木材の機能性表示に関連する法規は以下の通りです
1.不当景品類及び不当表示防止法(以下,景表法)
・消費者庁の求めがあれば,一定期間内に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出する必要がある
2. 医薬品医療機器等法(以下,薬機法)
・疾病の診断,治療,又は予防に使用するもの,及び身体の構造又は機能に影響を及ぼすものは薬機法の対象となる
・人又は動物の保健のためにする生物防除剤は薬機法の対象となる
紹介している全ての機能について景表法が,主に香りの機能について薬機法が関連します
【薬機法との関連】
木の香りの機能に関して薬機法との関連をまとめると以下の様になります
(参考:関連省庁の通知・通達,類似商品の指針など)
・抗菌 疾病と関連付けず,モノや空間への影響に限定すれば非該当
・ダニ抑制 人に害を与えるダニの抑制は医薬部外品に該当
・疲労回復 疾病を予防し,身体の機能に影響する医薬品的な効能効果に該当
・精神集中 疾病と関連付けず,心理的な影響に限定すれば非該当
・鎮静効果 疾病と関連付けず,心理的な影響に限定すれば非該当
・免疫力向上 疾病を予防し,身体の機能に影響する医薬品的な効能効果に該当
・ストレス抑制 疾病と関連付けず,心理的な影響に限定すれば非該当
参考資料により判断の異なるところがあります
実際に使用される場合には,監督官庁(都道府県の薬務課など)への確認が必要になります
【木材の機能性表示について】
木材の抽出成分であるヒノキチオールを含み,薬機法の承認を得た医薬品,医薬部外品が存在します
自然素材である木材は,含まれる成分や放散量を管理することが難しく,法の適用は現実的ではありません
食品の分野では,健康の維持及び増進に役立つ機能を表示する機能性表示食品の制度が導入されています
野菜,果物,調理品等その外観・形状等から明らかに食品と認識される物は医薬品に該当しないとの規定もあります
これらを参考に木材・木製品の機能性表示について検討を進めたいと考えています.
【参考資料】
薬機法との関連
・消費者庁 2016年 「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
・芳香消臭脱臭剤協議会編 2004年 「一般消費者用 芳香・消臭・脱臭剤の自主基準」
・通商産業省生活産業局編 1999年 「抗菌加工製品ガイドライン」
・日本スポーツ用品工業協会 2019年 「医薬品医療機器等法に関する適正表示ガイドライン」
・厚生労働省業務連絡 2011年 「家庭向け医療機器等適正広告・表示ガイドⅢについて」
・全国家庭電気製品公正取引協議会編 2007年 「家電品の表示に関連する「薬事法等」についての解説」
木材の機能性表示について
・消費者庁 消食表第634号 2017年 「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」
・農林水産庁 「生鮮食品の機能性表示食品の相談窓口(野菜・果実)」
・厚労省 薬発第476号 1971年 「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」