The B-52's

1978年、ジョージア州アセンズよりデビュー。

アメリカンNew Wave3大バンドに勝手に僕が認定しているのがこのThe B-52's

(あと2つはThe Cars, Talking Headsネ)。

ベースレスに三人のボーカル,超個性的なギター,素っ頓狂な楽曲の数々。

癖ありまくりなバンドなのですが、不思議と魅力的な人たち。

名盤とか名曲とかそういう尺度ではかれない面白さがありますね。

メンバーは3人になってしまいましたが、今でも精力的に活動中。


メンバー:

Fred Schneider(Vo.)

Kate Pierson(Vo., Key.)

Cindy Wilson(Vo.)

Keith Strickland(Dr. → Gu.)

Ricky Wilson(Gu.)1979~1985


The B-52's / The B-52's(1979)

8/10

衝撃の1stアルバム。既に個性が全開。というか作品そのものがもはや個性。

甲高い女性陣のヒステリックなボーカルとトーンのやたら高い不気味な男性ボーカルの絡みがストレンジ。

そこにサーフガレージ感溢れるチープな演奏と極めてストレンジなメロディが乗ります。

おふざけ感満載なのですが、何故かカッコいいのはなんでだろう。

Planet Claire うさん臭さ満点のSFサイケ。脱力系コーラスにへんてこりんボーカル。出だしから最高です。

52Girls ただ女の子の名前を読み上げていくだけという謎の脱力系疾走ナンバー。

特筆すべきはRock Lobster。誰もが一度は耳にしたことがあるであろう奇妙奇天烈なポップナンバー。

演奏はガレージちっくで超シンプル。どうすればこんなわけのわからん曲を作れるのだろうか?

しかもこれが滅茶苦茶カッコいいとかホントに勘弁して欲しい。

中盤~後半にかけての怒涛の展開のエモーショナルさが凄く癖になる。リッキーのギターが最高です。

他の曲も中々に癖がありまくりですが、どの曲も良いです。

参考までに2017年の日本限定リマスターですが、音の分離がくっきりはっきりでお勧め。音圧低めですが。


The B-52's / Wild Planet(1980)

8/10

前作の路線をまんま継承する2nd。前作とほとんど変わらない感じ。

甲乙つけがたし。こちらは鮮烈な印象のジャケが実にカッコいいですね。

Party Out Of Bounds 出だしからへんてこりん全開。脱力系コーラスに素っ頓狂なフレッドの語りに近い歌声。

ちょっと不穏な雰囲気があるところがこの曲のアクセント。カッコいいです。

Give Me Back My Man 本作一のナンバーでは。大好きです。ボーカルは珍しくシンディのソロ。

この時期の彼らにしてはメロディアスでアンニュイな感じ。なにげにリッキーのギターリフ・カッティングが熱いです。

ビリヤードの音が効果的に配されていて楽しい。安っぽいキーボードソロも最高。名曲。

続くPrivate Idaho これもまた超名曲。勢いあふれるナンバーでフレッドとケイトのかけあいが楽しい。

とにかく楽しいのだ!そして間奏のドコドコドラム連打展開。ギターも熱いぜ。。たまらん。

ほかにもDevils In My Car,Storobe Lightらへんが疾走感あふれてて楽しいです。


The B-52's / Mesopotamia(1982)

6/10

Talking Headsのデビッドバーンをプロデューサーに迎えての3rd、、になる予定だったのが、

録音の難航,レーベルの圧力等から6曲入りミニアルバムとなった作品。

経緯からわかる通り、やはり中途半端で焦点が定まらない印象の作品ですね。

しかし、浮遊感あふれるアレンジなど,今までとは方向性を変えていこうという意気込みは感じます。

Loveland 浮遊感あふれるシンセの音がメロウな印象を与えるオープニングナンバー。

これもシンディのソロの様です。不思議な印象が良い感じ。

Deep Sleep これはもはやTalking Headsでは?いや、初期のThe Cureっぽくも?迷走全開です。

表題曲,これは今もライブで演奏される代表曲に。比較的ポップなメロディを持つ佳曲。脱力感も良い感じです。

全体的にふわふわしててメロディもはっきりしないし、なんかよくわからないうちに終わってしまうアルバムなのですが、

ラストのNIp In The Budは結構勢いがある感じでカッコいいです。


The B-52's / Whammy!(1983)

