Theピーズ

1987年結成。以降活動休止をはさみながらも活動を続ける。

個人的には日本最高のバンドと思っています。

この人たちの歌には常にリアルがあると思う。

ストレートな演奏に乗る美しいメロディ,やさぐれていながらも現実を見据えた詩世界。

何度命を救われたか知れない。

自分の様な人間が語ることもおこがましい本当に偉大なバンドなのですが、

一人でも多くの人がこの最高のバンドに出会えることを祈って。。


メンバー:

大木温之 Vo. & Ba.

安孫子義一 Gu.

佐藤シンイチロウ Dr.

旧メンバー:

後藤升宏 Dr. 1987~1989

ウガンダ Dr. 1990~1993, 1995

吉田武彦 Dr. 1995~1996

土田小五郎 Gu. 1996~1997

石原弘一 Dr. 1996

吉田明弘 Dr. 1996~1997


Theピーズ / グレイテスト・ヒッツ Vol.1(1989)

8/10

1stから二枚同時リリースというのが凄い。

ヤンキーになり切れない男のダメな青春がひたすらハイテンションなR&Rで奏でられる。

青春を鬱屈した気持ちで過ごした人間なら共感すること間違いなし。

絶対にグループの中心にはなれない半端な奴。って感じ。

サウンドのほうは録音が妙に小奇麗なのが気になるが、ドラマーの後藤マスヒロ氏のビート感が強力。

「バカになったのに」は早すぎたグランジって感じのヘビィなサウンドが堪りません。

高校でとりあえずバカになってみたけれど。。空虚な青春,大いに共感できます。

「全部あとまわし」僕が許す許可する、全部後回し!1曲目から強烈すぎる歌詞。

「とりあえずここはいい気持ち」は現代のニート問題の先取りか(笑)メロディがポップで大好きです。

えげつない下ネタ連発なナンバーも爽快。ラジオで流せない曲ばっかり。

サウンドが少しチープなので、今聞くと若干古臭いのですが、メロディは間違いなく普遍的。

その証拠に最近のライブでこの時代の曲を演奏するとき,サイッコーにカッコいいのだ。


Theピーズ / グレイテスト・ヒッツ Vol.2(1989)

8/10

個人的にはこちらの2のほうが好きです。このクリーチャー的ジャケは何なんだろうか。。

Vol.1に比べて、メロディで聴かせる曲が多い様な気がします。

「肉のうた」サイコーにアホな歌詞。しかし、サビのキャッチーさはすごい。ライブで聴いた日にゃ絶対歌っちゃうね。

「デブジャージ」これもアホな詩世界が最高。~デブの軍団鉢合わせ、おびえるパンクス、デブジャージ~

最近のライブではアビさんが歌うことも多い人気曲です。ハードアンドドライビングなサウンドもたまらん。

「パープー」ニート全開のナンバー。やたらに性急なサウンドとカラフルな演奏が印象的。好きな曲です。

「このままでいよう」はこの作品の白眉。後年に繋がっていく様なメロウな曲調。切ない詩世界。

最初にこのままじゃまずいってはるが素っ頓狂に叫んでますが、それでもこのままでいようと歌われる。

~なにもできない 夕焼け空がダイダイ 人混みの中に紛れて このままでいよう~

無力感。堕落感。それでも続いていく日常。美しいです。

「世紀末のうた」これは明るい曲調に反してテーマが重いですね。結構身近な問題といえばそうですが。

「なっとーばかりくっててもいいのか」なんじゃこりゃってタイトルですが、

切ないメロディがとても素晴らしい曲。何気に洒落てる曲ですね。

「Yeah」ライブの定番曲です。勢いでひたすら叩き込まれます。カッコいい。

「カラーゲ」。最高にアホな歌詞。一回聞いたら耳から離れないよこれは(笑)。

最後いかしたパンクナンバー「階段」歌詞は少し抽象的ですが、彼らの初期の価値観が詰まった曲かと。


Theピーズ / マスカキザル(1990)

