愛する人のために働き、自然に還る
愛する人のために働き、自然に還る
日本人はなぜいつの時代も勤勉に働いたのでしょうか。愛する家族の幸せのためでした。近年は子供に高い教育を受けさせたいことが、親の労働の原点でした。戦後の復興のために親ががむしゃらに働いたのもそうでした。
今わが国が豊かになり、このような動機付けが希薄になりました。
でも家庭を大事にしたり、愛する人のためならば、気持ちよく働けるはずです。試練にも強くなります。七転び八起きです。滅私奉公という言葉も死語になりましたが、ただ勤務時間過剰だけでブラック企業と決めつけず、従業員の士気の高さも配慮すべきです。
三井倶楽部庭園
日本人は、人間が自然の一部であると考え、自然の中に生き死んできました。地震や水害などの災害にも適応力があります。自然には逆らえないという諦観があります。
幕末期にある家が火事で全焼したのに、翌日そこの女の子がにっこり笑っているのを外国人が驚いていました(渡辺京二、逝きし日の面影、平凡社、2005)。
死は日常的であり、死ななくてよかったと感じていたのでしょうか。こういうことのためにも日本人はあまりものを持たない文化でした。死をも淡々と受け入れる文化だったようです。