8/10

エレポップ感を前面に出した一枚。その辺のジャンルが好きな人には実はマストな一枚ではないでしょうか。

前作の消化不良っぷりを覆す中々の充実作に仕上がっていると思います。

結構メランコリックな楽曲もあったりして、確実にメロディメーカーとして進化を遂げていると思います。

この作品以降,Cosmic Thingまで着々とレベルアップをしていく様が痛快です。

Legal Tender この作品では一番好きかな。シンセの音が古臭くて堪りません。

女性陣のみの麗しいボーカルがみずみずしいポップ感に花を添えます。

whammy Kiss ピコピコ疾走テクノナンバー。打ち込みも全開。ひたすらに楽しいナンバーです。

ボヨヨーンという効果音も面白い。

Song For A Future Generation これは凄い。一つのメロディで4分引っ張りますw

途中メンバーの自己紹介が入りますが中々興味深いのでは?

Big Bard このいかれたナンバーはまさに彼らの面目躍如。一言でいえばヒステリックそのもの。

不穏不穏不穏。。人を選ぶ曲ですが、僕は彼らのこういうところ好きです。

ラストWork That Skirt これも珍妙な雰囲気漂うインスト。中々の充実作ですが、

ギターのリッキーは本作を最後にエイズで他界。あまりにワンアンドオンリー彼の死。惜しいギタリストを亡くしました。


The B-52's / Bouncing Off The Satellites(1986)

8/10

リッキーの死を経て3年ぶりにリリースされた作品。全体的にポップさを増した楽曲。

メランコリックな雰囲気が全編に漂います。佳曲を多数収録する好盤です。

しかしこのポップ路線でやるには少し楽曲のパンチが弱いのも確か。次作でこの路線の完成形は花開きます。

Summer Of Love すごく爽やかでポップなナンバー。少し哀愁が漂う感じが切なくて良い。

Girl From Ipanema Goes To Grennland いかにもこの時代!という感じのエレクトロなナンバー。

神秘的な雰囲気漂うナンバーで否が応にもサビが耳にこびりつくw

Detour Thru Your Mind フレッドの爽やかな(w)落ち着いた語りにメロウな女性陣のコーラスが

不思議なナンバー。過渡期的な雰囲気でしょうか。

Wig このアルバムで一番楽しい雰囲気の疾走ナンバー。

タイトルからしてヅラだしなぁ。やはりこのバンドは楽しいのが似合うぜ。サビの高揚感が堪りません。

Theme For A Nude Beach 浮遊感あふれるメロウなナンバー。全体的に落ち着いたメロウなアルバムという印象も。

Ain't It A Shame なんかストレートなバラードだもんなぁ。フレッドがしっとり歌うなんて。今までこんな曲はなかったよ。

ラストのShe Brakes For Rainbow これは名曲ですね。胸が締め付けられるような美しさと切なさ。

作曲は故リッキーとキース。まるでリッキーが虹を渡って旅立っていく様なそんな切ない雰囲気漂うナンバー。。

この曲を聴くためだけにこの作品を買っても良いでしょう。


The B-52's / Cosmic Thing(1989)

