New Order

伝説のバンドJoy Divisionの残党によって結成されたバンド。

80年代のUk New Waveを代表するバンドです。

演奏力皆無でも生み出されるメランコリックで美しい楽曲の数々、

大好きなバンドです。

パンクとエレポップの高次元での融合がなされたサウンドも

唯一無二のものではないでしょうか。

90年代以降は寡作っぷりが際立ってますが、良いアルバムを必ず届けてくれます。


メンバー:

Bernard Sumner Vo.&Gu.

Stephen Morris Dr.

Gillian Gilbert Key.

Phil Cunningham Gu.&Key.

Peter Hook Ba. ~2005


New Order / Movement(1981)

7/10

まだまだJoy Divisionの影をひきずる1st。

ここでは生音中心の演奏ですね。暗~い楽曲がひたすら続きます。

でもJD時代の深い闇みたいなのは感じられず。

Dreams Never End 一曲目なのにボーカルがバーニーでなく、フッキーという。

この曲の始まり方はやたらメランコリックでカッコいいですね。

不気味なローナンバーTruthではピアニカとシーケンサーが絡みます。

Sensesもこの時代特有のドコドコドラムとやたら深い音のベースが印象的。

Chosen Timeもカッコいいですね。フッキーの弾きまくりベース炸裂してます。

ラストDenialアグレッシブです。ギターがじゃりじゃりなってます。

完成度は低いですが、中々に味があって捨てがたい作品かと。


New Order/ Power, Corruption & Lies(1983)

8/10

世間的には最高傑作とされる2ndですが、全体的な完成度はそこまで高くないかな~と思います。

しかし、全体を支配する虚無的な空気感と、散りばめられた名曲の数々は

本当に素晴らしい。時々無性に聴きたくなる作品。中毒性アリ。

独特のメランコリックなサウンドが表れ始めたアルバムですね。

Age Of Consentはフッキーのベースリフが印象的な疾走系ナンバー。

バーニーも結構頑張って力強く歌いますが、心躍る感じはなく、

決して晴れることのない曇り空の様な鬱々とした感覚が漂います。名曲。

The Village~5-8-6は典型的ピコピコサウンドが印象的。この前にリリースされた

Blue Mondayの流れを汲む音です。ここからデジタルサウンドとの邂逅が始まります。

Your Silent Face素晴らしいですね。この倦怠感。ひたすらやるせなく歌うバーニーと

曇りのない美しいシンセサウンド。歌詞も無気力な感じが漂ってて何とも言えず好きです。

最期を飾るLeave Me Aloneは彼らのギターサイドの作品では最高傑作の一つでしょう。

虚無的な曲調・歌詞に乗るメランコリックに紡ぎだされる美しいギターの音の洪水。。

堪らないものがありますね。いつまでも聴いていられます。


New Order / Low Life(1985)

8/10

前作よりシンセの音が前面に出てきて、派手になったかな?という感じの3rd。

まだ鬱々とした空気を残してはいますが、中々の力作に仕上がっています。

全体的にバーニーのボーカルがかなり酷い(笑)。そこもまた彼らの魅力なのですが。

Love Vigilantesはいきなりのポップなほのぼのサウンドナンバー。

歌詞が何故か戦死した兵士によって歌われる切ないものでアンバランスさが謎。

The Perfect Kissはシングルカット曲の短縮ナンバー。短く良くまとまっていますが、

この曲は12inchバージョンが至高でしょう。

Sunriseはヘヴィーな疾走系ナンバー。単純にカッコいいです。フッキーのベースが踊りまくります。

Elegiaも素晴らしい。陰鬱なインストナンバーですが壮大です。

ラストFace Upやたらカッコいいオープニングから一気にチープ極まりない感じになります。

この落差が最高。バーニーのボーカルはヤケクソっぷり漂う最悪さで、圧倒的に独特の世界です。


New Order / Brotherhood(1986)

9/10

前作の陰鬱さは無くなり、晴れ渡る空の様にハイな一枚。

煌びやかなエレポップサウンドと清々しいギターの音が実に開放的。

楽曲の充実度も素晴らしく、傑作と言える一枚でしょう。

Paradise変な曲だなぁ。シャララララ~というテンション激低のコーラスに乗る

ファルセットのI Want You~I Need You~の合いの手、一歩間違えるとギャグですが、

これが中々怪しくて楽しいです(笑)。

Weirdoひたすらアッパーなナンバー。演奏がガチャガチャしててカッコいい。

As It Is When It Wasはアコースティカルなバラード。

落ち着いた曲調から徐々に高揚感を増していく演奏が素晴らしい。

Broken PromiseはSunriseの流れを汲む疾走系ハードナンバー。

フッキーのやりたい放題ベース最高です。ギターも火を噴いてます。テクニックとかじゃねぇんだよなぁ。

Way Of Lifeキラキラした疾走系ナンバー。サビのメランコリックっぷりが凄い。

この人たちにしか出せない感覚だよこれは。

Bizzare Love Triangle超名曲ですが、この曲はこのアルバムのバージョンが至高。

フッキーのメロディアスなベースラインが堪能できるので。美しいPVも是非。

All Day Longのシンセの洪水も堪らないし、アグレッシブなAngel Dustも良い。

最期を飾るのはEvery Little Counts。バーニー途中で噴き出しちゃいます。

君は豚みたいだ。動物園に行ったら?なんてひでぇ歌詞のところで。

いやーでも最後のシンセサイザーの深い音の洪水で全部許せるね。名曲です。


New Order / Substance(1987)

