置の異常と思っていたが」
工場主任がY編成の足回りの調査結果をみてため息を付いた。
「剛性が上がることで下がる走行性能もあるんですね」
若手エンジニアが続ける。
「そうだな。ねじれや曲げが車両にはかかる。それを米田重工はシングルスキン構造で作った。
他のE655系派生形式はその点、従来メーカーの足回りを採用している。
だが、米田重工はJRの採用しなかったシングルスキン構造にこだわった。
それは重量の増大する防弾装備を持つ特別車両の走行性能・安定性そして乗り心地向上、そして製作工数を圧倒的に低減すると企図した野心的な計画だった。
だが、野心と失敗はトレードオフだ。E655に準ずると言いながら、中身は完全に別物だ。
しかしそれは、これからの車両のスタンダード、次世代車輌を開発する目的もある」
「野心的すぎやしませんか」
「北急はSE、LSEとJRや国鉄も一目おくような車両を作ってきた。それが北急の進取の気風、伝統だよ」
皆が忙しく装置の取り付けを行なっている。
「だから一部の車両にはE型環状固定具を取り付けている。その車両は問題なかった。
たしかに未知の事故だ。
しかし、絶対に解決できる。
いや、解決するんだ」
「剛性とのバランスはどうつけます?」
「なかなか大変だが、鉄道総研から研究結果をもらうことになっている。
総研さんも必死だよ。シングルスキン構造は総研さんも入れ込んでいたからな。
それが解決したとしても、試運転ダイヤの確保だ」
そのころ車両運用課は激論の渦だった。
「歳末で輸送力は限界まで使っています。その上に試運転列車の入る余裕などありません」
「他社からの乗り入れ列車の運用も必要以上に複雑になります。無理です」
ダイヤの案を表示する新採用のプロジェクタを見ながら皆が悲鳴をあげる。
「おい」
黙って聴いていた課長付きのベテランが、気付いた。
「このダイヤのスジ、忘れているだろ」
皆ははっとした。
「これ、荷物電車の」
「ああ。北急には大昔、荷物電車が走っていた。そのダイヤが盲腸のように残っている」
「でもそれは去年の自動ダイヤ生成システムへの置き換えでなくなったと思っていました」
「あるんだよ、それが」
皆が押し黙った。
「なぜ残ったんだろう」
「さあな。我々も条件を設定し、自動作成させたダイヤだ。遅れが生じた場合にもスジ屋と呼ばれる技能職がいなくとも代替ダイヤを自動生成するシステム、 HMDSが、どうしてもこのスジだけを残した。なぜだかは不明だ。ただ、HMDSはすべての列車の性能や線路の条件を自動計算する」
「まさか」
「ああ。何らかの必然があったんだろう。我々にもわからない。それは決して誰かが仕掛けた時限爆弾的なものでもなく、遺書でもない。計算の結果出た、必然だ」
「ということは、この北急の線路上で、幻の荷物電車が」
「ああ。幻の電車のために、これまでの1年間、北急の統合運行システムは進路を開け続けていたんだ。誰も乗らず、誰も運転せず、何も走らないのに、実際の『何か』が走っているように、信号も分岐器も動いていたんだ」
みな、ぞっとした。
「まさかとは思ったんだが、本当だ」
「ええ」
駅務部門との連絡係が添えた。
「たしかに、何も通らないのに、青信号が赤になり、そのあと閉塞信号のとおりに注意、減速、緑と変化するのを見たことがあります」
「まさか、幽霊電車?」
「さあな」
ベテランはそう言うと、タバコを探すように手を動かし、室内の禁煙標示にあきらめの顔を浮かべ、ふうと息を吐いて席に戻った。
「そういうのは雑誌に任せておけ。ただ、HMDSは、これを予期していたかもしれない」
「魂、ですか」
「そうかもしれないな」
鉄道事故は警察交通課と国交省事故調査委員会が検討する。
それに鉄道総研の技術者も加わる。
故障部分を直したY編成が構内試運転を行う中、その皆が測定機器を見ながら、事故状態を再現させようとする。
