The Cure

80年代英国ニューウェーブシーンを代表するバンドであり、

今や世界的な人気を博すバンドなのですが、ここ日本では今一評価が低いキュアー。

ダークでサイケデリックな悪夢の様な楽曲と

ひたすらカラフルなポップナンバー,そのどちらもが彼らの強烈な個性として矛盾なく存在しています。

夢見がちな雰囲気の楽曲はどれも奇跡的な美しさです。

強烈なパンダメイクとぼっさぼさのヘアスタイルのロバートのルックスは一度見たら忘れられない強烈さ。

子供らしさを失わない彼の性格も素敵で、嫌なことがあると「解散!」と駄々をこねる癖アリ(毎度撤回されるというね)。

そろそろ新作のリリースを期待したいところですね。


メンバー:多すぎるので主要な方々のみ(入れ替わり激し過ぎ,クビにしすぎw)

Robert Smith Vo.&Gu.

Simon Gallup Ba.

Roger O'donnell Key.

Jason Cooper Dr.

Reeves Gabrels Gu.

Porl Thompson Gu. 1976~1978,1983~1993,2005~2009

Laurence Tolhurst Dr.&Key. 1976~1989

Boris Williams Dr. 1984~1994


The Cure / Three Imaginary Boys(1979)

7/10

意味不明の家電ジャケ。。内容についても中々凄く、恐ろしく線の細い演奏に

ロバートの力ないボーカルがふわーっと乗ります。

まだ以後の様なサイケ的サウンドはほとんど見られず,パンクの影響下にあるサウンドなのですが、

強烈すぎる個性は既に炸裂しております。

10.15 Saturday Night ライブの定番曲であり、代表曲ですね。

蛇口からぽたぽた落ちている水滴を表現したかのような不気味でチープなギターリフが印象的。

後半ギンギンにファズの入ったギターソロが炸裂しますが、ここがあまりにも必殺過ぎて堪りません。

Griding Halt ポップで若干の疾走感あるナンバー。可愛らしいリフが良いですね。

Subway Song は一言で言えば音量注意!って感じです。

ジミヘンのFoxy Ladyは原曲の面影皆無過ぎて凄い。ここまでしょぼいFoxy Ladyがあるだろうか!?

つかみどころが全然ないんですが、たまに猛烈に聴きたくなる不思議な作品です。


The Cure / Seventeen Seconds(1980)

7/10

不気味な森のジャケットそのままの世界観ですね。

日が暮れつつある無人の森の中に一人って感じの。音の方はモノクロームな悪夢といった風情です。

演奏の方は至ってシンプルなのですが。初期の最高作に挙げられることが多いのですが、

個人的にはインスト等が多く、次作の方が好きです。ただ、ここには2曲の超必殺曲が。

Play For Today はリバーブの効いた不気味なドラムとぬめぬめしたベースラインにのる

美しく情感的なギターが堪らないナンバー。印象的なキーボードラインも素晴らしい。

ライブでは観客の大合唱となります(なんでやねんw)。

A Forest まさにジャケの世界ですね。不穏なキーボードとギターの幕開けが美しすぎます。

そのあとは淡々と繰り広げられる演奏,ロバートの不気味なボーカルに情熱的なギター。名曲過ぎる。。

あとは全く歌声が聞き取れないSecrets(不気味で最高),永遠に終わらない自問自答の様なM,

中近東風の不気味なリフが印象的なAt Night等佳曲を収録。

どうしても気分が晴れない曇りの日に部屋に籠って聴くにはうってつけではないでしょうか。


The Cure / Faith(1981)

