Class of 2018の芝崎です。
今回は私が2017年の秋タームに参加したRotterdam School of Management, Erasmus(RSM)大学への交換留学に関しての記事を掲載したいと思います。
■RSMについて
RSMは、オランダの第二都市でありヨーロッパの主要港町として有名なロッテルダムにある大学です。
Financial Times のGlobal MBA Ranking では2017年が31位、2016年で42位に位置付けられており、ヨーロッパの主要トップ10のMBAとして非常に有名な大学です。
クラスサイズは小規模であり、毎回のクラスもおよそ30人前後での実施ということで、ドラッカースクールと同等か少し多い程度の規模です。
クラスはインドや中国を筆頭として、中南米やアジア、他ヨーロッパ諸国そして北米等から幅広くインターナショナル学生が参加しておりました。
私が参加したClass of 2017(ヨーロッパは一年生MBAが一般的なので)には、2人の日本人と、私の他に1人の日本人交換留学生がいまして、合計4人の日本人がおりました。
■ロッテルダムについて
ロッテルダムは国際都市であることもあり、大きいお店から小さいお店まで英語が通じます!
これはとっても大事なことで、お隣のドイツではこうは行かない(ドイツ人やイタリア人はほとんど英語が通じないのです)ので、助かりました。
また、ヨーロッパ諸国に比べて安全と言われるオランダの中でも、さらにロッテルダムは安全な都市であり、もちろん最低限の自衛は必要なものの特に危険を感じることなく過ごすことができました。
■交換留学へ参加した理由
私は企業派遣で留学をしているため、企業内での起業といういわゆるIntreprenureや既存企業のRevitalizationに興味がありました。
そのため、既存企業内で起こすイノベーション(ベンチャー企業との協業などを含む)に関して学びたいと考えていたのですが、オランダはIKEAやUnileverなどの世界的にイノベーディブと言われる企業の本社を抱え、またオランダ政府が国を挙げて起業をサポートするなど企業や学校を取り囲むビジネス環境が魅力的であったことと、RSMにイノベーションに関連する多くの授業があったため、今回交換留学を目指すこととしました。
■カリキュラム・授業に関して
RSMのカリキュラムは大きく分けて、Finance, Business and Leadership, Sustainability/Social Entrepreneurship, Supply chain/Operations Management, Marketing, Strategy, 他大学で実施される課外授業, スタディートリップという8つのコースで構成されています。
なお、私が参加したClass of 2017では選択授業は全部で46授業ありました。
交換留学では特にコンセントレーションを決める必要はありませんので、私の場合には主にMarketingとStrategyから以下の5つの授業を選択しました。
①Enhancing Creativity (Marketing):リーンスタートアップ等のビジネス手法の知識習得や、個々人のクリエイティビティを高めるためのエクササイズを実施
②E-Marketing (Marketing):デジタルデバイスやSNSツールを生かし、カスタマジャーニーにおけるSatisfactionやロイアルティを高めるための方法を学ぶ
③Digital Strategy (Strategy):E-Marketingと同様にデジタルデバイスやツールを生かした戦略の立案方法を学ぶ
④Innovation Management (Strategy):Disruptive Innovation等の有名理論と共に、最新のイノベーション手法を学ぶ。理論中心
⑤Strategic Value Management (Strategy):イノベーション戦略の実践時や、トラブル/災害が発生した際の理想的なリーダー行動・価値観をケースを通じて学ぶ
※通常RSMの各授業で取得できる単位はCGUの2単位に相当します。
今回私は残りの授業の関係上5授業分をとりましたが、CGUの学生は4授業分を取るのが一般的だそうです。
各授業はCGUとは違い、全てインテンシブと言われる短期集中型の授業となります。
全6回から7回の各授業を、一週間から二週間で終えることが一般的な流れですが、一部私のInnovation ManagementのようにEMBAの授業を取得した場合には、Weekendで一ヶ月かけて実施されるものもあります。
■カリキュラム・授業の所感
まず全体的な所感として、今回のオランダ交換留学は私にとって非常に有意義な経験であり、大きく3つの理由で大成功だったと感じてます。
①CGUと違った切り口でビジネスを学ぶことができた
②授業やクラスメイトの質が高く、授業を通じて多くの気づきを得ることができた
③授業と自己研鑽学習が連動した学習サイクルを作り出すことができた
一つ目の点に関して、CGUの授業は授業を実施する教授同士がoff the classで密に連動しながらカリキュラムを進めており、かつドラッカーフィロソフィーと言われるマネジメントの根本的理念が共有されているため非常に一貫性が高い授業を受けることができます。そのため、例えばハンター教授のセルフマネジメントはまさにドラッカーマネジメントの初期段階である自身のマネジメントを学習する授業ですし、例えば山脇教授とピック教授によるデザインシンキングのように数多くの共同授業があることも特徴かと思います。
