7月31日。マレーシアでの滞在にも慣れ、昼間は個々にKLを散策したり、ホテルでのんびり過ごしたりしていた。
この日のメインイベントは夜からだ。
ライブパフォーマンスの開始は夜8時30分。パフォーマンスをする田中と中村は、夕方から会場のナショナルギャラリー(BALAI)で準備に入った。前日の機材チェックで不備があったりして、準備に少々不安も感じていたが、さすがに経験豊かな二人、何とかなるさ!と開き直ったような落ち着きを見せていた。
美術館前の広場には夕方から屋台が出ていた。週末になると市内の様々な場所で、このような屋台が設置され、街の人達で賑わうらしい。1年中週末になると屋台が出るなんて…日本では考えられない。
ここで、軽く腹ごしらえして、いよいよ本番だ。
最初のパフォーマンスは、中央の顔が描かれたテントの中に映像と音のコントローラーがいて、それをはさみ、演奏者が3名。その中1名がリーダーとなって演奏が繰り広げられた。
2番目は、中村明子のほぼ単独パフォーマンス。(大江が映像の出力補助をした。)
彼女は、前日に手に入れたマレーシアでとてもポピュラーだといわれる映画のDVDを使った。
クラシック雰囲気の白黒映画だ。登場人物がマレー語で会話する場面がスクリーンに投影され、その映像にアフレコを入れる感じに中村の声が流れる。中村は耳で聞こえるがままにセリフを発するのだが、当然マレー語を理解する人が聞くと奇妙な言葉に聞こえる。会場は大爆笑していた。その面白さを、日本人の我々が共有しきれないのがちょっと残念。本当に大笑いしていたからなあ…。
3番目は田中廣太郎、シュウワイ、ヤンセン、数名のパフォーマーによるもの。
シュウワイのボイスパフォーマンス+ヤンセンのサクスフォンの音の中でダンサーが舞う。田中はアドビのイラストレーターを使用してイメージを作っていく。音があるのだが、なぜか静寂を感じるパフォーマンスだった。
4番目は、So Soundというグループ。仮面やかぶり物をした、奇妙な覆面パフォーマー達による演奏。キーボード系の楽器を中心に、ギター、パーカッション、笛などの音が加わり、ロックのようなパンクのような民族系のような、ダイナミックで野生的な演奏が流れる。大地を感じるパフォーマンスだった。
ラストは、カマルを中心としたスペースガンバ(Space Gambus)というグループ。
冒頭、服部かつゆきの詩吟風パフォーマンスから徐々に静寂が解かれ、民族楽器からコンピューターまで、幅広い音色が流れ出す。ヌルハニムも黒子のようなスタイルでギター演奏をしている。
さざ波が嵐の波に変化して行くように、徐々にうねりながら音の世界が大きく膨らんで行く。田中の映像も、演奏者を映した風景から、不思議なエネルギーが生まれ育つようなイメージへ変化する。そこから生まれた力を暗示するようなパフォーマーの姿がスクリーンに現れると、会場全体に、音と光の力強いエネルギーが渦を巻いたような感じになる。最後はSo Soundのメンバーも加わり、パワー全開状態に。
この臨場感、言葉で表すのは無理です。とにかく素晴らしい夜でした。
ライブ終了後は皆で記念撮影。
カマルの仲間達の爽快な笑顔印象的でした。
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