帰化に関するQ&A

更新:2021年8月


Q1:帰化後、日本の国籍はどうなりますか?

:日本の国籍法第11条によれば、「自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とあり、自分の意思で外国に帰化すれば日本の国籍は喪失することになります。しかし現状では、台湾への帰化については、日本政府へ提出した「国籍喪失届」は、受理されないので、日本の国籍は喪失しません。その結果として、現時点では、二重国籍となります。

将来的に、台湾の政治体制と台湾と日本の外交関係が現状のままであれば、二重国籍を維持することができます。しかし国情の変化により二重国籍を維持することが困難になる可能性があるかもしれません。ご留意ください。なお、2003年に「国籍結婚を考える会」が各国の駐日大使館に対し実施した各国の「国籍法」調査に対する中華民国からの回答の中で、現状では中華民国に帰化した日本人について日本政府に通知することはないと述べています。

Q2:帰化と永久居留証では、何が違うのですか?

:帰化は国民になることです。その結果、国民として保障されている権利と果たさなければならない義務を有することになります。永久居留証の取得で、一定の条件を満たせば、台湾への永住が許されますが、あくまでも外国人として取扱われます。帰化の場合は、国民の身分を取得することですので、例えば、国外で生活したとしても国民として取扱われます。

両者で大きく異なる権利は、参政権です。帰化すれば国民として参政権を得ることができます。また財産権では、外国人に制限されている山林や狩猟地などの所有権を得ることができます。一方国民になると男子については、現行法では満18歳の翌年の1月1日から満36歳の年の12月31日まで兵役の義務が生じます。

参考:居留、永久居留、帰化の比較

Q3:帰化申請して戸籍登記が完了するまでの期間と手数料はどのくらいですか?

帰化申請資格の有無の確認 → 帰化申請提出(手数料1200元)→1ヶ月未満で「帰化中華民国国籍証明」(帰化国籍許可書)取得 → 即時に「台湾地区居留証」取得(1000元)→ 満365日、2年間で毎年9か月または5年間で毎年183日以上の滞在で「台湾地区定居証」取得(600元)→ 即時に「戸籍設定」(戸口名簿30元)→「国民身分証明書」取得(50元)。

「台湾地区居留証」(有効期間3年間、条件により更新可初回から計5年)を取得後、連続居留1年、あるいは連続居留満2年かつ毎年の居住270日以上、もしくは連続居留満5年かつ毎年の居住183日以上の条件に該当すれば、「台湾地区定居証」を取得して、戸籍登記をして、帰化の全ての手続が完了します。

結果として、帰化申請から戸籍登記まで、早くて1年余りかかります。この場合は1年間出国できません。出国する場合は、2年または5年余りかかります。出国する場合は、仮パスポートを申請取得すれば出国できます。戸籍登記が完了すれば、正式にパスポートを取得できます。行政に対する手数料の合計は、2880元(国民身分証の取得を含む)です。

Q4:帰化完了後、日本への帰国や外国旅行ではどのようにパスポートを使用すればよいのでしょうか?

:重国籍を有する子供の場合と同様、台湾への出入国には中華民国のパスポートを、日本への出入国には日本のパスポートを使用すれば問題はありません。第三国への渡航の場合、各自都合のよいパスポートを使用することになります。日本のパスポートを使用するメリットは、観光の場合、ビザの免除の国が多いことです。

Q5:帰化申請の際に証明すべき財産は何ですか?

:「国籍法施行細則」第5条では、相当の財産あるいは専門技能を有する者として、過去1年間に毎月、労働部公告の最低賃金の2倍の収入(約48000元)がある者、あるいは不動産および動産総額500万元以上を有する者、その他内政部が認定する者がこれに該当するとしています。但し、国民の外国籍配偶者あるいは子女の帰化申請に必要な財産証明については、現在一定金額の証明が不要となり、かなり緩和されています。

 帰化申請手続き/財産証明あるいは自立(生活保障)に足る証明 ご参照。

Q6:帰化のために試験がありますか?

:2006年以降は、言語能力の証明の提出が必要です。現在、その証明には①「外籍配偶歸化測試」(帰化試験)の合格証明書、②台湾国内の公私立の学校で一年以上就学した証明、③国内政府機関が開設した課程への受講時間数または累積時間数が 一般帰化者は200時間以上、特殊帰化者である国民の外国籍配偶者、国民の外国籍配偶者でDVにより離婚して、かつ再婚していない者などは72 時間以上あるということの証明、のいずれか一つを提出する必要があります。

内政部戸政司

Q7:帰化後の氏名は?

現在、日本の氏名が台湾で使用されている文字を使用しているのであれば、中文式の姓名にする必要はありません。帰化国籍許可書取得後に外僑居留証または永久居留証を移民署に返還して取得する 台湾地区居留証の名前も日本名のままです。帰化後も以前の居留証(永久居留証)に記載していた日本式の漢字名のままで戸籍登記ができます。ただ、最近帰化許可を取得した会員によると、姓として使用できる漢字に日本の本名の最初の文字がなかったため、夫の姓を一文字加えて姓名(全部で5文字)としたとのことです。

Q8:「国籍喪失届不受理証明書」の提出は帰化申請時に必要ですか?

:国によっては、帰化申請時に「原国籍の喪失証明書」を提出するのが難しい場合があるので、帰化許可後1年以内に提出することができます。日本国籍については、台湾に帰化することでは日本国籍の喪失ができないので、日本の「国籍喪失届不受理証明書」(または「国籍離脱届不受理証明書」)を取得して提出することになります。帰化申請時に必要書類とともに日本「日本国籍喪失届不受理証明書」または「国籍離脱届不受理証明書」)を提出して帰化申請することもできますし、帰化許可後1年以内に提出することもできます。