一方で、RSMは様々なバックボーンを持つ教授が各国から集まり授業を提供しています。
例えばE-MarketingのOnno教授は大手映画配信会社での勤務経験を持つ教授であるため、自身の経験に基づく活きた議論を進めるのを特徴としており、また別の例では、Innovation ManagementのMurat教授はイノベーション分野研究を進めるPh.D取得者であるため、より理論的で深い議論を実施することができます。
CGUが一貫した論理に基づく学習をすることが可能である一方で、RSMでは様々な幅の広いビジネス視点を醸成することのできるカリキュラムだったと感じました。
近年、特に変化の激しい通信業界でイノベーションの実践を目標としている私にとっては、幅の広い視点の取得が求められると思いますので、RSMのカリキュラムは私の交換留学理由との相性が良かったのだと思います。
二点目の授業の質に関しては、私の取得した授業に対する満足度は非常に高いものでした。
例えばStrategic Value Managementでは参加するインターナショナル学生のバックボーンに応じて授業内容を調整したり、また授業内で扱うDisruptive Innovationに関するケースでは、失敗例と成功例の双方をバランス良く扱うことでテーマに対する理解度を高めることができるなど、非常に良く練りこまれている印象を受けました。
また、Enhancing Creativityでは理論的な学習に加え、体を動かし、他の学生との交流を促進するエクササイズをすることで感性的に内容を理解することができたと感じております。
このEnhancing Creativityに関しては更に、授業の中で自分がクリエイティブと考える人に対してのインタビューを実施するアサインメントがあり、このアサインメントを通じて、OneJapanの創設者の方や私の所属する社内でOnen Innovationを推進する担当で活躍されている先輩方との繋がりを持つことができるなど、今までの自分自身の社会人経験では思いもつかないであろう方向からBusiness Perspectiveを高めることができたのではないかと思います。このような様々な切り口でビジネスやイノベーションを眺めることができたという部分は、非常に大きな財産になったと思います。
また、クラスメイトもさすがトップ校ということもあり、当事者意識が強く非常にレベルの高い学生が多く、刺激的な学校生活を送れたと思います。ロッテルダムでは日本人同士での集まりも多く開催したのですが、お酒を酌み交わしながらも自身の所属する(またはしていた)企業の問題点や将来キャリアに関して深い議論ができたことは私にとって大きな財産になりました(一部そうでもない日もありましたが 笑)。
そして三点目の学習サイクルに関してですが、ここは個人スキルとして非常に大きく成長できたところだったのかなと思います。
記述した通りRSMの授業はインテンシブであり、短期集中的にテーマを学習することができますが、やはり深い部分までの学習を授業内で実施することは難しいです。
そこで各授業の教授が共通でして口を酸っぱくして言っていたこととして、”自己研鑽を続けよ!”という言葉が印象的でした。
これを自分なりに解釈して、授業で得た気づきや新しい知識を個人の学習を通じて深めるという自分なりのサイクルを作ることに成功したと思います。
基本は本での学習になるのですが、そこから得た疑問点を次の授業の個人的な論点にして望むことができるなど、授業を受ける姿勢の質も向上したと感じました。
参考のためにRSMへ向かうための準備期間を含めた7月から、授業後に追加学習を実施した12月の半年間で自主的に私が読んだ本のリストも付けておきます。
意識したこととしては、基礎理論の再確認をすることと実践的なビジネス書のバランスをとって学習することでした。
■その他、個人的に進めていたこと
個人的な目標として、このRSM留学では”いかに早くRSMコミュニティーに溶け込んでいくか”という部分を意識してました。
そのため、9月にRSMで実施されたTedxや12月のGalaなどのイベントでは、ボランディアスタッフとして関わるなど、積極的に動いたつもりです。この活動のおかげもあり、通常の授業におけるチーム編成やアサインメントの実施などの部分では随分と楽になったと思ってます。
是非、今後交換留学を検討されている方は、いち早く現地コミュニティーに溶け込むためにも、自らを積極的にアピールされることをお勧めします!
■今後について
現在この記事を書いているのはオランダから帰国後、CGUでの最後の春セメスター直前になります。
今感じているのが、RSMや自己学習で学んだ内容を通じて、また新たに発生した疑問点を次セメスターの中で確認できるチャンスが残されていること。
そして、RSMでは学習することのできなかったSelf Managementやデザインシンギングなどの新しい教科を学ぶ機会があるということに、非常にワクワクしております。
RSMで習得した知識や学習習慣を存分に活かして、CGUでの最後の授業に臨みたいと思います。
併せて、残されたセメスター期間では、MBAコース卒業後の自身のキャリアや今後の人生観を家族と共に見つめ直す絶好の機会ですので、腰を据えて深掘りできればと考えております!