David Bowie

David Bowieは僕の中で永遠のアイドルです。

高校生のときに聴いたZiggy Stardustは衝撃的な美しさで、

それ以来ずっと彼の虜です。

常に音楽スタイルをガラッと変えながらも(見た目も)、

独創性をキッチリ維持し続け、圧倒的にクリエイティブなお方でした。

グラム時代は勿論ベルリン時代大好きです。

90年代以降も良作をリリースし続けていたと思います。

まさにロックの神様でしょう。


David Bowie / David Bowie(1967)

6/10

記念すべきファーストなのですが、後のスーパースターのデビュー作としては

あまりにも地味なのではないかという感じ(ジャケも)。

かなりポップ寄りでイギリス臭がきっついサイケアルバムです。

ボウイの若々しい歌唱が楽しめることが魅力でしょうか。結構歌い上げる感じの曲が多いので。

ゆったりとしたどこか倦怠感漂うバラードSilly Boy Blueは結構好きかな。

今一般的に手に入るデラックスエディションは後にリテイクされるLet Me Sleep Beside Youの原曲,

渋くメランコリックなメロディが素敵なナンバーIn The Heat Of Morning等佳曲を収録。


David Bowie / Space Oddity(1969)

7/10

2ndアルバム。全体的にヨーロッパ間溢れるサイケフォークな味付けですね。

ソフトロック好きの人には良いかも。

アルバムの完成度としてはまだかなり粗削りですね。

やはり表題曲につきるでしょう。美しいアコースティカルバラード。

テーマはSF。一人宇宙船に乗ったトム少佐が宇宙の途方もなさに

虚無感を感じ最後は宇宙空間に身投げしてしまうストーリー。

破滅的でありながら美しい展開ですね。名曲。

他に特筆すべき曲としては、Wild Eyed Boy From Freecloudでしょうか。

ドラマティックで壮大な曲展開と力強く伸びるボウイのボーカルが素晴らしいです。


David Bowie / The Man Who Sold The World(1971)

9/10

前作と打って変わって相当ハード&ヘヴィな一枚。

ミックロンソンはここから参加。初期の大傑作です。

全体的にとてつもなく陰鬱で、狂気的な雰囲気が漂っています。

精神病院に入院した兄のテリー氏のことが相当衝撃的だったのでしょうか。

どの曲も狂気をテーマにしたようなものが多く、ハードロック的な手法を使っている点でも、異色作と言えます。

ライブの定番曲で8分を超えるハードロックナンバーWidth of A Circle、

ポップなメロディに狂気的なサウンドが乗り、最後に轟音ギターが炸裂するAll The Mad Man、

倦怠感丸出しでドラッギーなAfter All、

NIRVANAもカヴァーした表題曲、壮大なThe Supermenなどなど、名曲名演満載。

このギリギリの精神状態が反映されたような凶悪な音は、いかなる爆音アルバムよりもヘヴィですネ。

ジャケも名盤の風格。


David Bowie / Hunky Dory(1971)

9/10

ポップな名曲・代表曲満載の傑作です。

音の方は非常におだやかになっていますね。朝コーヒーでも飲みながらゆっくり聴くとハマりそうです。

彼の代表曲であり生きざまを歌ったChanges。ピアノ主体で歌われる最高のポップスです。

Life On Mars果てしなく美しいドラマティックなバラード。

ミックのディストーションの聴いたギターフレーズも美しい。

Quicksandも素晴らしいアコースティックナンバーで、濃厚なストリングスと

ボウイの美しいボーカルが相まって天にも昇りそうな空気が流れています。

息子に送った愛らしいポップソングOh! You Pretty Things,

ベルベットアンダーグラウンドを意識したであろうQueen Bitch、

アコースティックパンクAndy Warhol等捨て曲が無いです。

次作に比べると非常に落ち着いていますが、ボウイのポップサイドではこれが一番でしょう。


David Bowie / The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And Spiders From Mars(1972)

10/10

当たり前のことですが、ロックの歴史上最高の傑作だと思います。

勿論人によってロックに求めるものはそれぞれ違うでしょうが、

老若男女誰が聴いても素晴らしいと思うであろう楽曲群,

退廃と耽美が極限で融合した狂気的な空気。これが混然一体になって迫ってくるのだから、

最高傑作と言わざるを得ない。ジャケットまで素晴らしい。

アルバムはコンセプトアルバムとなっており、あと5年で滅びる地球に降り立った,

スーパースターZiggy Stardust。Spidersを引き連れて人々を熱狂させますが、

最後は自ら堕落し、破滅していく。。このストーリーにシンプルですが、とてつもなく美しい楽曲群が乗ります。

Five Years、滅亡を5年に控えた様々な人々の行動が劇的に描かれます。

徐々に盛り上がり、繰り返されるボウイのFive Years!の絶叫。

Soul Loveは打って変わってポップですが、サビでの盛り上がり、ボウイの張り上げる様な歌声が堪らない。

Moonage Daydream,ミックロンソンの最高のギターワークが聴ける。

Starman超名曲ですね。ヒーローを待望する様な歌詞もロマンティックで大好きです。

子供たちを熱狂させよう!ここでのミックのギターも最高。

Lady Stardust、メランコリック度ではこのアルバム随一。

Star, Hang On To Yourselfの疾走ナンバー2曲は熱狂の渦にありながら、

徐々に堕落するジギーの様が良く現れていますね。

そして永遠のギターリフを持つ表題曲。ジギーの堕落が歌われます。

Suffragette Cityは頭のいかれたジギーが歌っているのか?