9/10

意味不明のジャケが不気味な3rd。初期の集大成と言える作品でしょう。

モノクロームな世界にのる陰鬱サウンド。楽曲も非常に粒ぞろいで、世界観も完成されています。

シンプルな演奏でこれだけのことをやってのけるのは尋常じゃない。

The Holy Hour シンプルなサウンド,遠くから聞こえてくるロバートのボーカルが怖い。

若干のメランコリックを感じます。ギターも美しく遠くから響いてきます。

Primary 久々の疾走系ナンバー。陰鬱サウンドで駆け抜けます。ジャリジャリしたギターがカッコいい。

Other Voices 昔満員電車でこの曲聴いて吐いた記憶が。。太いベースの淡々としたリフが

延々ループされる不気味なナンバー。遠くで鳴ってるギターが美しい。

All Cats Are Grey 美しいですね。まさに意味の分からない悪夢を音で表現した感じ。

消え入りそうなキーボードの音が美し過ぎ。ドコドコドラムも堪らない。

後半でようやくロバートが登場。ぶつぶつとあくまでも遠くから歌声が響きます。名曲。

The Funeral Party シンセサイザーが前面に出たメロウなナンバー。少し彩色を感じます。不気味ですが。

Doubt 凶悪なサウンドの疾走ナンバー。力強く駆け抜けますが、音の方はやっぱり陰鬱。

ホントにこの時期のロバートのギターは良い。

最後の陰鬱2曲「The Drowing Man」「Faith」も素晴らしく、世界観の完成された名盤でしょう。


The Cure / Pornography(1982)

10/10

悪夢をぶっちぎって地獄まで到達してしまったかのような一枚。ジャケそのままです。

モノクロームで幽玄な雰囲気は消え失せ,一片の救いもなく、ひたすらに暗黒の世界が繰り広げられます。

しかし、この妥協なき暗黒世界,一周回ってあまりに美しすぎるのです。孤高。

演奏の方もまさに完璧で、凶悪なドラム,ロバートの咆哮する様なボーカル,鉄壁のギターワークと

非の打ちどころが全くありません。初期の、というよりも彼らの最高傑作の一つでしょう。

One Hurdred Years 焦燥感溢れるドコドコドラムがまさに地獄の亡者の叫びの様。恐ろしすぎます。

歌い出しが「例え皆死に絶えたって構わない」だし。オープニングから強烈。

A Short Time Effect 同様に凶悪なドラムが印象的。出だしのギターサウンド美し過ぎます。

後ろの方で何やら色々繰り広げられているギターバトルがヤバい。

The Hanging Gardenはこの中では一番ポップな方(暗黒世界には変わりがないですが)。

ドラムとベースがブリブリ鳴る疾走ナンバーで滅茶苦茶カッコいいですね。

The Figure Head 名曲。ローテンポのナンバーですが、凶悪なリズム隊のサウンドにのる激情的なギター。

ロバートの歌声もすべてに憎しみをぶつけるかの様。

そしてそれを超える凄まじい名曲Strange Day。この作品で最高の曲。

哀愁を含んだ暗黒世界。ロバートの涙も枯れ果ててしまった後の様な美しすぎるギターフレーズ。。絶句です。

最後の表題曲超怖いです。容赦ない憎しみとか悲しみとかグルグル渦巻いている圧倒的不穏感。やばいです。


The Cure / Japanese Whispers(1983)

8/10

ここにきて超ポップ路線へ。何故。。しかし楽曲の方はかなり粒ぞろいな編集盤。奇妙なジャケットも良いですね。

まだ完全に煌びやかなポップスに変貌していない過渡期的な音を楽しむことが出来ます。

Let's Go To Bed 少しファンキーなテイストのポップナンバー。

しかし何だかだるくて陰鬱な雰囲気が漂う感じがこの時期ならでは。

The Dream, The Walkで聴かれる素っ頓狂なシンセサイザーの音が強烈。

あえてこのチープさ,堪らないですね。

Just One Kiss 美しい曲です。ギターとシンセが妖しく絡み合う疾走ナンバー。

Lament これも堪らない美しさ。不穏なメロディと幾分かポップですっきりした音世界。

どことなくメランコリックな世界に浸れます。

Love Cats ポップサイドの名曲ですね。可愛らしいナンバーで夜を感じさせる洒落たサウンドが素晴らしい。

ロバートのボーカルはさながら猫そのもので、凄まじい表現力。

これが太いベースラインに絡むホーンセクション,妖しいメロディに絡みます。

このアルバム,なぜかリマスタリングされないのですが、何とかお願いしたいところです。


The Cure / The Top(1984)

