Shonen Knife(少年ナイフ)
1981年大阪で結成(メンバーの直子さんと美知枝さんは某魔法瓶会社の社員だったらしい)。
その後も直子さんを中心にメンバーチェンジを繰り返しながら、現在に至るまで、
精力的に活動を継続する、日本のガールズロックの偉大なる帝王です。
サウンドはパンクロックを基調にしながらも、日本人離れした唯一無二のオルタナティブな感性を持ち、海外での高い知名度と人気を誇る(リマスター盤とか海外が先に出るし、wikipediaなんかも米国版の方がはるかに詳しい)。
Nirvanaのカートコバーンが高く評価しバンドとしても有名です(実際にツアー帯同している)。
彼らの歌はいつだって生活のこととか動物のこととか美味しい食べ物のこととか。
小難しいこととか忘れて楽しもう。最高です。
メンバー:
山野 直子 Vo. & Gu.
山野 敦子 Dr. → Ba. & Vo.
中谷 美知枝 Ba. & Vo. ~1999
えつこ Dr. 2005~2010
りつこ Ba. 2006~2021
えみ Dr. 2010~2015
なる Ba. 2015~
Shonen Knife / Burning Farm(1983)
8/10
1981年に大阪で結成。カートコバーンが,サーストンムーアが,こよなく愛した伝説のバンド、、
という壮大なキャッチコピーを真に受けて聴くとがっかりするであろうこと請け合いの1st。
いや、でも彼らが一番好きだった時期の少年ナイフって最初の3枚なのでしょう。
おっそろしくチープでストレート、且つキュートなロックンロールがひたすら奏でられています。
音質とか全然気にしてなくて、スタジオで一発録りしたんじゃないかって感じすら。
でもメロディセンスはやはり素晴らしく、良い曲ばかりです。
やたらギターがディストーション強めなところも素敵。
「Miracles」プラスティックスみたいな雰囲気の曲。初っ端からストレンジで脱力感満点。
「Twist Barbie」永遠の代表曲ですね。とにかく理屈とか無しに楽しいナンバー。
「Elephant Pao Pao」かなり逝っちゃってるなこの曲。。徹底的に粗削りな演奏がガレージ感あふれてて最高。
小品「Tortoise Brand Pot Cleaner's Theme」も性急感がたまらないです。最後のコーラスが気持ち悪くて素敵。
本当にかっこいいので、だまされたと思って聞いてみてほしい一枚(たぶんだまされる)。
Shonen Knife / Yama-No Attchan(1984)
8/10
前作と同じ流れのセカンド。チープな音質、演奏。良質なメロディと変な曲。相変わらず最高です。
前作よりすこーしポップな感じになっている様な気もします。
「An Angel Has Come」中谷さんのボーカルの不安定っぷりがツボですね。
「Cycling Is Fun」サイクリングの楽しさがあふれ出る名曲。ひたすら楽しくてポップなメロディー。
「Elmer Elevator」ボ・ディドリービートですね。うずまくシンセの音が不気味w
「Flying Jelly Attack」これもストレートなロックンロール。最高です。
「Dali's Sunflower」やたらリフが凶悪でカッコいい不穏なナンバー。これもまた最高。
「Insect Collector」癒しの一曲。幻想的でだるい感じの世界観が素晴らしい名曲。どんともカバーしてました。
当たり前ですが、これも外せない一枚です。
Shonen Knife / Pretty Little Baka Guy (1986)
9/10
前2作とやっていることは基本的に一緒なのですが、楽曲が明らかに華やかになった傑作。
代表曲のオンパレードですね。ストレンジな曲も盛りだくさんで、
そちらの方面でも非常に楽しめる素敵な一枚。すこーしですが、音がよくなったような気も。
「Making Plans For Bison」勢いあふれるストレートなナンバー。ギターがジャミジャミいってて最高。