ぶっ飛んでますが、至高のロックンロールナンバーです。

最後のRock n' Roll Suicideはフランクシナトラの様なバラード。

ボウイのボーカル最高の名演のひとつでしょう。徐々に盛り上がり、絶頂を迎え、唐突に幕を下ろしてしまいます。


David Bowie / Aladdin Sane(1973)

9/10

これぞグラム!!と言った感じの超退廃ぶっ飛びアルバム。

引き続き、名曲が満載の傑作です。

ZIGGY STARDUSTのような耽美性は希薄と言えます。兎に角テンション高い!!

麻薬の影響が大きい作品であることは一聴瞭然で、兎に角ぶっ飛んでおりますが、

グラムロックという尺度でみればT.REXのThe Sliderと並ぶ最高のアルバムに違いないでしょう。

ギターが耳障りなほどヘビィなWatch That Man。ノリノリのロックンロールというやつです。

頭のおかしい空気が漂う表題曲。世界の破滅をニヤニヤしながら眺めている様な感じ。

マイクガーソンのピアノが最高です。

前作の流れを汲むDrive In Saturdayも美しいバラード。

Craced Actorは排気ガスをまき散らす巨大トラックの様だ。凄まじいヘビィでいかれたブギーです。

Jean Genieはグラムのアンセム。これもぶっ飛んだブギーソングですね。

ボウイはこのアルバムのツアーでジギー引退宣言。グラム路線を終了します。


David Bowie / Pin Ups(1973)

7/10

カバー曲集。ジャケットが実にいいですね~。

この人の根幹にはモッズとかソウル的なものがやはり強いのでしょうか。

Kinks, Pink Floyd, The Whoなんかがカバーされていますが、

原曲への敬意を忘れずにしっかり自分のサウンドに落とし込んでいるところは流石。

ソウル的な選曲はこれからの路線への布石ですね。


David Bowie / Diamond Dogs(1974)

8/10

ボウイの数多い作品郡の中では結構浮いてる印象の作品ですね。

全体的な雰囲気はダークでドラマティック。

正直完成度は微妙と言えます。個々の曲がイマイチ弱い。

グラム期からソウル期の間という中途半端な時期に出されたためとも考えられますが。

ただ、全体を通して聴くと不思議な魅力がある作品です。駄作では決してありません。

オープニングミドルテンポのヘヴィなロックンロールDiamond Dogs,

メドレー形式でミュージカル的なSweet Things、

ダークで耽美なバラードRock'n' Roll with Me、We are the Dead

こちらもミュージカル的なナンバー1984等非常に佳曲ぞろい。

流れ的に浮いてますが、Rebel Rebelはシンプルなパンクナンバーで、

ひたすら繰り返される印象的なリフが最高にカッコいい名曲。


David Bowie / David Live(1974)

6/10

Diamond Dogsツアーの模様を収録したライブアルバム。

個人的には苦手なライブ盤かなぁ。演奏が非常にだるい雰囲気で、

今一まとまった感じが無い。

ボウイもソウルフルに力強く歌おうとしているが、ドラッグの影響か声がスカスカな感じ。

ただ、音的にはグラムから脱却し、ソウルフルなテイストを強めており、

そこが最大の聴きどころか。実際ソウルのカバーも2曲ほど聴ける。

ツアーとしてはStation to Station時のライブが素晴らしいので、

そちらをお勧めします。


David Bowie / Young Americans(1975)

8/10

劇的路線変更のスタート。かなり容赦なく、徹底的にソウルをやってます。

ロックの要素はほとんど感じられません。こりゃすげぇ。

ただ、正直アルバムとしての完成度は高いとは思わないです。

佳曲・名曲はいくつかありますが、あまり手が伸びない一枚。

表題曲は軽快なソウルナンバーでデヴィッドサンボーンのサックスと、

早口でまくし立てるボウイのボーカルが激しく絡みます。

楽しいナンバーですね。大好きです。

Win,Can You Hear Meは典型的なゆったりソウルバラードといった感じで、染みますねぇ。

Fascinationの様なドライビングな曲も良いですね。

最後のFameはジョンレノンとの共作で一緒に歌っております。

ファンキーなリフとひたすら繰り返されるFame!のフレーズが印象的。

ライブで聴くと5割増しでカッコよく聞こえるシンプルな逸品でしょう。


David Bowie / Station To Station(1976)

10/10

超傑作です。Golden Yearsの始まり。

今作ではソウル的空気を残しながらも、ボウイ流プログレッシブ・ソウル・ロック(?)

