MGT 414 Marketing of High-Technology Products and Services (2 units)
1.教授
Prof. Jakki Mohr(モンタナ大学教授)
2.使用テキスト
Marketing of High-Technology Products and Innovations
by Mohr, S., Sengupta, S., Slater S.
3.授業内容
通常、夏期に開催される短期集中講座(2006年の場合:4日間連続/1日6時間)です。
授業では、まず、ハイテク業界特有のR&D主導の製品開発、商品の短いライフサイクル、Dellに代表されるサプライチェーンのあり方、ハイテク商品を好む層の顧客行動など一般的なマーケティングではとらえられないハイテク業界の特徴を明らかにします。次に、それを踏まえて、マーケットに登場した当初はヒットされると思われたハイテク商品/サービスが実際には普及までには至らないことが多いという現実に対して、その原因がどこにあるのかが示され、 ターゲット市場のいかなる特徴を踏まえてマーケティングをすることでその罠から抜けることできるか(罠に落ちる可能性が減るか)などがわかりやすく説明さ れます。
ハイテクと聞くとE-CommerceなどITを連想しがちですが、イノベーションに着目しており、IT産業からバイオ産業まで扱われ、ハイテク、イノベーションを学ぶときに外せない『イノベーションのジレンマ』『キャズム』などの理論も丁寧にカバーされています。
成績の50%を占めるTake-Home Exam(課題に基づいたレポート提出)は授業終了から10日後までの提出が求められました(2006年の場合)。
3.成績評価
Class Participation 20%
In-Class Assignments 20%
Current Ivents Presentation 10%
Take-Home Exam 50%
4.感想
Jakki Mohr教授はモンタナ大学の"Montana Professor of the Year"を2003年より連続受賞しているほか、カーネギー財団からの表彰も受けるだけあって、授業は非常にオーガナイズされています。同教授の授業ス タイルの特徴は、学生への「知識の定着」に重点をおいているところにあります。したがって、ハイテク業界に関する『Business Week』などの記事をベースにしたクラス内でのグループアサインメントも「クラスで習った知識、理論を用いて、その記事をいかに解釈するか」ということ に主眼がおかれますし、Take-Home Examでも授業で習得した知識の応用がポイントとなるのですが、これらは短期間集中講座の授業にとても有効な教え方であると実感させられました。(一般的に、短期集中講座の授業は、セメスターを通して実施される授業に比べて、その時期の負担は高いものの、知識が定着しにくいといわれるのですが、このクラ スはそれを上手く回避していました。)
私はインターネット業界、それも新規事業開発に長く身をおいていましたが、目からウロコの場面も多く「この授業を早く受けておきたかった」と思うことがしばしばありました。この業界に関する人はもちろん、そうでない人にも個人的にはお薦めできます (少なくても取って損はありません)。アドバイスとしては、短期講座であるため、受講期間中の予習復習は難しくなりますので、事前に予習をしっかりしてお くことがあります。授業でも中心トピックとして扱われる『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン)、『キャズム』(ジェフリー・ムー ア)の2冊を読んでから授業に臨めば、気付きや理解度がぐっとあがると思います。
文責 履修生一同 ( Class of 2007 )