Van Halen

言わずと知れたアメリカの70~80年代ハードロックを代表するバンドですね。

ギタリストのエディヴァンヘイレンは

タッピングを前面に出した早引き超絶技巧で有名。

このバンド、それ以上に楽曲が変態チックなのが良いですね(デイブ時代)。

カラッとした西海岸的なサウンドと変態っぽさが良い具合に融合してて好きなのです。

サミーヘイガー時代は所謂スタジアムロック然とした歌謡サウンドですが、

良質なメロディの曲が多く、割とこちらも好きです。

再びデイブリーロスが加入,精力的に活動中みたいです。


メンバー:

David Lee Roth Vo.

Edward Van Halen Gu.

Wolfgang Van Halen Ba.

Alex Van Halen Dr.

Sammy Hager Vo. 1985~1996,2004~2006

Gary Cherone Vo. 1996~1999

Michael Anthony Ba. 1978~2006


Van Halen / Van Halen(1978)

9/10

やはりこのバンドは1stが至高でしょう。いきなり代表曲多数。

エディのギタープレイも思いっきり開放的でやりたい放題です。

楽曲の完成度もデイブ期ではかなり高いアルバムで、捨て曲もありません。ハードロックの教科書的一枚でしょう。

Runnin' With The Devilスローなナンバーから始まります。思いベースラインがカッコいいです。

続くEruptionはエディの超絶ギタータイム。当時としては驚異的な早弾きだったのでしょう。

You Really Got MeはKinksのハードロック的解釈。もはやVan Halenバージョンの方が有名なのでは?

(僕はどちらのバージョンも大好きです)。

Ain't Talkin' Bout Loveは名曲です。印象的なギターリフがカッコよすぎる。

デイブの男らしさ満点のボーカルも良い。エディがあんまり弾きまくらないところも逆に良いですね。

次のI'm The Oneは逆にエディ弾きまくり。ハイテンポなブギー調ナンバーです。

変な曲ですが、変態っぷりが全面に出てて大好きな一曲。

Jamie's Cryin'はちょっとパワーポップっぽいナンバー。ポップになりすぎないほど良い感じが良いです。

逆にFeel Your Love Tonightは超ポップで底抜けに明るいナンバー。

ギターリフがカッコいいです。こういう明るい曲はアメリカのバンドにしか作りえないな。

カバーIce Cream Manも素敵。アコースティックにゆっくり始まり、途中から爆発する構成が堪らん。

最期のOn Fireもくっそヘヴィでカッコいいですね。これはもはやメタル。

ハードロックのフォーマットを確実に外れることなく、且つバラエティ豊かに聴かせる名盤。


Van Halen / Van Halen II(1979)

8/10

わずか6日(5日だったか?)で録音されたという2nd。

そのせいか,前作に比べ粗削りな感じがあります。それでも名曲・佳曲盛り沢山。

いかにも70年代ハードロック!って感じのジャケも好きです。

Dance The Night Away初期の代表的ポップナンバーです。

メランコリックなメロディと美しいコーラス,エディの晴れ渡るギタープレイが素晴らしいですね。名曲です。

まくし立てるボーカルが印象的なOutta Love Again。ファンキーなリフが良いです。

ギターソロも気持ちいいです。

Light Up The Skyは超ヘヴィな疾走ナンバー。前作のOn Fireの系譜ですね。

完成度はこちらのほうが高いでしょう。これも名曲。

Spanish Flyではエディのスパニッシュギタータッピングが堪能できます。すげぇ。

Woman In Love.....大好きな曲です。最初のコーラスの効きまくった美しいギターアンサンブルが

終わると、王道パワーポップのメロディへ。コーラスも美しいですね。

最期のBeautiful Girlsはいかにも!って感じのアメリカンハードロック。陽気の一言。素晴らしい。


Van Halen / Women & Children First(1980)

8/10

ジャケから地味渋オーラ漂う本作。楽曲はヘヴィさを増していますが、

どうもジャケ通り地味~な印象がぬぐえない一枚です。

しかし、全編に変態チックな空気が充満しており、中々に魅力があります。

And The Cradle Will Rock...はシングル曲で凄くポップに思わせておいて、

無理やり感溢れるサビへ突入する良くわからん曲w変な魅力溢れてます。

Everybody Wants Some!!~Fools~Romeo Delightの超ヘヴィ三連発は良いですね。

理性とかぶっ飛ばして本能のまま爆走してます。

Tora! Tora!~Loss Of Controlの2連発メドレーも面白い(しっかし変な曲だw)。

Take Your Whisky Home,Could Be This Magicの2曲。アコースティカルで、

2曲も、しかも連続で入れちゃったのが敗因でしょうか。。アルバムの地味さを際立たせます。

最期のIn A Simple Rhyme明るくて良いですね。こういうポップで清々しいハードロックを

やらせたら彼らは最強でしょう。メロディは一筋縄に行かない感じはありますが。


Van Halen / Fair Warning(1981)

9/10

ジャケがやたら気持ち悪い4th。楽曲の方はかなりポップ方向に振れています。

しかし、全体に漂う変態感はこの作品が最強ではないでしょうか。。?

