マレーシアに到着してすぐ、日本代表チームの隊長、佐藤博昭に異変が起きていた。
いつものなら、酒の席で誰よりも飲んでベロベロになる彼だが、到着したその晩は、ビールに口をつける程度で、とてももの静かなのだ。日本での泥酔ぶりを知るシャロンも、その異変に気付いたようだ。
翌日の晩は、なんと!ジンジャーエールを注文。長年つきあいのある妻でさえ、このような光景を目にすることは無かった。彼は「酒飲めない病」になっていた。
酒の席で、ソフトドリンクを飲むという前代未聞の姿を披露する佐藤。
当時、佐藤は、水を飲むだけでも喉がカーッと痛む状態であった。原因は風邪。扁桃腺が腫れていたらしい。
マレーシアに到着する1週間ほど前から、東京は猛暑が続いていて、冷房がないと眠れない状態が続いていた。
出発前夜、寝ぼけた状態で寝室の冷房の温度を下げたため、薄着で毛布をはだけた佐藤の体は一気に冷やされ、最悪の状態へと陥ったのだった。
その後、心配したシャロンが買ってきてくれた、抗生物質の薬と喉を冷やすというドリンク(サイの絵が描かれたボトルに入った透明の液)のおかげで、彼の喉はグングン回復。ペナンに着いた頃には、呑んべい博昭の姿を取り戻していた。
Sharonが買ってきてくれた不思議なドリンク。
ドリアンを食べて火照った喉を冷やすのにも良いらしい。