とも言える唯一無二の世界を構築している。

わずか6曲の収録だが、各曲があまりにも濃密で全く物足りなさなど感じません。

ボウイさん的には一番薬でやばい時期だったらしいですが(確かにTVC15の歌詞はやばい感じ)、

ここではそれも良く作用したのではないでしょうか。

初っ端10分を越える表題曲は転調が鮮やかで、大迫力。

最高のダンスナンバーGolden Yearsもラリったソウルといった感じで滅茶苦茶カッコいい。

個人的には本作で一番好きなStayはバンドアンサンブルが強烈で、最高にクール。

ぶっといベースに切ないメロディ,表現力豊かなボーカル,ファンキーなギター,全てが完璧すぎます。

はかない曲調の映画のカヴァー曲Wild Is The WInd、これはボウイのボーカル最高傑作でしょう。

この曲を聴くたびに圧倒されて鳥肌が立ちます。何かやばいものに触れてしまったようなそんな感じすら。。

こいつを最初に聴くのも個人的には良いと思いますヨ。


David Bowie / Low(1977)

10/10

ドラッグから決別するためにベルリンに居を移したボウイが

共同制作者にブライアンイーノを迎え製作されたた圧巻の名盤。

暗いだけでなく、虚無的な世界がひたすら広がります。

シンセサイザーも大々的に導入され、B面に至っては全て陰鬱なインストゥルメンタル。

A面の曲は歌こそ付いていますが、虚無的な歌声はもはや効果音の様な立ち位置です。

しかしこの虚無的な感覚がすごーくクセになるんですよ。

当時の東西冷戦時代のベルリンの空気感がリアルに詰まっているのでしょうか。行ったことないですけど。

Speed of Life,明るいインストですが、なんだか不安になります。

Breaking Glassはファンキーですが、素っ頓狂なシンセの音と不安定な音階のギターが

狂気的ですね。途中で終わっちゃう感じもまたカッコいい。

What In The Worldは疾走系の曲ですが、けたたましいシンセ音がやはり不気味です。

Sound And Vision名曲中の名曲ですね。すっごいポップなんですが、

音の一つ一つがむなしく且つ極めて正確に,そして無慈悲に鳴り響いてます。無機的の極み。

77年の時代にこの曲はあまりにも進みすぎています。

ダラーっとしたAlways Crashing In The Same Car,不安定な精神をポップに乗せたBe My Wife,

テクノポップなインストA New Career In A New Town(すげぇカッコいいタイトルだ)とここまでがA面で、

B面からはひたすら陰鬱なインストナンバーが続きます。

そしてそのどれもが一気に世界に引き込まれる危険な美しさを秘めています。このB面も最高。

まさにパンクの時代が終わりニューウェイブの世界の下地を作ったという意味でも歴史的な傑作であり、

時代の先を突き進んでいたボウイの代表的作品でしょう。

しかし、ここまで自らのカラーを変えてしまうボウイ,当時のファンはついて行けたのでしょうか。


David Bowie / "Heroes"(1977)

10/10

前作の鬱々とした空気を引き継ぎながらも、暴力的でアグレッシブな展開を多く見せる作品ですね。

こちらもまごうことなき名盤。ジャケも最高だし。

ボウイは時に地獄の底から響くような低音とヒステリック極まりない高音の歌声で狂った世界観を演出。

表現者として究極の次元に達しています。

ロバートフリップが全編にわたりギタリストとして参加していますが、

カミソリの様なぶっ壊れたギターがその色を濃くします。

Beauty And The Beast滅茶苦茶カッコいい始まりです。ボウイの声が怖いです。

ロバートのギターは自由奔放そのもので最高ですね。

続くJoe The Lionボウイのクレイジーそのものなボーカルと奇妙でヘビィなリフの絡み合いがやばくて素敵。

表題曲はベルリンの壁を舞台にした美しいラブソングです。僕らはヒーローになれるたった一日だけ。。

なんて切ない歌詞でしょうか。このアルバムバージョンは6分ほどあり、盛り上がりのカタルシスはこのバージョンが至高。

ギターのフィードバックノイズをここまで前面に出すなんてやはり時代の先を行ってますネ。

Blackoutも暴力的でいかれてて最高。ここまでがA面で相当に狂った世界が展開されています。

B面は前作同様インスト中心。ただ、アグレッシブなカッコいいインストV-2 Schneider等前作と少し毛色が違います。

前作で少し感じられた耽美は消え去り、より陰鬱でヘヴィな感じでしょうか。

最後Secret Life Of Arabiaという突然のポップスナンバーで〆ます。これは次作への布石でしょう。


David Bowie / Stage(1978)

9/10

ヒーローズのツアーを収録したベスト的ライブ。

どの曲も勢いがあって且つしっかりとした演奏で落ち着いて聞くことが出来ます。

ボウイのボーカルも不安定だったDavid Liveとは雲泥の差で、

ボーカリストとしての進化を感じます。

演奏はシンセサイザーがかなりフィーチャーされており、

多少時代を感じる部分はありますが、クールな楽曲がそれを補って余りある。

What In The Worldはファンキーな導入部のアレンジがカッコいい。

Fame,TVC15もよりファンキー感が増して素晴らしいです。

グラム時代の楽曲もこの時期ならではのアレンジでキラキラした音使いが面白いです。

全体的に中々の名ライブ盤と言えるのではないでしょうか。


David Bowie / Lodger(1979)

9/10

所謂ベルリン三部作のラスト。陰鬱で虚無感漂う前二作とは違い、ポップさ全快の快作です。

エスニックな空気を所々に感じるところも特徴的ですね。

全体的に佳曲揃いで素晴らしいのですが、前2作にあった圧倒的に孤高な空気はあっさり無くなってます。

異国情緒漂うAfrican Night Flight, Yassassin, Red Sailsは面白いですね。

普通こういう曲を欧米のミュージシャンがやると噴飯ものになるパターンが多いのですが、

ボウイがやるとこうまでカッコよくスマートに決まります。

シングル曲Boys Keep Swinging, D.J., Look Back In Anger。どれもポップで楽しいナンバーです。

でも決してポップになりすぎることはなく、しっかりクリエイティブ。

この時期はPVも面白く、Boys Keep Swingingでのボウイのはしゃぎっぷりが最高。


David Bowie / Scary Monsters(1980)

