Tears For Fears

1980年代に多数のヒット曲を残したエレポップデュオ。

わが国での「懐かしの80's!」みたいな扱いが正直納得できない素晴らしいミュージシャンです。

音使いが素晴らしく、チープな感じが無く、どこか温かい空気のある、

といった感じでしょうか。

2004年頃に再結成し、2012年にサマーソニックで来日もありました。

僕も見に行きましたが、最近は音沙汰無しとなっております。


メンバー:

Roland Orzabal(Vo. & Gu.)

Curt Smith(Vo. & Ba.)


Tears For Fears / The Hurting(1983)

9/10

1stアルバム。非常にシンプルなエレポップが展開されておりますが、

深みのある世界観は既に構築されております。

やはり音使い,二人の歌声が素晴らしいですね。

ゆらゆらとしたサウンドに不思議なボーカルがのる表題曲は白昼夢の様。

Mad World不穏なAメロ、ポップなサビと面白い曲です。

Pale Shelterは流れる様なシーケンス音とカートの優しく陽炎の様なボーカルが絡み合う名曲です。

アルバムのイメージ通りのSuffer The Childrenこれは力強い

ローランドのボーカルとハードな演奏が良く合っています。こちらも神秘的空気が堪らない名曲。

Changeは典型的エレポップって感じ。PVが色々爆笑ものなので必見。

The Prisonerは悪夢の様な不気味なナンバー。これも中々カッコいい。

最期のStart Of The Breakdownも良い。けたたましいシンセ音が面白いです。

1stアルバムから実に暗いですね~。でもそこが美しいんだと思います。


Tears For Fears / Songs From Big Chair(1985)

9/10

1stからいきなり2年のブランクを経て滅茶苦茶売れたらしい2nd。

全体的に曲の完成度は飛躍的に向上しており、捨て曲無しの名盤となっております。

ポップでありながら、独特の世界観は失われず,尚且つ完成度が高いという。。

ただ、ちょっと曲数が少なく感じるかな?

Shoutはもう超有名でしょう。TFF=Shoutの人たちって位の有名曲ですが、

いや、これは凄い名曲。ひたすら同じフレーズが繰り返されますが、

確実に耳に残りますし。ぶっとい音とローランドの力強い歌唱も良いですね。

超簡単に弾けそうなギターソロも実にメロディアスで大好きです。

Everybody Wants To Rule The World、もう一つの大ヒット曲ですね。

キラキラしたシンセ音と鐘の音の様な美しいギター、至上のメロディと、

彼らの最高傑作と言って間違いないでしょう。カートの優しい歌声が胸に染みます。

Shoutもそうだが、歌詞世界も中々深いのではないか。英語わからんけど。

The Working Hourも力強くしっとりとしたナンバー。これも名曲かと。

Head Over Healsの空間的なシンセサイザーの使い方素晴らしいですね。幻想的。超名曲です。

メランコリックな弾き語りのI Beleiveもアルバムの世界観を色濃くします。

最期のListenは不気味な民族的ナンバーで異色ですが、これも面白いですネ。


Tears For Fears / The Seeds Of Love(1989)