間奏の超危なっかしい感じが逆にツボすぎます。
「Summertime Boogie」まさに中谷さんと言った感じのヘンテコスカナンバー。
倦怠感あふれまくりの歌詞,脱力メロディが素晴らしい。この方の曲、直子さんのストレートでポップな世界観と
また違ってかなり不思議な雰囲気が漂っており、アルバムの良いアクセントになっていましたね。
「I Wanna Eat Chocolate」大好きですこの曲。不思議にメランコリー感漂いまくりなギター,キーボード。
切ないメロディと素晴らしすぎ。この美しい曲にこの歌詞なのだから本当に凄まじいバンドだな。
「Devil House」テーマに反して可愛らしいポップなロックンロール。メロディが本当に良いんだよなぁ。
「Antonio Baka Guy」静と動といった感じのナンバー。メタリックですが脱力感満載。
「Riding On The Rocket」最高傑作のひとつですね。ここで聞けるバージョンはメジャーデビュー時よりも
大分控えめな印象ですが、やはり楽しいストレートなメロディ,痛快そのものな演奏。
水金地火木土天海冥~という強烈なフレーズにはかないません。
「Kappa Ex.」なんじゃこれはwという感じの狂気満載な詩世界。つきぬけてるぜ。。
初期で最初に聞くならこれではないでしょうか。いや、1枚目から聞いていくのが本当は一番良いと思うけども。
Shonen Knife / 712(1991)
9/10
前作から5年経ってるぞ!?まぁ働きながらだから色々あるのでしょう。
で、この作品は前作までとは音質が格段に違う。楽曲のほうもより華やかさ・バラエティさを増しています。
はっきり言ってこれも傑作ですね。ジャケットが凄まじいですけど。Redd Crossが参加している。
「Shonen Knife」これは、ラップなのだろうか?まったく韻とか踏めてないのが最高です。
「Lazy Bone」うーむこの曲かっこよすぎだぜ。最高傑作ではないでしょうか。ストレートでポップで
キュートでロックンロール。すべてが詰まってる一曲。熱いギターソロも聞きどころ。
「Blue Oyster Cult」某TV番組でよくかかるので聞いたことある人が多いのでは。
アメリカンオールディーズ風なコーラスが楽しいですね。会社の忘年会でカキにあたったことを歌っているそう。
「Rain」「The Luck Of The Irish」とカバー2連発も素晴らしい。後者はとくにRed Crossとのデュエットがキマってます。
「Faith Healer」やたらカッコいいガレージサイケナンバー。なのだが、これは誰のカバーなのだろう?
調べても全く分かりません。。ご存知の方教えてください。
「White Flag」ハードコアのごとく駆け抜けます。これもめっちゃカッコいいぜ。最高。
「Fruit Loop Dreams」メランコリーで美しいメロディ。切ないコーラスが光るアコースティックの傑作。
「The Moon World」いつもの少年ナイフって感じの曲。チープなキーボードが良いです。
「Baggs」これも楽しいwビトビトビトビトルイビトン♪ってそんなぶっ飛んだ歌あるかいなwすごすぎる。
Shonen Knife / Let's Knife(1992)
9/10
メジャーに移籍しての一枚目。楽曲のほうは今まで出してきたナンバーの再録がほとんど。
しかしこれがどの曲も滅茶苦茶かっこよく仕上がっております。チープさは消滅。
選りすぐりのナンバーのみ収録されているのだから当然悪いはずは無し。
ひたすら続く名曲のオンパレードは超強力です。一方で、インディーズ時代の奇妙な雰囲気というか,
ある種のオルタナティブ的な空気は感じにくくなっているのも事実です。僕は全然気になりませんが。
「Riding On The Rocket」この名曲から始まります。これに関しては、原曲をはるかにしのぐ圧倒的な
完成度に仕上がっていると思います。滅茶苦茶カッコいい。
「Get The Wow」新曲。ストレートなロックンロールで楽しいですね。