8/10

Heroes的な手法を用いながらよりポップで聴きやすくなった印象のあるアルバム。

世間的にはかなりの名盤とされていますが、、

A面は確かに最高です。まったく捨て曲などないですし、

ぶっ飛んでいながら、ポップでしっかり聴かせる展開は流石の一言。

ですが、B面があまりにも弱すぎませんか?アルバムは通しで聴く主義の自分には

結構辛い問題であります。

It's No Gameは日本語の変な声が入ってて面白い。曲はミドルテンポのヘヴィーナンバーで、

ボウイのぶっ壊れたハイトーンボーカルがカッコいです。

表題曲はかなりハードロックな方向にふれてます。ここでもロバートフリップのギターが

いかれっぷりを発揮。名曲となっております。

大ヒットナンバーAshs To Ashs。大好きです。トム少佐はジャンキーだったって。。

なんつぅ歌詞だよ。PVはピエロに扮したボウイが不気味そのもの。曲の陰鬱な雰囲気にぴったりです

(しかしこんな奇妙な曲がチャートの1位をとるイギリスって国はやっぱりすごい)。

Fashionもファンキーでカッコいいナンバー。アフリカンな雰囲気も堪りませんね。

B面では壮大なバラードTeenage Wildlifeが白眉でしょうか(少ししつこいので大好きではないですが。。)

時代の先を進んでいたボウイはここで一旦姿を消します。。暗黒の80年代へ。


David Bowie / Let's Dance(1983)

7/10

3年のブランクを経て超ポップな一枚となりました。お馴染レッツダンスです。

最初の3曲は好きです。どれもポップソングとして最高の完成度かと。

しかし、それ以外の曲がどうもね。。あまりに80'sポップを全力でやってるので、

今の感覚で聴くと辛いです。この路線がこの一枚で終わっていればまあよかったのですが、

結構この路線、長く続いてしまいましたね。。

Modern Love、疾走するポップナンバー。歌詞がオシャレですね。

兎に角楽しい曲で体が自然と動きます。

China Girlは過去イギーポップに書いたナンバーのセルフリメイク。

カッコつけまくりなボーカルがちと恥ずかしいですが、名曲であることは間違いない。

Let's Danceは7分のロングバージョンを収録。シングルバージョンの方が好きですね。

やはりこの曲は名曲だと思うのです。ボウイさんのボーカルも素晴らしいし。

あと特筆すべきはスティービーレイボーンがギターを弾いています。


David Bowie / Ziggy Stardust The Motion Picture(1983)

10/10

ジギー引退公演を収録したライブ盤。

兎に角音が太くて荒々しい演奏が最高です。ディストーションギンギンのミックのギターが特に堪らない。

ボウイの声もみずみずしさがあり、スタジオ版とはまた違う力強い歌唱が堪能できる。

トレバーボルダー氏(この方も亡くなられましたね)のただひたすらに

太いSGベースの音もカッコいいと思います。

Ziggy Stardustはやはりライブバージョンでしょう。この曲のヘヴィさは凄い。

Wild Eyed Boy~で静かに幕を開け、All The Young Dude(名曲!)、Oh! You Pretty Thingsと

続くメドレーも素晴らしいです。

Moonage Daydreamのなっがいミックのギターソロもカッコいい。テクニックとかじゃないんだよね。

Let's Spend The Night Together、Suffragette Cityの超爆走バージョンも気持ちいい~。

映像の方は画質が結構悪いながらもそれも伝説的な空気に一役買ってて、最高です。是非是非。


David Bowie / Tonight(1984)

5/10

創作意欲の大幅な減退を感じざるを得ない一枚。

カバー曲とか昔の曲のセルフリテイクばっか。正直退屈です。

アレンジも80年代の甘ったるい感じが強烈で厳しい。

ボウイさんにもこんな時期があったのか~って感じ。

Loving The Alienだけはそれでも名曲でしょう。

アレンジには目を瞑るとして、ドラマティックな曲展開にメロウな美しい曲調,

ボウイさんの力強いボーカルが素晴らしいのです。


O.S.T. / Labyrinth(1986)

6/10

これはボウイさん出演の映画のOSTですが、ボウイさんのナンバーが多いので。

80年代のボウイさんはアルバムの出来は結構めためたですが、

映画への提供曲は結構いい曲が多い。Absolute Beginnersなんか90年代でも

ライブでやってたし。このアルバムに収録されたナンバーも

80年代特有の甘ったるい味付けながら、中々ナイスなポップナンバーが多いと思う。

As The World Falls Downなんて美しい曲じゃないですか。

Undergroundもノリノリで楽しいナンバーです。Magic Danceはちょっと甘ったるすぎるけどネ。


David Bowie / Never Let Me Down(1987)

3/10

80年代最後のアルバム。いやぁこれはきっついです。

どの曲も長ったらしく、全然メロディも入ってこない。

創作意欲が尽きているとしか思えません。

1曲も好きな曲は無いですが、表題曲は割とメロディがきれいなバラードです。

もういい、もう休めって感じ。


Tin Machine / Tin Machine(1989)