エディの超絶プレイを堪能できますが、単純に楽曲がヘンテコな感じもあり、中毒性の高い名作でしょう。

Mean Street初っ端からエディのスラッピング奏法炸裂。イカれてます。

つづくDirty Movieも中々歌はじまらないし、ゆったりしたリズムにサビが変です。

Sinner's Swingはシャッフル調のストレートなロックンロール。糞カッコいいです。

意味の分からないギターリフ、リズムが凄い。どうなってるのこれ?

Hear About It LaterはDance The Night Awayの系譜のポップなナンバー。清涼剤の様な一曲です。

Unchaindはシングルカットされたポップな名曲。細かく刻まれるリフと清々しいメロディが堪りません。

サビ前でちょっとリズムが変わるところがシンプルに見えて憎いですね。カッコいい。

Push Come To Shoveはレゲエ??全然マッチしてなくて最高です。

So This Is Love?は超ポップなオールドスタイルのナンバー。ひたすらに楽しいです。

最期の2曲は超ヘンテコ。Sunday Afternoon In The Parkはシンセ全開の暗黒インスト。

そこから最後のOne Foot Out The Door。これもダーク&ヘヴィですが、シンセがビロビロいってて気持ち悪いw

全体に変態性が際立つ中期の傑作でしょう。


Van Halen / Diver Down(1982)

9/10

半分くらいカバーじゃねぇか!って感じの5th。しかし実は独創性あふれるかなりの好盤です。

カバー曲はどれもこれも完成度が高く、しっかり自分たちのサウンドに落とし込んでますし、

オリジナルのナンバーは名曲・佳曲のオンパレード。全編に渡り捨て曲はありません。侮れん。。

Where Have All The Good Times Gone?は2回目のKinksカバー。すっごい能天気に仕上がってて、

ブリティッシュな空気感が見事に消滅w素晴らしいですね。

Hang 'Em Highは最高です。爆走ナンバーでエディのギターはやりたい放題。変態性大爆発です。

しかしメロディも糞も無いAメロwこれはこれで最高過ぎます。

インストCathedral美しい曲です。エディのボリューム・ディレイ奏法?が奏でる美しいソロを堪能出来ます。

Secretsも良いですね~。落ち着いたポップナンバーで可愛らしい一曲。ちょっとソウル感あり?

不穏なインストIntruder~(Oh!)Pretty Womanの流れはいつ聴いてもゾクゾクします。

これはもはや原曲を本歌取り状態で、素晴らしいカバーに仕上げてます。実際ヒットしたそうで。

Dancing In The Street、こいつも素晴らしいカバーです。原曲を超えるのでは?かなり腰に来ます。

ワウをうまく使ったテクニカルなリフが実にカッコいいですね。

Little Guitarsはアコースティックなインストから小気味良いロックンロール(でも変態!)へ繋がります。

リフどうなってんのこれ?って感じ。メロディはポップで可愛らしくて大好きです。

最後の3曲は全力でオールドスタイルな感じで〆ます。なんじゃそりゃw名盤。


Van Halen / 1984(1984)

9/10

デイブ期最後の作品。集大成的な傑作です。捨て曲無し。大ヒット曲を3曲も収録し、

名実ともに彼らの代表作でしょう。ここでデイブが抜けたのは必然だったのかも。

80年代真っ只中にありながら、時代に媚びすぎてないところが良い。

ベッタベタの80'sみたいなダサい曲なんて一曲も入ってません。完全に彼らの世界。

Jumpはシンセサイザーを大胆に取り込んだ大ヒット曲。キャッチーなメロディが良いですね。

でもギターソロがちょっと凄すぎて意味分かんない。何かリズムも変わってるし。超絶。

Panamaは誰が何と言おうと彼らの最高傑作でしょう。

素晴らしいリフ,開放的なメロディ,疾走感,デイブの歌唱。全てにおいて完璧なVan Halenです。

Top JimmyはやたらシンプルなR&R。途中の転調、何故こうなる?って感じが最高です。

Drop Dead Legsはなんじゃこりゃw?意味の分からんゆったりした曲。リフがやたらカッコいい。

最後のギターソロすげぇなぁ。。奇妙に名曲。

Hot For Teacherもシングルヒットした代表曲。ポップでありながらきちんとヘヴィですし、

アレックスのドラムやたらカッコいいしで間違いなく名曲。ひたっすらに楽しいです。

I'll Waitはマイナー調のバラード。ここまで露骨なバラードは初めてでは?次作以降の布石となりました。

Girl Gone Badも意味が分からん曲。これもまたリフがやたらにカッコいい。不穏な始まり方も良い。

完成度高いなぁ。。大好きです。ラストHouse Of Painはダークなハードロック。複雑な曲調でこれもまた名曲。

本作後デイブが脱退。ここまで6枚と以降では自分の中で好きの基準・尺度が全く違います。


Van Halen / 5150(1986)

