オンデマンド配信
オンデマンド配信とは、インターネットを利用して非同期で教育学習を行うことです。
インターネットを利用して、教室授業の一部またはすべてを代替えします。教員はインターネット上で資料や講義ビデオを配信したり、学生から課題の提出を受けたり、教員と学生、学生と学生の間で掲示板を使ったディスカッションをしたりします。
学習支援システムであるELMSには、学習履歴の管理や進捗管理、コンテンツ配信、課題、小テストなどの機能があります。北海道大学は、学習支援システムとしてMoodleを利用しています。
課題にフィードバックを与えたり、フォーラム(掲示板)を設置したりすることによって、双方向性のあるコミュニケーションをとりながら授業をすすめることができます。 学習の進捗状況は、LMSに記録されるため、受講生の人数にかかわらず管理することができます。
Moodle(ムードル)は、インターネット上で授業のウェブページを作成・運用するためのソフトウェアです。
Moodleは、インターネットに常時接続されたサーバーコンピューター上にインストールして、いつでも使用できます。学生は,学校や自宅、通学途中などにMoodleへアクセスし,授業の資料を閲覧して予習や復習をしたり,確認テストを受けたりします。また,教員はテストや課題の採点や分析をしたり,オンラインでのディスカッションを手助けしたりすることができます。
どのような知識やスキルを修得させたいのか「学習到達目標」によって、「講義」と「活動」の組み合わせを考えます。
オンデマンド授業の教育効果を高めるために
以下の3つの要件を満たすように工夫することが効果的です。
授業の教材を配信する
教材は講義資料、教科書、講義ビデオ、音声などさまざまです。
教科書を用いる場合は、教科書のURLを示したり、ページを指定したりします。
小テストやレポート機能を利用して課題を出し、提出された課題にフィードバックする
学生は、小テストやレポート課題に取り組むことによって、授業の理解度を確認することができます。
提出された課題に、個別にコメントを返したりクラス全体の傾向をまとめてフィードバックしたりすることによって、双方向性の教育学習が実現できます。
教員は学生の理解度に応じてグループ編成をしたり、理解できるまで復習できる教材を提示したりすることによって、学生の学習意欲を刺激することができます。
フォーラムを利用して、質問やディスカッションの機会を確保する
フォーラム機能でグループワークを行い、授業をより活性化することができます。
教員と学生、学生同士で交流することによって、双方向のコミュニケーションが実現できます。
オンデマンド授業のステップ
オンデマンド授業を行うとき、5つのステップについて考慮する必要があります。
ステップ1:教材を用意する
配信用の教材を用意します。
授業で用いる教材はELMSにアップロードでき、学生は教材をダウンロードすることができます。
多くの学生はスマートフォンを使って受講します。そのため、スライドを作成するときには、スマートフォンで教材をみたり音声を聴いたりすることを想定します。スライドには文字をつめこみすぎず、最小限の情報を文字化します。文を図や表に置き換えるなど工夫することによって、より「視覚的なスライド」になります。また、音声を挿入する場合は、対面授業より若干ゆっくりめのスピードで話すとよいでしょう。
ステップ2:ELMS授業支援システムを活用する
ELMSの機能を知っておくと便利です。
授業を運営するための各種情報、サービスが集約・整理されています。ELMSにログインすると、担当している科目の「グループ」が表示されます。各種設定をすることによって、オンデマンド授業をつくることができます。
ステップ3:学生に通知する
受講スケジュール、課題などの「お知らせ」を,ELMSの「グループ管理」から配信します。
ELMSへ新しいトピックや活動を設定しても、学生へ自動的に通知されません。とくにオンデマンド授業に慣れていない学生を対象とする場合には、定期的にお知らせを配信するようにします。
ステップ4:出席確認
「課題」や「フォーラム」を設定し、授業の参加度を確認します。
教材を視聴したかどうか「ログ」で確認できます。しかし、ログを確認するだけで授業に参加していたかどうかは確認できません。オンデマンド授業では教材の配信とともに「課題」や「ディスカッション」を設定し、「授業の参加度」によって出席確認をします。
ステップ5:学習評価
「課題」や「フォーラム」を設定し、テストの得点、ディスカッションでの発言によって評価します。
小テストやレポート課題を出し、授業の理解度によって評価します。
そのほか、学生同士のディスカッションの発言によって評価する方法もあります。
オンデマンド授業導入のポイント
授業のコンテンツを自分で作ってみたいけど、何からはじめたらいいのかわからないという方へ、オンデマンド授業導入のポイントについてご紹介します。