MGT 373 Financial Policy & Strategy (4 units)
1.教授
Prof. Murat Binay
2.使用テキスト
Principles of Corporate Finance, 8th Edition
by Richard Brealey, Stewart Myers, and Franklin Allen
3.授業内容
財務的な視点から戦略的意思決定を行う力を養成するクラスで、 MGT 335 コーポレートファイナンスを学習した生徒を対象にしています。財務上の意思決定のための定量的分析手法を学び、異なった財務戦略、政策が企業全体の価値に及ぼす影響について考えていきます。
ビジネスリスクや競合状況を踏まえた最適な資本構成のあり方、企業の長期的な戦略と財務政策(配当政策、自社株買いなど)の相関性、企業買収や事業売却を行う際の企業価値評価、投資評価の考え方、企業倒産・再建手続き手法等、学習範囲は多岐に渡ります。
計 13 回の授業の内、 9 回はケース討議+講義で、 4 回が講義中心の授業構成となっています。テストは中間試験と期末試験の 2 回で、共にケース分析の問題で答案は論述式になります。初回の授業で 3 - 4 人のグループを作り、各グループは全 9 回に渡り、実際の企業を題材としたケースを分析し、合理的な財務戦略、政策を立案したレポート( 8 枚以内+財務分析を行った付属資料)を提出します。内 3 回は分析内容をまとめたプレゼンテーションが課されます。
4.成績評価
Attendance 10%
Case write-ups 30%
Peer Evaluation 10%
Midterm I 20%
Final 30%
5.感想
財務的意思決定に必要な理論と分析・評価手法について体系的に学習するので、企業の財務活動の全体像をとらえることができました。企業の戦略と財務諸表上の数字の繋がりを理解するのに役に立つ授業だと思います。
グループプロジェクトによる、レポート作成、ケースプレゼンテーションには多大な時間を費やすことになりますが、グループワークは財務分析、財務予測、企業価値評価の実践的な学びの場となります。プレゼンテーションは毎回 2 - 3 グループが行い、各グループに対しクラスメート全員が評価を行うので、適度なプレッシャーが心地良い刺激にもなります。毎回、講義ではパワーポイントの資料が配布され、要点がよくまとまっています。ケース分析の前に予め該当テーマの講義があるので、ある程度理解を深めた段階でグループワークに望めます。ケースプレゼンテーションの後の教授のフォローアップが多少少なかったのが残念ですが、クラスメートの異なった分析に触れる機会があり、積極的に意見交換することで学習効果が向上します。
グループワークの負担は重く、大変ですが、その分学ぶことも多い授業です。
文責 杉坂 憲昭 (Class of 2007)