8月6日(金)マラッカの夜も暑かった。われわれ渡航団は毎夜、中心地の屋台街で食事を求めた。このエリアの屋台は金曜日の夜になると、どこからともなく無数の屋台がやってきて、メインの通りを埋め尽くす。その通りの突き当たりには大きなステージがあって、地域住民はカラオケなどを楽しんでいる。
そのエリアに一軒の屋台の前に、その夜は陣取った。美味しそうな麺類の写真が並んでいて、その店で注文することにした。
そして、この親孝行な少年は、おかあさんと一緒に、テキパキと客からの注文を捌いている。ある時は茹で釜に麺を放り込み、寸暇を惜しんで洗い物をしている。おかあさんが注文された品を客のテーブルに届けに行くと、しばしばひとり残された少年が、不安げにあたりを見ていた。ひとりの時に注文を受けることもあった。大丈夫だろうか? われわれは少年が気になっていた。しかし、少年は、戻ってきたおかあさんに注文を伝えると、すぐさま洗い物に取りかかった。
いいぞ!少年!
われわれは心中で少年に声援を送りながら、辛い麺とビールを口に運んだ。
あの少年は、この週末も麺を茹でているのだろうか?(佐藤)