「Tortoise Brand Pot Cleaner's Theme」は何と2バージョン収録。あの珍妙なコーラスもさく裂しますが、
かなり常識的な感じに仕上がっていますw
「Antonio Baka Guy」迫力5割増しですね。こういうときメジャーはやはり強い。
「Flying Jelly Attack」コーラスの美しさが増しています。よりポップで開放的に。素晴らしい。
「Black Bass」悲しげなマイナー調メロディが渋い一曲。釣りに行きたかったのに雨。。
という悲しみを歌ってます。彼らの歌う内容ってあほらしいけど結構リアルなのよね。
「I Am A Cat」新曲その2。ポップな可愛らしいナンバーで、幻想的な間奏が個人的にはすごくツボ。
まさに10年の活動の集大成といった感じのアルバムで、最初に聞くならやはりこれがおすすめでしょうか
Shonen Knife / Rock Animals(1993)
9/10
メジャー移籍後の2nd。全曲新曲でありながら、前作に負けず劣らずの素晴らしいクオリティです。
Sonic Youthのサーストンも参加しており、彼らの凄まじい勢いを感じる一枚。
歌詞は女の子的。動物、お菓子に限られてきてる感じで、
初期にあったぶっ壊れた世界は完全になりを潜めてしまった感は少し残念。
「Concrete Animals」公園にある遊具がテーマ。ちょっと切ない感じですね。
ストレートで開放的なロックンロールはいつもの通り。出だしから名曲。
「Butterfly Boy」ギターにサーストンが参加。けだるーい感じのローファイなナンバーです。
ファズが効いたギターが実にカッコいい。
「Strawberry Cream Puff」キュートさ前回のポップナンバー。すごーくハマってます。
「Tomato Head」やたらにヘヴィーなギター前回の重苦しい一曲。サウンドは最高なのに、
歌詞がある意味すごくて、そのギャップこそが最高。
「Another Day」この曲すごく好きです。ゆったりとした普通のバラードなのですが、
すごく切ない空気が流れていて。不思議な魔力のある一曲ですね。
英語バージョンのほうが個人的には何故か破壊力が高い。
「Brown Mushrooms」これもストレートないつもの少年ナイフですね。可愛らしくてカッコいい。
「Cobra Versus Mongoose」はこれアントニオバカ貝じゃないの。。よりヘヴィな感じ。
個人的にはオリジナルメンバーではここが全盛期なのではと思う。
Shonen Knife / Brand New Knife(1996)
7/10
またしても前作から3年も空いてますね。タイトルと明るいジャケットに反して、
いつもの様な楽天的なムードが希薄な印象の一枚。
心なしか録音も線が細く、これまでの作品とは大分ムードが違いますね。
「Explosion!」歌詞がちょっと内省的。辛いことは多いけど突き進んでいこう!的な。
サウンドはアッパーなロックンロールですが、いつもより歌謡よりな感じですね。
「Wind Your Spring(ねじを巻け)」も前曲同様何だか意味深な歌詞です。
落ち着いた雰囲気でじっくり聞かせてくれます。
中谷さんの「The Perfect World」これはもう曲調までダーク。オルタナ感あふれててカッコいいです。
「E.S.P.」これはいつもの感じですね。TVで超能力番組を見たことを歌にしている。
「Loop Dl Loop(遊園地へ出かけよう)」も明るい曲調なのだが、演奏がやたらと細い気が。
「Wonder Wine」ちょっとマイナー調な感じがモッズっぽくてカッコいいナンバー。好きですね。
「Frogphobia(カエル恐怖症のうた)」これもメロディがポップでナイス。楽曲のほうも凝ってます。
「Buddha's Face(仏の顔も3度まで)」緩急使い分けたハードロックナンバー。音が細いのが気になりますが、
カッコいいですね。ボーカルの線の細さはもはや芸術。