7/10

前作の流れからポップな方向に本格的に舵を切り始めた一枚。

サウンドのほうは前作のチープな感触は薄れ、しっかりした音世界を構築しています。

しかし、個人的に録音が貧弱に聴こえてしまうことが結構あるのに加え,

他作品に比べ、少し楽曲が弱いのではないかと思う。ジャケは大好きなのですが。

Shake Dog Shake 力強く奏でられるダークなナンバー。サビがキャッチーですね。

Dressing Up 美しい音世界です。笛の音も効果的。桃源郷の様だ。

ただ、メロディはあって無い様なものなのですが。。

The Caterpillar 名曲ですね~。ストレンジ極まりない演奏とキュートなメロディが堪りません。

パーカッションやピアノ,いろいろな楽器で演奏される様が楽しそう。

しかし芋虫少女って何なんだ。この辺の奇妙な感覚がCureがCureたる所以なのです。

Piggy In The Mirrorってもしやロバート自身のことだろうか。。歌声も何かデブっぽくて変w

The Empty World 行進曲の様なリズムに乗る可愛らしい笛の音,しかし雰囲気は何だか不穏。

この世界観が好きです。最後の表題曲は超暗黒。普通に怖い。ここに来て面目躍如というか。


The Cure / Concert - The Cure Live(1984)

7/10

初のライブ盤です。イギリスのハマースミスオデオンとかの音源を収録しているそう。

やはりニューウェイブバンドの宿命でしょうか,演奏が中々にしょぼい。。

それと録音のほうもあまり良くなく、籠った感じで迫力があまり感じられないです。

それでも好きな演奏はいくつかあります。特に最後の3曲は素晴らしく、

スタジオ盤よりダイナミックに聴こえるA Forestはやはり情熱的なギターがカッコいい。

そしてロバートのAgain And Agianループ炸裂は凄いですね。

10.15 Saturday Night, Killing An Arab初期2曲もダイナミックな演奏に変わり、

抜群のカッコよさです。こちらもリマスタリングを希望。音が良くなればあるいは、という気がする。


The Cure / The Head On The Door(1985)

9/10

ここで彼らは本格的にポップな作品をリリースしました。

目の覚める様なカラフルなポップナンバーたちはどれもキラキラして美しく、

さながら宝石の様。名曲・代表曲を多数収録する名盤です。

ポップでありながらも独特のストレンジさを失わないことが彼らの魅力でしょうか。

実は最初に聴く一枚としてもおすすめです。各曲のオリエンタルな味付けも印象的。

In Between Daysは疾走系ポップナンバー。これでもかって位にポップ。

しかしメロディが美しく,完成度が高いです。歌詞の方は倒錯的。彼女に出ていけと言ったり

戻ってきてって泣いたり。いかにもロバートって感じですな。

Kyoto Song お琴の様な音が印象的なナンバー。少し陰鬱なナンバー。この昨年の初来日公演が影響したか。

The Blood 今度はスパニッシュなリフとアラブ的音階の笛の音が炸裂します。うーむ奇妙。

Six Different Ways どこまでも可愛い一曲です。ふわふわしたシンセの音が堪りません。夢の様なカラフルさ。

Push ひたすらストレートな疾走系ナンバー。これも好きですね。

中々歌が始まらないのが一筋縄にはいかない感じでグッドです。

Close To Me 名曲です。兎に角ポップで可愛いナンバーなのですが、

閉所恐怖症的世界観でしょうか,各音のレンジが極端に狭い雰囲気。キーボードの音がキュートです。

A Night Like This 哀愁あふれるナンバー。これも名曲ですね。しっかりしたメロディが印象的で、

今までのキュアーの楽曲とはかなり一線を画しています。少し希望を感じさせるロバートの力強い歌唱が光ります。

前作同様最後のSInkingは超暗黒ナンバーで〆ます。不穏なメロディが美しいですね。


The Cure / Standing At The Sea - The Singles(1986)

9/10

ここまでの代表曲を収録したベスト。個人的には最初に聴いたアルバムなので、

思い入れが強いです。序盤のとっつきにくさと後半のポップでカラフルな世界観のギャップが凄まじい。

最初聴いたときは戸惑いましたが、中毒の様に聴きあさるようになるのに時間はかからなかった。

ここでしか聞けない楽曲は一曲だけ。Charlotte Sometimesです。

まさにゴシック!って感じの耽美系暗黒ナンバーで、Pornography収録曲を幾分かメロウにした感じ。

中々に美しい世界観で外せない一曲です。

Boys Don't Cry は彼らの初期代表曲ですね。爽やかでポップなメロディが堪りません。

ガチャガチャしたロバートのギターも最高。歌詞の情けなさも彼らならでは。

Jumping Someone Else's Train も良いですね。疾走感溢れるポップなナンバー。ギターがカッコ良すぎ。

メロディは何だか情けない感じなのですが、そこが良いんだよね。

Killin An Arab はカミュの異邦人にインスパイヤされたというデビュー曲です。

アラビア的ギターリフが印象的なポップナンバー。

最近では歌詞に問題ありとのことから Killing Anotherとかになってます。


The Cure / Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me(1987)