9/10

32曲収録されていたデビューアルバムに対し、なんと2ndは10曲。サウンドもシンプルそのものに

(ドラマーが後藤氏からウガンダ氏に交代。ウガンダ氏はドラム初心者であったという)。

録音がザラついててシンプルな破壊力あり。バブル全盛時代にあってガレージサウンド全開ですね。

しかしメロディが本当に素晴らしい。前作に比べて曲調も幅が広がっており、全く飽きが来ません。傑作。

詞世界のほうも圧倒的な進化を見せていると思います。相変わらず放送出来なそうな曲満載ですが。

「いいコになんかなるなよ」ガレージ感溢れる疾走ナンバーでスタート。

~君はカスだよ かなりカスだよ どうせカスだろ かなりカスだろ~

すっげーヤケクソ感。だからこそ行き詰っている時,絶望しているときに効く。

メロウなバラード「どっかにいこー」。シンプルな演奏ですが、この曲魔力があります。美しすぎ。

~あいつはいいやつだ 君には合わないよ~

なんて独善的。でも切ない。若い時の恋っていつでもこんな感じだったよな。

表題曲のメロディ,今までになくやさぐれ感を感じます。ヘヴィなブルース。次作に続いていく感じ。

「オナニー禁止令」なんてすごいタイトルだが、メロウで少し切ないメロディが堪らない。これもすげー歌詞。カッコよすぎるぜ。

「Telしてこい」ガレージ感溢れるナンバー。ドラムが非常に厳しい感じが伝わってきますね(笑)

いやーしかしそれも含めて圧倒的な粗削り感がカッコいい。マスヒロ氏よりもウガンダ氏の方が少なくとも

この時期の彼らのサウンドにはハマっていると思うのですが。

「いんらんBaby」これもスローなブルーズ。引きずる様なサウンドが気持ちよすぎ。しかし歌詞があまりにすごいな。

シンプルなジャケットもカッコいいですね。間違いなく初期の名盤。


Theピーズ / クズんなってGO(1992)

9/10

ストレート極まりなかった前作から、楽曲のバラエティを大きく広げた感じのある3rd。

何だか全体的にやさぐれ感が強まってます。前作,前々作に比べ、ちょっと暴力的な空気を感じる。

今までみたいなアホな歌詞の曲が結構ありますが、なぜか重苦しい空気があります。

サウンドはロックンロールを基調としていますが、ビート感がより押し出されている感じ。

その中でも美しいバラードがちりばめられていたりして。。たまらない作品ですね。

「ふぬけた」マイナー調のロカビリーですが、めっちゃくちゃカッコいいです。

珍しく歌謡よりの曲じゃないでしょうか。

「電車でおでかけ」浮遊感あふれるサウンドが不思議なバラード。

あてもなく付き合っている二人。幸せを歌っているように見えて、不安が見え隠れしています。刹那的な切ない恋愛。美しすぎ。

「あの女」かなりロカビリーな一曲。大好きですね。ひたすらモテる女の子に振り回される彼氏の歌。

ストレートなサウンドにのる情けない歌詞がたまらないです。

「やりっぱなしでサイナラだBye Bye」最高としか言いようがない。

ヤケクソの別れを声高らかに歌います。ぶっちぎってます。

哲学的な表題曲。歌詞が難解だな~(前向きな感じじゃないのはなんとなくわかる)。

ゆるーい不思議なメロディとあいまって、独特の世界観。超名曲ですね。

「まわりはついている」うぉーこの感じわかるわぁ。と思った一曲(今でも思うよね?)。

こういう歌詞を歌うミュージシャン日本には彼らくらいしかいないよ。最高。

「ニューマシン」ライブのド定番。渋谷当たりの人ごみに 突っ込めー!という歌詞かなりやばいです。

「君は僕を好きかい」シンプルなメロディの光るバラードの名曲。スタジオ版のキーボードも美しいのですが、

最近のライブバージョンで聴けるアビさんのタメの聴いた素晴らしいソロが堪りません。

音がこもりがちというかあまりよくない感じがありますが、それもまたこのアルバムの空気に一役買っているのでは。


Theピーズ / とどめをハデにくれ(1993)