佳曲を複数収録していますが、ナイフらしいかと言われると微妙な感じかな。。
Shonen Knife / Happy Hour(1998)
9/10
オリジナルメンバー最後の作品です。
本作では今まで以上にイケイケのロックンロール・パンクがハイテンションに奏でられます。
集大成的な作品にも聞こえますね。楽曲の充実度も素晴らしい。奈良美智のジャケも可愛くて好き。
「Shonen Knife Planet」これは712に収録の1曲目へのオマージュだろうか。
ラップ的な語りからスタートしますが、過去の曲がちらほら聞こえてくるのが楽しい。
「Konnichiwa」ヘヴィなパンクナンバー。ストレートにポップで最高に楽しいです。スタートにうってつけ。
「クッキーデイ」スカ調の多幸感溢れるポップな一曲。ちょっとジッタリンジンっぽいけど素晴らしいですね。
「すしバーソング」Saturday Nightみたいなコールが最高に楽しいw寿司を食べる喜び,伝わってきます。
「Fish Eyes」洒落てるなーこの曲。中谷さんの曲はやっぱり面白い。メロウなメロディ,かなりツボをついて来ます。
「バナナチップス」これ、アニメのタイアップでしたね。幼少時によく聞いた記憶が。いやー名曲です。
「Dolly」静かなアコースティックナンバー。切ないメロディが美しい。
「Gyoza」これも楽しいなー。From China♪可愛らしいメロディにやたらヘヴィなギターが良いです。
しかし、食べ物関連の曲が多いな~。そこが逆に清々しくて素敵です。
ちなみに日本盤は英語バージョンを5曲も収録しており、お得かと。
Shonen Knife / Strawberry Sound(2000)
6/10
中谷美智枝さんが抜けて二人体制での初アルバム。ということもあり、
テクノ、ディスコソング、ファンク、ハードロックなどなどかなりやりたい放題に色んなジャンルの楽曲を楽しく演奏してる感じ。
実験的な雰囲気すら漂う。正直華やかな前作と比べるとかなりのパワーダウンは感じてしまうかな。
やっぱり彼ららしいポップなパンクソング「セサミ」が好きですね。
あと「Chinese Disco」はシンセがとてもThe Carsっぽくてツボ。
Shonen Knife / Heavy Songs (2002)
7/10
2人体制2作目。相変わらずバラエティ豊かな感じですが、前作に比べると統一感とらしさが戻ってきた感じですね。
最初の三曲は特に素晴らしい。「Golden Years of Rock 'n' Roll」は大好きなバンドのリユニオンライブを楽しんだー!
という曲なのだが、切ないメロディとパワーポップなギターが歌詞の世界観と素晴らしくシンクロ。名曲です。
しかし中盤がどうもテンション低いなーと感じてしまう。
終盤曲「An Elephant Insect」のズンドコドラムブギーに乗る乾いたギターと物憂げなボーカル(男性ボーカルも良い感じ)は流石のセンスというほかないクールさです。
Shonen Knife / Candy Rock (2004)
7/10
ジャケはやたら可愛いんだけど、中身はいつになく重苦しい感じの異色作。8曲収録と曲数も少な目。
ゴリゴリのパンクソング「マスコミュニケーション・ブレイクダウン」なんか歌詞まで重苦しくて出だしからいつものハッピーな感じは皆無。
2曲目もそんな感じで突き進む。
そんな中で動物園に送られたセイウチの一生を淡々と歌う「セイウチ」は明るくも切ない癒しの歌。
この世界観はこの人たちにしか出せないものだなぁ。
Shonen Knife / Genki Shock! (2005)
9/10
2人体制ラスト。これまで3作と打って変わってアッパーでハイテンションで痛快なアルバム。
曲数も多く、そのいずれも完成度が高い。この体制での集大成では。
「アニメ現象」では姉妹の長いお芝居あり。これが中々楽しい笑。
「暗黒の女王」みたいなヘビーな曲とか「森林浴」のような爽やかな癒しのナンバーもあって、パンク一辺倒でないバラエティの広さも魅力。