4/10

ボウイさんの迷走は続きます。次なる挑戦はバンド形態。

う~むボウイさんにブルージーなロックは似合わないぞ。。

何より曲がね、面白くないのです。

メロディで聴かせる様な曲が欲しいところですが。

すみません。


Tin Mahine / Tin Machine II(1991)

6/10

前作よりは好きです。前作ほどガッチガチにブルーステイストでなく、

幾分肩の力が抜けた感じ。どちらかというとハードロックに近い作品ですね。

少しずつ勘を取り戻し始めたか。

Baby Universalはハードロック的な手法が中々カッコいい良曲。

Roxy MusicのカバーIf There Is Somethingもヘヴィーな音がカッコいいナイスなナンバーですね。

しかしほかのメンバーが歌ってる曲は蛇足も蛇足。

流れもおかしくなりますし、脱力します(キヨシローも同じ様なことしてましたね)。


David Bowie / Black Tie White Noise(1993)

7/10

ようやくボウイさんが帰ってきてくれました。

サウンドはいかにも90年代初旬当時はやったダンスミュージックでちと古臭いですが、

楽曲はどれも往年の独創性を取り戻し、佳曲多数の作品となりました。

はじけるような1stシングルJump They Sayや

復活を告げる鐘の音が響く流麗なインストThe Wedding、

不思議な魅力溢れるのMiracle Goodnightは佳曲だと思います。

You've Been Aroundも不気味なボウイさんのボーカルがカッコいいです。

ただ、アルバムとしてはまだまだ完全復活とは言えない感じですね。

インスト曲、カヴァー曲がやたら多いのが特徴的。

カバーではMORISSEYの(!)I Know It's Gonna Happen Somedayの力強い熱唱が白眉。


David Bowie / The Buddha Of Suburbia(1993)

7/10

イギリスのドラマのサウンドトラックを兼ねてるらしい作品。

長らく廃盤でしたが、2007年に再発されました。ダンスミュージック前回の前作に比し、

メランコリックなナンバーが多数収録されておりますね。

インストナンバーが結構多く、いくつかは正直退屈なんですが、

名曲が何曲が入っており、決して捨て置けない作品です。

まず表題曲はゆったりとした優しいバラード。メロディが美しいです。

All The Mad Man, Space Oddityの一節が出てきて面白い。

Strangers When We Meet,後にOutsideに収録される名曲の別バージョンです。

こちらは幾分かヘビィな音処理がなされており、力強いです。このバージョンも良い。

Dead Against Itも疾走系のメランコリックな曲で好きですし、

Untitled No.1も東洋的な音階が面白い曲ですね。

ボウイ本人は凄い気に入ってたらしいですこの作品。


David Bowie / 1.Outside(1995)

8/10

70分を超えるボウイ史上最大の大作。久々のコンセプトアルバムです。

プロデューサーはブライアンイーノ。

テーマが猟奇殺人というだけはあって、なかなか不気味な作品となりました。

しかし、気合の入り方が前作とは段違い!そして兎に角カッコいいです。

難解な印象のアルバムですが、完成度の高い曲が満載だったりします。

不気味で暴力的なシングルThe Hearts Filthy Lesson,疾走感で聴かせるHallo Spaceboy

ダークで落ち着いた雰囲気のThe Motel、ポップなWe Prick Youなどは出色の出来で、

素晴らしくカッコいいです。

しかし、何よりも最高なのがラストを飾るStrangers When We Meetで、

個人的には90年代以降のボウイのナンバーでは最高傑作です。

落ち着いた優しい雰囲気で徐々に高揚感を増していく様は本当に感動的。

陰鬱な曲がひたすら続いた後にこの曲が流れると、何だか全てが救われた気分になります。

ここをボウイの完全復活としてよいのではないでしょうか。好き嫌いはハッキリ分かれそうですが。


David Bowie / Earthling(1997)

7/10

90年代後半に流行ったジャングル的なデジタルビート全開な一枚。

オルタナティブロック的なギターもフィーチャーされてます。

正直今聞くと少し辛い部分があります。楽曲の方は充実していると思いますが。

初っ端Little Wonderカッコいいですね。徐々に解放されていく展開が素晴らしい。

Dead Man Walking,Battle For Britainも同様にヘビーでハイテンポなナンバーで

これも尖ってます。特に前者はつきぬけてますね~。手抜きは無し。

I'm Afraid Of Americanも不気味でカッコいいナンバー。

ただこのアルバムは少し息が詰まるんだよなぁ。何となくですが。


David Bowie / 'hours...'(1999)

8/10

90年代最後の作品。前作とはまた打って変わり、優しい空気のアルバムとなりました。

過去を懐かしむ様な歌詞の曲があったりして。

曲の方は復活後これまでで一番粒ぞろいではないでしょうか(全体を通しての完成度は正直微妙な感じもありますが)。

メロディの良さが光る曲が多いですね。いいアルバムです。

自らの人生を回顧するような和やかなバラードThursday's Child。

穏やかな曲調に乗る優しいボウイのボーカルが光ります。

悲しく切ないミドルテンポの大作Something in the Air、

アコースティック弾き語りのシンプルなSevenなどのメロディの美しさには溜息が出る。

他にもThe Pretty Things Are Going to Hell、New Angels of Promiseなどのヘビーロックナンバーもカッコいいですね。