9/10

前作の路線を維持しつつ,大作志向となった一枚。実に18曲を収録しています。

そのすべてが名曲というわけではありませんが、代表曲・ヒット曲を多数収録しており、

彼らの代表作と言って間違えの無い一枚です。

The Kiss 出だしから不穏なナンバーでスタート。サイケデリックな演奏にのる暴力的なボーカル。

渦巻く様なギターワークが凄まじすぎますね。かっこよすぎ。

つづくCatch ストレンジなポップナンバーです。ゆるーいサウンドにのる力ないボーカル。

よれよれですが、少し奇妙な音世界とメロディ。最高です。

Why Can't I Be You? 全力でポップです。まさに80'sって感じ。ダンス的なサウンドが強烈に。

PVで熊の着ぐるみを着て踊り狂うロバートは必見。しかし倒錯的な歌詞はやはりキュアー。

How Beautiful You Are... 疾走系のナンバーですが、抑えめの演奏が素晴らしい。

絡み合う各楽曲とメランコリックなメロディ,キーボードラインが素晴らしいですね。

Just Like Heaven 彼らの最大の代表曲です。こちらも目が覚める様なポップさですが、

メランコリックなメロディと優しいキーボードとギターの音、弾ける様なリズム隊の演奏がエバーグリーン。

歌詞は恋人との切ない一夜を歌っていますがオチがちょっとかわいそう。実際の奥様との馴れ初めなのだとか。

Hot! Hot! Hot! はやたらファンキーでポップなナンバー。可愛らしいメロディが印象的です。

One More Time 美しいギターの透き通る様な音とシンセ音が神々しいです。切ないメロディも良い。

The Perfect Girl 兎に角可愛い一曲。跳ね回る様な清々しい演奏が良いですね。

A Thousand Hours 後のBloodflowersあたりに入ってそうなソフトな曲。静かにしかし美しいです。

激烈疾走のShiver & Shakeも開き直りっぷりが痛快ですね。

75分近い収録時間なので聴くと結構疲れますが、楽曲はバラエティに富んでいるので飽きませんね。


The Cure / Disintegration(1989)

10/10

ダークで耽美的な世界観とポップでカラフルな世界観,この二つの個性が最高に高度な次元で

調和し生み出された最高傑作。これもまさにジャケットの世界通りの音世界。

決して聴きやすい部類とは思わないのですが、アメリカでは大ヒット作となりました。

兎に角楽曲がどれも素晴らしい。完成度が異常なまでに高められています。

ポップでありながらも、世界観を構築するために妥協なく編曲されており、

曲によっては前奏が凄まじく長かったり、幽玄なサウンドが展開されたりと全く妥協が無い。完成された美学。

Plain Song 幽玄なシンセサイザーの分厚い壁。美しすぎる。。

フジロックでの1曲目がこれだったなぁ。スモークの中立ち尽くすロバートを見つけた時には鳥肌が立ったものだ。

Picture Of You 超名曲です。メランコリックなバラードで、

大きく盛り上がることもなく淡々と延々と続いて行きます。その様がまさに美。

Closedown 幽玄なシンセ音にのるドコドコドラム。どこまでも幻想的な一曲です。

Lovesong 大ヒットナンバー。哀愁あふれるバラードの名曲です。全体的に抑えられた渋い演奏とボーカルなのですが、

間奏の焦燥感溢れるシンセ音と絡みつくギターに感情の爆発を感じます。美し過ぎ。

Last Dance も美しい。哀愁あふれるメロディと幻想的なベース,シンセ音。完成度が高すぎる。

Lullaby これも独特の美学が炸裂する名曲ですね。少年のベッドに蜘蛛男が忍び寄ってくる,

ロバートが少年時代おじさんに聴かされた話がトラウマとなり生み出されたとか。

ひたすらに続くウィスパーボイスなボーカルが不気味です。

Fascination Streetはどの辺がFascinationなんだよって感じですが、超名曲です。

哀愁あふれるロックナンバーで、ぶっといベースと流れる様なギターが印象的。

歌が始まるまで2分半延々ジャムり続けます。最高。

表題曲,疾走系の大作。ワンコードで突っ走ります。怒涛の8分。

暗黒世界と幽玄で幻想的な世界が混然一体となって迫ってきます。メランコリックなメロディも美しい。

ロバートのボーカルも激情を感じさせる凄まじさだ。

ラストUntitledは穏やかでメランコリックなナンバー。優しさすら感じる名曲です。

本当に奇跡的な作品。是非一度は聴いてもらいたい。


The Cure / Wish(1992)