10/10

僕がこのアーティストにこれほど入れ込むのはこの作品の存在が大きいです。

前作とまた思いっきりサウンドを変えてきたアルバムで、

シンセポップ的なアプローチはほぼなりを潜め、ジャズ,サイケ,ハードロック

色々なサウンドを織り込み、そのすべてを名曲に仕上げた物凄い作品なのです。

表題曲。壮大なサイケデリックポップナンバー。ビートルズを彷彿とさせますが、

目まぐるしい曲展開,美しいメロディ,完璧なサウンドプロダクションと

非の打ちどころがありません。超名曲。

Woman In Chainsは女性解放をテーマにしたバラードで、オリータアダムス女史と

ローランドの美しいデュエットソング。壮大な世界観で、広大な荒野を想起させます。早朝に聴くと破壊力大。

Badman's Songは8分を超えるジャジーなナンバー。かなり本格的で違和感なし。

演奏がビシビシ決まりまくります。サマソニのとき、一曲目がこれで度肝を抜かれました。

Advice For The Young At Heartはカートの優しい歌声がぴったりはまったポップナンバー。

カートの多重声によって表現されるサビの美しさは天上世界の様。最高です。

Swords And Knivesは壮大な世界観が広がるローランドのバラード。前作の延長線上の曲ですね。

Year of The Knifeは疾走系のナンバーでギターが非常に目立ってます。何ともカッコいい一曲。完成度が凄い。

最期は核戦争後の世界をテーマとしたFamous Last Wordで終わります。

この曲も良く雰囲気が出ていますね。最後の盛り上がりでのローランドの熱いボーカルは必聴。

ここまで完成度の高いアルバムを作ってしまったら後が続かないのはもはや必然。

今作後カートは脱退してしまいました。


Tears For Fears / Elemental(1993)

8/10

ローランド一人体制の1作目。

前作ほどの超大作感は無くなり、内省的な世界観が展開されております。

曲の方はなかなかに粒ぞろいです。アルバムとしての統一感もあり、

かなりの佳作と言える出来なのではないでしょうか。

1曲目Elemental。力強いバラードです。ここからが新たな旅立ち。

陰鬱ですが静かな覚悟を感じます。名曲。

Coldはリラックスした雰囲気のバラード。サイケな味付けが良いです。

Break It Down Againはやたら幸せな雰囲気漂うポップナンバー。

これも名曲ですね~。メロディが美しいです。

Fish Out Of Waterでは脱退したカートを痛烈批判w曲は美しいのにね。

Goodnight Songは本当に大好き。澄み渡った月夜って感じが漂います。

ギターフレーズが実に印象的。

最初と最後の曲が良いから結構聴いてしまうアルバムです。

個人的には正直苦手な曲も結構あるんですが。


Tears For Fears / Raoul And The Kings Of Spain(1995)

6/10

すみません。このアルバムあまりまじめに聴いてません。。

と言うより、聞くたびに集中力が持続しない。

曲が地味なのが原因かなぁ。。聴き込みが足りないか。いや、しかし。。

表題曲は文句なしにカッコいいです。

疾走感溢れるナンバーで、ローランドの勇ましいボーカルが良い。

スペイン王族の先祖を持つ彼がルーツをたどった作品とのこと。

確かにラテン的なメロディの味付けが所々見られますね。


Tears For Fears / Everybody Loves A Happy Ending(2004)

8/10

カートスミスと再び2人体制のTFFを再結成しての一枚。

今までのTFFのどのアルバムとも違う世界観ですね。

凄くビートルズフォロワー感が漂ってます。ジャケのイメージ通りかな。

楽曲は複雑な展開を見せる曲が多く、通しで聴くと少し疲れますが、

完成度は高い作品だと思います。ただTFFらしさがあまり感じられないのが少し寂しいかな。

表題曲はA Day In The Lifeを彷彿とさせるサイケなナンバー。転調する曲調が面白い。

サマーソニック来日時もこの曲は意外と盛り上がりました。

Closest Thing To Heavenも美しいバラード。The Seeds Of Loveのドラムが聴け、

そこからのローランドの熱い歌唱が良いですね。

Call Me Mellow大好きです。文字通りメロウ。超ポップですが、サビのハモりの美しさはカートの歌声ならではでしょう。

この優しい空気はローランド一人ではどうしても難しい。

Who Killed The Tangelineはあまりにもビートルズのパロディ多すぎ。

面白いですけど、それをTFFに求めるか?と言われると。。

マイナー調のQuiet Oneもカートのサビでの歌声が美しいです。透き通ったガラスの様。

最期のLast Days On Earthもソフトなソウルって感じの曲で落ち着いてて良いですね~。

Seeds Of Loveの最後もこんなテーマの曲でしたよね。

そろそろ新作をお願いします。