しかし何と言っても自分の中で本作品最高傑作はSurvive。

淡々としながらほのぼのとボウイが失恋、人生を歌う。澄んだギターの音色も美しい。楽曲に愛を感じます。


David Bowie / Bowie At The Beeb The Best Of The BBC Radio Sessions 68-72(2000)

9/10

ボウイさんのBBCラジオ放送用ライブを収録した2枚組。

超初期のモッズ時代の曲も沢山収録されており、興味深いですね。

Let Me Sleep Beside Youは後年カッコいいロックナンバーとして蘇ります。

ジギースターダスト時代の全盛期のナンバーはどれもカッコいいです。

個人的に特筆すべきは初期のものについていた、2000年のライブCD(画像右)。

昔衛星放送で放送されたのを録画してた気が。。

リラックスした良いライブで、選曲も結構通好みで良いんですよね~。

Wild Is The Windからしっとりと始まりますが、このボーカルが渋くて良い。

Seven, SurviveといったHours...の曲はやはりメロディの良さが際立ちます。

80年代からはThis Is Not America, Absolute Beginners,Lets Danceが

かなりカッコいいアレンジで収録されていて、これも嬉しい。

やっぱりStay。こいつはライブバージョンでしょう。ヘヴィなギターが堪りません。

出来ればこの3枚組を手に入れてほしいですネ。


David Bowie / Heathen(2002)

9/10

モノクロームなジャケの世界観そのままの傑作です。

楽曲のクオリティも申し分ないし、全体を通しての統一感も素晴らしい。

全体的に地味渋オーラが漂っておりますが、これは外せない作品ですね。

1曲目Sundayくらーいオープニングですが素晴らしいです。あぁ灰色の世界。

シングルカットされたSlow Burn。渋いぜ。ヘヴィーなギターがカッコいい。

ボウイの変幻するボーカルも素晴らしい。

5:15 The Angel Have Goneもしとしとと始まり、サビでの盛り上がり,壮大です。

Everyone Says 'Hi'は前作の流れを汲む優しいポップナンバー。優しいボーカルとメロディ,

中盤の盛り上がりが切ない名曲でしょう。

I Would Be Your SlaveとかBetter Futureの疾走しながらも抑えた大人な感じも大好きです。

最後の表題曲。なんて壮大な世界観でしょうか。あぁ灰色の世界。。


David Bowie / Reality(2003)

9/10

前作の流れを踏襲しながらも、より楽曲のバラエティを広げ、

ハイテンションに仕上げた名作。兎に角素晴らしい曲を多数収録しております。

New Killer Star。超名曲でしょう。めまぐるしい曲展開を極めてポップに聴かせます。

ボウイにしか絶対に作りえない逸品。

Never Get Oldも良いですね。この当時のライブは実にエネルギッシュで、本当にそう感じられます。

Looking For Waterもカッコいい。焦燥感を煽るドラムと絡みつくギターが良いです。

ボウイのボーカルも表現力豊かで素晴らしい。

Fall Dog Bombs The Moonも優しいメロディが素敵なポップナンバー。

ジョージハリソンのカバーTry Some, Buy Some。ボウイの素晴らしい熱唱が堪能できます。

そしてハード&ドライビンな表題曲。Welcome to Reality!!と絶叫。

うーんかっこよすぎる。。ここからボウイさんはながーーい休息に入りました。


David Bowie / Live Santa Monica '72(2008)

9/10

ジギースターダストツアーを収録した初期ライブ音源。いやー悪いはずがねぇっす。

アラジンセイン期のライブを収録したZiggy Stardust Motion Pictureに比べ、

こちらの演奏はもっとカチッとしている感じです。ボウイのボーカル含め丁寧な感じがする。

Life On Mars?もボウイのハイトーンが光る美しい演奏です。全然崩してない。

Andy Wahol~My Deathのアコースティックメドレーも素晴らしいです。

Jean Genieもギターがヘヴィなバージョンでカッコいいです。

のちのライブでは大分アレンジされちゃってますからネ。

ちょっと音がこもりがちな気もしますが、名ライブであることは間違いありません。


David Bowie / Reality Tour(2010)

9/10

2004年の公演を収録したライブ盤。映像はだいぶ前にリリースされてて、

何故この時期に?って感じでしたが、素晴らしいライブ盤であることは間違いない。

選曲は初期~後期まであますことなく名曲のオンパレードです。

Rebel, Rebelはニューバージョンで、シンプルに回帰したアレンジがカッコいいです。

All The Young Dudesも感動的だな~。これは名演でしょう。力強いボーカルを堪能できます。

Queenとの共作Under Pressureも演奏されるようになりました。

原曲とは大分アレンジを変えていますが、

ベースのゲイルのハイトーンボーカルが素晴らしく、名演だと思います。

Fantastic Voyage, Loving The Alienでの情感的なボーカルも素晴らしい。

あぁなんでこの時の来日公演に行かなかったのだろうか。ものすごい後悔しておりますです。。


David Bowie / The Next Day(2013)