10/10

おそらくTheピーズの作品の中で最も陰鬱な一枚。

ストレートな曲なんて一曲も入ってない。でも別に聴いてて死にたくなったりはしない。

シニタイヤツハシネ~Born to Die~ですから。

なんだかこの作品コンセプチュアルな感じがしません?

「映画(ゴム焼き)」がプロローグ,「好きなコはできた」「日が暮れても彼女と歩いてた」

「みじかい夏はおわっただよ」は三部作だし、そのあとは延々ふさぎ込んで、

壮大な「シニタイヤツハシネ」で〆る。まさに1曲目のタイトル映画のよう。

そして楽曲のほうはどれもこれも超名曲ばかり。

「好きなコ′’できた」なんてタイトルからして絶対幸せな未来は無い感じがする。

歌の主人公はまさに幸せの絶頂でハッピーなロックンロールなのだけど、このタイトルの残酷さ。素晴らしく美しい世界。

「日が暮れても彼女と歩いてた」ブルージーなバラードなのだけど、

圧倒的にとしか言いようのないほどに抒情的。こういう思い出,形は違っても誰にもあるでしょう

(今の布陣でのライブバージョン圧倒的に熱いので、一度は生で聞いてみてほしい)。

「みじかい夏はおわっただよ」は相当狂った曲でぶっ壊れたBo Gumbosって感じ。

前2曲で幸せと温かさを感じていた主人公が奈落に突き落とされた感じが凄い。

「ておくれか」なんてソウルだぜ?こんな陰鬱なソウルを聴いたことない。

凄まじく行き詰って追い詰められている詩世界。ひたすら言葉をぶつけていく様がリアル。生々しすぎる。

やばいものを見てしまったような。。そんな圧倒的な曲です。

~おもしれーことになるだろうと ふんぞり返ってたぜ 余裕かまして 持て余して 人生なげぇとタカくくってたぜ~

「日本酒を飲んでいる」で聴かれる諦念の情。~もう心配ないのさ、ほっといていーよ~

泥臭いブルースに乗る到底本心からと思えないこの一節。あまりに重い。

「シニタイヤツハシネ」は凄まじすぎて私ごときではもう理解が追いつきません。

徹底的に袋小路に追い詰められているのですが、それでも続いていくしかない。やるしかない。力強くは無いけれども、

不思議としょうがないか、って気分になれる不思議な曲です。

延々とぐだぐだ演奏されているこの陰鬱な空気感は聴く人を選ぶでしょう。ですが、超名作。


Theピーズ / どこへも帰らない(1996)