9/10

80年代の最後,彼らは集大成ともいえるような傑作をリリースしました。

シングルヒットも連発し、まさに絶頂期と言える一枚でしょう。

メランコリックな雰囲気を残しながら、ポップで楽しい!楽曲の数々はまさに彼らにしか作りえない到達点。

プロデューサーにナイルロジャーズ御大を迎えているだけあって本気です。

細かいこととか良いんだよ。楽しければ!ってな感じでもうほんと最高だと思います。80年代のマスターピース。

出だしの表題曲,いきなり楽しいです。もう体が動くよねこんなの。久しぶりに痛快。

Dry Country これも不思議なアレンジの勝利。くねくねとまた楽しいのです。

Deadbeat Club みずみずしい~。なんて美しいポップな楽曲。。女性陣のボーカルの美しさが極致です。

Love Shack ひたすら楽しいナンバーで彼ら最大のヒット曲らしい。腰に来ますね。ポップミュージックの素晴らしい一面が全開。

Roam 2大ヒット曲その2。これもみずみずしくて大好き。まさに世界中を飛び回る様な圧倒的解放感。

何も妨げるものはない。。ただひたすらに自由を楽しみなよって感じが本当に良い。

Channel Z もいいなぁ。完成度が高いポップナンバーがひたすら続くし、捨て曲が本当に無い。

Topaz 切ない雰囲気のメロウなナンバー。もうこういう曲も違和感無く演奏されるようになった。素晴らしい。

最後は壮大なインストFollow Your Bliss 。これは隠れ名曲だろう。美しすぎです。


The B-52's / Good Stuff(1992)

7/10

3年のブランクでリリースされた作品。家庭の事情かなんかでシンディが一時脱退。

前作の流れを継承していますが、楽曲の収録時間がいずれも5分を超えるなど,

少し大作主義的というか胃もたれのする感じがちょっときついかなという作品。

でも楽曲はすごーく完成度が高く、バラエティに富んでいます。決して捨て置けない一枚。

全体的にケイト姉さんの歌うまっぷりが凄いです。

Tell It Like It T-I-Is これ、のっけから凄まじい名曲だと思う。天まで突き抜けそうなケイトの開放的な

歌声が極上のメロディに乗る最高にテンションMaxなナンバー。堪らん。

タイトル曲はちょっとファンキーでエスニックな雰囲気漂う大作。やたらと完成度が高い。

ぽーんぽーん♪というアホみたいなコーラスは彼らの面目躍如。

Revolution Earth 壮大でメランコリックなナンバー。これもみずみずしいケイトの歌声が素晴らしい。

Breezin' これもちょっと異国情緒漂う感じで素敵。

ただなぁやっぱ収録時間が長いから後半集中力が続かないなぁ。前作はコンパクトに纏まっていたのも良かった。

あとこのジャケはちょっと買わないわぁ。。という感じ。


The B-52's / Funplex(2008)

8/10

16年ぶりにリリースされた現時点最新作。シンディも復帰しています。

兎に角勢いあふれるカッコいい楽曲がつまった痛快な一枚。

ぜーんぜん年齢とか感じさせないエネルギッシュさです。

しかも懐古趣味にとどまらないサウンドプロダクツ。攻めの姿勢が素晴らしい一枚。

ケイトはしかし60代と思えない圧倒的な充実っぷりで素晴らしい。

フレッドもいつも通りノリノリだし。小難しいことは良い。音を楽しむのみ!


The B-52's / With The WIld Crowed! Live In Athens, GA(2011)

9/10

彼らの故郷ジョージア州アセンズで行われたライブの模様を収録したライブアルバム。

初のライブ盤だったりするみたいです。

内容はもう最高!としか言いようがない。選曲最高,演奏最高。まーったく衰えなど感じさせない充実っぷり。

リズム隊もボウイと一緒にやってたスターリングキャンベルだし全く問題なし。

もはや原曲を超えるのではと思われるパーティチューンの数々には心躍りっぱなしです。素晴らしい一枚。

最初に聴く一枚としてもおすすめ。すべての時代の楽曲のベスト的選曲だし。

キースは最近脱退というか引退してしまったみたいですが、彼らの活動はまだまだ続いています。

どこかで来日してくれると嬉しいのだけど。