レセプションを終えると、参加者がギャラリーに向かった。
ギャラリーの入り口では、館長がまた、サインをしている。僕もサインをさせられるのかと思ったが、それはなかった。
館長は、瀧健太郎のインスタレーションの前で立ち止まった。
ヌルハニムのインスタレーションを眺める一行
参加者がひと通り作品を見終わると、再びレセプションの会場に戻った。
久貝さんが駆け寄ってきて、「佐藤さんはあのテーブルの中央に座って下さい」
「ええっ! 僕だけこのテーブルですか?」「そうです。プレジデントですから」と淡々と答えた。
他のみんなは、アーティストテーブルに座っている。
全然くつろげない。目の前には真っ赤なのみものが並んでいる。あー、早くビールが飲みたい。
しかし、僕はプレジデントだ。思い直して周りの人達と名刺交換などをこなした。
隣にいたMDECの副社長は日本のフィルムコミッションについて聞いてきた。何度か来日していて、日本映画が好きなのだそうだ。
やがて、少しずつ参加者が席を立つ。終わりが確実に近づいてきた。
甘くて赤いジュースを飲みながら、少し安堵していた。
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