9/10

ボーカルがサミーヘイガーに交代。まさにこの時代!という感じのポップなハードロック作品です。

しかし楽曲はどれも完成度が高いです。名盤には間違いないでしょう。

だっさいジャケも個人的には好きです。80'sらしくて最高。

Good Enogh、1曲目から爽快なハードロックですね。

鬱憤を晴らすようなエディのソロがカッコいい。

Why Can't This Be Loveは超ポップなバラード。メロディが美しいですね。

ワウを効果的に使ったリフも印象的です。

Get Upは超疾走ナンバー。ツーバスドラが印象的です。サミーのシャウトがカッコいい。

Dreamsは名曲。シンセとかドラムの音とかに時代をかなり感じますが、それを差し引いても素晴らしいメロディ,

高揚感溢れるボーカルと堪りませんね。2回のギターソロもメロディアスで最高。

Best Of Both Worldはこってこてのアメリカンハードロックですね~。

こういう曲はデイブ期にはありそうでなかったのでは。

Love Walks InはJounrneyばりのべたべたバラードですが、メロディが美しくて好きです。

シンセの洪水が一周回って心地いい。

表題曲5150はエディヴァンヘイレン氏のギター最高傑作でしょう。リフからソロからやば過ぎます。

疾走感溢れるハードロックで素晴らしいメロディと美しいサビ。堪らなく大好きな曲です。

この1曲の為だけに買うのも全然あり。何故かベスト盤に入ってないし。


Van Halen / OU812(1988)

7/10

地味なジャケ通り(Beatlesのパロディか?)ブルージーで落ち着いた一枚。

個人的にはちょっと苦手。Van Halenにあんまりそういうの求めてないと言うか。。

あと一番所謂産業ロックというジャンルに近い作品なのではないでしょうか。

楽曲の完成度は高いんですけど、今一入り込めないのです。あくまで個人的にですが。

一曲目Mine All Mine大好きです。疾走感溢れながらもクールなメロディがカッコいいです。

でもここでのサウンドプロダクションはシンセが前面に出すぎでは?ライブ盤のバージョンが至高でしょう。

シングル曲When It's Loveは全力でポップな歌謡バラード。良い曲です。ギターソロがカッコいい。

A.F.U.、Source Of Infection、Sucker In A Three Peaceの3曲も疾走系ですが、ん~なんか地味だ。。

モロ80'sなバラードFeel So Goodはこれ逆に突き抜けてて好きです。シンセバリバリ全開で美しいです。

Finish What Ya Startedはアコースティックなブルース。メロディはカッコいいのですが、渋い。。


Van Halen / F@U#C%K - For Unlawful Carnal Knowledge(1991)

8/10

前作と打って変わってハードロックバリバリ路線に戻してきたアルバム。痛快です。

ちょっと大作が多い気もしますが、楽曲の完成度が高く、胃もたれしません。

Poundcakeはエディのドリルの様な音のギターが楽しいヘヴィなミドルナンバー。

サミーの力強いボーカルで聴かせる佳曲です。

疾走感溢れるJudgement Dayも良いですね。リフが太くて。しっかりメロウなBメロも良し。

Spankedのファンキーなノリも新機軸を開いています。だるい感じがセクシーで好きですね。

Runaround, Dream Is Over, Top Of The Worldの3曲は疾走系ポップナンバー。

いずれも開放的な空気が清々しい典型的ハードロックで素晴らしい。これを求めていたという感じでしょう。

7分にわたる大作Presure Domeも壮大。演奏力の尋常でない高さが際立ちます。

本作最高作は壮大なバラードRight Nowでしょう。静かなピアノの音から力強く徐々に始まって行く様が素晴らしい。

兎に角出だしがカッコよすぎるんだよなぁ。

曲も確固たる覚悟を感じるカッコよさで間違いなく名曲でしょう。


Van Halen / Live:Right Here, Right Now(1993)