10/10

前作に引き続き凄まじい完成度を誇る傑作。この辺りが黄金期でしょう。

前作では幽玄でメランコリックな世界が展開されましたが、本作では若干ポップな味付けが

絶妙な塩梅で加わっています。演奏のほうも過去最高と言える素晴らしさ。

もはやプログレッシブロック?の範疇に突入している感もあり。

捨て曲は一切無し。兎に角圧倒的な世界が完成されています。

Open およそ7分にも及ぶ堂々たるキュアーワールドです。極めて高度なギターワークと演奏が爆発。

魂の籠ったロバートのボーカルも凄まじい。ライブの定番曲。かっこよすぎます。

High 超ポップでキュートなナンバー。Just Like Heaven系統の曲ですが、これも名曲。

From The Edge Of The Deep Green Sea 8分近い大作で疾走感溢れるナンバー。複雑に絡み合う演奏と

哀愁漂うメロディ,ロバートの力強いボーカルが素晴らしすぎる。

Wendy Times ワウの効いたストレンジなリフとコーラスが印象的なナンバー。

キュアー以外にこんなリフ思いつかないでしょう。

Doing The Unstuck 彼らの最高傑作の一つでしょう。静かに力強く始まる前奏から、

爆発的な盛り上がりを見せる演奏,メランコリックで極上のメロディ。

ロバートのまくしたてる様な焦燥感溢れるボーカル。全てにおいて完璧すぎます。

そこからFriday I'm In Loveへ。これも彼らのポップサイドの最高傑作です。

土曜や日曜でなく金曜日が一番好きって歌詞が捻くれてて良いです。

この曲で聴けるギターリフ・ギターワークはあまりにも美しすぎる。雨のあとの晴れ渡った空の様な爽快感です。

Trust 前作の最後の2曲を彷彿とさせる穏やかで哀愁漂うナンバー。繊細な演奏の辛みが美しさを際立たせます。

ロバートの情感漂うボーカルも良い。この歌が中々始まらない感じが良いんですよね。

A Letter To Elise 大好きな曲。鉄琴の様な煌びやかな音が奏でるメランコリックなリフ,

優しいメロディ。いつまでも聴いていたい浮遊感。そして中盤のカタルシス。いつも心を揺さぶられる逸品です。

爆走ナンバーCutこれもカッコいい。このアルバムの疾走系ナンバーは激しくても哀愁味溢れてて,

攻撃的でないところが良いですね(勿論攻撃的な彼らも大好きですが)。

To Wish Impossible Things 東洋的なパーカッションや楽器を用いた幽玄で神秘的なナンバー。美しすぎる。

最後のEnd ヘヴィなナンバーで終わります。この曲は若干ダークさが光るサウンドで、

アルバムの最後にこの不穏で暴力的な終わりは実に素晴らしいです。

頼むからこの作品のリマスターデラックス盤を早々に希望します。


The Cure / Show(1993)

9/10

全盛期のライブを収録した2枚組アルバム。悪いはずがないです。

演奏はWishで聴かれた圧倒的な充実度からわかる通り素晴らしい完成度。

音質の方も言うことなしです。

選曲はかなり代表曲寄り。この時期のベスト的選曲と言えるでしょう。

Tape~Openのなだれ込む様のカッコよさ。しかしOpenのライブバージョン,

ごちゃごちゃした演奏が最高にカッコいいです。

Lullabyはアルバムのウィスパーボイスと異なり、しっかりした歌唱に。これはこれでカッコいいです。

Fascination Streetはやはりぶっといベースが堪らない。前奏のギターのタメがよりダイナミックです。

Doing The Unstuckのライブバージョンやはり最高。力強く突き進みます。

The Walk, Let's Go To Bedも素晴らしいアレンジに仕上がっています。

後者はロバートの力強い歌唱と後ろでひたすらジャミジャミいってるギターが堪りません。

注意すべきはたまに1枚組のものがあるのですが、曲数が少ないので、

2枚組を何とかゲットして頂きたいです。


The Cure / Paris(1993)