10/10

10年ぶり。ついにボウイさんが重い腰を上げました。

そして感動的なのは、それが凄まじい名盤であったことです。嬉しかったなぁ。

基調は割とポップなのですが、独創性あふれるサウンドが全編にわたって聴かれ、

ボウイワールドとしか掲揚できない圧倒的な世界観が広がっていますね。

70年代っぽい曲もあれば、80年代っぽいのもあって、90年代っぽいのもあるし、

今までの自らの音楽人生を総括したようなそんな作品の様に思えます。

あ、こんな曲あのアルバムに入ってたよな~って感覚が堪らないのです。

表題曲はテンポの良いブルージーなナンバー。ボウイさんのまくし立てる様なボーカルが

カッコいいですね。ギターも纏わりついて来て素晴らしい。

Dirty Boys不気味なミュージカルソングって感じで一番好きかもしれません。

これこれ!これを求めていたんだよ!と一人で興奮しました。

The Stars (Are Out Tonight)はストレートな疾走ナンバー。渋くて滅茶苦茶カッコいいです。

Where Are We Now?はHours...の頃の様な湿り気ある美しいバラード。

静かに,それでも力強く歌われていく様が印象的な名曲。

If You Can See Meは不気味な疾走ナンバーでOutsideっぽい。ボウイのボーカルは音として最高だと再認識します。

How Does The Grass Glow?名曲です。ヤーヤヤヤーというコーラスが楽しいですね。

これをライブで合唱したかったなぁ。何だかNew Killer Starを思わせます。

(You Will)Set The World On Fireはハードロックだ。Tin Machine IIに入っててもおかしくない。

いやぁしかしカッコいいですこの曲。ボウイのボーカルが熱いです。

You Feel So Lonely You Could Die最後はしっとりバラードで〆ます。まるで初期の曲の様。

Five Yearsのドラムが最後に入ります。

しかしこの歌詞,今思うとですが、終わりを暗示している様にも取れますね。。


David Bowie / ★(2016)

10/10

ボウイさん最後の作品となったアルバムです。

リリースと同時に即買いましたが、圧倒されました。でもまさか亡くなるなんて。。

死を意識して作られた曲の数々。どれも圧倒的すぎて理解が追いつきません。

陰鬱な雰囲気が漂っていますが、それでもどこか光を感じるというか。そんな音の気がします。

最後に凄まじい名作を遺してくれました。去り際まで完璧すぎる。

最期まで圧倒的なロックスターでありました。

タイトルトラック,極めて不気味なメロディーに正確無比なドラム,

ボウイのおどろおどろしいボーカルが強烈な一曲。名曲とかそういう次元で語る曲ではない気がします。

最初聴いたとき圧倒的すぎてちょっと引いたぐらいです。

中盤のメロウな部分でのボウイの優しく力強い歌声は天から降りてくる様な美しさがある。

Tis A Pitty She Was A Foolは疾走系の曲ですが、全編に神秘的な空気が流れています。

Lazarus,これは本当にすごい曲で、曲展開はすごーくシンプルなんだけど、有無を言わさない迫力が漂う。

ボウイのボーカルも鬼気迫っている感じで、理屈じゃ分からない感じの名曲です。

Sueはベスト盤に収録されたジャジーなナンバーの再録。かなりヘヴィなアレンジに直されています。

Dollar Daysも大好きです。圧倒的な美しさ。言葉も出ない。

そこからなだれ込む最後のI Can't Give Everything Away。まるでボウイが天国から語り掛けている様な

崇高なサウンド。背後にはA New Carrier In A New Townのハーモニカが。。

さようならボウイさん。本当にありがとうございました。あなたの作品の数々は永遠に聴き続けることでしょう。


David Bowie / Live Nassau Coliseum '76(2016)

10/10

厳密に言えば私が持っているのはStation to Stationのデラックスエディションの方なのですが、

内容は一緒なので。2016年にライブ盤のみリリースされました。

内容の方はもう最高に決まっています。最高の時期の最高の演奏。最高の選曲。言うことなし!

出だしのStation To Stationから最高すぎです。フィードバックが強烈なギター,

徐々に盛り上がっていく演奏。スタジオ版をはるかに凌駕します。

Suffragette Cityはアルバムと全く違うアレンジ。かなり陽気な感じです。ポップな感じで良い。

何といってもStayですね。これは最高の名演じゃないでしょうか。

最高にファンキーでヘヴィでプログレッシブ。これを聴くためだけに買っても良い。マジで。

Waiting For The Manはご機嫌で健康的なアレンジに。原曲のやばい雰囲気が消滅(笑)。

Life On Mars, Five Yearsといった初期ナンバーもしっかり押さえつつ、

Panic In Detroitのながい演奏も楽しい。

しかしTVC15はやはりライブだなぁ。しゃべり声の演出が楽しいね。普通思いつかんよこれ。

ファンキーな演奏はこちらもスタジオ版を圧倒的に凌駕しています。

全体的にDavid Liveあたりと比べると健康的でエネルギッシュな演奏となっています。

ボウイのボーカルも絶好調。ジャケもカッコいいし、買いでしょう。


David Bowie / Cracked Actor(Live Los Angels '74)(2017)