10/10

シングル曲集。ベスト盤に相当する作品なのですが、このバンド,

80年代はシングル曲とアルバムをほぼ完全に切り分けておりましたので、

アルバムとの重複はほとんどありません。

僕が18歳位の大学生の頃はこれとMBVのLovelessばっかり聴いてました(笑)。

青春の一枚であり、思い入れが非常に深いですね。

代表曲満載であり、そのほとんどが12inchバージョンで収録されており、

メランコリックで虚無的でポップな彼らの世界観を存分に堪能できます。

Ceremonyはデビューシングル。デビューからお葬式って。。

シンプルな演奏ですが、陰鬱でありながらメランコリーな曲調が堪らない名曲です。

終わっていることが始まり、みたいなそんな空気が漂います。

Everything's Gone Greenは序盤のフッキーの太いベースソロからシーケンス音,

バーニーのカッティングになだれ込む構成が実にカッコいいです。曲調は陰鬱そのもの。

Temptaitonは再録バージョンで収録。原曲の鬱々とした空気は一掃され、

アグレッシブなギターとシーケンス音が前面に出た素晴らしいポップスに仕上がっています。コーラスが印象的な名曲です。

Blue Monday何も言うまいという位の名曲ですね。今聞いてもカッコいいと思いますもの。

イアンカーティスの死んだ日のことをテーマにしているというこの曲。鬱々とした曲調と

淡々としたボーカルが不気味ですが、デジタルビートが最高にかっこよく、不思議と体が動いてしまいます。

Thieves Like Us大好きです。スローテンポなバラードですが、シンセ音の洪水が美しすぎ。

続くThe Perfect Kissはここで聴ける8分のバージョンが至高。彼らの最高傑作でしょう。

疾走感あふれる曲調と美しいシンセ音,フッキーのメロディアスなベースライン。全てが素晴らしすぎる。

徐々に盛り上がり、歌唱パートを経て、最後は混然一体となった情熱的な演奏が繰り広げられます。桃源郷の様な世界観だ。

True Faithは歌謡曲的なメロディが印象的なポップナンバー。あか抜けて来てますね~。

そのB面1963、これは本当に最高。美しいメランコリックなメロディにのる球の様なシンセ音。

バーニーの歌唱も美しい。自分の人生の中で決して忘れられぬ一枚。


New Order / Technique(1989)

9/10

スペインイビザ島で作られたというひたすらアッパーな一枚。

当時のダンス&ドラッグカルチャーを象徴する作品らしいです。

音の方はまさにバブル!って感じで時代を感じる部分はあります。

でも相変わらずメランコリックな世界観は失われておらず、

楽曲の完成度と相まってかなりの傑作であることは間違いないでしょう。

Fine Time思いっきりハウスサウンド全開です。音が太くてカッコいいですね~。

打って変わってAll The Wayはメランコリックなポップナンバー。

ベースリフはThe CureのJust Like Heavenから頂戴したとバーニーが公式に宣言(笑)

発端はEverything's Gone GreenのリフをCureがパクったかららしいが真相はいかに。。

LovelessやRunは優しいメロディが印象的なポップナンバー。これもまた美しいです。

Round&Roundはまさにこの時代!って感じのアッパーなナンバー。

哀愁あふれる曲調も素晴らしく、名曲でしょう。

Vanishing Pointこの作品で一番好きです。ぶっといフッキーのベースラインに乗る

切ないメロディ。曲から永遠を感じます。

最期のDream Attackもカッコいいですね。最後の延々ジャムる展開にこれまた永遠を感じる。。

個人的には最後3曲の哀愁が堪らんのだ。


New Order / Republic(1993)

8/10

90年代はこの一枚だけです。はっきり言ってRegretが最高すぎて、

それ以外の曲がほとんど入ってこない感じのアルバム。。

完成度は前作に引き続き高いと思うのですが、

あまりにもあまりにも1強すぎる。この1曲で彼らは90年代を乗り切りやがったのでは(笑)

そのRegretですが、すべてにおいて完璧なポップスでしょう。

美しく印象的なギターのフレーズ。メランコリックで開放的なメロディ。サビの美しさ。。

これが一曲目だからつい聴いてしまうアルバムですね~。

Worldもポップで完成度が高い。Spookyはビート感が溢れるカッコいいナンバーです。

Everyone Everywhereも哀愁あるメロディとギターカッティングが決まってる捨てがたい佳曲。

あれ?久々に聴いてみると結構良い様な。。


New Order / (The Best Of) New Order(1993)