9/10

こちらは1枚組のパリでのライブを収録した一枚。

前作に比べ、ダークな楽曲を中心に収録。ファンのツボを押さえまくった選曲最高すぎ。

当然こちらも素晴らしいライブ盤です。

初期の曲がレベルの高い演奏で聴けるのも嬉しいですね。

いきなりのFigure Headです。ライブでも圧倒的な悪夢感は変わらず。

One Hundred Yearsもライブの定番ですね。ダイナミックな演奏がカッコいい。

Play For Todayでは観客の大合唱が炸裂。これ、フジロックで僕もやりましたが、

周りの誰もやって無くてビビりました(笑)。

In Your House元々圧倒的にモノクロな世界でしたが、

ここで聴ける演奏はメランコリックさが増しており、幽玄な世界に。素晴らしい。

Charlotte Sometimesまたもや収録。キーボードが前面に出ており、幻想的なアレンジです。

Close To Meで最後は〆。しかしこのライブ盤お客さんの熱狂が異常だ。。


The Cure / Wild Mood Swings(1996)

7/10

4年ぶりのアルバム。PV見るとわかりますが、やたらロバートが痩せてます。

内容の方はかなりポップな方向に攻めている曲とダークな楽曲が入り乱れています。

しかしながら、それらの曲の雰囲気にかなり大きな乖離がある為、

Wishの様な圧倒的な世界観を構築するに至らず。個々の楽曲は素晴らしいと思うのですが、

あまり積極的に聴かない一枚。全部ポップな曲で統一すればよかったのでは。ジャケは大好き。

Want 哀愁味溢れるスローなナンバー。前作の流れを継いでます。相変わらず前半が前奏という長さ。

幽玄な世界観が炸裂しており、中々の佳曲です。

The 13th カリプソ風の演奏が印象的なポップナンバー。奇妙な雰囲気がどことなく漂うのはキュアーならでは。

Strange Attraction これも滅茶苦茶ポップで可愛らしい曲。メロディが凄まじくキャッチーです。

Mint Car ベースのサイモン作曲の疾走感溢れる凄まじくポップなナンバー。メロディとサビでの盛り上がりが至高。

これは名曲ですね。このアルバム一だと思います。ロバートのボーカルも清々しい感じ。

Returnも同様の路線の楽曲で晴れ渡る空の様な徹底的なポップさ。

コロコロしたキーボードの音とホーンセクションがどこまでも楽しい。

Treasure ゆったりとした演奏が美しいスローナンバー。キュアーにしか作りえない世界だ。

最後は8分近い大作Bareで終わります。凄ーく地味渋なのですが、クセになる感じの曲です。


The Cure / Bloodflowers(2000)

8/10

更に4年ぶりのアルバム。かなりとっつきにくい感じになってのカムバックです。

ダーク,ヘヴィ,メランコリックといった要素が全開のアルバム。

一般にはPornography,Disintegrationとこれで3部作と言います

(実際にこの三作の再現ライブを収録したTrirogyというDVDが出ています)。

キュアーファンはこの感じがもれなく大好きな筈なので、当然僕も好きな作品です。

Out Of This World ひたすらに幽玄な雰囲気漂うスローナンバー。

フィードバック音を後方でまき散らしているギター,不穏なフレーズを奏でるピアノと

独特の美学がこれでもかと炸裂しています。このアルバム一の曲では。

2曲目で11分近いWatching Me Fall 暴力的でヘヴィな演奏が印象的。

ロバートの凶悪な叫び声にも似たボーカルが凄まじい。思い切ってます。

Maybe Someday この中では少し聴きやすい曲でしょうか。ポップな雰囲気がありつつも、

メロディの方はダークを貫いていますね。ドラマチックな雰囲気がカッコいいです。

疾走感溢れるComing Up なんだかデジタルな感じ。ヘヴィでヒステリックなギターが素晴らしい。

The Loudest Sound これも素晴らしい曲ですね。浮遊感溢れる音処理が堪りません。

陰鬱な雨の日にぴったりなナンバー。果てしなく夢うつつ。

39 自身が39歳になった憂鬱感を歌ったとかなんとか。当然陰鬱なメロディ。ヘヴィな演奏がカッコいい。

ラスト表題曲はおとなし目に始まる序盤から凄まじい盛り上がりを見せる後半へ。

まさに怒涛と言うほかない。圧倒されます。


The Cure / The Cure(2004)