8/10

突如リリースされた感のあるダイアモンドドッグス期のライブ音源。

基本的な選曲は同ツアーの音源「David Live」とほとんど一緒なのだが、

こちらの方が2か月後の時期のライブということもあり、演奏の一体感がかなり増している印象。

よりソウルな方向に接近している感じが何となしに伝わってきます。

音質の方もトニービスコンティ監修だけあって、かなり力強く聞かせてくれます。

元々LPでのみリリースされていたらしいが、LP聴けないし、今回のCD化はうれしい限り。

未発表曲It's Gonna Be Meスローなソウルバラードで美しいなぁ。7分にわたる熱唱で聴かせます。

John, I'm Only Dancingのソウルバージョンが最後に入っていますが、

これからバリバリソウルをやっていく感じが随所にあふれています。David Live以上に。

同じツアーでも公演が違うだけでここまで違うかって感じ。エモーショナルな良いライブ盤です。


David Bowie / Welcome To The Blackout(2018)

10/10

1978年ロンドンはアールズコートでのライブの模様を収録。絶対買うべき。

まさにベルリン時代のライブの決定版です。同時代のライブアルバムには「Stage」という

これまた名盤が存在しますが、それを無かったことにするがの如く圧倒的に最強の一枚。

勢いがまずStageとは違う。ミックスの影響か音は生々しいし、

ボウイさんのボーカル、演奏にも圧倒的な力強さがある。

かなり前に押し出されてきたエイドリアン・ブリューのギター。

ぐっちゃぐちゃに弾き倒してる感じなのだが、演奏を決して崩壊させることが無い高い芸術性。

そしてStageでは聞けなかったナンバーが多数収録されているのもありがたい。

「The Jean Genie」変態チックな電子バイオリン。怒涛のギターソロ。

ツアーの世界観を崩壊させず、かつ原曲の魅力を失わない絶妙なアレンジです。

「Sound And Vision」このツアーではほとんど演奏されたことがないとか。

ボウイさんの表現豊かなボーカル。演奏も色鮮やかで楽しそう。

ラストの「Rebel Rebel」、「Stay」(前のめりっぷりが超名演!)からなだれ込むかなり不思議な展開。

楽しく煌びやかに締めます。

ベルリン時代のアルバムは暗いのですが、ライブは流石にダイナミックで高揚感に満ちているなぁ。


David Bowie / Glastonbury 2000(2018)

9/10

2000年グラストンベリーフェスティバル出演時の音源。映像とセットとなっております。

しかしボウイさんの死後ハーフオフィシャル含めすさまじい数のライブ盤が乱発されてますね。

オフィシャルなものは全然構わないんですが。こちらの内容も流石に素晴らしいです。

基本的なセットリスト、雰囲気は上記のReality Tourと大差ない感じはあるが、

'hours...'の時期だからか非常にリラックスしたベテラン然とした演奏、歌唱を楽しめる。

何故か'hours...'の楽曲はセトリから外されており、ベストヒット的選曲であり、それもまた楽しい。

ボウイさんの歌唱もMCで言っていた喉頭炎の影響を感じさせない深みのある美声。

特筆すべきはStation to Station。音の厚みが凄く、滅茶苦茶カッコいい演奏に仕上がってます。

アールスリックのギターも迫力満点。Starmanも結構珍しいのでは。

過去の曲は結構キーを下げて歌われているのですが、いずれもキーにあったアレンジになっており、流石。

映像のボウイさんはMCも冗談交じりで凄くご機嫌で楽しそう。しっかし佇まいがカッコ良すぎるのだ。あぁ。。


David Bowie / Serious Moonlight (Live '83)(2019)

10/10

これまで映像のみでオフィシャルリリースされていたLet's Dance期の音源がオフィシャル化。

元々は80年代の音源をすべて集めたボックスに収録されていたものの単品リリースです。

聴いてみて驚いたのが、滅茶苦茶カッコいいということ。ライブの決定版足りうる超強力な一枚です。

兎に角勢いに満ち溢れた堂々たる演奏、華やかに彩られた素晴らしい楽曲の数々

(懸念されたアレンジもそこまで80年代べったりに陥っておらず素晴らしい!)。

基調には70年代に培われたライブアクトとしての圧倒的なパフォーマンスがあり、

そこに80年代の煌びやかな楽曲が「程よく」加わり、彩りを添える。。

元々映像で見た作品だが、時代を感じるシアトリカルな雰囲気ばかりに注目してしまい、

演奏がここまで優れているとは気づかなかった。

ボウイさんのボーカルはこの作品が最高なのではないか?と思えるほど迫力と自信に満ち溢れている。

2,500円と格安であり、必聴です。音の方は若干音圧低めながら、はっきりくっきりで良好です。


David Bowie/ Glass Spider(Live Montreal '87)(2019)

7/10

ボックスのばら売りその②。Never Let Me Down期のツアーを収録。

この時期のボウイさんのアルバムは中々厳しい出来のものが多く、

本人もやりたいことがなかった的な発言をしていましたが、

ライブに関してはかなり意欲的だったのではないでしょうか。

巨大ステージで繰り広げられるシアトリカルな世界。羽が生えて空飛ぶボウイさん、

縄で縛られながら"Heroes"を熱唱するボウイさん(笑)。バブリーで豪壮華麗です。

演奏・歌唱ともかなり勢いがあって良いのですが、アレンジがどうも古臭いのが残念。

キーボードが主張しまくりです。あと解説でも指摘されていますが

Never Let Me Downの曲がやはり辛いですね。ピーターフランプトン氏のギターでいくらか聴けますが。。

セットリストは結構攻めてて、他のツアーでは聞けないナンバーが盛りだくさん。

超明るくなったAll The Mad Man、サビの人誰だよって感じのSons of the Silent Age

なんかは非常に面白いです。