最後を飾る「ジャイアント キティ」は今に至るまでライブのキラーチューンとして君臨している。まさに必殺曲。
Shonen Knife / Live In Osaka(2006)
8/10
初の本格的なライブアルバム。22曲を収録しており、全編通じてテンションが高く、豪快な演奏が聴ける。
新旧織り交ぜたセットリストの層の厚さというか圧倒的な引き出しの多さには感服。
「アニメ現象」はセリフのところしっかり演じてて笑える。
結構アルバム未収録の楽曲が演奏されていて、優しいメロディにガツンとした演奏が堪らない「オレンジの太陽」は必聴。
音質も骨太な感じで良い。
Shonen Knife / Fun! Fun! Fun!(2007)
7/10
ドラムにえつこさんが加入して3人体制に戻った少年ナイフ。
軽快でポップなパンクナンバーが軒を連ねている。
1曲目の「重力無重力」は切ないメロディーが印象的なパンクナンバー。
Ramones愛を歌う「Ramones Forever」、アレンジに兎に角ラスベガス感溢れる「Las Vegas」辺りが楽しい。
最後の「おやすみ」はあまりに名バラードです。今現在に至るまでの路線がこの作品で確定した感じがある。
Shonen Knife / Super Group (2008)
8/10
あつこさんが一旦抜けてベースにりつこさんが加入。
前作の流れを引き継いでるけど、この作品は1曲目がキラーチューンなのがかなりでかくて、結構聴く頻度が高い。その1曲目「Super Group」の溌剌としたメロディと爽快感は圧倒的。名曲です。
楽曲のバラエティも豊かで、ヘヴィメタリックな「Muddy Bubbles Hell」、
60年代風ガレージ的なリズムが面白い「Pylamid Power」、
ライブの定番「BBQ Party」などテンション高くて楽しい作品。
最後にWingsのカバー「Jet」が入ってるけどこれもしっかりハマってる。少年ナイフのカバーセンスとハマり方は毎回流石と言わざるを得ない。
Shonen Knife / Free Time (2010)
9/10
非常にテンションが高く、素晴らしいメロディが詰まった傑作。彼らの魅力が隅々に至るまで詰まっている。
「Perfect Freedom」の圧倒的爽快感(今作が最後となったえつこさんの弾けるようなドラムが滅茶苦茶良い味を出してる)。
「Rock 'n' Roll Cake」の優しくてメランコリックなメロディも素晴らしい。
「Do You Happen to Know」も疾走感あって好きだなぁ。
毎度お馴染みの動物ソング「Capybara」も楽しい。
最後の「Star」はブリティッシュ全開なサイケデリックで、これは日本人離れしすぎたセンスで最高。
超おすすめの一枚。
(大阪ラモーンズ未聴です。すみません。売ってないんだもん。。)
Shonen Knife / Pop Tune (2012)
9/10
メロディの美しさとセンスが際立つ傑作。前作に比べてかなり落ち着いたじっくり聞かせる内容に感じる。
編曲のバラエティが豊かなんだけど、過去作みたいなとっちらかった印象は皆無。
序盤三曲のテンションの高いパンクナンバーで突き抜ける爽快感で掴みは完璧。
食べ放題の幸せを歌う遊び心たっぷりの「All You Can Eat」、
マイナー調のメロディだけど、重苦しくない「Psychedelic Life」、
60年代的なリズムとメロディが流石のセンスという他ない「Ghost Train」(めっちゃ好き)と素晴らしく個性的なナンバーのオンパレード。
最後の「Move On」が彼らには珍しい応援歌で同じメロディのリフレインが延々続くんだけど、妙にグッと来るんだよな。名曲です。
Shonen Knife / Overdrive(2014)
7/10
まさかのHR/HM期到来!?という位にギターの音はヘヴィさを増し、過去のロッククラシックナンバーのオマージュが響きまくる一枚。
なのだが、少年ナイフらしいセンスとゆるい雰囲気は強力にこれを支配しており、らしさは全く失われていないのが流石過ぎる。