「もともと連結器が伸縮連結器であることで問題が生じているのか」
「かもしれん。連結器の胴受けから台車のセンターまでが長すぎるとか」
「うーん」
そこで鉄道総研が異常状態の再現に成功した。
「おそらく車重が軽すぎたんでしょう。
一般の他メーカーの先頭車は33g程度ありますが、このペーパーシングルスキン車の車重は13gしかありません。半分以下なんです。
ですから軌道にケられて脱線を起こすのでしょう。
ウエイトとウエイトになる機器を搭載すれば大丈夫ですよ」
早速構内試運転が行われた。
「クリアした! R282のカント付きのS字カーブ、クリア!」
北急大川工場の皆が歓喜した。
「これで、本線試運転は大丈夫だ」
抱き合う工員たち。
その中には鉄道総研も、米田重工のエンジニアも、そして樋田社長たち経営のみなもいた。
しかし、そこに構内放送がなった。
「樋田社長、国交省鉄道部長からお電話です」
樋田は業務内線用PHSで電話を代わった。
そして、その表情が、みるみる曇っていった。
「お召運転指定事業者の指定が、取り消される」
みな、言葉を失った。
「このような重大事故を起こしておいて、なにが指定事業者ですか」
国交省副大臣室で、運輸監察官・塩野が樋田をなじる。
「説明はどうあれ、お召運用どころか、ジョイフルトレインとしての運行も考えものですね」
樋田はうなだれていた。
「しかし樋田くん、君はM&Aの覇者と称されるほどの冷徹なハゲタカ、首切り屋だったのに、なぜそんなに北急に入れ込むのかね。
利益率のいい会社にするには手が甘いようだが」
国交省副大臣が太った身体を椅子に預け、せせら笑うように言った。
「それとも今流行の鉄ブームにでも載せられたのか」
その時、樋田は目を上げた。
「ブームは関係ないです。
ただ私は、一般企業と比較しても、鉄道運輸の世界は特殊なだけではなく、普遍的な知恵の集まりだと思うからです」
「ほう」
副大臣は鼻を鳴らした。
「私は、鉄道員の中に入りたい。あんな立派な人々とともに暮らし、それを守りたいんです」
「でもどうやら君には冷静さが感じられないな。所詮運輸ではないか」
「されど運輸です」
樋田は噛み付いた。
「この件は事故調と共に検討します。追って沙汰します」
樋田は悔しげに歯を食いしばり、そして頭を下げ、副大臣室を辞した。
「こんなことには私も耐えられません!」
樋田が出ていった後、苦しげに塩野監察官が言葉を吐き出した。
「塩野くん、この件は北急の背後のファンドとの関係を考えるようにといったはずだが。
北急を締め上げろ。そう言った。
はっきり言った。
北急は我々のじゃまだ。
北急のこのスキャンダルで、さまざまな他のスキャンダルを隠せるのだ。
政治資金もそうだ。何がコンプライアンスだ。
政治にはカネがかかる。いまさら言わせるな。
そして中国との関係。
中国に投資した資金が戻らなかったらどうなる。
あの忌まわしい動画漏洩で我々がどれだけの損をしたか。
一衣帯水だ。君も状況を理解したまえ。
北急を締め上げろ。次の国交省参事官の席があく。
君の理想とする鉄道は、そこで実現するんだ。
わかったな」
塩野は拳を握ったが、どうにもならなかった。
相模大川の基地では、樋田社長を皆が慰めた。
「いいですよ、お召運用がなくても。
Y編成を走らせましょうよ。もう問題はほぼ解決したんですから。
十分やりましたよ。あとは我々の仕事です」
平然と来嶋は笑った。
「Y編成は、死にません。よみがえるんです」
多くのものが、栄誉を失ったことに失意だったが、しかしE655Y編成の試運転が再開されることだけでも喜んだ。
それは代々木上原だった。
「4番線を試運転中のハイグレード車輌が通過します。黄色い線の内側に下がってお待ちください」
ノリの良い駅員のアナウンスに、おおっ、と帰宅中のホームの乗客たちがどよめく。
そこにY編成がゆっくりと侵入する。
運転するのは来嶋運転士だ。
