研究紹介

(メディカル情報生命専攻・学生)

  


中川 真理子

メディカル情報生命専攻  情報生命科学群  フリス研究室  D2

研究紹介

ワカレオタマボヤ(Oikopleura dioica)のゲノム情報解析

Life images of adult male and female O.dioica (A. Bliznina et al., 2021)

ワカレオタマボヤって何?

みなさんは「ホヤ」を食べたことがありますか?ちなみに私は食べたことがありません(笑)宮城県のご当地グルメだそうです。ワカレオタマボヤは生物分類学上、ホヤと同じ「尾索動物門(Urochordata)」に属する動物プランクトンです。世界中の海に生息していて、海岸で簡単に捕まえることができます。

何が面白いの?

ワカレオタマボヤは進化学上興味深い生物!ワカレオタマボヤが含まれる尾索動物(Urochordates)と私たちヒトを含む脊椎動物(Vertebrates)はさらに大きなグループの脊索動物門(Chordata)に属します。つまり、尾索動物(Urochordates)と脊索動物(Vertebrates)は近しい親戚!その中でもワカレオタマボヤは現在生き残っている最も原始的な脊索動物(Chordates) のひとつで、脊索動物(Chordates)の起源の謎を解く鍵を握っているのです。

ワカレオタマボヤのゲノムのサイズはとってもコンパクト!ヒトのゲノムサイズは約30億塩基対なのにたいしてワカレオタマボヤののゲノムサイズは約650〜700万塩基対しかないのです。これは、非寄生性の後生動物門に属する生物の中で最小サイズ!



Deuterostome phylogeny. (Swalla, B. J., 2001)

私の研究テーマ

こんなコンパクトなゲノムの中に一体どんな情報が埋め込まれているのか?!その情報は進化学的にはどんな意味をもつのか?!を研究するのが私のテーマです。