10/10

3年もインターバルが空いてる。このアルバム,ドラマーが何人も参加してたり、

相当バンドを維持するのが大変だったのではないか。アビさんの脱退を見込んで作られた作品だとか。

そんなこともあってか今作は兎に角アッパーなロックンロールでひたすら畳み込む感じ。ヤケクソですね。

音がかつてないほど重い。完璧な録音と言えるでしょう。最高。

1曲目「脳ミソ」脳ミソが邪魔だ!半分で十分,とっちまいたい!という強烈なフレーズが展開される,

凶悪なドライビングナンバー。最高です。

~見える物だけがすべてていいんだ 見えねえ物まで考えるもんか~

「底なし」ポップなリフが印象的な名曲。最高傑作のひとつでしょう。ポップサイドの超傑作なのですが、

歌詞は諦念の情をいたるところに感じます。次作に続く世界観。痛々しいですがこれが美しいのです。

「ザーメン」いつもの下ネタソング。なのですが、完成度がピカ一。この路線の完成形でしょう。カッコよすぎ。

でも、歌詞深読みすると結構深刻な状況を歌っているのかもしれない。’オナニーの押し売り’だもんなぁ。

「とどめをハデにくれ」はノリノリのロカビリーソングですが、

歌詞のヤケクソぶりはすさまじい。ここまでヤケクソな歌詞を聴いたことがない。

世の中とかいらねぇ!サイコーです。ライブの絶対的定番。

「やっとハッピー」。滅茶苦茶ハッピーな歌詞。恋愛で浮かれている時の気持ちそのままです。

ありふれた様でリアルな歌詞。しかし、この曲ベースラインが凄まじいですね。Theピーズのポップサイドの超名曲。

「何様ランド」ヤケクソここに極まれり。わがままベスト!叫んでます。兎に角後半のはるのエモーショナルな絶叫に近い歌。

凄まじすぎ。~人の気分は 人の気分だ 使えないんだ 付き合えないんだ 自分自身がアテになるんだ~

社会通念的に許されない歌詞なんでしょうが、絶対こんな気持ちになるときある。そこを歌ってしまうピーズを愛してやまないです。

凄まじいアルバム。素晴らしいメロディが詰まってますので、最初に聴くのはこれが一番良いのではないでしょうか。


Theピーズ / リハビリ中断(1997)

10/10

日本のロック史上最高の傑作だと思います。わが国にはこれ以上の音楽作品はございません。

ついにアビさんも脱退してしまった末にリリースされた本作。

決して前向きにはなれないし、好転する未来なんか見えない。それでも人生はつづく。

ここではひたすらにただひたすらに美しいメロディ,素晴らしい歌詞が、シンプルにただシンプルに奏でられてます。

これほどまでに音楽の持つ力,歌の持つ力を感じる作品はありません。

「線香花火大会」~わざわざこんなちっぽけな僕も死んでしまうのさ~

歌いだしが凄く協力。死はだれにでも平等。崇高なものということか。

昔僕の友達が「どうせ死ぬことは無いんだからやれるのではなく、人間どうせ死ぬからやれる」と言っていたのを思い出す。

「鉄道6号」~汚れるほど汚れるほど愛しい眺めがお陰で増えるよ 悪くはねーね~

多分Theピーズで一番好きな曲かな。メロディの美しさが圧倒的。キャッチーなのにレクイエムの様な空気すら漂う。

「実験4号」~君と最悪の人生を消したい~

ビート感溢れるポップなロックンロールなのですが、取り残されていく寂しさ,諦念の情,未練の様なものがぶつかってきます。

~なんかまた作ろう 場所は残ったぜ~ 終わりを感じてしまう楽曲なだけに痛々しい歌詞。どこまでも美しい曲です。

「植物きどりか」~もうキレイごとじゃ追いつかねんだな~

これも自身を植物に例えたやさぐれたナンバー。ボロ毛布のジョンとは誰なのだろうか。歌詞の一つ一つが刺さる。

「ドロ船」ビート感溢れるロックンロール。このアルバムで一番爽快なナンバーでしょう。

自身のバンドをドロ船に例えてしまうこのヤケクソ感。崩壊気味の日本語が独特で至高。

「月面の主」タメの効いた曲調が神秘的なナンバー。歌詞の悲壮感がものすごい一節があって、はるの叫びにも聞こえる。

あまりに痛々しいのですが、それが美しい。

~でやっぱり 泣きばっかり みんな好きだったあって そのうちこいつの後を継ぐ~

「赤羽ドリーミン(まだ目は醒めた)」これもビート感溢れるロックンロールなのだが、

狭い赤羽の部屋で先の見えない未来を歌っている。

「反応ゼロ」~また潮時んじじい 誰かをいじめるより寝ろ~レゲエ調のナンバーで幕を下ろします。

本当にすべての曲・言葉が素晴らしすぎて一時も聞き逃したくないし、聞き逃すことなど出来ない。

それと小五郎さんのギター大好きです。アビさんとはまた違うタイプのギタリストですが、

このアルバムのソロはどれも神がかって美しい。

この語Theピーズは活動を休止、はるは調理師免許を持って就職。音楽シーンから姿を消してしまいます。


Theピーズ / Theピーズ(2003)

