研究紹介
(基盤科学系・学生)
小澤 歩
基盤科学研究系 複雑理工学専攻 非線形物理学研究室 博士後期課程2年
修士課程まではお茶の水女子大学(情報科学コース)に在籍していました。
研究の部屋(14:00-15:00)担当ですが、それ以外のテーマについても気軽にお話できたら嬉しいです。
↑板とヒモで作った吊り橋の上に、少しずつ違う速さに設定されたメトロノームが4つ置いてあります。
メトロノームを動かして1分ほど待つと...なんと、4つのメトロノームが息を合わせて動くようになります!
(Movie by Hiroshi Kori)
心臓の拍動、体内時計、メトロノーム、交流電力、点滅するホタルの光、コンサートの後の拍手・・・
これらには、ある共通した性質があります。
それは、リズムを刻むことです。
例えば心臓は約1秒のリズムを刻みます。また、多くの生物は、明るさが一日中変わらない部屋にいても、約24時間の生活リズムを示します。
私は、このようなリズム現象を数理的に解析する研究をしています。
どんなことがわかるの?
「リズム現象の数理的な解析」と言われてもイメージがつきにくいと思います。
上の動画を例にしてご紹介します。
この動画では、板とヒモで作った吊り橋の上にメトロノームが置かれています。これらは吊り橋の揺れを介してお互いに影響しあっていて、その結果、息を合わせてリズムを刻みます。
このように、複数のものがリズムを合わせる現象は、メトロノームに限らず、自然界で広く観察されます。
さて、
どのような場合にリズムがそろい、どのような場合にそろわないのでしょうか?
リズムがそろった場合、そのリズムの速さはどのようにして決まるのでしょうか?
例えば上の動画の場合、4つのメトロノームの速さの平均になるのでしょうか?
これらのことは、リズム現象を数式で記述すると理解できます。理解が進むと、制御もしやすくなります。
例えば、体内時計の数理モデルの解析により、時差ボケを減らすことができると期待されます。
また、私が最近取り組んだ研究では、メトロノームのようなものがたくさんあるときに、適切にフィードバックを与えてそれらを制御する方法を明らかにしました。
おまけ
(Movie by Hiroshi Kori)
最後に不思議な動画をひとつ。
これは、ある化学反応を撮影したものです。
白い線が次々と現れては広がって、不思議な模様をつくります。
実はこの現象も、リズム現象と深く関わっています。
気になる方は、イベント当日にお話しましょう!
研究の部屋(14:00-15:00)でお待ちしています。