8/10

これもベスト盤なのですが、USバージョンにはアルバム未収録の名曲が入っており、オススメします。

Let's Go(Nothing For Me)決して外せない名曲です。

虚無感溢れる疾走ナンバーでギターとフッキーの自由なベースが堪りません。

メロディの美しさも随一。これを聴くためだけにこれを買っても良いと思う。

Bizzare Love Triangleは7inchバージョンだろうか?これもコンパクトに

纏まっているうえにフッキーの素敵なベースラインも堪能できるナイスなバージョン。

1963-95より洗練されたアレンジとなった名曲。こちらのバージョンも美しく、捨てがたい。

Touched By The Hand Of Godはデジタルビート全開のまさに80'sって感じのナンバー。

清々しいですね~。PVではメンバーがメタルバンドに扮装してて笑えます。

World In Motionはワールドカップ向けの書き下ろし曲。England!の合唱っぷりには笑ってしまいますが、

愛国心溢れるナンバーで面白いですね。


New Order/ Get Ready(2001)

8/10

8年ぶりのアルバム。全体的に強力なギターが前面に出ている印象。

曲調もどちらかといえばダークな印象です。

個人的にはちょっと彼らにしてはカッコよすぎるかな~と思う。

独特のメランコリックさも薄いし。。でも完成度は凄まじく、これはもう好みの問題としか。

Crystal大好きです。ヘヴィなギターと自由奔放なベース。

キャッチーな曲調を力強くぐんぐん引っ張ります。名曲でしょう。

Turn My Wayではビリーコーガン氏とデュエット。

落ち着いた美しいバラードですね。二人の声の相性も良し。

Vicious Streakも哀愁あふれるメロディに乗るシンセ音が効果的なナンバー。

Primitive MotionはヘヴィさがJoy Divisionみたい。実にカッコいい。

Rock The Shackではボビーギレスピー氏とデュエット。声似すぎw

最期はさわやかなRun Wildで〆ます。ピアニカの音が心地よいリラックスした良い曲ですね。


New Order / Waiting For The Siren's Call(2005)

9/10

ジリアンが一旦抜けての2000年代2作目。かなりポップサイドに戻ってきた感じです。

メランコリーなサウンドも前作より濃密で、個人的にはこちらの路線を圧倒的に支持します。

音使いもギターサウンドを前面に出したものから、デジタルビート中心のものまであり、

バラエティ豊かな大作に仕上がったと思います。傑作でしょう。

ラジオで流れまくってたKrafty。これを求めていました。これです。

メランコリー感溢れるメロディに開放的なシンセ音。歌うようなベースライン。

完璧です。これぞNew Orderな超名曲。

表題曲も超名曲。これも僕がこのバンドに求めているものでした。

美しいメロディラインと切なさ溢れるバーニーのボーカル。永遠を感じます。

序盤2曲は結構ロック寄りですが、メロディの美しさが堪りません。

Guilt Is Useless Emotionは過剰なデジタルビートが印象的で面白い。チャレンジングな曲です。

Morning Night And Dayもハードな曲調とデジタルビートの絡みっぷりが痛快。最高にカッコいい。

最期のTurnはやたら優しい曲調。このバンドアルバム最後の曲に外れがないですねホント。

この後フッキーが脱退。


New Order / Lost Silens(2013)

7/10

10年近く経ってからリリースされたWFTSCの未発表曲集。何故?

しかし、未発表曲集の割りには結構良い曲が入っており、

前作制作時の創作意欲の高さが伺えます。

I'll Stay With You切ないメロディのアップテンポナンバー。

弾きまくりのギターがカッコよく、憂いのある曲調も素晴らしい。

Sugarcaneもカッコいいですね。Morning Night & Dayと似てるので省かれたか。

夜を感じさせる切ないビートナンバーです。

他にはShake It Upが面白いですね。Shake It Up Yeah!遊び心にあふれてます。

作品としてはやはり未発表曲集の枠をでない感じでしょうか。


New Order / Music Complete(2016)

9/10

11年ぶりの新作。フッキー無しでの初めての作品ですが、

かなり完成度の高い充実作だと思います。豪華ゲスト多数参加。

Get ReadyとWFTSCの中間位の世界観だと思うのです。

メランコリックさを残しつつも甘くなり過ぎず,クールで硬質な感覚があります。

オープニングRestlessカッコいいですね~。Let's Goなんかを彷彿とさせるナンバー。

クールなボーカルと熱い演奏が良いです。

Sigularityは全力でケミカルブラザーズですね。Here To Stay(名曲)以来の共演。

仄かなダークさがカッコいいバリバリのナンバー。若々しいなぁ。

妙な焦燥感のあるStray Dogではイギーポップがメインボーカル。

呟いているだけですが。。デジタルビート全開で中々カッコいい曲。

Academic、これは名曲でしょう。切ないリフレインとメロディが堪らなく美しいです。

Unlean The Hatredの派手なデジタル音は結構攻めてますね。カッコいい。

最期Superheatedは唯一アッパーなポップスナンバー。やっぱこういうのが好きだなぁ。

3人位でボーカルをやってるみたいです。メランコリーなメロディが素晴らしい。

全体にフッキー的なベースラインは聴けますが、やはり彼のベースプレイは唯一無二でしたな。