10/10

最高の作品を作り上げ、音楽の世界から去ったTheピーズでしたが、

03年に復活。この復活1作目も本当に素晴らしい作品ですね。

ギターにアビさん復帰,ドラムはThe Pillowsの佐藤シンイチロウさんが参加。この布陣でもう15年位続いていますね。

兎に角全編カッコいいロックンロールが奏でられています。

音がこれでもかって位に太い。復活にかける意気込みを感じます。メロディの美しさも相変わらず。

「生きのばし」前作「線香花火大会」にも出てきたフレーズですが、

この一言が彼らのテーマを示しているのかもしれません。

キャロルのルイジアンナを彷彿とさせるブリティッシュなロックンロール。

~死にたい朝まだ目覚ましかけて明日まで生きている~

~くたばる自由に 生きのばす自由~ 永遠のナンバーです。

「ゴーラン」ぶっといベースラインが超強力なナンバー。ヘヴィな演奏が堪りません。

「サイナラ」メランコリックなメロディが美しいロックンロールナンバー。シンプルですが、圧倒的に名曲。

「ひとりくらいは」ブルージーなバラード。~好きだよ 君を 見つけたい奴が ひとりくらいはいる~

復帰出来た自身のことを歌っているのでしょうか。この歌詞、はるが歌うことにリアルがある。すごく励まされます。

「無力」「ギャンブル」ノリノリのロカビリーナンバー。最高です。タイトルもピーズらしくて最高。

「ヒッピー」これもメロディの美しいバラード。はるのやさぐれた歌声も美しくはまっています。

~変わらないで 何もしないで 君を待っていた 犬の様に のろまの様に 可愛がっていた~

「使いのこし」マイナー調のメロディの緩やかなナンバー。感想でレゲエ調に転調するところ大好きです。

「喰えそーもねー」力強いロックンロール。これもカッコいいなぁ。音が一体になって迫ってきます。

最後の「グライダー」は力強くオルタナティブな曲調のナンバー。自身をグライダーに例えています。

アビさんのギターがあまりに熱いです。普段ロックンロールをやっているバンドがこういうアプローチの曲をやると

最高に光りますね。超名曲。


Theピーズ / アンチグライダー(2004)

8/10

復活2作目はかなり硬派なロックンロール寄りのアルバムです。

最初ちょっととっつきにくかったけれども、今では大好きな作品。

全体的にカッコいいロックンロールが詰まっています。

「バーゲン」のっけから疾走するロックンロールナンバー。ライブで聴くと最高。

「ギア」カッコいいR&R2連発。タイトルが登場。前作では自身をグライダーに例えていたのにここで全否定。

自身を飛行機に例えています。歌詞に出てくるケンジって誰なのだろう?

「残念賞」は珍しくイライラしてる感じが伝わってくるというか。社会に?なのだろうか。

~終日バカの相手 死んだ方がマシだって やっぱそう来ると思った そのうちでいいじゃねぇか~ 痛快。

「ブロイラー」これも渋くてカッコいいロックンロールナンバー。たまらん。

「眠る前に一発」すごいタイトルですが、曲調は渋くブルージーなナンバー。歌詞が深いです。

最後の「脱線」がやはり白眉でしょう。~道は逸れたまま 答えを出してく~

言葉数が少ないシンプルなロックンロールですが、何故これほどまでに胸に響くのだろう。

この一節にどれだけ励まされたかわかりません。


Theピーズ / 赤羽39(2005)