来島は、羨望のまなざしを浴びながら、Y編成を慈しむように運転した。
そして、そのまなざしに答えるように、補助警笛、ミュージックホーンを鳴らした。
ホームは更にどよめいた。
そのなかで、一人の男が携帯電話を使った。
『何を言うんだ! バカな真似は!』
その電話の相手の狼狽を無視して、彼は携帯を切って、極光沢のY編成の姿に見入っていた。
「樋田社長、ご面会をご要望の方が」
「通してくれ」
樋田は北急本社前を通過する列車を眺めながら、普通に答えた。
だが、次の瞬間、ぎょっとした。
「辞めました、国交省」
そこにいたのは、塩野だった。
「あそこにいても、鉄道の為にできることなんてない」
そのまま、秘書が二人にそっとコーヒーを入れた。
「でも、キャリアとしての経歴が」
「悲しいですね。私にも、あのY編成の声が聞こえてしまったんですよ」
塩野は笑った。
「車両清掃だろうが基地のトイレの清掃だろうが、何だってやります。
北急の一員になりたい」
樋田は頷いた。
そして、その時、秘書が駆け込んできた。
「社長! これを」
《 政治資金もそうだ。何がコンプライアンスだ。
政治にはカネがかかる。いまさら言わせるな。
そして中国との関係。中国に投資した資金が戻らなかったらどうなる。
一衣帯水だ。君も状況を理解したまえ。》
『以上の投稿がネット動画サイトに投稿されました。
現在国交省では漏洩の経路を捜査していますが、同時にこの疑獄隠しについて、野党を始めとした各勢力が追及を始めております』
「国交省でまた漏洩?」
「皮肉な話ですよ。あの国交省のもとの海上保安庁の尖閣諸島動画漏洩事件をうけて、さらなる漏洩防止のために作った省内監視システムの動画がアップロードされたんです。
誰がやったかわかりませんが。
ただ、正直、1年ちょっとの実刑は覚悟してますよ」
樋田は驚いた。
「あんな当事者能力のない連中と一緒に何が出来るか。何もできません」
塩野はそう言い、吐き捨てた。
「事故調査委員会も海上保安庁も含めてみなこうして必死なのに、国の中央は馬鹿げた政争に狂奔している。
この国を変えるのはもう政治家じゃない。
現場でがんばっている、国民の皆です。
それを私は北急に見ました」
樋田は頷いた。
「でも、悔しい」
樋田は続けた。
「走らせたいよ、もっと。
あんな堂々と走っているY編成が、黒歴史になるなんて」
「そうですか?」
塩野は微笑んだ。
「えっ」
同じ動画を、もうひとつの場所で見ている人々がいた。
「そうか、君は乗ってみたいのだね。
警備の皆に迷惑をかけまいと思っていたが、ここまで頑張る人々の気持ちを裏切っては、いけないね」
北急本社では、樋田社長と人事部の検討が始まっていた。
「うちの会社、安くてきついよ」
樋田は笑ったが、塩野も「望むところです」と頷いた。
「そうだ、それでこそだ」
その時、社長秘書が電話を取り次いだ。
「社長、お電話が」
「誰から」
普段冷静な秘書が、動揺していた。
「え、それが」
彼女は息を整え、告げた。
「皇宮警察警備1課からです」
E655 500番台(Y編成)「ゆたか」の国旗掲揚試験と撮影。
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ちょっと望遠で圧縮効果。
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編成ものは出来上がると独特の喜び。
IMG_1071 posted by (C)YONEDEN
ちょっと上から。
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反対側から。後ろのサイバラマグカップなどは気にしない方向でお願いします。
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そしてその2に続く。