7/10

楽曲は粒ぞろいで好きな曲も結構あるのですが、正直一番聴くことが少ない作品。

個人的に音処理があまり好きではないかな。幽玄な感じが殺されているというか。

どちらかと言うと後半の曲が結構好きです。

Lost 凄まじくダークでストレンジな1曲目。徐々にやばい感じに凶悪さを増します。

ロバートの怒り狂ったかのようなボーカルが凄い。

Labyrinth これも暗いです。ドコドコドラムが印象的でちょっと初期の空気を感じますね。

The End Of The World かなりポップなナンバー。当時ラジオとかで聴いた気がします。

Us Or Them ヘヴィ&ダークで攻撃的なナンバーです。これはかなりカッコいい。

どうもこのアルバムの音の質感はこういう曲にしっくり来る気がします。

Alt. End これもカッコいい。哀愁あふれるメロディに乗るハードな演奏。もはやキュアーの得意技ですな。

Taking Off かなりポップ。これも弾きまくりベースにメロウな展開といかにもキュアーな典型的なナンバー。

最後は9分のながーいThe Promiseで終わり。これもお馴染みの展開ですね。

しかし国内盤は何故曲の間にボーナストラックが入っているんだ?本当にやめてほしい。


The Cure / 4:13 Dream(2008)

9/10

個人的には久々にかなりヒットした作品です。基本はポップめな作品だと思いますが、

楽曲は非常にバラエティに富み,ダークな展開やメランコリックな展開も、

決して軸がぶれることなく、高い次元で融合していると思います。完成度はかなりの高さ。

ある意味集大成的な作品化かも。事実この作品から9年が経つが、

まだ新作がリリースされていない(一時4:14 Screamなんて話もあったが。。)

Underneath The Stars 落ち着いた曲調のメランコリックなナンバー。哀愁に満ちた曲調が美しい。

後半でようやく歌が始まるいつものアレですが、美しいギターと情感溢れるボーカルが堪らないです。

The Only One Just Like HeavenとかHighの系譜にあるポップで煌びやかなナンバー。

この路線の曲ではここまでの10年間で最高の曲かと思います。このギターを待っていたって感じ。

The Rasons Whyも素晴らしいですね。同様にポップな曲なのですが、

全編に溢れる哀愁とサビでの高揚感が美しい。

Freakshow,Sleep When I'm Deadの2曲はちょっと今までになかった感じの曲。

ポップだけどどことなくファンキーでいずれもカッコいい仕上がり。ちょっと渋いアプローチですね。

The Hungry Ghost 大好きです。焦燥感溢れるギターリフ。迫力満点のサビ。

何より曲が尖ってて最高にカッコいい。音はシンプルなんだけどね。名曲です。

Switch 疾走系のナンバーでデジタルビートが使われていますね。ワウとフィードバックの嵐がカッコいい。

This. Here And Now. With You ポップなバラードですが、サビのメロディが美しいです。

ロバートの熱唱が中々感動的。

The Scream 不気味でダークなナンバー。不穏なギターリフが印象的。後半の爆発的展開がカッコ良すぎ。

ロバートのボーカルが怖くて実にグッド。

最後はストレートで疾走感溢れるIt's Overで終わります。是非新作を!


The Cure / Bestival Live 2011(2011)

9/10

2011年のベスティバルの模様を収めたライブ盤。新旧織り交ぜたベスト的選曲。

音質の方も素晴らしいです。値段も安いのでかなりオススメ。

最近のキュアーは3時間位ライブをやるのですが、この作品も実に32曲を収録。

この翌年だったかな?キュアーがフジロックで来日。圧倒的なパフォーマンスに感動しっぱなしでした。

3時間なんてあっという間に過ぎてしまいましたね。是非再度の来日を強く望むばかりです。

流石にロバートも結構年齢のせいか声が出てない部分もあるのですが、

そんなことは些末な問題であり、圧倒的な演奏と素晴らしい楽曲をただひたすらに楽しむだけです。