MGT 376 Global Economy (4 units)
1.教授
Prof. Hideki Yamawaki
2.使用テキスト
The Competitive Advantage of Nations
by Micheal E. Porter
Geography and Trade
by Paul Krugman
The World is Flat
byThomas Friedman
3.授業内容
IT によるグローバル化が加速度的に進んでいる現在にあっても、ドイツに高級車を製造するメーカーが集まり、パソコン、ソフトウェア、映画産業などにおいては未だアメリカの企業が圧倒的な競争力を持っているのはなぜなのか?日本の企業が、自家用車、家庭用電化製品、カメラなどでは強く、一方で薬品や化学品の世界ではリーダーになっていないのはなぜなのか?
「 MGT340 Strategy 」では主に産業構造に着目して企業の戦略を学ぶのに対し、「 MGT376 Global Economy 」では、マイケル = ポーターの Diamond Model をはじめとする様々なフレームワークを用いて、国・地域の持つ特性がどのように企業に影響を与えるのかに着目し、その中で国際企業がどのような戦略を取るべきかをケーススタディを通じて学びます。
毎回の授業で 2 つのケースが取り上げられ、山脇教授が一人の学生をまず指名して「君がこの企業の CEO だとしたら、 3 つの選択肢のうちのどれを取るか?」「経営者の視点で、企業が直面している競争要因をあげてみて」といった質問を投げかけることから授業がスタートします。授業は完全なディスカッション形式で、学生による自発的な発言のほかに、教授のコールドコール(学生の指名)も織りまぜられるため、学生は気を抜くことはできません。
4.成績評価
Class Participation 50 %
Final Project 50 %
( 3 ~ 4 名程度のグループによるプレゼンテーション、レポート提出)
5.感想
取り扱うケースは「 eBay 」「 Nokia 」「 BMW 」「 Nissan 」「 Microsoft in China 」など国際的に有名な企業が大半で、「アメリカ(中南米含む)」「ヨーロッパ」「アジア(主に日本とインド)」とバランスよく配置されているほか、各ケースに関連した論文や資料(例:外国為替の変動に対するリスク、発展途上国への進出に伴う知的財産問題 etc) も事前配布されるので予習負荷はかなり高くなりますが、 20 個以上のケースをこなすセメスター終盤になるころには、企業の戦略を分析、検討する視点が本授業を受講する以前とは比べものにならないほど多くなります。毎回の授業で 2 つのケースを扱うため、一つのケースの分析、ディスカッションが浅くなる場合もありますが、私の場合は、数をこなしていく中で、自分の視野がすーっと拡がっていくように感じる瞬間を何度か経験することもありました。
山脇教授は学生の評価にあたって、学生の発言を各ケース毎に丁寧にメモされており、それぞれのケースに対する発言内容で学生の評価をされます(つまり、一つ目のケースへの発言で安心して二つ目のケースで発言しないと、半分の点数しかとれない)。教授は学生とのコミュニケーションにも熱心で、学生に毎回の授業の発言内容がどうだったかを聞きに教授のオフィスに来ることを推奨されています。(シビアな指摘をされることも多く覚悟は必要ですが)これによって、客観的に自分の発言内容の良かった点、不十分な点も見えてくるだけでなく、教授が学生に求めているレベルもわかり意義深いものとなりました。
文責 横田直樹 ( Class of 2005 )
改訂 N. I. ( Class of 2007 )