Benchlingは、DNAなどの配列情報を処理するフリーのソフトウェアです。Genetyx(有料)やApe(無料)のようなものです。
非常に洗練されており、しかも無料なので私たちの研究室で愛用しています。
優れた点を以下に列挙します。
- フリーソフトウェアであること(無料!)
- クラウドなので、インターネットにアクセスできればどこでも使うことができる。
- 他のソフトでできることが大体できます。見た目もきれいです。
- 研究室のアカウントを作って、ラボのメンバーと共有できます。
- これをうまく使うと、ラボでよく使う遺伝子(GFPなど)や制限酵素のリストを共通で管理できます。
- したがって、ある遺伝子配列(もらったプラスミドなど)を登録し、Auto annotateとすると自動で勝手にアノテーションしてくれます。
- 登録する遺伝子はアミノ酸配列でもよい(アミノ酸配列を変えない変異などが入っていても自動でアノテーションしてくれます)。
- Read-onlyのリンクを作ることができるので、他のラボの人に配列(とマップ)の情報をリンクだけで送ることができる。
- 例えばこんな感じ。
- ちなみに、ラボ内の共有アカウントでこのリンクを見ると、配列やマップが編集可能。
- うちはこのリンクを使って、Google スプレッドシートと組み合わせて、ラボのプラスミドのバンクを作っています。
- Benchling上でプラスミドの切った貼ったが簡単にでき、作成後のプラスミド配列も自動で作ってくれる。
- 制限酵素を使ったLigation
- Gibson assemblyも設計できます。
- CRISPR/Cas9のgRNAの設計が簡単、かつ自動で設計後のプラスミドまで作ってくれる。
逆に、問題点を挙げると、
- インターネットにアクセスできないと使えない。
- ブラウザ経由なので、ちょっと動作が遅い。
- コドンの変更ができない(例えば、テトラヒメナはストップコドンが他の生き物と違う。こういう場合に自分でコドンを登録できない)。
というところです。
ご参考までに。