9/10

現時点でオリジナルアルバムとしては最新作。もう12年も前ですね。

前作とまた異なり、メロディを聴かせる方向の作品に思えます。

かなり楽曲が充実しており、名曲・ライブの定番を多数収録しています。

「体にやさしいパンク」ブギー調でゆったり歌われますが、途中から爆走パンクに一転。

歌詞は年とともにパンクをやるのが辛いけどやるぜ的な感じでしょうか。カッコいい。

「ノロマが走って行く」温かいメロディー。シンプルながら名曲です。

「東の窓」こちらも優しいメロディのポップナンバー。

「生きてれば」はストレートなメロディに感情を爆発させる様な歌詞が印象的な名曲です。

このアルバム一の曲ではないでしょうか。

「焼きめし」これもライブの絶対定番曲。リズムの重さが響きます。最高。歌詞は意味不明。

「クリスマス」よくならない社会に対してはるが神様にいら立ちをぶつけるという、

珍しく結構ストレートな歌詞。クリスマスソング風ですが、鋭い歌詞が素晴らしい。

「耳鳴り」厳しい冬を思わせるかたいサウンドのロックンロールです。

のちに殉職バージョンとしてリテイクされますが、いずれも最高。名曲です。

「サマー記念日」晴れやかなギターが響き渡る開放的なナンバーですが、

歌詞はちょっと死とか終わりを連想させる感じがします。しかしメロディが美しいなぁ。

このアルバム後,彼らはインディーズ活動へ移行。新曲はシングルで、というスタイルとなっています。


Theピーズ / アルキネマ(2012)

9/10

インディーズ時代のシングルを集めたベスト盤的一枚。

全体的にゆったりしたメロウなナンバーが多いですが、

どれもメロディが美しく、宝石箱の様な一枚です。何度もリピートしてしまいます。

歌詞は相当難解で哲学的になっております。色々解釈するのも楽しいですが。

「三度目のキネマ」はビート感あふれるロックンロールでカッコいいですね。

この曲と「トロピカル」は震災に言及してるのですが、

それに対して何かを訴えるのではなく、僕らが漠然と抱いている不安感,

それでも続く日常みたいなものが表現されているのが凄いし、彼ららしい。

「アル中」やさぐれたブルース。激シブですね。アビさんの荒々しいギターが堪りません。

「絵描き」自身を絵描きに例えながら、~足りない絵具は無いで良いんだろ~

なんてカッコよすぎ。メロウなAメロから荒々しい盛り上がりを見せるサビと展開も最高。

アビさんのギターソロも美しく、インディーズ期を代表する傑作でしょう。

「道草くん」これもマーチングの様な不思議なリズムから、徐々に盛り上がっていく展開が素晴らしい。

「リトルボウズ」シンプルなビート感溢れるロックンロール。生きづらい世の中を軽快に歌ってます。

はるのこの立ち位置が凄く好きだな~。

「ロンパリンラビン」またしても放送出来ない曲。三拍子の渋いブルースです。

~ムラっとハメて ドピュッと放つ シャキっと生まれ ブラっと生きる そん位丁度いい そん位でいい~

この一節が凄く好きです。歌詞がメロディと完全に一体になっています。

「雨の歌」「霧の中」いずれもスローなバラード。美しいメロディが堪能できます。

「犬ゾリ」はねまわる様なリズムが楽しげなナンバー。歌詞はちょっと不穏な感じもするけれども。

アビさんのギターソロはもはや過去最高ではないでしょうか。すさまじいカタルシスがある。

「真空管」ライブの定番ですね。エモーショナルな曲調に熱いギターリフが堪りません。

最後「初夏レゲ」ゆるいリズムのポップなレゲエソング。すさまじく晴れやかな曲調です。

~タダ来る毎日 タダの一日が ハナだ~

このアルバム以降もニューシングルが定期的にライブ会場限定で販売されていますが、

どれも素晴らしいので、機会がありましたら是非。特に最近出た「異国のブラボー」は半端じゃなくすげぇ。是非。