更新:2024年12月
A:できます。法定財産制の夫婦の場合、夫婦の一方が死亡、離婚、婚姻取消、約定財産制の変更(民法第1010条)をした時に、夫婦の一方が剰余財産(残余財産)の多い方に対して、剰余財産の差額の2分の1を請求することができる権利が剰余財産差額分割請求権です(民法第1030条の1)。
A:自由処分金は、夫婦が同意して、家庭生活費用以外に、夫婦経済の自由および結婚生活の調和を保つ為に夫または妻に与えられるべき金銭です。一方、家庭生活費用は、夫婦が共同生活を維持するために必要な経済力、家事労働等で、夫婦共同で負担すべきものです(民法第1003条の1)。自由処分金は、法定財産制のみに規定され、あくまでも夫婦の同意によるもので、請求権はありません。家庭生活費用は、法定財産制および約定財産制の両制度に規定され、夫婦が連帯して負うものであり、請求権があります。
A:夫婦が住所を有する管轄の地方裁判所で登記をします。
【提出書類】
①約定財産制の書面契約
②約定財産制に必要な宣誓書及び相関表格(地方裁判所服務中心で購入可)
③証明文書:直近1ヶ月以内の戸籍謄本1部(別居中であれば、夫、妻各1部)、サインか署名押捺(夫、妻各自の印鑑証明)、身分証明書裏表のコピー(夫、妻各一部)、財産価値証明(税金の納税書や売買契約書のコピー等)、
財産目録:
(i) 不動産-土地建物の登記簿謄本各1部、
(ii) 動産-冷蔵庫、洗濯機、家具等の動産は、購入時の領収書等添付。電話使用権は、毎月の電話料金納付書と電話保証金領収証コピー。
(iii) その他有価証券:株券は、株主名簿、会社の登記資料事項カード、株券発行申請書等のコピー。独資事業の場合は、営利事業登記証等のコピー。
なお、コピーの上には「原本無異」と記載して、サインか署名押捺する必要があります。
A:夫婦の財産、所得には、次のものは特有財産とされ、共有財産から除外されます。民法第1031条、第1031条の1によると、特有財産は、各自で、管理、使用、処分することができます。
① 夫または妻の個人使用に供するもの(妻の首飾り、指輪、衣服、夫の背広等)。
② 各自職業上必要なもの(ピアノ教師のピアノ、タクシー運転手の車等)。
③ 夫または妻が受取った贈り物で書面で特有財産と声明してあるもの。
A:2002年の民法親族編の改正により、婚姻関係存続中に返還請求を制限した規定(民法第1027条)が削除されました。新しい夫婦法定財産制では、持参金は当然結婚前財産であり、妻に、所有、管理、処分権があります。また、債務は自己の財産より返済しなければなりません。従って、上記の例では、妻は、夫に対して、婚姻関係継続中でも返還を請求できます。
A:日本の夫婦財産制は、日本の民法第755条から第762条に規定しています。夫婦の財産関係は、婚姻届提出前に財産について別段の契約をし、登記をしなかった時は、法定財産制によります。また、法定財産制と異なる契約をする場合は、婚姻届提出までに登記をしなければ、第三者に対抗できず、婚姻届提出後はその財産関係を変更できません。法定財産制では、夫婦は資産、収入その他の一切の事情を考慮して婚姻から生じる費用を分担します。結婚前の財産および婚姻中に自己の名で得た財産は、特有財産とし、所属が不明なものは共有です。
外国法との関係については、日本の法例第25条によると、婚姻の効力は以下のとおりです。
① 夫婦の本国法が同じであればその法律による。
② 法律がない場合は夫婦の常居所地法による。
③ それもない場合は夫婦に最も密接な関係のある地の法律による。上記の効力は夫婦財産制に準用されますが、夫婦が署名した日付入り書面により次のどの法律によるか定めることができます(法例第26条第2項)。
(1) 夫婦の一方が国籍を有する国の法律。
(2) 夫婦の一方の常居所地法。
(3) 不動産については、その不動産の所在地法。