授業デザインツールキット
北海道大学オープンエデュケーションセンターでは、教職員が効果的な授業を設計・実施するための手助けをする「授業デザインツールキット」を開発しました。
このツールキットを使うことで、同じくオープンエデュケーションセンターが開発した授業設計法「リビルド法」により、オンライン(非同期型)と対面(同期型)を効果的に組み合わせた授業を設計することができます。
このページでは、リビルド法の特徴とツールキットの使い方について説明します。
リビルド法
効果的な授業の設計および改善では、学習目標を再確認し、教員と学生、また学生同士のインタラクションを整理することが重要です。リビルド法では、授業を「コミュニケーション」「インプット」「アウトプット」「コラボレーション」「アセスメント」の5つのインタラクションから捉えなおし、どのように授業を実施するのか検討します。
リビルド法による授業の設計・改善では、授業の要素(方法、やること)を一旦バラバラにして、可視化をしながら組み立てていくという特徴があります。この方法を用いることにより、インプットの部分はオンデマンド型で行い、授業講時はコラボレーションを中心に行うなど、効果的な組み合わせで授業を設計することができます。
「リビルド法」による授業の設計方法
リビルド法では、これまで実施してきた授業方法を分析(現状把握)したあと、5つのインタラクションの観点から一旦バラバラにします(要素分析)。そして、「どのような活動をするのか」「オンラインでの実施は適切か」「同期・非同期どちらの手法を取るか」という視点をもって、準備、授業前、授業、授業後のフェーズ、すなわち時系列で組み立てなおし、一コマのブレンド型授業を設計します(改善提案)。
授業デザインツールキット
ツールキットは、以下の3つのシートやガイドで構成されています。
授業デザインシート
授業デザインボード
授業デザインシート活用ガイド
1.授業デザインシート
対面授業の一コマをブレンド型で実施する方法を計画するためのワークシートです。基本情報、授業方法、授業設計で構成されています。
2.授業デザインボード
授業方法の検討で、可視化しながら一コマの授業を組み立てる際に使用します。北大OECで開催するワークショップでは、授業デザインボードとしてmiroを使います。
印刷用授業デザインボード:ダウンロード
授業デザインボードを印刷してご利用いただけます。A3用紙など大きめの紙に印刷してお使いいただくことをお勧めします。
なお、付箋はついておりません。各色の付箋をご用意ください。
3.授業デザインツールキット活用ガイド
授業デザインシートの構成や記入する事項、ブレンド型授業を実施するにあたり検討すべき点について概説しています。また、ブレンド型授業における教授方法の実施例、「リビルド法」による授業設計の方法について紹介しています。
ツールキットを用いて授業を設計・改善することによって、以下のような利点があります。
到達目標を考慮して必要な内容を適切な順序で計画できる
・知識の提示順序やそれらを応用する活動などを整理することができます。授業改善の資料として活用できる
・授業をデザインして記録に残しておくことにより、授業を改善しやすくなります。授業方法や工夫していることをTAや他の教員と共有できる
・授業計画、方法、スケジュールが記載されているため、TAは学生のサポートをしやすくなります。
・教員間で授業方法について検討する際の資料として活用できます。
<参考文献>
杉浦真由美・重田勝介(2022)ブレンド型授業の設計を支援する教員研修プログラムの開発.日本教育工学会論文誌,46(4) 早期公開 <DOI:https://doi.org/10.15077/jjet.46018>
重田勝介(2014)反転授業 ICTによる教育改革の進展.情報管理,56(10)
中村長史・栗田佳代子(2021)インタラクティブティーチング 実践編1 河合出版
北海道大学所属の教職員に限り、ツールキットを活用したハイブリッド型授業の設計・改善に関するご相談を受け付けます。
下記のメールアドレスまでご連絡ください。
contact(a)open-ed.hokudai.ac.jp
※(a)を@に変えて送信してください。