8/10

前作のツアーを収録したライブ盤。成熟したスタジアムバンドとして、

素晴らしい演奏を堪能できる一枚です。

ただあまりにもスタジオアルバムと変わらなすぎでは。。と思ったのですが、

やはり相当に音を直しているとのことで、

それが原因でサミーとヴァンヘイレン兄弟の関係に亀裂が入ったとか。

あとデイブ時代の曲は何となくサミーには合わない。全然タイプの違うボーカルだからねぇ。

これらの曲にはデイブの良くわからない野性味が必要なのです。たとえ下手糞でも。

日本盤では3枚組が初回限定でリリースされており、

そちらにはMine All Mineの超カッコいいライブバージョンが収録。

中古なら安く手に入ると思うので、是非そちらをゲットして頂きたいです。


Van Halen / Balance(1995)

9/10

サミー時代最後の作品。全体的にダークな雰囲気が漂います。

しかし楽曲の完成度では過去最高であり、バラエティに富んだ楽曲の数々には飽きさせられない。

サミー時代の最高傑作と言える充実作だと思います。しかしジャケが色々やばいぜ。

The Seventh Sealはオリエンタルな味付けが印象的なヘヴィなナンバー。Poudcakeの系譜ですが、

完成度はより高いと思います。クールで挑戦的なリフが非常にカッコいいです。

Can't Stop Loving Youは突き抜けてポップな歌謡ナンバー。過去一番ポップなのでは?

美しいメロディが印象的な名曲です。いかにも90年代って感じがグッド。

やたらにダークなDon't Tell Me(What Love Can Do)もサミーの力強いボーカルでしっとり聴かせます。

AmsterdamはDrop Dead Legsを彷彿とさせるゆったりとしたロックンロール。ヘヴィなリフが堪りません。

Big Fat Moneyはノリノリのロックンロール。最高です。原点回帰って感じがして。。

Not Enoghはピアノ主体の落ち着いた壮大なバラード。これも名曲ですね。

聴きどころはサミーの表現力豊かなボーカルでしょう。

Aftershockもストレートなロックンロールでカッコいい。

本作の曲はどれも前作の曲に比べて深みを増している様なそんな気がします。

Baluchitheriumは壮大なギターインスト。Take Me Back(Deja Vu)は唯一清々しいナンバー。

晴れ渡った空の様な1曲で清涼剤の様。

最後のFeelin'暗いぃ!大人のバラードでしょう。渋いメロディが素晴らしいです。


Van Halen / Van Halen III(1998)

7/10

元Extremeのゲイリーシェローンが加入して作られた作品。

全体的に重苦しい雰囲気が漂います。サウンドプロダクションもやたら閉塞的。

世間一般では失敗作とされる本作ですが、個人的にはまぁまぁ好きです。

ただ、同じ路線の前作と比べるとかなり弱いのも事実でしょう。

Without Youはメロディがやさしい感じのR&R。リフ・メロディが結構ファンキーです。

Dirty Water Dogもドラム~カッコいいリフでの始まりが印象的なロックンロール。

しかしエディのギターは終始クリーントーン。何故。。渋いですね。

Fire In The Holeはリフがカッコよくて印象的なハードロックナンバー。

唯一ストレートなナンバーではないでしょうか。これは佳曲。

JoshephinaのリフってQueenのSweet Ladyに似てるなぁ~。綺麗な曲です。

Ballot Or Bulletは疾走系ハードロックナンバー。カッコいい曲ですが、

全体的に音が細すぎやしないか?このアルバム。。サウンドさえ改善されれば、という気も。

この一枚でゲイリーは脱退。Van Halenはまともに活動出来なくなってしまいます。


Van Halen / A Different Kind Of Truth(2012)

9/10

14年ぶりとなった本作。ついにデイブリーロスが復帰しての一枚です。

楽曲の完成度も高く、全体的に素晴らしい作品に仕上がったと思います。

単なる原点回帰ではなく、しっかりと新生Van Halenのサウンドを構築しています。

Tattoはミドルテンポのヘヴィーなナンバー。良い曲なのですが、

やたらブルージーなので少し不安になりましたが、全くの杞憂でした。

2曲目She's The Woman、おーこれだよ!ってなりました(笑)エディのリフがカッコよすぎです。

China Townは出だしからバリバリの早弾きスタートの超絶疾走ナンバー。

うぉおかっこよすぎる。。このストレートな変態オーラはサミー時代には皆無だったなぁ。最高。

Blood And Fireも素晴らしい。ポップで開放的なメロディ。これだよこれ!

Bullethead、As Isも爆走ナンバーでカッコいいです。昔の様なサウンドに戻っただけでなく、ヘヴィさを増しております。

ここから5曲ほど疾走ナンバーが続きます。これは少し疲れるかもしんない。

Stay FrostyはIce Cream Manを彷彿とさせますね~。この遊び心が堪らない。

最後2曲もヘヴィに攻めてます。Beats Workin'はサビがポップで特に良い。

この1作で終わらずに次作を是非。