1曲目「Bad Luck Song」はThin Lizzyオマージュで誰もが開始早々にやけるであろう。
個人的にはいつもの可愛らしい動物ソング「Like a Cat」が特に好きなのだが、この曲はこんなゴリゴリの編曲にしなくてもーと正直思う。
個人的には必殺曲があればなーという歯痒さを感じる作品。
ジャケットのクラシックロック感にこだわりが感じられて良いですね。
Shonen Knife / Adventure(2017)
8/10
あつこさんがベースで復帰。ドラムにリサさんが加入。
前作の路線をまさかの継承!?しかしながら全体的に前作より完成度が高く、必殺曲であり稀代の名曲である「Jump Into the New World」が一発目に入ってるのが強力なアルバム。
その一曲目だが、メロディの美しさと演奏の完成度が尋常じゃなく、彼らの最高傑作の一つに推せると思う。詩世界含め超シンプルな中でここまで心震わせる曲を作れるバンドはほとんど居ないであろう。
「Hawaii」はなんか初期のアルバムに入ってそうな曲調で癒し。
ここから直子さん以外のメンバーの歌う曲が入る様になったのも印象的でリサさんの歌うほのぼのした「Green Tangerine」の甘い歌声が非常に気持ちいいです。
Shonen Knife / Alive! in Osaka(2018)
8/10
12年ぶりのライブ盤。タイトルの頭にAが付いてAlive,HR/HM期だけあって、あのレジェンドハードロックバンドのオマージュでしょうか笑
中身はいつもの少年ナイフのライブで最高以外ありません。代表曲から最近の曲まで幅広く演奏されており、セットリストも最高。Nick LoweのカバーCruel to Be Kindは流石のカバーセンス。
パワーパフガールズへの提供曲「Buttercup(I'm a Super Girl)」も収録(Ramones愛溢れる曲だ)。
ちなみに上記画像のものはDVDが付属しており、こちらを購入することをおすすめします(紫色のジャケの方も躍動感が凄くてかっこいいけどね)。
Shonen Knife / Sweet Candy Power (2019)
8/10
HM/HR期を抜けて、本来のパンキッシュなオルタナティブロック感が光る好盤。
編曲のレパートリーの広さと日本人離れした圧倒的なセンスが最高です。
前作みたいに必殺曲はないけど、全体としての完成度が高い。
リズムが楽しい「Dizzy」、疾走系パンクナンバー「Sweet Candy Power」、
前作の流れにありオマージュ元ににやけてしまう「My Independent Country」、
切ない雰囲気漂うおおらかな「Never-Never Land」(大好き!)、
60年代的なセンスが炸裂する「Peppermint Attack」(滅茶苦茶カッコいいのに歌詞の馬鹿馬鹿しさが最高で大好き)など優れた楽曲を数多く収録。演奏も完成度高く、この編成が最強なのかもとも思えてきます。
Shonen Knife / Our Best Place(2023)
9/10
コロナ禍を経て約四年ぶりのアルバム。これぞ少年ナイフ!という溌剌としたロックが詰まってていつまでも変わらず好きだな〜と心底思えるアルバム。
タイトルにも自信が詰まってる感じがする。なんとも爽快感溢れる作品。
スタートはいつもの!感じ溢れる「MUJINTO Rock」、
「Nice Day」はもう最高にブリティッシュビート全開で最高にクール。
「Vamos Tequitos」のラテン感も面白いし聴いてて心地良い。
原曲より少しテンポを落としてしっかりした演奏で聴かせる名曲「Girls Rock」の再録も素晴らしいな(久々の日本語詞の様な気もする)。
そして最後に入ってるPilotのカバーJust A Smileがマジで最高に良過ぎる。とんでもない爽快感!流石のカバーセンス!
この作品を聴くたびにまたライブ観に行きたいな〜と思ってしまいます。