Class of 2017
Class of 2007
- MGT 340 Strategy ( Prof. Vijay Sathe ) (4 units)
- 教授
- Prof. Vijay Sathe
- * コア科目の一つである Strategy は、例年、秋学期は Prof. Sathe 、春学期は Prof. 山脇、と 2 人の教授が交互に教鞭を取られます。なお、 2007 年から春学期のクラスは “Business Strategy” と改題されています。
- 使用テキスト
- Robert M. Grant, Contemporary Strategy Analysis (5e)
- Cornelis A. de Kluyver & John A. Pearce II, Strategy: A View from the Top (2e)
- * ただし、分析、ディスカッションに必要なコンセプトは授業中に提示されるため、これらを読むことが必須とはされていません。
- 授業内容
- ケース・ディスカッションを主体に企業戦略、事業戦略について学ぶオーソドックスな内容です。全 14 回の授業を通して学ぶコンセプトは、企業の目的、産業分析、企業の競争優位戦略とその源泉、グローバル・ストラテジー、インプリメンテーション等で、例えばポーターの代表的な議論からブルー・オーシャン戦略まで幅広く触れることになります。
- ただし、 Sathe 教授のスタイルは大変特徴的です。第一に、 3 時間に及ぶ授業時間の中で、取り上げるケースは一つだけであり、ひとつのケースを徹底的に深く議論していきます。これは、教授の意図が、分析のフレームワークを知識として学ばせることではなく、戦略的思考の主眼である critical thinking の力を徹底的に身につけさせる点にあるためであります。そのため、ディスカッションにおいても、ケースの中に上げられている事実「のみ」を用いて、推論、分析を行なうことが求められます。
- 第二に、どこの MBA でも扱うであろう戦略論の数々のコンセプトが、教授独自の ”POSE Framework” = Purpose, Objective, Strategy, Execution の各段階における企業・事業のあり方を分析していく、という独自のフレームワークの中で統合的に提示される点もユニークな点であると思われます。このフレームワークに基づいたディスカッションを繰り返す中で、学生は自然と統合的な視点を得ることが出来ます。
- 第三に、ディスカッションにおいては、出来るだけ多くの学生に発言のチャンスを与えてくれます。その姿勢は徹底していて、その日の授業、もしくは前回の授業でしっかり授業に貢献したと見なされる学生には、しばらくのあいだ発言禁止の措置 (“embargo”) が取られます。その措置が取られている間はいくら手を挙げ続けても、目があっても、絶対に発言権は与えられないのです。
- 成績評価
- Class Participation 50%
- Final Exam (take-home) 50%
- 感想
- 故ドラッカーに共鳴し、 HBS から移籍した Sathe 教授。さすが HBS で 10 年間教鞭を取っていただけあり、彼の授業の要求度の高さはドラッカースクールでは間違いなく No.1 です。学生の発言には、とにかく “Why?” “What’s the evidence?” “So what?” と徹底して drill down が行なわれます。うかつには発言できないため、準備の過程と授業中に学生にかかるプレッシャーも間違いなく No.1 でしょう。
- しかし、常にユーモアを忘れず、常に energetic で、公平さや優しさを忘れない Sathe 教授からは、知的な面でも、人格的な面でも学ぶことが非常に多かったです。
- また、企業のコンサルティング経験も豊富で、教授のネットワークを活かし、 Panda 、 Patagonia 等のケースでは過去に実際に CEO が授業に参加し、プレゼンテーションとディスカッションを行なっています。クラスのディスカッションの進展に応じてその時の映像が流され、さらに議論が深く、広いものになっていきます。 2006 年秋学期にも、元 Patagonia CEO の Michael Crooke 氏が Executive MBA の Strategy クラスに参加しました。これらの点も Sathe 教授の授業の魅力の一つでしょう。
- 特に圧巻だったのは、最後の二回で 1987 年頃の Philips を扱ったケースです。当時の Philips は、ドラッカーをして「 Philips より大きな問題を抱えているのはソ連くらいのものだ」と言わしめるほどに低迷していました。 Sathe 教授は、コア・コンピテンシーの概念の発明者として有名なプラハラード教授等とともに、 Philips 立て直しの大規模プロジェクトに招かれ、参画しました。そのときの実体験を踏まえた Philips 改革の strategy+execution の議論はかなり印象的で、学びの深いものとなりました。
- 文責 I.H.( Class of 2007 )
Class of 2005
- MGT 340 Strategy (4 units)
- 教授
- Prof. Hideki Yamawaki
- (学期毎Prof. Vijay Sathe と交互に教鞭を取ります。)
- 授業内容
- 経営戦略論の基礎を学ぶコア科目です。ビジネスストラテジーからアライアンス、 M&A 、グローバリゼーションを含むコーポレートストラテジーまで戦 略論の広範を習得します。また、ファイナンス、アカウンティング、統計、エコノミクス等の知識を必要とするため、2年次に履修することになります。
- マイケル・ポーターのファイブ・フォーシーズ、バリューチェーンのみならず、プロダクト単価を計算するコストアナリシス、ダイアモンドフレームワークなど、 用途に応じた分析ツールを利用して、産業及び企業の歴史的背景を含めて分析を行い、成功要因を戦略的観点から掘り下げます。いかに成功企業が自分の強みを活かし、他社と差別化して、持続可能な競争の優位性を確立するかに焦点を置いています。また、敗退した企業についても、なぜ競争に負けたかについて分析します。徹底的に戦略的視点から分析するため、経営戦略論の基礎を十分に習得できます。
- 中間試験では、事前にケースが配布され、産業分析と企業の強みに関する問題が出されます。
- 期末プロジェクトはグループプロジェクト(4名程度)で、各グループで1つの企業又は産業を選び、その企業の戦略分析及び産業の構造分析をします。学期の最後にプレゼンテーションとレポート提出があります。
- 成績評価
- Class Participation 45%
- Mid-term Exam 25%
- Final Group Project 30%
- 感想
- ディスカッション重視のクラスであり、質の高い発言が強く求められます。また、毎授業で2つのハーバードビジネススクールのケースを扱うため、予習に膨大な時間を要します。
- 授業では、成績評価のクラス貢献度が高いため、生徒は積極的に発言します。個人的にはネイティブの学生に対抗すべく、発言回数より質に賭けて、ここぞというときに挙手することにしています。また、教授から突然指名されることもあるので、授業中は気を抜けません。(教授の目をしっかり見ることが大切です。)授業の終わりには、授業のまとめとケースで扱った企業のその後の動向を併せて説明してくれるため、今日は何を学んだのかを明確化できます。
- 文責 平田則彦 ( Class of 2005 )
- (加筆: Class of 2007 履修生一同)