Others(洋楽編)

Associates / Sulk(1982)

10/10

80年代のエレポップデュオAssociates。孤高の暗黒で華美な世界観は唯一無二。

この作品はその極地でしょう。凄まじい傑作です。

既に故人であるボーカルビリーマッケンジーのオペラを彷彿とさせる超絶ハイトーンが

一筋縄にはいかない変態性と独創性を曲に持たせています。

一番良い時代のDavid Bowieのフォロワー的な空気がありながらも、

その完成度を超える勢いで圧倒的な世界観を創りあげております。

代表曲Party Fears Two。完璧な一曲でしょう。華美でポップな世界に乗る

ビリーのハイトーンボイス。表現力が極限。

もう一つの傑作Club Countryも同じく。ギターの性急なカッティングに乗る

表現豊かなボーカル。サビの変幻自在っぷりはもはや凄いを通り越して異常。

Gloomy Sunday、暗い日曜日です。こちらも素晴らしいビリーのボーカルが堪能できる。

Nude Spoons, Skippingのような疾走ナンバーもイカれ具合がカッコいい。全曲最高。


Def Leppard / Pyromania(1983)

8/10

80年代NWOBHMの雄とされるバンドですが、サウンドはものすごくポップ。

ギンギンのハードロックサウンドを期待して買うと肩透かしを食うであろうこのバンド,

何が魅力化というと、やはりそのブリティッシュなメロディセンスではないでしょうか。

パワーポップ好きにもぜひおすすめしたい。

Rock Rock(Till You Drop)ノリノリのロックンロールナンバーからスタート。

ギターが実に開放的で気持ちいいです。

Photograph これはパワーポップの超名曲でしょう。ポップで楽しいAメロから

徐々に切なさを増していくメロディはサビで最高潮に達する。。堪らない一曲です。

続くStage Flight 疾走感溢れるこれも素晴らしい名曲。ザクザク決まるリフに開放的なメロディ。

サビの清涼感が堪りません。と、出だし3曲は全く非の打ちどころなし!

個人的にはここまでが好きすぎて後が続かないのが欠点。

哀愁メロディのFoolin',へんてこメロディ展開のRock Of Agesなんかは好きなのですが。

ちなみにデラックスエディションは2枚目のライブがエネルギッシュで最高なので入手推奨(ブライアンメイも出演してる)。

しかし、この世界観,イギリス人にしか作りえないですね。


Def Leppard / Hysteria(1987)

10/10

すみません。この作品大好きなんです。世界的な大ヒットとなった名盤で、1500万枚とか売ったらしい。

ドラムのリックが交通事故で片腕切断という悲劇に見舞われながらも、失われたビート感を

テクノロジーで補ったといった感じの音。これが凄く近未来的でツボなのです。

今聞くと80年代全開!!なのですが、逆に新鮮です。何よりも楽曲の充実度。メロディ,曲展開とも圧倒的。

バラエティに富んだ楽曲の数々には圧倒されます。よくわからんジャケも雰囲気があって好き。

Woman のっけからダークでスローなナンバーからスタート。しかしメランコリックな美しさが漂う。。

Rocket ブギ―調の楽しいナンバー。みずみずしい音世界が美しい。ギター美しすぎ。過去のロックの名曲へのオマージュ溢れる歌詞。

中盤のながーい感想はZeppelinへのオマージュだろう(そもそもバンド名がね。。)

Animal 浮遊感が素敵なポップナンバー。合いの手が楽しいです。

Love Bites メタルバラードの名曲です。哀愁溢れるメロディとドラマティックな展開が良い。

Pour Some Sugar On Me これはWe will Rock Youだな(笑) ヘヴィなサウンドがキマってます。

Armageddon It パワーポップサイドの名曲再び。ノリノリのAメロからいきなりみずみずしく切ないメロディに突っ込んでいきます。

結構こういう曲展開って彼ら独特で中々面白い。

表題曲はあまりに美しいなぁ。。ため息が出てしまうような80年代パワーバラードの金字塔。奇跡のようなメロディ。

最後のLove And Affection もまた美しいパワーバラードです。

食わず嫌いせずに聴く価値大ありの名盤ですので是非。

Freddie Mercury / Mr. Bad Guy (1985)

9/10

QueenのボーカリストFreddie Mercuryによる唯一の純粋なソロアルバム。

映画Bohemian Rhapsodyでは割と否定的な描かれ方をしていたように感じられる作品ですが、

フレディの圧倒的な音楽世界が万華鏡のように煌めく大傑作でしょう。

音使いこそエレポップ的でこの時代的な色が濃いのですが、天才的なメロディ、

怒涛のボーカル、圧倒的なリズム感,全てにおいて完成度が高すぎる。全曲最高。名盤。

②Made In Heaven 後にQueenによってリメイクされるバラード。荘厳な雰囲気が漂う傑作です。

③I Was Born To Love You こちらも後にリメイクされましたが、ここで聴けるバージョンはエレポップ全開で、

軽やかな感触。シンプルですが、このメロディにしっくりくるのはドリーミーなこのアレンジが一番では。

圧倒的な熱量で説得力がやはり違います。

④Foolin' Around ファンキーで粋なナンバー。歌いまわしが異次元のカッコ良さ。大好きな曲です。

生きる悦びに満ち溢れている感じがある。

⑧There Must Be More to Life Than This 元々Michael Jacksonとのデュエットだったバラードの傑作。

優しいメロディにフレディの温かいボーカルが素晴らしいです。

⑨Living On My Own フレディのフルスロットルなスキャットが最高すぎる妖しげでジャジーなナンバー。

ピアノのリズム感が中々えぐくて素晴らしい。

ロックのミュージシャンでありながら、他のロックミュージシャンでは殆ど持ち合わせていないであろう、

音楽のバックボーンから発せられる圧倒的な引き出しの多さ。独創性。必聴です。